概要
作者・小山ゆう。『週刊少年サンデー』(小学館)にて1976年24号から1981年14号にかけて連載された。なお、同誌1976年19号に読み切り版が掲載されている。
プロボクサーだった父親が試合後に亡くなってしまう、という悲運に見舞われた少年・堀口元気が、父親が果たせなかった世界チャンピオンを目指し、奮闘していく様子を描いた。
登場人物
CVはテレビアニメ/ラジオドラマ
元気の父。
シャーク堀口の名前でリングに上がっていたプロボクサー。妻・美奈子(CV:小山茉美)の死をきっかけに一度はリングを去るが、階級を2つ下げてリングに戻ってきた。しかし、それが結果的には文字通り命取りとなってしまう。
元気の小学校時代の恩師で、元気の人生に大きな影響を与えていく。
元気の母・美奈子に似ているが、血縁関係はない。
ちなみに名前はアニメ化の際に設定されたもので、元々は名字しか設定されていなかった。
物語のキーマンとも言えるプロボクサー。
元気の父・秀樹の最後の対戦相手。秀樹と対戦するまでは人間的に酷かったが、秀樹によって精神的にたたきのめされたことで改心(ただし試合には勝っていた、いわば「試合には勝ったが勝負では負けた」)、元気に世界チャンピオンになる約束をし、それを果たす。
- 三島英司(CV:池田秀一)
関のかつてのライバル。攸子をめぐっても争っていた。
関にKO負けを喫したことにより背中に入れ墨を入れるほど身を持ち崩し、挙げ句の果てには居候していたボクシングジムを守るためだったとは言えヤッチャンをどつき回して4年間臭い飯を喰うハメになった。
娑婆に戻ると、臭い飯を喰うハメになるまえに元気と交わした約束であった、元気のトレーナーを務めたが・・・・・・
- 火山尊(CV:古谷徹)
元気のライバルの一人。貧しい家に生まれ育ったが故にハングリー精神が旺盛だが、それが元気(やその父)に対し、屈折した見方をするようになってしまう。
侮辱された結果キレて対戦を挑んだ元気を一度は返り討ちにしたが、その後は逆に元気に人生を狂わされることになってしまう。
テレビアニメ
東映動画の手によってテレビアニメが制作された。1980年7月から1981年4月初旬にかけ、フジテレビ系列局(ただし系列局によっては放送日時差し替えならまだしも、本放送終了後に放送を始めた局や、放送そのものがなかった局も存在)ほかにて放送された。
ロングラン化を睨み、なおかつ元気の小学生時代をじっくり描き込むべくオリジナルストーリーも所々で据えたものの、スポンサーの意向により想定よりも早めに中学生時代を描かざるをえなくなった。そんな不安定さに視聴者が興ざめしたのか、裏番組の「霊感ヤマカン第六感」(朝日放送・テレビ朝日系列局、ただし一部系列局は放送日時差し替え)には歯が立たず、「ウルトラマン80」(TBS系列局ほか)や、放送期間中に始まった「鉄腕アトム」リメイク版(日本テレビ系列局ほか)との厳しい競争にもさらされ、更にはフジテレビの改革による81年春の大幅改編にまで巻き込まれ、元気が中学を卒業した所で“タオルが投げ込まれてしまった”。
その他メディア展開
1977年5月24日、ニッポン放送にて『オールナイトニッポン』の特別企画の一環としてラジオドラマ版が製作されている。
また、同年8月には、太川陽介ほか出演による舞台演劇版が東京・平河町の砂防会館にて上演されている。
こぼれ話
作品の発端と結末
作品名 | 巨人の星 | あしたのジョー | がんばれ元気 |
---|---|---|---|
発端 | 父親から野球教育を強要される | 才能を買われボクサーを目指す | 自らの意思で父の遺志を継ぎボクサーになる事を決意する |
結末 | 最後の試合で肩を壊し何処へと去る | 最後の試合で判定負けし生死不明 | チャンピオン達成後、即引退しチャンピオンを返上。母方の祖父母の養子となり帰る |
(巨人の星との関係に付いてはJIC出版「いきなり新連載」のコメントより抜粋)
- 2021年の東京オリンピックでボクシング女子で日本人初の金メダリストとなった入江聖奈は、ボクシングを始めるきっかけが母の本棚にあった単行本にはまった事だったりする。しかも主人公と同じ階級の「フェザー級」で、出場が決まった時に作者・小山ゆうから色紙を送られている。(twitterより)
外部リンク
関連タグ
あしたのジョー:何かと比較されるボクシング漫画。
神様はサウスポー:此方も試合より人間ドラマを重視したボクシング漫画