「織姫、見〜っけ!!」
「織姫候補の皆さ〜ん。楽しくやってますかヒコボシ~?」
登場話:第20カイ!「映画公開記念合体スペシャル 剣士と界賊、兄の誓い。」
データ
身長/186cm
体重/273kg
世界/ヒコボシトピア
名物/七夕祭り
名産/タナバスター
概要
トジテンドがゾックス/ツーカイザーを撃破する為に、彦星の世界「ヒコボシトピア」を閉じ込めたヒコボシトジルギアをクダックに組み込んで、季節外れに誕生したワルド。
オリヒメワルド同様の星型の仮面の様な顔が目立つ頭部となっているが、こちらは羽衣に当たるパーツが無く、後頭部は結い上げた髪(双髷)を模したパーツが幞頭を模したパーツに置き換わっている。当然厚化粧は施していない。
こちらもオリヒメワルドと同じく、短冊を張り付けた笹を模したハルバード・笹杖「タナバスター」を携行する。
ヒコボシトピアの力を悪用する事で、オリヒメワルドの物と同じ願望実現…ではなく、タナバスターの先端から放つピンク色の閃光で対象を消失・転送する能力を行使する。
これによって自分と引き合わせる「織姫」を探して街中を徘徊し、マジーヌや神代玲花を始め多くの「髪を後ろで束ねた」女性を転送・拉致。ヒコボシワルド1人しか得をしない強引で季節外れな“七夕祭り”を決行しようとした。
だが、実はツーカイザー=ゾックスの一番大事な家族であるフリントの拉致任務を課せられており、それを任されたイジルデの指揮下で動いていた。
しかし、ここ最近は前線に出ず研究に没頭していたイジルデがフリントの顔をまともに覚えておらず、ターゲットの詳細な情報をヒコボシワルドに教えていなかったらしく、肝心な所がいい加減な命令を下していた様子(※前線にしょっちゅう出ているバラシタラやステイシーからフリントの顔を聞き出す事も出来ただろうが、片や反目し合う間柄、片や研究成果の実験台扱いとマトモな関係を築いていない為、イジルデ本人のプライドも相まって情報を聞き出せる状態で無いのが想像に難くない)。
この結果、全く関係の無い髪形の女性達を「織姫候補」として無駄に集める成果しか出せず、元は自分の不手際から始まった事を棚上げした上司から一方的に叱責される不憫な扱いを受けた。
尚、人間やキカイノイド問わず集めて来た「織姫候補」は丸い体育館状のスペースに集めていたが、そこには機織り機があった。織物をさせる気だったのだろうか…?
オリヒメワルドと同じく自身を流れ星に変える事で高速飛行が可能。しかし視力は平凡な為、目標地点への着地に失敗したり、ターゲットを髪形と服装の大雑把な点でしか認識出来ず女装している相手に自分から向かって行ってしまう等、イマイチ使い熟せていない。
また、戦闘ではオリヒメワルド同様にタナバスターから星型のエネルギー弾を放つ事も出来るが、セイバー達と互角にやり合ったオリヒメワルドと比べて基礎戦闘力は低く、ましてや直接対決の相手は、戦闘経験も豊富で新たな力も獲得したゾックス/スーパーツーカイザーと、反則級の固有能力に弛まぬ研鑽を合わせ己の実力を極限まで引き出す一流の剣士・神代凌牙/仮面ライダーデュランダルの実力者2人であり、勝算は万に一つも無かった。
「~ヒコボシ」が口癖の口調の軽いチャラ男の様な性格で、ターゲットとした女性を「織姫」と勝手に呼びつつ転送能力で攫う似非フェミニスト。勿論攫った女性達を丁重に扱う気はさらさら無い。
活躍
『セイバー』世界の制圧の為に送り出したオリヒメワルドが、同じく次元を渡って来たゾックス/ツーカイザーに敗北した結果へ憤慨したボッコワウスだったが、ゲゲの取り成しでツーカイザーへの報復を思い付く。
そして、それへ応えたイジルデがヒコボシトジルギアを持ち出して誕生させた。
早速街中の「髪の束ねた女性」をタナバスターで転送・拉致し始めるも、カラフルの入り口でマジーヌを消失させた事で他のゼンカイジャー4人も異常を察知、マジーヌを探してアーケード街に飛び出すが、そこには手癖の悪さで凌牙からオーシャンヒストリーワンダーライドブックをくすねていたゾックスと、彼を追ってクロコダイオーのワイヤーに捕まる形で次元を超えた凌牙・玲花兄妹の姿が。
玲花「貴方達もこの界賊の仲間なのですか?」
介人「仲間みたいなもんかな。俺達はゼンカイジャーだよ!宜しく!」
凌牙「ならば、お前達も粛清する!」
凌牙が介人をゾックスと同じ粛清対象と見なして襲いかかり一触即発となりかけたその時、飛行能力でアーケード街の屋根を突き破って壮大に登場。
「うぅ…着地失敗ヒコボシ……」
玲花「貴方、この前の!…違うのか?」
「あぁ?あ~ッ! 織姫、見~っけ!!」
凌牙「玲花が消えた…? どう言う事だ?」
「大漁ヒコボシ!もっと織姫を探すヒコボシ〜♪」
着地に失敗して痛がりながら起き上がるや否や、すぐ近くに居た玲花を始めとした人々を転送能力で攫ってその場を立ち去るも、すぐさま追って来たゼンカイザーとゼンカイジュランと交戦する。
しかし、遅れて乱入し玲花を攫った事に冷静さを失った凌牙が暴れ回り、その末でトラロープに絡まって気を取られている隙にまんまと逃げおおせた。
その後も転送された「織姫候補」達である女性を丸い体育館状のスペースに集めていたが、様子を見に来たイジルデの御目当てであるフリントの姿は見当たらない。
当のフリントは『セイバー』世界で受けたインスピレーションの赴くままクロコダイオーで新アイテムの開発に集中していて、ヒコボシワルドの拉致に遭う可能性がそもそも無かったのだった。
イジルデ「んっ?おい、ヒコボシワルド。界賊の家族が居ないではないか」
「えぇっ!?では、もっと織姫候補を見付けるヒコボシ」
イジルデ「織姫等どうでも良いっ!界賊の家族を攫って来いと言ったのだ!」
「ええ~っ!?そうっすか~?」
お陰でイジルデより無駄な叱責を受けたヒコボシワルドだったが、攫った女性の中にマジーヌも混じっていたので、それを捕縛するのと引き換えでその場はひとまずお咎め無しにして貰い、イジルデに命令されるままフリントの捜索へと向かう。
その後も織姫候補を探し回っていた所、ヒコボシワルドが狙っている女性の特徴を看破したゼンカイジャーが凌牙を巻き込んで女装でおびき出すといういつものごとくトンチキな作戦を立てた結果まんまと引っ掛かり、4人+凌牙の前に流れ星の状態で接近して来たのをパラソルをバット代わりにしたジュランのスイングで打ち落とされ墜落。
直後、妹の無事を確認して戻ったゾックスからライドブックを返却され変身した凌牙/仮面ライダーデュランダルも加わり(ジュランに勧められて、戦隊風の名乗りを決める等若干キャラ崩壊気味)、クダック部隊を差し向けて交戦に突入。
だが、フリントが『セイバー』の世界で考え付いたライダーセンタイギアの力でクダックを殲滅(ゼンカイジュランはジオウⅡの予知能力、ゼンカイガオーンはゼロワン・ライジングホッパーの脚力、ゼンカイザーは火炎剣烈火のイメージを使える様になった)され、自分の分が無い事に凹むゼンカイブルーンをスルーして逃げようとした所でデュランダルに追い付かれてそのまま交戦するも、続け様に何者かに銃撃され、ふと見上げるとそこには自身が拉致している筈の玲花とマジーヌの姿が。
「えぇ~~っ!?何でお前らここに居るヒコボシ!?」
玲花「貴方、私達を舐めてたわね」
マジーヌ「捕まってた人達も、み~んな逃したもんね~だ!」
トジテンドが仮面ライダーの存在を知らなかったのが仇となり、拉致先で素性を伏せていた玲花/仮面ライダーサーベラが隙を見て捕縛されたマジーヌを解放。彼女と共闘した事でイジルデにスクラップにされかけた人々の解放と脱出を許し、今この場へ駆け付けられた結果、相手側の全戦力が揃ってしまう。
サーベラの煙で視界を塞がれた所でマジーヌの魔法に幻惑され、クレーンの上に転送された上にそこから転落、さらにタイミングを見計らったゾックスも乱入し呼び寄せたゼンカイジュウギアの力でスーパーツーカイザーにチェンジ。更に先陣争いとばかりにデュランダルも割り込み、2対1の状態に。
元々大して戦闘力は高くない上、技量と戦闘経験が豊富にあるデュランダルとツーカイザーが相手では勝ち目等まるで無く、スーパーツーカイザーの超高速攻撃を一方的に浴びた上に界時抹消による瞬間移動からの不意打ちをまともに喰らう。
こうして追い込まれ満身創痍になった挙句、「オーシャン三刻突き」と「ツーカイザー・レックスリフレイザー」の同時攻撃を受けて「織姫に会いたかったヒコボシ…!!」と叫んで爆散・敗北。ヒコボシワルドの願いも散り、季節外れな七夕は去った。
そして、直後に現れたクダイテストがヒコボシトジルギアを取り込み、ダイヒコボシワルドが誕生した。
余談
- 声を演じる保志氏は言うまでも無いが30分前の世界のオリヒメワルドの声も兼任しており、同時に『炎神戦隊ゴーオンジャー』のバルカ以来13年振り(『10 YEARS GRANDPRIX』を含めると3年振り)にスーパー戦隊シリーズ本編への出演も果たす形となった。
- オリヒメワルドと共にデザインを担当したK-Suke氏は『獣電戦隊キョウリュウジャー』でもデーボ・タナバンタのデザインを手掛けた実績が有り、Twitterでは『ゼンカイジャー』で度々連呼される「世界初」に因んで「七夕モチーフの怪人を3回もデザインしたのは自身が世界初」とツイートしている。
- デザインはヒコボシが先で、頭部を共用できるオーダーであった。彦星である事が分かり易い様、顔に星をつけることでイナズマギンガーっぽくデザインしてある。オリヒメのまつ毛や口紅は、造形ではなくマスクに直接描いて仕上げた(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.114)。
関連タグ
デーボ・タナバンタ:『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場したデザイナー&七夕&彦星繫がりの戦隊怪人。登場した回もヒコボシワルドと同じく第20話。
イブシマキヒコ:『モンスターハンターライズ』に登場した彦星を隠れモチーフとしていたモンスター。こちらは対に似た女性を片っ端から攫い続けたヒコボシワルドと違い、一途に対を探し続けたという違いがある。またコラボ回ではオリヒメワルドの方が先立たれているが、ライズ本編では彼の方が先に亡くなっている。