概要
『機界戦隊ゼンカイジャー』の敵・悪の王朝トジテンドが用いる歯車型アイテム。
最高技官のイジルデによって開発され、鋭い爪で握り締められて閉められたシャッターを思わせる禍々しい造形をしている。外見は共通した造形だが、閉じ込めた並行世界を表す野太い電子音と浮かび上がるイラストで世界の判別が可能。
第1カイ!冒頭等で登場した、トジテンドパレス最深部に存在する蠢く黒い天球儀のような機械が中枢装置であり、この装置によって全てのトジルギアは制御・管理されている。
並行世界そのものを閉じ込めて封印する力を持っており、トジテンドはそれを用いて歴代スーパー戦隊の世界を含む数多ある並行世界を閉じ込める事で侵略した。
しかし、最後の世界となった人間界(後のゼンカイトピア)には何故か力が通じず、逆にキカイトピアの一部と人間界が融合して、多くのキカイノイドが人間界に転送される事態になってしまう。
イジルデら幹部は、後に作中でその力をワルドを誕生させる事に悪用するようになり、クダックの体内に直接トジルギアを埋め込むと言うプロセスでクダックをワルドに進化させて、幹部達がそれぞれ自分達の戦力として侵略作戦を行う。
ただし、ワルドがダイワルド込みで倒されてしまえばトジルギアは破壊され、それと同時に封印された並行世界も解放されるという重大な欠陥がある。その事と第6カイ!の様にトジテンドにとっても不快な世界になり得る能力もある為に、あくまでボッコワウスの許可の下で製造を許され、さらに一度の作戦に幹部それぞれが投入可能なトジルギア=ワルドの数は1体のみ等、使用はかなり制限されている。
味方側サイドが使っているセンタイギアとの関連性は現時点では不明だが、第2カイ!における、
イジルデ「何っ!?貴様らもギアを使っておるのか!?」
介人「俺の母ちゃん達が作った、センタイギアだ!」
イジルデ「ぬっ!?ぐ…偶然だなぁ…。我らのトジルギアは、我輩が開発したのだ」
とのやり取りから、イジルデは何かを知っている可能性が高い。
また第4カイ!の冒頭では、「トジルギアが破壊されればそこに封印された世界が解放される」という欠陥を、ブルーンが報告するまで開発者のイジルデ自身が全く知らなかった事が発覚。
そもそもイレギュラーであるダイワルドへの変貌はともかく(クダイテストもクダックも元は同じなので予想の範疇ではあるが)、基本的かつ重大なこの事実を「開発者」であるイジルデ本人が知らなかった辺り、根幹の技術はどこか(少なくともギアタイプの何か)から盗用された物である可能性が高い。
第13!カイでは試作品として造られ、何の世界も力も宿していない「ダミートジルギア」が大量に登場し、作戦の為リサイクルクダックにされた人々に配布された為、ヤツデは「仲間の証として構成員全員が所持している」と誤解したが、それは元トジテンド構成員のブルーンに否定されている。
またこのダミーの存在から、トジルギアシステムそのものの開発者はイジルデである事は確定した(おそらく大本の「ギアに何かを閉じ込める」と言う発想を何処からか持って来たと思われる)。
クダックと融合したギアの強度はかなり高く、ゼンカイフィニッシュバスターの直撃を受けても損傷しつつも残る程で、更にダイワルドを倒せるだけの攻撃力をぶつければ破壊可能。
ただし、これはあくまでクダックとの融合で強度が上がっているだけであり、第44カイ!ではゲゲに乗っ取られたステイシーによって、ギアトジンガーの銃撃のみで破壊されている為、トジルギア単体の強度はそこまで高くない(実際に、未使用のトジルギアを転用して作ったとされるダークセンタイギアも、ツーカイザーの銃撃で簡単に壊れている)。
加えて、ワルドが倒された直後のトジルギアも自壊寸前の暴走状態であり、クダイテストが何らかの理由で来なければそのまま普通に壊れる。実際にクダイテストが来なかった『赤い戦い』や第25カイ!では、ギアはそのまま壊れている。(ただし、クダイテストは並行世界間ゲートを通じて即時に転送されてくるので、トジテンド側にクダイテストを送る意思が無い場合でもなければ、事前にギアを破壊してダイワルド化を防ぐのは極めて困難である)。
尚、世界を閉じ込めている詳細なメカニズムに関しては不明。
少なくともワルドが力を引き出したり世界法則を書き換えたり出来る事から、イジルデが作った時点で世界そのものをエネルギー源として利用する構想があった事は間違いない。
また、一つ一つが世界そのものに影響を及ぼす代物な為、複数のトジルギアの能力を同時使用する事は不可能で、それをやった場合は互いに力を相殺し合ってしまい何も起こらない。
トジルギア一覧
カイ! | 名前 | 閉じ込めた世界 | 使用ワルド |
---|---|---|---|
第2カイ! | キノコトジルギア | キノコトピア | キノコワルド |
第3カイ! | コオリトジルギア | コオリトピア | コオリワルド |
第4カイ! | ボクシングトジルギア | ボクシングトピア | ボクシングワルド |
第5カイ! | スシトジルギア | スシトピア | スシワルド |
第6カイ! | ゴミトジルギア | ゴミトピア | ゴミワルド |
第8カイ! | ドアトジルギア | ドアトピア | ドアワルド |
第9カイ! | カシワモチトジルギア | カシワモチトピア | カシワモチワルド |
第10カイ! | マヒルトジルギア | マヒルトピア | マヒルワルド |
第11カイ! | オニゴッコトジルギア | オニゴッコトピア | オニゴッコワルド |
第12カイ! | カタツムリトジルギア | カタツムリトピア | カタツムリワルド |
第13カイ! | リサイクルトジルギア | リサイクルトピア | リサイクルワルド |
〃 | ダミートジルギア | 無し | リサイクルクダック |
第15カイ! | レトロトジルギア | レトロトピア | レトロワルド |
第16カイ! | ジシャクトジルギア | ジシャクトピア | ジシャクワルド |
第17カイ! | トウメイトジルギア | トウメイトピア | トウメイワルド |
第18カイ! | レンアイトジルギア | レンアイトピア | レンアイワルド |
第19カイ! | カブトムシトジルギア | カブトムシトピア | カブトムシワルド |
セイバー特別章 | オリヒメトジルギア | オリヒメトピア | オリヒメワルド |
第20カイ! | ヒコボシトジルギア | ヒコボシトピア | ヒコボシワルド |
第21カイ! | コピートジルギア | コピートピア | コピーワルド |
第22カイ! | トウギュウトジルギア | トウギュウトピア | トウギュウワルド |
第24カイ! | バカンストジルギア | バカンストピア | バカンスワルド |
第25カイ! | ヒドケイトジルギア | ヒドケイトピア | ヒドケイワルド |
第28カイ! | マンガトジルギア | マンガトピア | マンガワルド |
第29カイ! | テニストジルギア | テニストピア | テニスワルド |
第30カイ! | ホシガキトジルギア | ホシガキトピア | ホシガキワルド |
第31カイ! | ギュウニュウトジルギア | ギュウニュウトピア | ギュウニュウワルド |
第32カイ! | サカサマトジルギア | サカサマトピア | サカサマワルド |
第33カイ! | ガクエントジルギア | ガクエントピア | ガクエンワルド |
第34カイ! | ハロウィントジルギア | ハロウィントピア | ハロウィンワルド |
第35カイ! | ダイヤジルギア | ダイヤトピア | ダイヤワルド |
第36カイ! | ビックリバコトジルギア | ビックリバコトピア | ビックリバコワルド |
第37カイ! | ダイコントジルギア | ダイコントピア | ダイコンワルド |
第38カイ! | ボントジルギア | ボントピア | ボンワルド |
第38、39カイ! | ショウガツトジルギア | ショウガツトピア | ショウガツワルド |
第41カイ! | メントジルギア | メントピア | メンワルド |
第42カイ! | コタツトジルギア | コタツトピア | コタツワルド |
第43カイ! | ムカイカゼトジルギア | ムカイカゼトピア | ムカイカゼワルド |
第44カイ! | SDトジルギア | SDトピア | SDワルド |
〃 | 海賊トジルギア | 海賊トピア | - |
第45カイ! | オミクジトジルギア | オミクジトピア | オミクジワルド |
第46カイ! | ニンジントジルギア | ニンジントピア | ニンジンワルド |
〃 | サファイアトジルギア | サファイアトピア | サファイアワルド |
〃 | コウモリトジルギア | コウモリトピア | コウモリワルド |
〃 | ジャガイモトジルギア | ジャガイモトピア | - |
〃 | ゴボウトジルギア | ゴボウトピア | ‐ |
第48カイ! | イワヤマトジルギア | イワヤマトピア | ボッコワウス(バトルモード) |
〃 | (名称不明) | スーパー戦隊の世界 | 〃 |
劇場版 | スーパー悪者トジルギア | スーパー悪者トピア | スーパー悪者ワルド(&ノーマル悪者ワルド) |
スーパーヒーロー戦記 | ライダートジルギア | 仮面ライダーの世界 | ライダーワルド |
ゼンキラセンパイ | カルビトジルギア | カルビトピア(疑似) | カルビワルド |
ひみつ全開ファイル2 | キックボクシングトジルギア | キックボクシングトピア | キックボクシングワルド |
ひみつ全開ファイル3 | プレスキトジルギア | プレスキトピア | プレスキワルド |
ひみつ全開ファイル4 | タイヨウトジルギア | タイヨウトピア | タイヨウワルド |
〃 | サクラモチトジルギア | サクラモチトピア | サクラモチワルド |
ひみつ全開ファイル5 | カイトウトジルギア | カイトウトピア | カイトウワルド |
余談
第1カイ!冒頭の歴代スーパー戦隊の世界が封じられていくシーンではそれぞれ
- 『秘密戦隊ゴレンジャー』第2話「青い地球!死の砂漠化計画」
- 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』第7話「みえる、みえる」
- 『魔進戦隊キラメイジャー』エピソード4「亡国のプリンセス」
の本編映像が、一部新規シーンを挿入して流用されている。それによってゾルダー、ドーラゴブリン、ガルザが登場している。
また、追加戦士であるツーカイザーことゾックスを始めとしたゴールドツイカー一家はこれらを含めたトジルギアを狙っている。狙っている事自体は登場当初より示唆されていたが、「SDトピア」の呪いでSD化された双子の兄弟、カッタナーとリッキーを元の姿に戻す為であり、SDトピアを開放してもう一度そこに行き、呪いを解こうとしている事が第10カイ!にて明かされた(事情を聞くまで介人は「兄弟同士で姿が違う世界もある」と思っていた)。
商品化
2023年発送の「ギアトジンガー -MEMORIAL EDITION-」で初の商品化がされたが、観賞用の為、同商品には入れる事が出来ない。
関連タグ
支配の崩壊と野望の再開、未来への再展開(ネタバレ注意)
第48カイ!において、残存する全てのトジルギアをボッコワウスが取り込み、ゼンカイジャーと交戦する。イワヤマトピアの力で巨大な岩山を作り出し、轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケントピア(仮)、魔法戦隊マジレンジャーのマジレントピア(仮)、百獣戦隊ガオレンジャーのガオレントピア(仮)、恐竜戦隊ジュウレンジャーのジュウレントピア(仮)、秘密戦隊ゴレンジャーのゴレントピア(仮)の力でゼンカイジャーを追い詰めるも、トジルギアの中にいる先輩戦隊達の力に反応して逆にゼンカイジャーのギアが復活。ついにボッコワウスは倒されて全ての世界が解放される。
しかしその後、介人に何者かが憑依。操られた介人は事前にフリントの身体を使って細工をしていたトジルギアの中枢装置を起動し、キカイトピアやカイゾクトピアを始めとした介人達が暮らす人間界以外の全ての並行世界を再び閉じ込めてしまう。
最終カイ!において、その何者かこと「並行世界を創った“神”」の語った所によると、トジルギアシステム自体はイジルデが五色田夫妻のセンタイギアの技術を盗用して完成させたものであり、それを“神”が大量に創った並行世界の整理に利用していたとの事。
しかし、五色田夫妻のセンタイギアの技術をそのまま盗用した事が仇となって、センタイギアとは相互作用あるいは反作用する関係になってしまい、夫妻の出身世界でありセンタイギアが存在していた人間界は閉じる事ができず、逆にキカイトピアの一部が融合する不具合が発生した。
そこで“神”は、要所要所で干渉しながらセンタイギアを使う勢力=ゼンカイジャー達とトジテンドを互いに戦い合わせ、どちらかが倒れたタイミングで改めてトジルギアシステムの中枢装置を再起動して、今度こそ世界を封印もとい整理するタイミングを窺っていた。
そして第48カイ!ラストで“神”はその目論見を成功させるも、記憶を改竄して元の世界に戻していた介人が僅かな違和感から改変に気付き、更に手元に残っていたブランク状態のセンタイギアを見つけた事で完全に記憶を取り戻す(ここからもトジルギアとセンタイギアが反発し合う存在であるのが覗える)。
そして、精神世界で“神”と介人は対決し、介人の仕掛けた勝負に“神”が負けた事で“神”は中枢装置の場所を教え、事実上トジルギアシステムの使用権を放棄。東京スカイツリーの上空にステルス迷彩で隠されていた中枢装置を、介人がゼンリョクゼンカイフィナーレバスターで破壊した事で改めて全並行世界は開放され、介人の元へもキカイノイドの仲間達とゴールドツイカー一家が帰って来た。
かくして、とある並行世界の王朝が選民思想の延長で生み出した、全ての並行世界の自由を奪う冒涜的な大機械装置(デウス・エクス・マキナ)は、世界の垣根を越えて他者と繋がり合おうとする青年へ心動かされた、本物の“神”にも見捨てられて破壊される末路を迎えた。
そして自由になった各並行世界の住人達は、ゼンカイジャーの生まれた世界「ゼンカイトピア」を象徴として各々が世界を行き交って混じり合い、新たな未来へと進み始めるのだった。
関連タグ(ネタバレ)
ゾンダーメタル:別次元の宇宙に在った星系で、諦めないで困難を乗り越えようとする意志=勇気を触媒として無限のエネルギーを生み出す情報サーキットの技術を用いて生み出されたマイナス思念除去装置。しかしマスタープログラムの暴走によりマイナス思念を触媒・糧とする機械生命体に変貌、「マイナス思念を除去する為に全宇宙の生命を機械へ取り込む(機界昇華)」事を目的とする侵略者にして、別の宇宙にも厄災を齎す存在へと成り果てた。
誕生経緯上、技術元やそれの出力を強化した姉妹品とは反物質の関係になっており、姉妹品の方は反物質の性質を利用して相討ち覚悟でマスタープログラムを消去する戦術プランも組まれていた。