ボクシンググローブ
ぼくしんぐぐろーぶ
パンチを繰り出す攻撃側の拳とパンチを受ける防御側の身体双方の負傷を防止を目的としている。(但し、防御側が受ける衝撃力は素手よりも大きくなり、脳など内臓にかかるダメージは大きくなる。)
キックボクシングやシュートボクシング、ムエタイ、サバット等、ボクシングから派生・類似した打撃系立ち技格闘技でも同様のものが用いられている。
歴史
直系の繋がりのない古代ギリシアのボクシングは当初は素手であったが、拳にヒマンテスやスファイライと呼ばれる革紐を巻き付けて拳を保護する形へ変化していった。
現代のボクシングの起源となった、近代イギリスのボクシングのルール上では当初、手袋やマフラーと呼ばれる拳の保護が認められていた。しかし、後のルール改定でベア・ナックル(素手)のみと定められた。(ベアナックル・ボクシング)
現在の形状のものは、1867年のクインズベリー・ルール制定時に誕生したもの。サミング防止処理の導入や、素材や製法の発展による若干の変化を伴っているものの、基本的な構造に大きな変化はない。
親指部のみ独立し、残りの4本の指は1つの袋に収まるようにして拳全体を包みこむ形状をしており、内部には綿やスポンジなど衝撃を吸収する素材が詰め込まれている。
練習やアマチュア戦では着脱が容易な面ファスナー(マジックテープ)で留めるタイプのものが用いられている。プロ戦では紐で固定するタイプのものが使用され、試合時には審判や監視者立会いの下、細工がされていないことを確認した後、手首部分を紐で縛り、その上からテーピングを巻いて強く固定される。また、手・手首保護のために拳には予めバンテージを巻くことが必須となっている。
色は赤・青・黒・白が主流だが、緑・黄・紫等の多様なカラーリングのグローブを取り揃えていたり、配色をカスタマイズしたグローブが作成可能なカラーオーダーを行っているメーカーもあり、プロの試合では多種多様なカラーのグローブを見ることができる。
一方のアマチュアは、規定により赤と青のみで、有効打の判定を容易にする目的でナックル部位が白く塗られている。
試合用のものには素材に牛・山羊といった動物の本革が用いられており、やや高価となっている。練習用のものには安価な合成皮革製のものもあるが、こちらは耐久性に難がある。
練習専用のものには、薄い形状で親指のみ指抜きになっている、パンチンググローブも存在する。
グローブの基準には、重さの単位、オンス(oz)(1オンス=1/16ポンド=約28グラム)が用いられており、2ozごとに区分されている。軽いほど素手に近く、低価格になる。
試合には階級に応じて、8〜12ozのグローブが用いられている。また、練習では8~12ozの軽量のものはサンドバッグやミット打ちに用いられ、12~16ozの重量ものはスパーリングやマスボクシングなどの実戦形式の練習で用いられることが多い。腕力強化の目的で、普段の練習では一つ上の重さのグローブ使用を推奨する指導者もいる。
かつてのプロの公式戦は6ozのグローブが用いられていたが、現在は廃止され、殆ど生産されていない。グローブの重さと階級の関係は以下の表の通り。
プロ
重さ/性別・団体 | 男子(JBC) | 男子(IBO) | 女子 |
---|---|---|---|
8oz | ミニマム級~スーパライト級 | ミニマム級~ウェルター級 | アトム級~フェザー級 |
10oz | ウェルター級~ヘビー級 | スーパーウェルター級~ヘビー級 | スーパーフェザー級~ヘビー級 |
アマチュア
重さ/性別 | 男子 | 女子・ジュニア |
---|---|---|
10oz | 全階級 | ライトウェルター級以前 |
12oz | - | ウェルター級以降 |
グローブを生産しているメーカー・ブランドの中で、特に有名なメーカーの特徴を紹介する。
なお、下記で紹介した以外にも多数のメーカー・ブランドのグローブが存在し、価格と品質は千差万別である。実際に購入する場合は、指導者や経験者、店員の助言を仰ぐことを推奨する。
Winning(ウイニング)
1937年創業。日本を代表するボクシング用品メーカー。ヘッドギアやトランクス、サンドバッグ、リングやゴングまで、ボクシングに欠かせない用品の殆どを自社で製造・販売している。
日本で開催される試合ではかなりの頻度で用いられている他、世界タイトルマッチでの使用頻度も高い。1963年より国際アマチュアボクシング協会(AIBA)に公認され、オリンピック等、アマチュア国際大会で用いられていたが、現在はaddidasに取って代わられてしまっている。
牛革による本革製のため、価格は24,000円~と高価。しかし、耐久性等の品質は非常に高い。
カラーオーダーによってオリジナルグローブの発注も可能。(納品まで半年程要する)
Everlast(エバーラスト)
1910年創業のアメリカのメーカー。モハメド・アリやマイク・タイソンなどの20世紀を代表する名選手が愛用し、映画『ロッキー』シリーズ他数多くのハリウッド映画に登場したことにより、知名度が高く、シェアの上位を占める。グローブは通販サイトで練習用の安価なものが比較的入手しやすい。ボクシング用品以外にも、フィットネスギア、フィットネスウェアを展開しており、その名を見る機会は多い。
REYES(レイジェス)
1920年創業。ボクシングが盛んなメキシコに本社を置くボクシング用品メーカー。山羊革を用いていることと、ナックル部の詰め物が薄いことが特徴。ダウンやK.O.に繋がりやすいと定評があり、欧米や中南米のビッグタイトルマッチで頻繁に使用されている。本革のため、19,000円~とやや高価。
TWINS(ツインズ)& Windy(ウィンディ)
ムエタイが国技であるタイを代表する二大メーカー。ムエタイ・キックボクシングの試合で高頻度で用いられている。元々は一つのメーカーだったが創業者の異母兄弟が別々の会社を立ち上げたことにより分裂した。
両社とも値段は10,000円前後と比較的安価で、初心者やフィットネス目的でそこそこ品質の良いものを購入したい場合に向いている。
Grant(グラント)
アメリカで設立された新興ブランド。グローブの生産はメキシコで行っている。(REYESに委託?)メイ・ウェザー等、現役スターのタイトルマッチや『ロッキー』シリーズ続編、『クリード』シリーズで使用されたことで知名度を伸ばしている。高級ブランドのため、59,000円~と非常に高価。
装着者にパンチ以外の手の動作を封じる暴力的な機能性に反して、丸みと厚みを帯びた可愛らしいフォルムというギャップから、ボクシンググローブにフェチを感じている人が多い。イラストでは、オリジナルキャラクターや、ボクシングとは無縁の版権キャラクターに装着させたものが多い。
R-18のものでは、女性の胸部を露出させたトップレスボクシングを描いたものが多い。
また、男性向け、腐向けの作品には、グローブを装着した手で手コキしているものがよく見られる。(グローブコキ)しかし、実際のボクシンググローブは(素手と比較して)硬質なうえ、指の動作や加減の自由が効かないことにより、陰茎を傷つける危険がある。そのため、安易に真似してはならない。
コメント
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佐藤黒音様から小説化の許可を頂き執筆に至りました。この場を借り 御礼申し上げます。良い作品を色々投稿なさっているので照覧あれ。 http://www1.odn.ne.jp/clo48590/TOP.htm https://mobile.twitter.com/satoukuronn https://www.pixiv.net/member.php?id=130345 本編から10年後、若しかしたらこんな未来も理論上有って可笑しくありません。4,000文字pixiv小説作品- 東方拳闘郷 小説版
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