概要
機界戦隊ゼンカイジャーに登場する、並行世界「キカイトピア」に住む機械生命体。
その名の通り、体が無機物で構成された生命体である。誤解されがちだが、彼等はロボットやアンドロイドの類の人工物ではなく、無機物と機械の身体を持ったれっきとした生物である。
生態
前述通り、身体が無機物で構成されている為に容姿がロボットに似ている事や、身体が無機物なので人間を初めとした有機生命体より頑丈である事、同様の理由からキノコワルドの毒など有機生物に有効な攻撃が効き難い事を除けば、生態や趣味嗜好や文明レベル等はほぼ人間と変わらず、食事は人間と大体同じものを食べる他、人間のように汗や涙も流すしトイレにも行くらしい。
つまり生命維持には水分や食料などからの栄養補給が欠かせず、新陳代謝なども存在するという事であり、実際にホシガキワルドの能力の餌食になった者は脱水症状を起こしていた。
さらには幽霊やオカルトという概念もあり、魂がある事も証明されている。
体内は血液のようにオイルが流れている。このオイルもただのオイルではなく、人間を初めとした動物の血液と同様にそれぞれに血液型ならぬ油形が存在しており、オイル占いなるものもあるらしい(ちなみにマシン油形はリーダーシップに優れ、タービン油形は情に厚く、ダイナモ油形は論理派タイプ、スピンドル油形はオタク気質との事)。即ち彼等のオイルは完全に血液と同様のものであり、キカイノイドが輸血ならぬ輸油をする際にも、油型による適性があるのだと思われる。
他にも、加齢によって人間の「血圧」ならぬ「オイル圧」の上昇にも悩まされる事になる。
あくまで「生命体」である為に人間よりは頑丈なものの、人間と同じように年もとるし感情や表情も人並み豊かで性格も様々。繁殖は人間を初めとした有機生物と同様に生殖によって子孫を産む事で成され、生まれた子供はやはり有機生物と同様に食事と経年によって成長する。当然の事ながら親子関係も存在し、さらに有機生物との生殖も可能で、人間との間に子を成したケースもある。つまり彼等は身体が無機物と機械で出来ている事を除けば、人間と何ら変わらない生物である。
総じて彼等の事を評するならば、身体が無機物と機械で出来た人類と言うのが最も正しい。
ただし機械である為か、同族を破壊(殺害)しようとする時は「スクラップにする」という表現を用いており、また支配層の者達は下々の事を「スクラップ」と評して見下しているなど、彼等キカイノイドにとって「スクラップ」という言葉は、相手を見下す侮辱の言葉となる模様。
また、衣服の類は彼等キカイノイドにとっては嗜好品や装飾品の類に過ぎず、身に着けていなくても生活にも倫理的にも問題はない。他にも装飾品だと思われる部品パーツなども存在する。
さらに、バラシタラのように全身を兵器でカスタマイズしている者も存在する。
人間との関係
本編開始1ヶ月前、キカイトピアにある悪の王朝「トジテンド」が最後に残った並行世界である人間界を閉じ込めようとするが、トジルギアの誤作動によって失敗し、逆にキカイトピアの一部が人間界と融合してしまった。この為に多くのキカイノイド達が人間界に放り出される事になる。
最初こそ人間・キカイノイド共に突然の事態に困惑してパニックになったものの、やがて互いに相手の存在を受け入れていき、現在ではすっかり互いに馴染み完全に共存して暮らしている。
強固な選民思想に毒されているトジテンドの支配者層は、庶民のキカイノイド達を守るべき同族とは認識しておらず、それどころか人間同様に虐げる対象や、トジテンドを離反した反逆者などと認識している為、トジテンドの侵略時には人間界にいるキカイノイド達も容赦なく攻撃対象にされている。
一方で「トジデントの侵略により、人間界に住む善良なキカイノイドが人間に恐れられ、迫害されるのでは?」と言う心配もあり、実際に第1カイでジュランが、誤解され人間に恐れられると言う憂き目にあってしまう。
しかし、第2カイ以降そういう問題は出てきておらず、第10カイではマヒルワルドとクダックを見た人々が「トジテンドだー!」と叫んで逃げ出した事から、少なくとも一般キカイノイドとトジテンドは明確に別であると認識されている模様。流石は1ヶ月でキカイノイドを受け入れた、圧倒的な順応力の高さを誇るゼンカイジャーの人間界に住む人間達だと言える。
また、第5カイでは結婚式の参列者として人間とキカイノイドが新郎新婦(どちらも人間)を一緒に祝福していたり、第8カイでは人間とキカイノイドの女性との間で二股をかけた男性との間で修羅場が起こっていたり、また別のシーンでは人間とキカイノイドが仲良く柔道の稽古に励んでいたり、第23カイではキカイノイドの雇用についての新しい法案整備の記事が新聞に載るなど、むしろ急速に法が整備されて、その存在が日本国内であらゆる形で受け入れられている。
第24カイでは、バカンスワルドの能力でゼンカイジャーは勿論、国会の議員達もバカンス気分になり国会を解散してしまうシーンがあるのだが、このシーンをよく見ると人間だけでなくキカイノイドの議員も相当数いる事が分かる。
つまり、人間界にきて僅か半年という極短期間で国政にまで参加するという何気に凄い事をしている。本当にゼンカイジャーの人間界の人々の順応力の高さには驚かされる。
このようにゼンカイジャーの世界の人間と善良な庶民キカイノイド達は、良くも悪くも順応力が高いゼンカイトピアの住人のおかげで無事に共存できているが、特にバラシタラからはそれを逆手にとって、ゼンカイジャーメンバーには人間や庶民キカイノイドを人質にとる、あるいは洗脳する作戦が有効と判断されており、カシワモチワルドなどの力で人間(とキカイノイド)を暴徒化させたり、リサイクルワルドの力で人間をクダック化したりとえげつない作戦を使ってくる。
ちなみに善良な庶民キカイノイド達にとって、トジテンドに支配されていた頃の過去には碌な思い出が無い為に、五色田介人を初めとした人間界の人間達とは違って、レトロワルドの懐古主義による洗脳に誰一人かかる事は無かった(しかも大人のキカイノイド達だけでなく、子供のキカイノイドまでもが洗脳を受け付けなかった辺りに、トジテンドの暴政がどれ程酷かったかが窺える)。
一覧
ゼンカイジャーのメンバー
トジテンド
上記リンク参照。
一般のキカイノイド達
- 初めて出会ったキカイノイド
第1カイ!に登場。五色田介人が最初に交流したキカイノイド。
スーツはミクロフォノ星人マイクル・マイクソンの流用。またスーツアクターはゼンカイザーと同じ高田将司氏が担当した。
- キカイたこ焼き屋主人・ターさん
第1、7、16、35、38、40、47、最終カイ!に登場。画像右の人。
たこ焼き型の頭部にたらこ唇が特徴。介人と綿菓子とキカイたこ焼きの物々交換に応じるが、その直後にトジテンドの妨害にあってしまう。しかし、その後も介人との交流を続けているようで、第7カイではかりんとうと交換していたりと、人間界のお菓子をかなり研究している模様。
キカイトピアにいた頃は第3地区の出身で、ジュランとは出身地区が近いらしい。
第35カイ!では、ダイヤワルドのカタクナルフラッシュでたこ焼きが固くなってしまい、お客さんに怒られるというとばっちりを受けた。第38カイ!では、ボンワルドの能力で同じくたこ焼き職人だったご先祖様が幽霊として復活し、彼からたこ焼きの指南を受けていたのだが、途中で暴走したご先祖様によって襲われてしまい、ボンワルドが倒されてご先祖様が消滅した事で、何とか事なきを得た。
第39カイ!では登場はしないが、介人の誕生日パーティのお祝いメニューにヤツデと一緒に作ったたこ焼きとお好み焼きの盛り合わせを提供していた。
第40カイ!では、ハカイジュウオーの攻撃で街が破壊された際の余波で屋台が瓦礫で潰されてしまい、民間人の救助に向かっていた介人に手伝ってもらい瓦礫を退かしていた。この際に謝罪する介人に対して、「ゼンカイジャーのおかげでこの程度で済んだ」と言って彼を励ました。
第47カイ!では、スーさんに乗り移った神によってキカイトピアに連れ戻されて混乱しているところを、イジルデストロイヤー4世によって襲撃される。他の仲間達と逃げている途中で偶然介人とブルーンが堕としたギアトリンガーを拾い、ゼンカイジャーを援護しようとするがギアトリンガーの反動に戸惑っているところに介人とブルーンが合流し、二人にギアトリンガーを返して仲間と共に避難する。
最終カイ!では、トジテンド壊滅後に一市民として受け入れられたクダックの一体を弟子にしている。
- ケイービ
第1、3カイ!に登場。
その名の通りスカイツリーの警備員を務める男性。
- ナビルス
- バチルダ
第3カイ!に登場。マジーヌが憧れる人気占い師。
ナビルスはコード占いが得意な男性、バチルダは火花リーディングが得意な女性。
- ケミィ
CV:高岡香
第17カイ!に登場。座敷わらしに似た格好をしたオカルト好きのキカイノイドの女の子。
マジーヌと万里、織恵と共に寺乃町オカルト同好会を結成している。
- メロリア
CV:高岡香
第18カイ!に登場。作曲の好きな女性。
レンアイワルドのレンアイパワーの影響で、ゾックス・ゴールドツイカーの歌声に聞いて彼に恋をしてしまい、彼に自分の歌を歌わせようとしていた。しかし、レンアイワルドがレンアイパワーのレベルを上げた事で、恋愛をし始めた他の人々と同様にゾックスと仲違いを起こして喧嘩をし始めて(喧嘩の理由は音楽性の違い)、ゾックスの顔面に手形が残る程の平手打ちを浴びせる。
ゼンカイジャーがジェットマンセンタイギアを使用した時にも司祭役で参加した。何気にワルド撃破に関わった最初の一般キカイノイドだったりする。
レンアイワルドが倒されて正気を取り戻すと、ゾックスについて「全然タイプじゃ無いし、『俺様』とかむしろ草」と彼を振ってそそくさと去っていった。ちなみにゾックスの方は割と本気でメロリアに惚れ込んでいたらしく、その後もしばらく失恋のショックを引きずっていた。
- キカイノイド専門医師・イシャーン
第23カイ!に登場。都内の総合病院に勤務しており、名前は診察室の表札から確認できる。
作中ではトウギュウワルドによって闘牛化した人々からの集中攻撃で、負傷したガオーンを治療していた。病院内ではキカイノイド専門の外科医として専用の診療部署を与えられて勤務しているらしく、キカイノイドの為の医療設備も普及して整えられている事が窺える。
第47カイ!では、ゲゲイシーによってキカイトピアに連れ戻されており、他のキカイノイドと一緒に戸惑っているところでゼンカイジャーと再会。この際にガオーンからは「藪医者」と呼ばれていた。
- ラーメン屋主人・ラーさん
第23カイ!に登場。介人がジュランに連れられて訪れたラーメン屋の屋台を経営している。
第39カイ!では登場はしないが、介人の誕生日パーティのお祝いメニューに自分の店で出している味玉とメンマを提供していた。
第47カイ!では、ゲゲイシーによってキカイトピアに連れ戻されており、他のキカイノイドと一緒に戸惑っているところでゼンカイジャーと再会する。
- 牢獄にいたキカイノイド達
第32カイ!に登場。トジテンドの地下牢獄で反逆者として捕らえられていた。
その後は、たまたまその場に迷い込んだステイシー(in介人)の機転によって解放され、彼に対して礼を言いながら逃げていった。
最終カイ!でも再登場。元々トジテンドに反逆者として捕らわれていただけあって、トジテンドに批判的な立場で活動していた者達であったらしく、トジテンド壊滅後はステイシーと共にキカイトピア復興の中心メンバーとなっている。ステイシーの事は自分達を助けたのが違う人物だと分かった上で慕っており、当初は彼に新たな王になるよう望んでいたが、ステイシーの“キカイトピアに一人の王はもういらない”という考えを受けてそれを歓迎し、改めてステイシーと共にキカイトピア復興に邁進する事を約束する。
さらに『Vシネクスト』にも登場しており、新たなトジテンド復興を目論むDr.イオカルによってステイシーを恐喝する為の人質として捕らえられてしまい、再びステイシーと共に地下牢獄に投獄されるが、トジテンドパレスに潜入した宝路と夜野魁利によって救出されて無事に避難した。
余談
トジテンドも含めた作中に登場するキカイノイド達が全員日本語を使っている事については、彼等はキカイトピアにおける日本人だからだと思われる。本作の並行世界は正確には我々が住む地球をベースにしつつ、それとは異なる点があるIFの世界であり、ゾックス達もカイゾクトピアの日本人なので、日本語を話せるし読み書きできるという事が公式サイトにて説明されている。
この事から、トジテンドが存在するのはキカイトピアにおける日本に相当する土地であり、トジテンドの侵略が始まった場所や、その失敗によってキカイノイド達が転送された場所が全て日本だったのもこの為だと思われる(実際にカイゾクトピアで最初に侵攻を始めた場所も、ゾックス達がいた土地=カイゾクトピアの日本に相当する土地からだった)。
実際に作中では、トジテンドの本拠地であるトジテンドパレスは東京スカイツリーと対比される描写が多く、この事からトジテンドは日本の東京の位置に存在する国家だと思われる。
またこの設定からも、キカイノイド達はロボットやアンドロイドの類ではなく、あくまでキカイトピアにおける人類に相当する種の生命体である事が改めて窺える。
仮面ライダー電王のイマジンとは主人公をサポートする、声優陣やスーツアクター達のアドリブが多い、何体もいる善玉の人外レギュラーであるなど共通点が多く、多くのファンが彼等を連想したことだろう。スーパーヒーロー戦記ではジュランがモモタロスに対して「キャラ被ってんだよてめえ」と言うシーンがある。
モブとして登場しているキカイノイドは、これまでに登場した東映作品のキャラクターのスーツの改造やパーツを流用したもの。
改造元は確認できる範囲では以下の通り(参考ツイート)。
- エナジー・ドーパント
- 機械人ミランダ
- 美少女忍者フラビジェンヌ
- チューバゾード2
- モータスバグスター(アトラクション用スーツ)
- 蛮機兵ウガッツ
- ゴーミン
- ボウガンス
- ショベルロイド(アトラクション用スーツ)
- 飛電インテリジェンスに展示されていたヒューマギア素体
- ミューズィックのマズアータの腕のシンバル
- フライングスマッシュ
- バリゾーグ
- スゴーミン