概要
英語では「Mixed Martial Arts(直訳:混合格闘技)」、頭字語で「MMA」とも表記・呼称される。打・投・極(打撃、投げ、極め技)といった格闘技の様々な要素を取り入れた格闘技。過去に遡れば古代ギリシャのパンクラチオンや、近年では異種格闘技興行ににその原型をみることができる。
かつてはキックボクサー、空手家、柔道家、レスラーなど様々な競技の経験者が参入することが多かったが、近年では最初から「総合格闘技」として確立された技術を満遍なく学んだ純正の総合格闘家も増えてきている。
ルール
大まかなルールは共通しているが、世界統一ルールは存在せず団体、地域などの文化によって異なる部分がある。
現在においては多くの団体がUFCなどと共通のルールである『ユニファイドルール』を採用している。RIZINルールについては「RIZIN」の項目に記載。
ユニファイドルール
UFC等の多くの総合格闘技団体が採用しているルール。
試合時間
5分3R(タイトルマッチなどは5R)、各ラウンド間のインターバル1分
反則
目突き、金的、頭突き、垂直に撃ち落とす肘打ち、指で首を絞める行為、口腔内などの粘膜への攻撃、頭から垂直に落とす投げ技(パイルドライバーなど)、過剰な挑発行為、相手が足の裏以外をマットについている状態での頭部、顔面への蹴り技、脊髄を対象とした攻撃、指、コスチューム、金網を手でつかむ行為、テストステロンなどパフォーマンス向上薬物の使用等
勝敗
ノックアウト(KO)、一本(Submission)、判定(Decision)のいずれかによって勝敗が決定する。
ノックアウト
厳密にはKOとTKO(テクニカル・ノックアウト)の二種類が存在する。打撃によるレフェリーストップのうち、選手が自分自身を意識的に守れない(can't)状況におけるものがKO、守らない(don't)状況におけるものがTKO。選手が失神しているかいないかで区別して大きく間違いはないだろう。また、裂傷やドクターストップによるメディカルストップはTKOに該当する。
一本
関節技、絞め技などを受けた選手がタップ(手足や言葉により降参の意を示す行為)した場合、あるいは失神、骨折/脱臼した場合に一本負けとなる。
判定
試合時間中にKO/一本で勝敗が付かなかった場合、ジャッジの判定により勝敗を決する。3人いるジャッジのうち、2人以上が勝ちを支持した選手が勝者となる。
UFCなどではラウンド毎の勝者を決めるラウンドマストシステムが採用されている。これは、各ラウンドの勝者に10ポイント、敗者に9~7ポイントを与え、全ラウンドの合計点で試合の勝敗を決するものである。(1)効果的な打撃/グラップリング、(2)アグレッシブネス、(3)ファイティング・エリア・コントロールの3つの要素をこの順に高く評価し、各ラウンドの勝者を決定する。
試合場
八角形(UFCなど)、六角形(ストライクフォースなど)、円形(ベラトールなど)などの金網のケージで行われるが、日本などではリングで行われることも多い。
選手のコスチューム
団体によって構造は若干異なるもののオープンフィンガーグローブの着用が義務付けられる(初期のUFCにおいては素手が主流で、片方だけボクシンググローブをつけた選手もいた)。基本的に上半身は裸、下半身は丈の短いショーツを着用し素足である。巌流島など一部団体では柔道着などの着用も許可されている。
アマチュア
現在アマチュアの大会は日本では主にdeep、パンクラス、修斗がアマチュア大会を開催している。また、着衣で行われるという違いはあるが日本拳法や空道も総合格闘技の体をなしたアマチュア競技と言える。