「感じるぞ……キノコの世界の力~!」
「“可愛い~”だの、“美味そう~”だの、油断するからキノコ!」
登場話:第2カイ!「ガオな野獣がごやっかい!」
データだキノコ
身長/192cm
体重/288kg
世界/キノコトピア
名物/野生のキノコ(毒胞子)
名産/スマッシュパンチ、ギャラクティカマシュルム
概要だキノコ
トジテンドが人間界侵略の為に、キノコの世界「キノコトピア」を閉じ込めたキノコトジルギアをクダックに組み込んで、ニョキっと誕生したワルド。
紫色の如何にも毒がありそうなキノコを模した部位を持ち、頭部が天辺の笠が横に張ったアダムスキー型UFOにも似た縦長のキノコ、右腕は丸型のキノコの形をしたボクシンググローブ、左腕はキノコを複数生やした木を模したスパイクナックルと化しており、全体を俯瞰するとキノコがクダイターを乗っ取り、肉体として利用しているようにも見える。
キノコトピアの力を悪用する事でキノコパワーを広範囲に拡散、街の各所や屋外に居た人間とキカイノイドの頭に色とりどりな“野生のキノコ”を生やす能力を行使出来る。
このキノコは一見すると無害だが毒を含んでおり、キノコワルドの意思一つで笠より生物に有害な毒胞子を放出、拡散させ苦しめる。勿論生えたキノコを抜いても次が新しく生えて来るのでキリが無い。
つまり、キノコを生やした人々が方々に散ったタイミングで胞子を出し、広範囲の人間を一気に毒で苦しめ身動きを封じる戦略が取れる能力であり、対して人間と比べて身体が頑丈なキカイノイドには毒胞子が殆ど効かない事から、人民キカイノイドをキノコの運び役にしてトジテンドの侵略行為に事実上加担させてもいる。
また、身体能力とパワーが格段に上がっていて、戦闘では両腕の拳具を用いたボクシング戦法を繰り出してくる。必殺技は左腕から繰り出すアッパーカット「スマッシュパンチ」と、重量のあるゼンカイジュランを簡単に吹き飛ばす右ストレート「ギャラクティカマシュルム」。
下級兵士からいきなり強力な存在へ進化した事に対して感覚が些か追い付いて無いらしく、「~キノコ」と言う口癖を意識して呟く事で状況に早く慣れようとする一面も見せる。
キノコトピア
第27カイ!で、トジテンドから逃げた美都子博士を探す為に介人達が訪れた、キノコトジルギアに封じられていた並行世界。
やはりと言うべきか、あらゆる場所に大小様々なキノコが生えている世界。
他の世界と比べると、大規模な文明開花が起こっていない様で、手つかずの自然や遺跡の様な場所も点在している。
住人は弥生時代の衣服の様な民族衣装を着ているが、どの住人も頭にキノコを生やしている。
この世界には(と言うよりどの世界にも必ず)スーさんのそっくりさんがいる。
活躍だキノコ
ゼンカイジャーの出現により、侵略行動が阻止された状況に動揺の走ったトジテンド首脳部において、ゲゲの呟きに反応したイジルデがキノコトジルギアを持ち出しクダックの一体に組み込んだ事で誕生。
誕生してすぐに、ビルの屋上からキノコパワーを街へ放ち、街中の至る所やガオーンを含めた屋外の人間・キカイノイドの頭にキノコを生えさせる。程無く、外の異変に気付いた介人とジュランに見付かってしまう。
イジルデ「気付かれたか。キノコワルド、やってしまえ!」
「……」
イジルデ「お前だよ!」
「あ、俺ですか!?」
「キノコトジルギアのパワー、思い知るキノコー!!」
イジルデに促される形で交戦を開始。すぐに自分達と同じ「ギア」の力を用いているのを知った介人/ゼンカイザーがゴーグルファイブギアを使って新体操のリボンを装備、ゼンカイジュランと共にリボンを振り回しての動きへ翻弄された上でリボンの先を結んでの縄跳びに誘われるも跳べずに引っ掛かり、リボンを通しての電撃を喰らう。しかし直後に頭から目晦ましの胞子を放ち、それに紛れて逃走した。
それからイジルデと共に日を跨いで、ゼンカイジャーや街の人々の動向を観察。密かに作戦実行のタイミングを見計らう。
「お、イジルデ様。奴らキノコに慣れてきたキノコ」
イジルデ「お前、その″キノコ″って喋り方はどうした?」
「あぁ! 俺、キノコワルドになりたてキノコ。自分が″キノコワルド″だって忘れない様にキノコ!」
イジルデ「良い心掛けだ。 では、次の段階へ進むとしよう!」
そして、彼らが油断し切っているのを確認するやキノコより毒胞子を放出させ、人間や生物を苦しめ始める。
「トジルギアのおかげで、広い世界を一気に征服キノコ~!」
イジルデ「研究した甲斐が、あったと言う物…!」
そう言い合いつつ高みの見物と洒落込んでいる所に、ゼンカイジャーが出現。更に生き物が毒に苦しむ様へ義憤を滾らせたガオーンも遅れて参上、介人よりギアトリンガーとゼンカイガオーンギアを受け取りゼンカイガオーンに。
それへ対しクダック部隊を嗾けるも、ハリケンジャーギアを用いた『影の舞』によりアッサリ全滅。しかし隙を突いてスマッシュパンチでゼンカイザーを空高く打ち上げ(※落下地点へゼンカイガオーンが先回りしてキャッチされた)、ゼンカイジュランをギャラクティカマシュルムで吹っ飛ばしノックアウト。
だが残るゼンカイガオーンはスピーディーでアクロバットな格闘戦で喰らい付き、手直にあった自動車を殴ってぶつけるも乗り越えてかわされた挙句、足を掴まれて投げられた所にゼンカイザーの連続キックを貰い吹っ飛ばされてしまう。
最期は起き上がった所に、「ゼンカイフィニッシュバスター」叩き込まれ敗北・爆散。後には破損したキノコトジルギアが残され、街中の毒キノコは消滅した。
イジルデ「安心するのはまだ早い。クダイテスト!」
しかし直後、イジルデが増援として呼び出したクダイテストがキノコトジルギアを偶然踏んだ事で、ダイキノコワルドへと変化するのだった。
余談だキノコ
- 声を演じるかぬか氏は『動物戦隊ジュウオウジャー』の鰐男以来5年ぶりの登場であり、スーパー戦隊シリーズの怪人役を演じるのは今回が初となる。
- 尚、ジュウオウジャーには、頭部の形がキノコを彷彿とさせる怪人・ガッカリゼが登場している。
- キノコモチーフの戦隊怪人は『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のクレオンが直近だが、通常怪人に絞れば『侍戦隊シンケンジャー』のズボシメシ以来になる。
- 必殺技名はキノコの一種「マッシュ」ルームと掛けている。
またギャラクティカマシュルムの元ネタは『リングにかけろ』の“ギャラクティカマグナム”でゼンカイジュランを吹っ飛ばしたシーンが完全にパロディになっている(元ネタのシーンでは「BAKOOOOOM」とオノマトペがついているが、こっちのシーンでは「MASHROOOOM」になっている徹底ぶり)。
- 因みにがそれが連載されていた少年ジャンプでは現在奇遇にも、「マッシュル」ームに掛けたタイトルを持つアブノーマル魔法ファンタジー漫画が連載中だったりする。
- 尚、今回加入したゼンカイガオーンの元ネタである百獣戦隊ガオレンジャーではキノコはガオキング(=ロボ)に活力を与える物として描かれていたが、キノコワルドは生命の活力を蝕む存在と真逆になっている。
- 彩の国ビジュアルプラザで行われたスーパー戦隊ヒストリー展の360°シアターでも登場。skipシティを舞台にゼンカイジャーと戦った。
- 本編終了後のファイナルライブツアーでも再生ワルド軍団の一人として登場している。
- ギャラクティカマシュルムの名称はデザイン担当のK-SuKe氏によって命名され、以降もダジャレ武器を考えるのが基本フォーマットとなった他、松井大氏曰くそのネタを拾う事がゼンカイ脳の始まりになったとの事。裏モチーフはキノコの傘とテンガロンハットを掛け、ダイナイエロー・南郷耕作。帽子の縁の模様をミサイルの発射口に活かしてデザインしている(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.111)。