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概要編集

いつも持ち前のポジティブシンキングと強運で仲間を集め、励まし、導いて勝利をつかんで来たラッキー………しかしSpace.11ではどこか、いや明らかにおかしかった。


  • いつも当選していた雑誌の懸賞で落選(その直後に椅子が壊れ転げ落ちる)。
  • しかも88星座占いでしし座が最下位という始末。
  • 出撃早々バナナの皮で滑ってゴミ箱に突っ込み、看板が倒れてくる
  • いきなりイカーゲンと遭遇、目の前でマーダッコも復活する。いつにも増してさっぱり攻撃が当たらず、2人の猛攻に圧倒される。
  • イカーゲンの上に瓦礫が落ちるかと思いきや、それすらも自身への攻撃に使われ腕を負傷する。
  • デスワーム出現で退避したイカーゲン達を単独で追いかける。このためデスワーム戦に参加せず、名乗りにも不在となった(センターはリュウコマンダー)上に巨大戦ではキュウレンオーが登場しなかった(代わりにリュウテイオーが初登場)。
  • デスワームが呑み込んでいたトモキュータマがラッキーの方に飛んで来るも、交戦していたイカーゲンに奪われてしまう。

イカーゲンには「お前の運命なんか、俺のラッキーで乗り越えてやる!」と見栄を張っていたが全く通用せず、逆にイカーゲンからは「"アン"ラッキーくん」「宇宙一アンラッキーな男」と罵られ、ズタボロにやられてしまった(ショウ司令からも、いつもの運頼みが通用せず焦っている事を指摘されていた)。


アンラッキーな幼少時代編集

続くSpace.12では、イカーゲンの秘密を探る為の偵察とは言えキューレットで初めて外れるというアンラッキーに見舞われてしまう。

その戦いでイカーゲンの弱点をつかみ、全員出撃の当たりキュータマが出ても一人断り部屋を出るラッキー。

様子を見に来たショウ司令に「幼い頃に両親と離れ離れになってしまい、一人だけ脱出ポッドに乗って生まれた星を離れ、辺境の(コジシ座系)惑星ルースで育った」と、作中で初めて自身の過去を語った。

そういった過去もあってか、心がヘシ折られたラッキーは「つまり俺は生まれつきアンラッキーなんだよ」と自分を卑下してしまっていた。


しかし、かつてラッキーから過去を乗り越える力を貰いキュウレンジャーとなったショウ司令の激励と、同じようにラッキーに心を動かされた「ラッキーに幸運を運ぶお守り」の叱咤を込めた拳を受けるラッキー。

やがて他のメンバーがイカーゲンとの決戦に赴く中、オリオン号のブリッジでキューレットにシシキュータマだけ入れて回す事を繰り返す。

「当たり前だよな…一つしか入っていないんだから」と呟きながらも「よっしゃ、ラッキー…」と静かに言った後、本気を見せ付けたイカーゲンに敗れかけた仲間達の元へ急行。

フタゴキュータマの連続使用によるセイザブラスターの全方位射撃でイカーゲンを弱体化し、『仲間達とジャークマターを倒すまでラッキーと言い続けてやる』と言う新たな決意を叫びイカーゲンを撃破した(この時イカーゲン側は「卑怯だぞ!」と自らの能力や行いを棚に上げる発言をしていたがこの発言はラッキーとイカーゲンの立ち位置が完全に逆転した事の表れと言える)。

しかしこの時ラッキーが立ち直り自分の力で幸運を呼べる様になった為、自分の役目が無くなったと思い込んだ「ラッキーに幸運を呼ぶお守り」が苦悩する事となった


余談だが回想に出てきた幼いラッキーの服装が(異星人独特の文化もあるとは言え)高貴な雰囲気を漂わせるせいか、ラッキーに王族及び没落貴族が浮上していた。

過去ラッキー


後にSpace.36にて、上記の推察通り彼がシシ座系の首都惑星カイエンの王・アスランの息子で、正真正銘の王子である事が判明する。


その他のアンラッキー編集

Space.11・12の様に前向きな心を失った状態ではない物の、側から見ればどう考えてもラッキーとは呼び難い事態が他の話でも起きている。


  • Space.8

イカーゲンに苦戦しオリオン号ペガさん投入要請を行うも、間の悪いことにショウ司令が小太郎を留守に残し自ら出撃した直後であり、まだキュウレンジャーについて詳しく知らない小太郎では対応できなかった為そのままやられてしまった。

なお、この話はSpace.12まで続くイカーゲン編でありこれはある意味伏線と言える。


  • Space.14

宇宙竜宮城へバカンスに入ったユーテルジャンモライマーズへ潜入中、ガルが外部から間違って作動させてしまった落とし穴にスパーダ共々引っかかりまくる(3度目は落とし穴の壁に手足を押し付け踏ん張ったが、上のスパーダが何故か落ちて来た金だらいを喰らって怯み、結局落ちてしまう)。

それでも「なんかもう(逆に)楽しくなってきたー!」とめげずに奮闘。


  • Space.18

ブラックホールを抜けた先の世界でギャバンtypeGこと十文字撃と出会うが、撃は既にマーダッコにたぶらかされて「ラッキーとナーガがストーカーだ」と吹き込まれており、逮捕しようとする撃と戦っている間にマーダッコに逃げられてしまう。


  • Space.29

過去のドン・アルマゲに一斉攻撃を加え撃破したかに見えたが、爆炎に紛れてアルマゲが飛ばした光弾が貫通して重傷を負ってしまう。


  • Space.37

父・アスラン王が既にフクショーグンククルーガの手に掛かって死亡していた事が、ククルーガ自身の口から告げられる。

ラッキー自身は「敵討ちの絶好のチャンス」と捉えたが、同時に宇宙を旅する真の目的だった父との再会が永遠に叶わなくなったと知らされたとも言える。

しかし…………


  • Space.40

カシオペア座系カローグローブンから申し込まれた野球勝負で先発ピッチャーを務めるが、その筋の良さを警戒したグローブンにより、乱闘騒ぎに紛れて腕を痛めつけられて投球が困難になり降板ツルギと交代した後、試合自体には関わらなかった


  • バトンタッチ

最終回後の恒例のバトンタッチのはずが、ルパンレッドパトレン1号が既にバトルの真っ只中で、一瞬だがその戦いに巻き込まれてしまう。

そしてバトンタッチできないまま通りすがられてしまった。

作風の違いとは言えマトモに交流する事が出来なかったのはラッキーが初めてである。


父との再度の別れ編集

Space.41にてジャークマターの本拠地・ミナミジュウジ座系惑星サザンクロスへ突入。

ミナミジュウジ座系カロー・サザンキングからの攻撃で「ジャークマターに与したアスラン王がキュウレンジャーを攻撃し、ラッキーへ共にドン・アルマゲの下で宇宙を支配するよう促す」という幻覚を見せられる。

父か仲間かの二択を迫られるが、かつての父の言葉を信じて迷いを振り払い、幻覚を破りサザンキングを倒した。

別動隊として動いていたガル達と合流するが、彼らは謎の仮面戦士の襲撃を受けておりすぐさま加勢に入るが、偶然仮面を破壊したラッキーは衝撃を受ける。

その仮面戦士こそドン・アルマゲによって操られ、仮面戦士ドン・アスランとなったアスラン王であった。

アスラン自らがジャークマターの手先となったサザンキングによる幻覚とは違い、ドン・アスランは本人の意識を仮面で封じられている状態であり、ラッキーは本当の意味で父か宇宙かの二択を迫られる事となってしまった


Space.42~43にてスティンガーからの一喝も交え、苦悩の末に得た父も宇宙も救うという決心の下、惑星サザンクロス最深部に突入し再度ドン・アスランと交戦するラッキー。

父を…自分の運を信じてドン・アスランに呼びかけ続けるラッキーであったが、ドン・アスランの猛攻は止まず、ついに剣を突き立てられてしまう。

しかし懐に入っていたシシキュータマが剣を受け止め、その光に怯んだ隙を突いてラッキーは仮面を破壊。

父をドン・アルマゲの支配から救う事に成功し、本当の意味で父との再会を果たした。


激闘の末ドン・アルマゲを倒し惑星サザンクロスから脱出しようとするラッキー達だったが、ブラックホールキュータマでプラネジューム爆弾のエネルギーを吸収する様に仕掛けた時限装置が壊れ、手動でブラックホールを発生させねばならなくなってしまう。

ラッキーは自身の強運を理由に自分がブラックホールを作動する様志願するが、ブラックホールに流れ込むプラネジューム爆弾のエネルギーには耐えられまいとアスランが役目を買って出た。

最初こそ反対するも「これまで父親らしいことをしてやれなかった私が、最後にお前を助けられるなら、こんな幸せなことがあるか?」「お前が俺の息子で、“よっしゃ、ラッキー”…」という父の言葉を受け、父に任せて仲間達と共に惑星サザンクロスを脱出。

爆発と同時にブラックホールに吸い込まれる惑星サザンクロスと運命を共にした父を、悲痛の面持ちで見届けた。


こうしてラッキーは父との再会を果たすも、宇宙と引き換えに父との別離を迎える事となったが………………この時は、かつての様に一人塞ぎ込む事はしなかった。


アンラッキーは既に受け入れられていた編集

実はSpace.12の時点でラッキーは自分のアンラッキーを受け入れていたと解釈可能。

彼のアンラッキーの原点が、幼い頃に故郷をククルーガに追い出されて両親と離ればなれになった事なのは間違いないが、もっと突き詰めるとその不遇に当時翻弄されるばかりだった自分自身を許せない事の方が本質と思われる。

この為初期のラッキーは、かろうじて覚えている父・アスランの教え『辛い時は自分の運を信じろ』の元突き進んでいたが、前述の様にSpace.11で限界が来て破綻。過去の無力だった頃の自分を思い出してしまい塞ぎ込んでしまう。

良く作品内でのガルのラッキーへの依存が言われるがこの時点ではラッキーもガルに対して無自覚ながら依存していたといえる。


しかし、この時点のラッキーには塞ぎ込んだ自分にも臆さず叱咤激励してくれる、自分の力になってくれる“仲間”が既に存在していた。

この事実に叱咤激励されて気付いたラッキーは、今の自分が昔の無力だった自分と全く違う事を改めて自覚。

それが薄れない内に彼が真っ先に取った行動こそが“心の奥に閉まっていた無力だった自分と向き合う”事だった様で、シシキュータマしか入っていないキューレットを回し続ける事が自分自身と向き合う手段(※)だった模様。

※疑似的に自分がラッキーだと思い込む事で、当時アンラッキーだったのが許せず心の底で拗ねていた昔の自分を呼び起こしていたと考えられる(または今の自分は昔の自分と違う事を改めて確認していた)。


そして無力だった昔の自分と向き合った後、自分を精神的に追い詰めたイカーゲンに一矢報いた上でラッキーが告げた新たな決意は一見するとまだ危うさが残っている様にも思われたが、答えとしてはこれが最良の物であった。

ポジティブシンキングを持ってラッキーを信じ続ける面と、アンラッキーなのを無力と考える面、そのどちらもラッキーの心だからである。

その二つに優劣を付けるのでは無くどちらも大切にする、即ち“アンラッキーな自分を受け入れる”方法にラッキーが辿り着いたからこそ、危うい面も隠さず見せた決意の言葉を告げられたのだ。


こうして自らの過去を許したラッキーは精神的に著しく成長(ただし元のキャラが明るいのでかなり解かり難い)。

精神的にドツボへ嵌り掛けた仲間を後押しして救う言葉を言える様になる、仲間の力を信じて借りる事で運に頼らずとも困難を乗り越える等、キュウレンジャーの中心人物として大きく躍進を遂げた(仲間内の前者も結果的にチームでのポジションが変わったのだが対応や行動が変わっていない為こちらも分かりにくい物となっている)。

またその一方で鳳ツルギ/ホウオウソルジャーと出会ってしばらくの間、ラッキーは彼の態度や犠牲を問わない戦い方に子供じみた反発を繰り返していた。

これは一見心の歪みが再発したかの様に見えていたが、上で述べた様にラッキーは自分の心の歪みを既に受け入れていた為、実際は過去へ目を背けていた時期の自分の姿をツルギに見出したと言うのが正しいと思われる。


そして物語終盤、生まれ故郷である惑星カイエンで父の仇であるククルーガから真実を聞かされる、実はドン・アルマゲの元で操り人形として生かされていた父・アスランと戦う事となる等、ラッキーは自分のアンラッキーの原因と直に向き合う試練に晒される。

だが既にその時の自分を受け入れていたラッキーは、悲しみ迷いながらも試練へ臆さず立ち向かい、自分が納得出来る結果を導き出す事で乗り越えて行った。

それでも結局、最後は父の自己犠牲に甘んじたが故に永遠の別れとなる望まない結末を迎えたが、ラッキーはそれもまた受け止めて先に進むと言う道を選んだ。

ある意味、これを持ってラッキーは辛い過去を完全に乗り越えたとも言えるだろう。


余談編集

創作物の不幸体質(受難)キャラには自分の不幸と上手く付き合える者と振り回される者がいるが、それを分けるのはラッキーの様に“周りに振り回されるみっともない自分”を受け入れているかどうかである。

悪い方向での実例はこちらを参照


極端な言い方をすると、大抵の不幸体質キャラ=不幸な状態を拗らせる人は自分が(周りに振り回される)自分を『みっともない』と見下す事に力を注ぎ込んでいる節がある。大抵は見下しに用いるのが自分の手の届く範囲にいる物や人の為周りへの実害が少ないのだが、もしその環境が拡大する機会を得てしまったら…?

実はラッキー達キュウレンジャーが戦う宇宙幕府ジャークマター、その頂点であるドン・アルマゲの内部に潜みその支配・組織体系を考え出した者は上の状態を長らく内心で拗らせており、それを憑りついたアルマゲに付け込まれて利用されていた。


関連タグ編集

宇宙戦隊キュウレンジャー ラッキー(キュウレンジャー)


追手内洋一こっちの宇宙一ツイてツイてツキまくるヒーローもこの時はアンラッキー(あるいは幸運の星が隠れた後か)。

ただ、「ついてねーっ!」と言う口癖から自分が被害者ぶった事を正当化している節もある一方、ほんの少し運が良かった事に注目したり自らおバカをやって痛い目に会う等、なんだかんだで自分の不幸(みっともない所)にはある程度の理解を持っている模様。

ラッキー・マクドナルド:ルパン三世 ロシアより愛をこめてのゲストキャラクター。相棒の仇を討つ寸前、弾切れを起こし、最期の言葉は「ラッキー…アンラッキー…」と自分の名に反した皮肉なものだった

キュアアンハッピー5年前の1時間後の枠における同種のネタ。

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