🥊概要
起源の一説として、古代ギリシアの苛烈なスポーツ格闘技であるパンクラチオンが挙げられるが、動きの自由度が高い両手という部位、その硬い拳骨部分を用いて相手を殴るという行為自体は二足歩行を始めた人類にとって本能的に避けられない事象たり得る。
また同時代には「ピクス(ピグメ)」と呼ばれる拳に覆いをつけて殴り合う競技も存在した。ルールは現代ボクシングとかなり差がある(後述の初期ベアナックル式に近いルールかつ硬いグローブで行う危険な競技である)ものの、これも起源と考えられる。ローマ帝国の時代には「ピュジリズム」と呼び名を変え、スポーツ競技ならびに興行としての隆盛を見たが、帝国の衰退・分裂もあってその歴史は一度断絶する。
近代ボクシングの始まりは17世紀末期とされており、現在の制約が厳しいルールになる以前のボクシングは「ベアナックル形式」と呼ばれ、金的噛み付きが認められ、初期は投げや締めはおろか武器の使用もありのとんでもない競技だったらしい。
やがて19世紀後半にイギリスでグローブの仕様などを盛り込んだ近代ボクシングの基礎となるルールが制定されたことにより、急速に競技化として発展していく。
オリンピックでは1904年のセントルイスからという古い競技の部類で、1912年のストックホルム以外すべてで行われている。長らく男子かつアマチュアのみであったが、2012年のロンドン大会から女子も種目に加わり、その次の2016年のリオデジャネイロでプロの参加も可能となった。
立ち技格闘技の基本とも言えるボクシングだが、バックブロー(裏拳部分)攻撃の禁止、攻撃可能部位は上半身(頭と胴)の正面、といったようにそのルールは全体的に制約が強く、それゆえ技術の緻密性が重要視される。ジャブ、ストレート、フックなどのパンチの基本を組み合わせたコンビネーションやそれに対する防御手段が開発されていくことにより、競技としてのレベルは格段に上がっていった。
このように、ボクシングは決められたルール内で技巧を競うスポーツ格闘技として進化していった歴史的経緯がある。時に過剰ともいわれる階級制度も、体格差という埋めがたい戦力差ではなく、できるだけ技巧と戦略で優劣を決めるための措置。
しばしば立ったままのパンチのみを使用するアンバランスな技術体系を揶揄する向きがあるが、成り立ちからして他の格闘技とは方向性が異なるために起きるものである。
主に顔を殴る競技のため、パンチドランカーとよばれる高次脳機能障碍や飛蚊症とよばれる眼球内の硝子体が混濁する障碍がおきやすいので、練習や引退時期などに注意が必要。
昭和期にはメジャープロスポーツと言えば野球、相撲、ボクシング、プロレスぐらいしかなかったため、人気は高かった。しかし平世紀以降新興格闘技の乱立やスポーツの選択肢の広がりから人気が衰え、2020年代の日本ボクシング界では世界王者になってようやく一般のサラリーマン並の収入が手に入るほど経済的に恵まれないスポーツとなった。
有名ボクサー
ボクシングを主題とした創作作品
ボクシングを使用・モチーフとしたキャラクター
- マイク・バイソン(ストリートファイターⅡ)
- ダッドリー(ストリートファイターⅢ)
- マイケル・マックス(餓狼伝説-宿命の闘い-)
- アクセル・ホーク(餓狼伝説2-新たなる闘い-)
- リック・ストラウド(RealBout餓狼伝説2)
- ヘビィ・D!(ザ・キング・オブ・ファイターズ)
- ヴァネッサ(ザ・キング・オブ・ファイターズ)
- ネルソン(ザ・キング・オブ・ファイターズ)
- スティーブ・フォックス(鉄拳4)
- J・マッコイ(カイザーナックル)
- リトルマック(パンチアウト)
- エビワラー(ポケットモンスター)
- J(魁!!男塾)
- 笹川了平(家庭教師ヒットマンREBORN!)
- 原田正平(タッチ)
- アイアン・マイケル(グラップラー刃牙)
- ユリー・チャコフスキー(グラップラー刃牙)
- ラベルト・ゲラン(グラップラー刃牙)
- マホメド・アライ親子(グラップラー刃牙)
- イデオ(ONE PIECE)
- 大河タケル(アイドルマスターSideM)
- アリギサンダー(仮面ライダースーパー1)
- オクトパスオルフェノク(仮面ライダー555)
- ガオラン・ウォンサワット(ケンガンアシュラ/ケンガンオメガ)
- カーロス・メデル(ケンガンオメガ)
- バラボクサー(超力戦隊オーレンジャー)
- ゴンググルマー(爆上戦隊ブンブンジャー)
- ボクシングワルド/ダイボクシングワルド(機界戦隊ゼンカイジャー)
- ボイド=ボルクス(アンデッドアンラック)
関連タグ
リング ゴング グローブ マウスピース ヘッドギア トランクス
阿部里果:声優。特技の1つがボクシング。
関連作品
あしたのジョー はじめの一歩 リングにかけろ ろくでなしBLUES