「着地成功オリヒメ☆ さぁ、仕事を始めるオリヒメ!」
「ホッホホホ! この世界もトジテンド王朝の支配下になるオリヒメ」
登場話:映画公開記念合体SP 特別章「界賊来たりて、交わる世界。」
データ
身長/189cm
体重/270kg
世界/オリヒメトピア
名物/願いの叶う短冊
名産/タナバスター
概要
トジテンドが『仮面ライダーセイバー』の世界に送り込んだ、織姫の世界「オリヒメトピア」を閉じ込めたオリヒメトジルギアをクダックに組み込んで、季節外れに誕生したワルド。
『セイバー』の世界を新たに発見したトジテンドがそれを掌握する為に、侵略の刺客として世界の垣根を越えて送り込まれた。
頭部は星型の仮面を貼り付けた様な造形で、もみあげから垂れる髪はロケットブースターになっている。口紅や付けまつ毛等の厚化粧を施し、頭部の両側に2つの輪を付けた双髷の様なパーツを持った顔立ちで、首回りには羽衣を模したパーツを備え付けている。
また、星空にそびえ立つ短冊を貼り付けた笹を模したハルバード・笹杖「タナバスター」を携行している。
オリヒメトピアの力を悪用する事で、タナバスターから生成した“願いの叶う短冊”に書かれた願い事(短冊の願い事はオリヒメワルド以外が書いても機能する)を本当に実現させ、その願いで恋人同士を離ればなれにする能力を行使する。
「恋人達が喧嘩しますように」と書かれた短冊を使えば、カップル達がたちまち喧嘩をし始めたりと簡単に侵略先の世界の住人を操作・混乱を誘発でき、戦闘でも願い通りに敵や周囲の物等を利用し尽くして、自分の戦闘を有利に進める事が出来る非常に汎用性の高い能力。
更にオリヒメワルドが居続ける限りその効果は持続し続ける為、人々はオリヒメワルドの願いに踊らされたまま生かされる事になる。だが、この能力にはある裏があった(後述)。
戦闘では重量のあるタナバスターを軽々と振るい、先端の穴から誘導ミサイルの様に飛ぶ星型のエネルギー弾を発射して相手を翻弄、能力を有効活用して相手の行動を自由自在に封じ、クロスセイバーを含む4対1の状況でも少しの間は耐えていた事も含めて基礎的な戦闘力は高い。只戦闘能力の大半はタナバスター由来でそれに頼り切っている為、封じられると一転して追い込まれる欠点もある。
また、光を纏って流れ星の如く高速で空中を飛び回る事も可能。
能力の性質上、作戦を有利に進められる為、常に余裕綽々で「〜オリヒメ」と人々が自分の願いで踊らされているのを見るのを楽しむ、愉快犯染みた性格のオネエ。その反面、自分の能力を看破されると狼狽し、急な事態に対応するのが苦手な一面もある。
活躍
トジテンドが発見した『セイバー』の世界を更なる侵略先として標的に定め、バラシタラの手によって誕生。
並行世界間ゲートを使って『セイバー』の世界へ訪れ、流れ星となって飛羽真ら剣士達の前に飛来し降り立つと、タナバスターから「恋人達が喧嘩をしますように」と書かれた短冊を生成して周りのカップルが喧嘩する様に仕向けて混乱を引き起こす。だが、黒い本棚では無い物のその行いを危険視した飛羽真達と対峙。
「愉快!愉快! この短冊は書いた願いが叶う短冊オリヒメ」
賢人「何が目的か分からないが、妙な事をするのは止めろ!」
「言われてやめるなら、やらないオリヒメ」
賢人の忠告も聞かずに襲い掛かり、タナバスターから放つ星形ミサイルで3剣士を翻弄するも、後を追って来たゾックス/ツーカイザーも出現。
不利を悟ったオリヒメワルドは「邪魔が入りますように」と書かれた短冊を生成してセイバー達を操作、彼らを動く盾にしてツーカイザーの攻撃を妨害し、芽依にぶつかってタナバスターの短冊を一つ落としつつ撤退した。
その後、ゾックスに興味を持った飛羽真が彼をモデルにした物語のあらすじを閃き、芽依にメモを要求すると、彼女は拾った上記の短冊を渡してしまう。
そして「大事なお宝がなくなってしまう」と飛羽真が書き込んだ結果、彼らの「宝」であるワンダーライドブックが消失。図らずも剣士達からライドブックを消失させ、変身を封じて実質的に無力化する結果となった(飛羽真達のみならず他の剣士にも影響が及んでいた)。
日を跨いでトジテンドに詳しいゾックスに協力してもらい、ライドブックを取り戻す為に飛羽真達とゾックスはオリヒメワルドの捜索を開始。
昨晩のようにオリヒメワルドの能力で喧嘩しているカップルが居るなら近くに居るのは確実だが、そんな都合良く異変が起きるハズも無いと飛羽真が呟いた矢先、自身の能力の影響で喧嘩するカップル達を見て面白がっていた所を発見されてしまう。
「オッホホホッ! 皆喧嘩して、離ればなれになれば良いオリヒメ!」
飛羽真「本当に居たとはな」
そのままゾックス/ツーカイザーとの戦闘に発展し、「もう!イライラマックスオリヒメ!」とタナバスターから星形ミサイルを放ってゾックスを攻撃、更に飛羽真ら三剣士を巻き込みつつ芽依に被弾。全身黒焦げのアフロの髪型になった芽依の姿を見て、怒りを覚えた飛羽真と賢人が向かって来るも「逃げられますように」と書かれた短冊を生成し、向かって来た2人をこれ以上進めなくして「1年後まで御機嫌ようオリヒメ~☆」と悠々と立ち去った。
しかし、願いの実現能力があるにもかかわらず「『セイバー』の世界を征服する」と言う直接的な願いの実現にそれを使わない事、攻撃の為では無く逃走の為にしか能力を行使していない事を疑問視した結果、飛羽真達はその能力の本質に気付く。
実は実現能力の正体は一種の精神操作であり、そこに書かれた内容に沿って対象者の認識を操作する物。要するに対象がオリヒメワルドの言った事を強く信じ込んでしまっただけで、これに気付かれない様「あらゆる願いを実現する」と偽っていたのだ。
これを飛羽真に見破られ、自分達も「ライドブックが消えた」と思い込まされていたと気付かれてしまう。
その後、逃亡した先の遊園地で自身を追って来た倫太郎と交戦、変身できない倫太郎を圧倒するも連絡を受けた飛羽真達が駆けつけ、数的不利を打開すべく星形ミサイルで爆撃するがゾックスに妨害されてしまう。間髪入れずにライドブックの再生の時間を稼ぐべくツーカイザーが一足先に戦う中、ワンダーライドブックが「剣士達が戦う為に必要なアイテム」以上の物ではなかった為に認識除外の影響対象外だった芽依の補助により、3剣士は再び変身。
彼らが参戦した事で一転して彼らの攻撃を防ぐのに手一杯になってしまい、戦況を変える為にタナバスターから短冊を生成しようとするも、タナバスターをブレイズの一撃で凍らされた挙句、エスパーダの雷撃で破壊されてしまう。
これで完全に無力化され、「私の願いが粉々オリヒメ…」と狼狽えていた所へ、クロスセイバーの「刃王創星斬」とツーカイザーの「ツーカイザー・ゴールドスクランブル」の同時攻撃を受けて「やっぱり季節外れだったかオリヒメ~!!」と叫んで爆散・敗北。
クロスセイバーの力が合わさった必殺技の威力にオリヒメトジルギアが耐えきれず砕け散り、そのままオリヒメトピアが並行世界へと解放。オリヒメワルドの願いは儚く散った。
こうして、『セイバー』の世界の侵略に失敗し業を煮やしたトジテンドは、作戦の失敗の原因であるゾックス/ツーカイザーを叩き潰すべく、『ゼンカイジャー』の世界にヒコボシワルドを送り込むのだった。
一方、ゾックスに盗られたオーシャンヒストリーのライドブックを取り返す為、凌牙・玲花兄妹が『ゼンカイジャー』の世界へ訪れる事になる。
余談
- 分類こそ戦隊サイドの怪人で変則的だが、声を演じる保志氏は今作が仮面ライダーシリーズ初出演となり、昨年の『ヒーリングっど♥プリキュア』のバテテモーダに続いて2年連続のニチアサ出演となった。
- その前にも『炎神戦隊ゴーオンジャー』でバルカの声を演じている為、同時にこれでニチアサ三大シリーズ全てに出演を果たした事になる。
- 更に続く30分後でもヒコボシワルドの声を兼任している。
- 上記の通り黒い本棚とは無関係の戦隊怪人だが、何故かテレビ朝日の『セイバー』公式HPではメギド一覧に記事がある(『ジオウ』HPのアナザーライダー一覧で一緒に紹介されているカッシーンと扱いが近い。ワルドと言えど「本来の出典たる『ゼンカイジャー』には登場しなかった」と言うのが理由だろうか)。
- 因みに「ライダー作品に登場し、巨大化せずに倒された戦隊怪人」の近しい例としては『仮面ライダーディケイド』でのチノマナコも存在する(あちらは「仮面ライダーに酷似した形態への変身能力を得た代償として、巨大化する術を失った」と言う相違点がある)。
- デザインはヒコボシワルドが先で、頭部を共用出来るオーダーであった。オリヒメのまつ毛や口紅は、造形では無くマスクに直接描いて仕上げた(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.114)。
- 現状では「『ゼンカイジャー』本編に登場していないワルド」である為、介人達とは一切面識が無く、尚且つ(何故かクダイテストが出撃しなかったので)巨大戦も発生しなかった為に「ダイオリヒメワルド」も存在しない(ダイワルドが存在しないワルド怪人としては初…と思われがちだが実際は本編の序盤の出来事である番外編『赤い戦い』であり、更に細かく『ゼンカイジャー』本編に絞った場合はヒドケイワルドが初の事例となる)。
- 固有能力である精神操作は、媒体となる短冊に書かれた内容に左右される性質上、使い手に相応なセンスと知能を要求する代物でもある為、圧倒的な武力で一方的に侵略先を叩き潰す半面で作戦・戦略等を立案する知力を疎かにしている傾向のある、トジテンドの連中では真価を発揮しにくい能力とも言える。
- 実際、精神操作の起点になる短冊の願い事は書き手のオリヒメワルドがその場で思い付くままに書いた内容ばかりで、使い方次第では侵略世界の全住人を一度に操作出来るだろうせっかくの精神操作能力が、ショボいレベルの嫌がらせを行うかその場凌ぎをする道具扱いで終わっていた。
- 但し、少し前の仮面ライダーセイバーでマスターロゴスが人々を争わせようとして失敗していた事や戦闘でクロスセイバー相手にそこそこ持ち堪えていた事から「コイツ、仮面ライダーソロモン/マスターロゴスより厄介な奴だったのでは?」と言う意見もある。
- 当初、トジルギアの強度は「(クロスセイバーの概念からして)セイバーにおける「剣士」達が全員で総攻撃して漸く破壊可能」であると考えられていたが、後の『ゼンカイジャー』本編にて「ゼンカイジャーがワルドを倒しても、クダイテストが間に合わなければ普通にトジルギアを破壊出来る」事が改めて判明した。
- ダイワルドになれるのはどうやら「(絶妙なタイミングで)クダイテストが出撃してトジルギアが破壊されるまでに間に合うから」と思われ、下手をすればツーカイザー単独でトジルギアを破壊出来る可能性も出て来た。
- また、『ゼンカイジャー』の世界と違って『セイバー』の世界では元々連携が余り取れていないトジテンドがクダイテストを派遣するタイミングが分からなかった可能性もあり、仮に『ゼンカイジャー』劇中の様に絶妙なタイミングでクダイテストを派遣する事が出来ていれば『セイバー』の世界でもトジルギアが破壊されるまでに間に合っていたのかもしれない。
- そもそも、忘れられがちだがクダイテストが間に合わなければトジルギアが破壊されるのは第7カイ!前(リアルでは『ゼンカイジャー』放送前)とかなり早い段階で判明している。