イジルデ
いじるで
トジテンドの技術開発を担当する最高技官。
「機械イジリ」が得意で、クダック達キカイノイド兵の改造等を担う技術屋。
白色が際立つボディに右目にモノクルを着けていて、下半身の部分は可動式で動き、その姿はまるで車椅子に乗った科学者を連想させる容姿をしている。
武器兼装飾品は先端にマジックハンドが備わった、マニピュレーター棍「イジックハンド」で、先端からは「イジル電撃」を放って攻撃が出来、雑兵達への制裁にも用いている。また、指からレーザーを発射もでき、攻撃手段としてだけで無く自身の発明品の開発等にも用いてる。
ただし、技術開発専門なので当然だが、戦闘力はほぼ皆無で普通の人間に過ぎない五色田美都子から張っ倒されて逃げられる等、一般戦闘員のクダック以下の実力である。
そのために、前線に出ても自ら戦う場面はほとんどなく、戦闘に直接関わる場面もほぼない。
小心者のマッドサイエンティスト
一人称は「我輩」(ボッコワウスの前では「小生」)。
他の幹部達の例に漏れず選民思想に染まり切っており、嘗て掃除係として自分の部下に雇っていたブルーンに対しても「掃除係」としか呼ばず、質問にも答えずにイジックハンドのイジル電撃で黙らせており、下の者達への扱いはとにかくぞんざいで、「自分の利益と手柄の為の踏み台程度」にしか思っていない。
後にブルーンから自らの名前を訊かれた時に言い淀んだ所から、名前すら忘れる程の長い期間、ブラック労働を彼に強いて来た実態が窺い知れる。
また、時間移動をして来たヒドケイワルドの忠告に対して、「ワルド如きが『時間移動』などと言う高等技術を使えるはずが無いだろう」と全く相手にせずにイジル電撃を浴びせており、自身の想定外の物事に対しての対応力や理解力も低い(もっともこの時点ではワルドを初めて作った段階の時間軸だったため、ワルドの持つ力を把握し切れていないが故の合理的な判断ではあるのだが)。
トジルギアやギアトジンガーの開発者でもあるが、類似した技術であるセンタイギアを見るや一瞬狼狽しており、その背景にはやましい事情がある様子であり、その理由は後に判明した。
第4カイ!や第8カイ!でも自らが開発者でありながら、トジルギアの消滅と共に平行世界が解放される事実や、ギアトジンガーでダークセンタイギアを多用し過ぎると、エネルギー切れを起こす基本的な仕様すら、実戦で発覚するまで全く知らなかった点も、胡散臭さに拍車を掛けている。
こうした点の他、後述の界賊の襲撃の件でのセキュリティの甘さから、劇中ではバラシタラと比較してもボッコワウスの糾弾を度々受けており、穴の多い間抜けな面が多々見受けられる。
しかし、ゼンカイジャーの能力を見て短期間で上記のギアトジンガーやダークセンタイギアなどの、ステイシーザーのシステムを開発するその技術力は本物であり、最高技官の肩書は決して伊達では無い。この点に関しては敵である介人も「イジルデ天才全開じゃん!」と素直に称賛する程。
ただし、ハカイザーのお披露目回でゲゲから「1から作った」発言を怪しまれたり、開発には五色田夫妻の知識と記憶を応用しているので「0から発想して作り上げるのは苦手だが、既存の知識・技術からステップアップさせて応用するタイプ」の模様。それ故に五色田夫妻を冷凍睡眠して厳重に保存していた。
また、ギアトジンガーとダークセンタイギアの実験体として「ゼンカイザーになるべく近いもので試したい」意図から、人間との混血児であるステイシーを選出して重用しており、自身の研究の為なら選民思想に囚われずに人材を選出する臨機応変さも持っており、人間である五色田夫妻も積極的に利用して研究を進める姿は、保守的な思想が強いトジテンドの上層部としては珍しいタイプでもある。だからこそよりタチが悪く厄介な存在なのだが。
同時にステイシーのバラシタラへの対抗心を見抜いて、それを利用していく狡猾さも持っている。
トジテンドの繁栄には実直で、ボッコワウスへの忠誠心もある様だが、短気なボッコワウスに狼狽える一方で、何処か呑気な部下のワルドやゼンカイジャーにペースを乱される等々、気の小さい中間管理職気質。それ故にトジルギアの秘密を知ってしまったブルーンを、口封じすべく刺客を送って平然と消そうとするなど、自己の保身にも余念が無い。
しかし、一度研究にのめり込むと理性や倫理のブレーキが外れ、何処までも突き進む典型的なマッドサイエンティストであり、ワルドを生み出す際は「毒キノコ」「氷」、「ボクシング」との具合に、研究者らしく非常に実践的且つ実戦向けのトジルギアをチョイスしている。
もっとも戦闘が専門ではない上に、興味や関心が薄い物事には深く考えない性格も合わさり、ワルドの運用はバラシタラと比べても力押しで戦略性に欠ける。第30カイ!からはワルドを防衛するために、下記のハカイザーを作り出して同行させた上での侵略作戦を率先して行う様になったが、その分ハカイザー頼りかつゼンカイジャーが成長しているのもあって、戦闘力を発揮出来ないワルドの誕生頻度が増えていった。
一方で、自らの作戦が失敗してもそこまで執着せず、すぐに切り替えるフットワークの軽さも持っている。
この様に小心で抜けてる所が多い分、研究や開発の才能に一点に特化したその人物像は、正しく良くも悪くも天才科学者と呼ぶに相応しいだろう(データの流用元があったが、トジルギアの開発に成功した時点で、実質的に歴代のスーパー戦隊シリーズでも侵略及び滅ぼした世界の数や質を考えるなら、間違い無くトップクラスに入るレベルである)。
その一方で自分で造った兵器の仕様をキチンと検証・把握ができていないと、科学者としては致命的な欠点も存在し、トジルギアがクダイテストにも使えるのを知らなかったり、ギアトジンガーの召喚機能にはエネルギー量による限界があるのを、実戦で初めて判明してしまう検証不足な場面も目立つ。
特に、ゼンリョクゼンカイキャノンに関しては「戦隊メンバーを属性毎に召喚出来る銃」程度にしか理解しておらず、ゼンリョクイーグルやゼンリョクゼンカイオーへの変形・合体機構があると知った時は本気で狼狽している。
このように、理論だけで形になってない概念すら実現化出来るその技術力は「まぎれもない天才である」と評価するに値するのだが、同時に科学者としての欠点もはっきりしているので「理論を形にしたり応用する才能は本物だが、それ以外は杜撰なパクリ野郎」と酷評する他ない。
おそらく彼の専門は、トジテンド兵士の強化等の応用の分野であり、ぶっちゃけそんな彼に組織の技術開発関連を全て丸投げしている、トジテンドの組織体制自体にも大いに問題がある(実際に、バラシタラが自身の作戦の弊害をボッコワウスに突っ込まれた際に、無責任に「イジルデにそれを何とかする発明を作らせればいい」と丸投げしている)。
但し、並行世界間ゲートなど彼のオリジナルである物語のキーとなる発明品も普通にある(言及されていないだけで、これも誰かのパクリなのかもしれないが)。
同格のバラシタラとは分野が異なるのも手伝って、何かに付けて責任を押し付け合い、互いに手柄を総取りして相手を蹴落とそうと権力闘争をしているライバルである。だがその分彼の嫌味には慣れており、食って掛かろうとするステイシーを冷静に諫めてもいる。また、バラシタラに対しての嫌味は彼の方から嫌味への返答が多く、イジルデの方から積極的にバラシタラに嫌味を吐くのは意外に少ない。
他にも、ステイシーの挙げた戦果をボッコワウスの前で横取りした際には、後でステイシーに詰め寄られて決まり悪そうにしたり、そもそも全体的に何処か後ろ暗い部分を突かれると目に見えて動揺する描写が多く、意外にも嘘を吐くのが下手だったりと、その見た目の印象に反して陰湿な面が多いバラシタラとは逆に、完全に腹芸に徹し切れない何所か人間臭い面も多いキャラである。
だが、後述される第47カイ!の介人の糾弾からも分かる通り、実質的に「トジテンドの悪行の全てはイジルデから始まっている」と断言しても良く、彼の存在が〈トジテンドの原罪〉と酷評しても過言ではない(勿論、暴君たるボッコワウスこそが物語の元凶 であるが、彼の悪行を叶え支えているのはイジルデの技術があってこそである)。
- 実際に、トジテンド兵達に取って強化改造が出世の要である以上、イジルデは人事面でもトジテンド内で高い権力を有していた。劇場版ゼンキラセンパイでは、この事実に目を着け『新たなトジテンド王を神輿に担ぎあげ技術者』としての地位(つまりイジルデの後釜としての地位)からキカイトピアを牛耳ろうと目論む存在が現れる。
上記の通り、ステイシーは自身が開発したギアトジンガーとダークセンタイギアを運用する実験兵士として、「半分人間でありゼンカイザーに近い存在である」のを理由から選出し、現在では事実上の実働部隊における自身の右腕として重用している。
元々、混血児の出自故に、トジテンドでも最下層の立場だったステイシーとしては、曲がりなりにも自分を取り立てた上 “バラシタラへの挑戦の機会をくれた恩人” であり、トジテンドにおける数少ない協力者でもある。
その意識もあってかトジテンドへの忠誠心等皆無なステイシーだが、彼の命令に対しては比較的素直に従っている。また、バラシタラを蹴落とす目的その物は完全に一致している為に、互いに行動方針を巡っての衝突も少ない。
ただし、イジルデはあくまで本質的には自身の利益や手柄を得る為の道具や、自身の研究の為の実験材料としてステイシーを利用しているだけであり、ステイシーの方も結局は自身の目的の為に、イジルデを利用しているだけの相互利用の関係でしかない。
実際に、ゼンカイジャー打倒が上手く進まない事態に業を煮やしたステイシーは、1度はイジルデを切り捨てて別の方策を探る場面もあり、そしてイジルデの方も第23カイ!でステイシーが敗れて瀕死になった際には、一度は完全に用済みとして見捨てようとした。
しかし一方で、何かと殺伐とした人間関係と空気が絶えないトジテンドサイドにおいては、利害関係の前提ながら何だかんだでこの2人は纏まり良く活動しており、イジルデも美都子博士が脱走した際には、ステイシーとヤツデの関係を知らないなりに、直前にステイシーにコールドスリープカプセルを見られていたにもかかわらず、ステイシーを疑う様な発想は持たず、美都子博士の追跡を命じた上で「ステイシー! ステイシーってば!」と通信機ごしにがなりながら指示を出す等々、何だかんだでトジテンドの兵士として最低限の信用はしている様子が窺え、ステイシーの方も暗躍やイジルデに不利益な行為こそしているものの、上記の通りイジルデの命令には一応最低限の義理立てしつつ従っている。
また、激情に駆られたステイシーをイジルデが冷静に静止したり、逆に目に見えて動揺するイジルデに呆れながらステイシーが従ったりと、妙に馬が合っている描写も散見される為、ファンの間では「どちらも少なくともバラシタラとよりはよっぽど仲良さそう」と、この2人の関係性はある意味ステイシーとヤツデ、ステイシーと介人の関係性に並んで注目を集めている。
ちなみにステイシー役の世古口氏は、コオリトピアに行った回で「帰りにクダック達と温泉にでも行こう。イジルデも誘うか」とコメントしており、イジルデは割と気に入っているらしい。
だが、そんな関係性も第41カイ!で「ハカイジュウオーが撃破されたのはデータを横流ししたステイシーのせい」だと自身の保身の為に濡れ衣を着せ、実質的に崩れ去った(但し、偶然にもこれは真実だった)。
第1、2カイ!
トジテンドパレスの謁見の間にてボッコワウスに近況報告を伝えるが、未だに人間界をトジルギアに閉じ込められない状態に加え、キカイトピアの一部と融合した事態に、ボッコワウスとゲゲから責め立てられてしまう。
その後、ゲゲからの提案を受けたボッコワウスが「武力による人間界制圧」を開始した際、それに抗うゼンカイジャーが現れてトジテンド内がざわつく中、ゲゲの呟きに耳を傾けるとキノコの世界・キノコトピアを閉じ込めたキノコトジルギアを持ち出して人間界に自ら出向。クダックの1人にキノコトジルギアを埋め込み、キノコワルドの誕生に成功し、実験を兼ねて人間界をキノコトピアの力で制圧を目論む。
すると、キノコワルドの放ったキノコパワーによって、突如生えてきたキノコの原因を調べる介人とジュランに見付かり、キノコワルドを仕向けて戦闘開始。当初は傍観していたが、ゼンカイジャー2人がギアを使っている事実に気付き、驚きを見せた。
「何っ!? 貴様等もギアを使っておるのか!?」
介人「俺の母ちゃん達が作った、センタイギアだ!」
「ぬっ!? ぐ……偶然だなぁ……。我等のトジルギアは、我輩が開発したのだ」
何かを隠すような素振り見せながら、誤魔化しつつトジルギアを教え、追い詰められたキノコワルドが放った胞子に紛れて逃亡した。
日を跨ぎ、人間やキカイノイド達が頭のキノコに慣れ切って油断している所で作戦実行、キノコから毒の胞子をばら撒き人間達を苦しめる。
するとゼンカイジャー2人に加え、生き物が苦しめるのに憤るガオーン/ゼンカイガオーンも参戦し、クダック部隊やキノコワルドを撃破されてしまう。
これでも諦めておらず、今度はクダイテストを呼び出して仕向けるも、そのクダイテストが落ちていたキノコトジルギアを踏みつけた矢先、パワーが暴走してダイキノコワルドへと変貌したのを目撃。このアクシデントに驚きながらも、ダイワルドとトジルギアのパワーの暴走を発見する。
第4カイ!
人間界を制圧すべくボクシングトジルギアを使ってボクシングワルドを生み出し、人間界へと送り込む。
その直後、先の2度の戦いでトジルギアの破壊と共に、閉じ込められた並行世界が解放された事実を掃除係のブルーンに質問されて確認。すると確かにトジルギアに閉じ込めていたキノコトピアとコオリトピアは解放されていた。
開発者である自分すら知らなかったトジルギアの仕組みを目の当たりにする中、ボッコワウスが世界を解放する様に方針を変更したのか尋ねるブルーンに対し、逆にこの事を知る者が他にいないか尋ね返す。
「掃除係。この事を誰かに話したか?」
ブルーン「はっ!?……いえ……」
「ならば、お前をスクラップにするだけで良いな」
ブルーン「おわっ!? 何故ですか!? 理由を知りたいですっ!」
ブルーンが誰にも口外していないと分かるやクダックを呼び出し、真実を揉み消すべく口封じの為に消そうとする。
その後、ボクシングワルドの許に現れたイジルデは「逃亡中のブルーンをスクラップにする」様に命じると、彼の手でボクサーにされた一般人の誘導によってゼンカイジャーを包囲。
介人「勝手に他所の世界閉じ込めて、勝手に他所の世界使って、俺達の世界で酷い事させて、世界ってそう言うもんじゃねぇから!」
「掃除係から何か聞いたか……。まぁ良い。全員まとめてスクラップだ!」
他の4人に機密を知られたとして4人纏めて始末しようとする。
一触即発の空気が流れる中、そこへ意を決したブルーンが啖呵を切る。
ブルーン「イジルデ様! いや……イジルデ! あなたは私に、何も教えてくれませんでした。でも私は、今日学びました! これまで私が、どんなに狭い世界に居たかと言う事を! 知る事で、世界は広がると言う事を!!」
「″掃除係″が偉そうな事を!」
ブルーン「お別れに私が教えてあげます! 私の名前は″ブルーン″です!!」
それまで自身を「様」付けしていたのを呼び捨てにし、反抗的な態度を見せる掃除係の言葉を一蹴するも、辞表代わりの名乗りと共に離反され、そのままブルーンのゼンカイジャー加入を招く事態となってしまう。
斯くして5人目の戦士・ゼンカイブルーンの誕生と共に、メンバー全員が揃ったゼンカイジャーの前にボクシングワルドを撃破され、「喜ぶのはまだ早い!」と召喚したクダイテストの変貌したダイボクシングワルドまで倒されてしまい、機密保持に失敗するどころか、組織の一員を敵に回す結果となった。
第5~9、11~12カイ!
「ギアにつきましては……小生、これより改善策を研究致します故、しばしお時間頂ければと……」
そして隠蔽しようとした並行世界の解放が、遂にボッコワウスの知る所となってしまう。
ボッコワウスからの叱責を受け、対策を講じる為に自身の研究室に籠る。
「さて、これを誰で試そうか……そうだ! ウハハハハ!!」
設計図を広げつつ、研究が一段落したのか良からぬ企てから開発を続行し、後日短期間でギアトジンガーとダークセンタイギアの開発に成功。
人間に近い身体を持つステイシーを実験体としてそれを授けた。
果たしてステイシーは自身の発明品でステイシーザーへと変身。既存の戦隊及びその戦隊ロボのフェイクを操りゼンカイジャーを苦戦させる。そんな彼の戦いぶりにボッコワウスからも称賛の言葉を投げ掛けられるが、ギアトジンガーがエネルギー切れを起こして戦隊ロボのフェイクが消滅すると一転、その不手際を責められる羽目に。
その後、バラシタラが嗾けたドアワルド及びダイドアワルドが倒された所へ、突然現れたツーカイザーの襲撃から敗走したステイシーが帰還すると、彼から「あのツーカイザーって奴は何だ!?聞いてないぞ!」となじられる。
「えぇい、五月蠅い! 我輩も知らなかったんだ」と一蹴するも、直後にゲゲが「海賊トピアのゴールドツイカー一家による “トジルギアなどのアイテムのデータの強奪事件” 」に言及すると同時に、それを引き合いに出されたボッコワウスから「どうなっておるんだ、イジルデ!! あの時の貴様の失態の所為じゃないのか!?」と、自身の身体が引っ繰り返る程の激しい床ドンの連続と共に更なる糾弾を受ける羽目に。
ステイシーに持ち上げられながら「至急対策致します!」と返すと同時に、ステイシーに「来い!」と命じながら、事態の収拾の為に再び研究室へと向かうのだった。
「エヘヘヘヘ……完成が楽しみだ……。ヌフフフフッ!」
その後、資材を運ぶクダック達を指揮しながら巨大な新戦力の開発に着手し、ステイシーザー専用の暗黒巨大ロボ・バトルシーザーロボを完成させる。
第13、14カイ!
リサイクルワルドの能力で民間人を変貌させたリサイクルクダックにダミートジルギアをばら撒き、目的に違いのあるゼンカイジャーとツーカイザーの同士討ちを目論むバラシタラがボッコワウスに悠々と語る中、バラシタラの嫌味に腹を立てたステイシーを諌めてそのまま退出させる。
そのついでに「小生が昔、トジルギアシステム開発段階で作った、ダミーのギアを勝手に使ったようだな?」とバラシタラが使ったダミートジルギアは自身が嘗て製造・保管していた物だと気付き、詰問するも「それもリサイクルである」とバラシタラは返すだけでマトモに取り入って貰えなかった。
その後、ダイリサイクルワルド率いる『リサイクル戦隊ダイワルジャー』がツーカイオーリッキーに次々と撃破される中、独断でバトルシーザーロボを発進させ、ステイシー/ステイシーザーにダイリサイクルワルドを爆砕させてしまった。
案の定、バラシタラから「俺様の兵隊をステイシーに倒させたであるな!一体何を企んでいるのである!?」と咎められるもワザとらしく誤魔化し、「貴様は技術だけ提供していれば良いのである!!」と突っぱねられるも、意に介さず活動を始める。
「バラシタラめ。奴らを戦わせる作戦、自分だけが思い付いたと思うなよ」
バラシタラ同様にイジルデ自身も「ゼンカイジャーとツーカイザー両陣営の同士討ち」の為の策略を企んでおり、ゴールドツイカー一家の目的を自身も利用。
ステイシーを介してSDトジルギアを餌に、ツーカイザーとゼンカイザーの同士討ちを煽り、ツーカイザーにゼンカイザーを倒させて敵勢力のいずれかが欠けた隙を突いて一網打尽にしようと目論む。
しかし「介人の方が面白い」結論に至っていたゾックスは、ステイシーとのやり取りをそのままゼンカイジャーに暴露して結託。
結果、逆にステイシーを誘き寄せるための芝居を打たれて作戦が失敗。悪化どころか両陣営の結束を強めてしまう事態になった。
この事態に直ぐさまバトルシーザーロボを発進させるも、ツーカイザーが操縦するツーカイオーカッタナーによって破壊されてしまう。
「我輩渾身の作戦を! まぁ、進行中の作戦も見直さねばならんな」
目論見が外れたイジルデは悔しがるが直ぐに持ち直し、進行中の新たな作戦の調整が必要だと冷静に判断した。
第19カイ!
その後、ステイシーには自由行動を許可した上でラボに籠っていたが、作戦の調整は難航している模様。そして気分をリフレッシュする為にスパへと出かけて行った(何気に彼の私生活の一端が明らかになったシーンであろう)。
しかし、その隙を縫って現れたステイシーがある疑問を確かめるべく、イジルデの端末を操作すると……。
そこに現れたのは五色田夫妻の姿のホログラムであった。
そしてステイシーのとある行動がきっかけで、彼等からセッちゃんにゼンカイジュウギアのデータが送信されたと思わしき描写から察するに、彼等がセンタイギアの開発の根幹に関わるデータを有している事実は間違いないであろう。
彼らは生きたままイジルデに囚われているのか、或いはそこにあるのは既にデータだけなのか……?。
それはこの時点では不明だったがかねてより推測されていた「イジルデの発明は五色田夫妻から奪った物では?」との疑惑は、いよいよ真実味を帯びたと見ても良いだろう。
第20カイ!(&『仮面ライダーセイバー』特別章)
トジテンドが並行世界を観測していた所、新たに『仮面ライダーセイバー』の世界を発見、新たな侵略先として標的を定めた。
真っ先にバラシタラがオリヒメワルドを『セイバー』の世界に送り込んで制圧を完遂しようとするも、後を追跡したゾックス/ツーカイザーと飛羽真/セイバーら仮面ライダー達によって作戦を失敗に追い込まれ、バラシタラに「情報管理が甘いから」と難癖を付けられて小競り合いになるも、ボッコワウスに叱責されて強引に諌められる。
ゲゲの取りなしで今回だけで無く幾度も邪魔して来たゾックスに報復を考えたボッコワウスに、「では、奴の家族を狙っては如何でしょう? あの男、大変な家族思いの様ですから……」とゾックスを追い詰める為に身内のフリントに危害を加えようと画策。
フリントを誘拐する為にヒコボシワルドを生み出し、戦線に久々に参加する。
しかし、これまでラボに篭りっきりだったのが原因で、フリントの大まかな特徴しか伝えていなかったらしく、それを真に受けたヒコボシワルドは「髪を後ろで束ねた」無関係な女性達を片っ端から誘拐しまくり、御目当てのフリントは訪れた『セイバー』の世界でインスピレーションを受けて仮面ライダーの力を宿すギア『ライダーギア』の開発に着手し、クロコダイオーに残ったままだったので、そもそも策略が意味を成さず骨折り損な結果に。
しかし、ヒコボシワルドが攫った女性の中にはマジーヌも紛れていたので捕縛し、残りはスクラップにしてやろうと目論むも、『ゼンカイジャー』の世界に訪れていた玲花/サーベラとマジーヌの手によって人質が解放、ヒコボシワルドもゾックス/ツーカイザーと凌牙/デュランダルによって撃破され、策略は失敗した。
第21~23カイ!
前回にて「ゼンカイザーだけで無く、ツーカイザーもスーパーツーカイザーにパワーアップした」とバラシタラから報告を受け、憤りを隠せないボッコワウスの床ドンの巻き添えを食らう。
「ぬぅ!!……以前、我輩の研究所を荒らして行った、あの小娘か!」
そのパワーアップの大元であるゼンカイジュウギアの開発者がフリントであると知るや、過去の強奪事件で自身のラボを荒らした主犯だと気付き、曖昧だった彼女を漸く思い出した。
バラシタラが様子見として生み出したコピーワルドが侵略を行う間もラボに戻って、フリントに対して悔しさやら嫉妬やら、様々な感情が入り混じった声を上げていた。
「界賊の小娘め! また、妙な物を開発しおって!! ……しかし、我輩も只研究室に籠った訳では無いぞ?」
すると、以前から行っていた作戦の調整を漸く終わらせた様で、ステイシーを呼び付け「新たな武器を授けてやろう」とラボの奥へと進み、以前に破壊されたバトルシーザーロボのチューンナップ機・バトルシーザーロボ2世をステイシーに授け、ステイシーに半ば圧を掛けつつバラシタラを越えろと発破を掛ける。
しかし、当のステイシーは「今回の戦いが(カラフル)最後になるかもしれない」との別れを告げるべくヤツデのいるカラフルへと赴き、いざバトルシーザーロボ2世で出撃してゼンカイジュウオーと互角の勝負を繰り広げるも「勝負の仕切り直しをしたい」と申し出た介人の提案を承諾して、そのままトジテンドパレスに戻ってきたりと思惑が上手く進まず、ボッコワウスから「どう言う事だイジルデ!! あと少しの所まで、奴等を追い詰めていたと言うでは無いかっ!」と要らぬ叱責を受ける羽目に。
「もう、全く仰る通りで御座いまして……どう言う事だ、ステイシー!」
ステイシー「まだ追い詰めると言う所までは行って無い」
「うるさ〜〜い!! 余計な事は言うな! やっと出撃したと思ったら、何をのこのこ戻って来ている!?」
ステイシー「あのまま長引いても、消耗するだけだと判断した。仕切り直しだ。イジルデ、ちゃんと調整しておけ」
「お前が我輩に命令するな~~!!」
ステイシーをすぐさま責め立てるも、覚悟を決めたステイシーに顔色1つ変えずに淡々と返された上に、バトルシーザーロボ2世の調整を逆に命令されて更に苛立つ。
翌日、ステイシー/ステイシーザーと介人/ゼンカイザーとの決闘をラボでモニター越しで見物。
ステイシーの呼びかけで調整を済ませたバトルシーザーロボ2世を発進させ、巨大化したスーパーゼンカイザーとの決闘に縺れ込ませるも、助太刀に来たジュランと介人がスーパーゼンカイオージュランに合体。
「このまま一気に方を付けるか。クダイテスト!」
クダイテスト「イジルデ様の命により、助太刀してやる!」
これを見ていたイジルデはクダイテストを発進させ、スーパーゼンカイオージュランに妨害行為を働くも、すぐさまゾックス/スーパーツーカイザーとクロコダイオーが合体したスーパーツーカイオーに撃破されてしまう。
更にはゼンカイジュウオーの押し合いに負け、バトルシーザーロボ2世ごとステイシーは敗北。
調整を行ったにもかかわらず計画が破綻した為「あいつの力など、こんな物か」と、遂にステイシーを用済みとして切り捨てた。
しかし、ゲゲが人間界へと赴いて爆発に巻き込まれ気を失ったステイシーを回収、ラボへと持ち運び、彼から「ステイシーを治療して欲しい」と依頼される。
「ボッコワウスからの命令か?」とイジルデは問うも、ゲゲは答えず笑いながら飛び去ってしまったのもあり、イジルデは「ボッコワウスの意思なのだろう」と判断し止む無く治療に取り掛かる。
「やれやれ、コイツは只のキカイノイドでは無いから面倒なんだ。ど〜ち~ら~に~し~よ~う~か~なっと」
「(人間とキカイノイドのハーフ故に)特殊な身体を持つステイシーの治療は面倒」と愚痴をこぼしつつも端末を操作し、五色田夫妻のホログラムを出現させて美都子博士のホログラムをタッチすると、床から大型のカプセルが現れた。
その中に眠っていたのは、何と行方不明になっていた介人の母親・美都子博士その人であった……。
第26、27カイ!
ゲゲに頼まれた通り、美都子博士の血液と知識を利用したステイシーの治療・強化改造を終える。早速目覚めたステイシーを送り出すが、彼が挙げた戦果は「自分のお陰」として、ここぞとばかりにボッコワウスにアピールしていた。
その後、ラボにて手柄を取られた形になったステイシーが怒鳴り込んで来ると、コールドスリープ状態の美都子を発見され、以前ステイシーが研究データを勝手に見ていた事実を漸く理解し、口では平静を装いながらも手はブルブルと震えており、明らさまに狼狽した様子で事情を説明する。
「……あぁ。コイツは科学者でな、少し知識を利用させて貰っている。お前を助ける為に人間の血が必要だったので、一時的に解凍したんだ」
実は10年前に五色田夫妻をキカイトピアに拉致したのが他でも無いイジルデであり、人間界人のサンプルとして2人を拐帯、コールドスリープさせつつその知識だけをデータベースに反映・利用していたのである。
「フフフ……良いか? お前が今生きているのは我輩のお陰だ。余計な事は考えず感謝して、任務に励むんだな」
イジルデは「そのお陰でステイシーが助かった上にパワーアップできた」と恩着せがましく説明し、その場を去ったがこの直後にステイシーが美都子のコールドスリープを解除してそのまま出撃。
結果、目を覚ました美都子博士は作業机の上の物を全て払いのけて功博士の居場所を探していたが、丁度そこに戻って来ると、眠らせているはずの美都子博士と鉢合わせ。
戦闘要員でも何でも無い彼女はイジルデの敵では無い……ハズだったのだが、殴り掛かって来た彼女を躱した際にばら撒かれたパーツを踏んですっ転び転倒。
並行世界間ゲートによる別世界の逃亡を許した上に、彼女を発見したクダックが誤ってゲートを破壊してしまって、飛んだ先の世界が何処なのか分からなくなってしまい、ブルーンの時と同様にクダイターやステイシーを招集してその行方を追う。
ゲートの修復を済ませたイジルデは、自身は各並行世界で捜索するステイシー達にラボから指示を送っていたが「キノコトピアで美都子博士を発見した」との連絡を受け、全捜索隊をキノコトピアに招集させるも、既に介人達によって保護されてステイシーを残して全捜索隊は全滅。人間界へと帰還しようとしていた。
それでもイジルデは諦め切れず、焦りつつもステイシーに「ゼンカイオーブラックジュラガオーンの召喚」を命令するも、介人達にブラックジュラガオーンを撃破されて失敗し、博士の奪還を許してしまう結果に。
……実は「各並行世界に送り込まれたトジテンドの捜索部隊が「美都子の捜索」を名目に好き勝手に暴れ回っている」ステイシーの話を聞き、被害を広げさせないために打ったゼンカイジャー&ツーカイザーの芝居。保護した美都子博士はマジーヌが変身した偽物だった。
結局、戦隊側の罠に嵌められて本物の逃亡を許した上、技術開発のライフラインの一部を失う大損害を被ってしまった。
第28、29カイ!
前回の大失態については、案の定ボッコワウスには報告せず隠蔽しようとしていた様だが、それを知っていたゲゲにバラされ、ここぞとばかりにバラシタラにも突っ込まれてしまう。
ゲゲ「報告と言えば、イジルデ。先日、お前の研究所が何やら騒がしかった様だが?」
ボッコワウス「何っ? 聞いておらんぞぉぉっ!?」
「ああっ、いや、その……そ、それはですね……」
バラシタラ「捕まえておいた実験サンプルに逃げられたんだったか?」
「あっ! まぁ、いや……そんな様な所でして……」
ボッコワウスが激怒しそうになっているのを「既に逃げ出したサンプルは始末した」と、嘘を吐いて何とかその場を切り抜け、その後は「余計な事を言いおって……! 誤魔化せたから良かったものの……」とバラシタラに対する文句を垂れつつ、ステイシーにも他言をしない様にと念押しすると「バラシタラが喜ぶだけで、自分達に益は無い」として、ステイシーの了承に一先ず安心する。
そして、コールドスリープ状態の功博士と美都子博士の脳から、10年に渡って研究に使えそうな情報を直接引き出してきた実態をステイシーに明かして、バラシタラへの対抗心を燃やしながら、更なる技術開発の為に新たな研究に取り掛かる。
しかし、美都子博士を失った影響は思った以上に大きく、加えて10年も情報を一方的に引き出し続けた為、最早研究に使えそうな目新しい情報も探り当てられなくなり難航する。
「チッ! 使えそうな情報はもう出て来んか。10年も凍らせていれば、脳に刺激も無く、底も尽きると言う物。……いや、待てよ?……脳に刺激か! ウ〜フフフフフッ!」
直後に「脳に刺激」とのワードに閃いたイジルデは、残された功を利用して身体改造を施し、彼らのデータを元に侵略に送り込むワルドをガードする、ステイシーに続く新たな実験兵士・ハカイザーに仕立て上げた。
第30カイ!
新たに生み出したハカイザーに専用武器『全力破壊銃』を携えた上で実戦に投入。
自身が送り込んだカキワルドをゼンカイジャー&ツーカイザーからガードに成功したので武功を立て、博士の発明の盗用にもかかわらず「1から開発した実験兵士」だとボッコワウスにアピールしていた。
しかし、後に正体を現したホシガキワルドとの戦いで、ハカイザーと全力破壊銃もとい『ゼンリョクゼンカイキャノン』が「五色田博士のデータが元になっている」事実をセッちゃんから聞き、両親の発明が悪用されるのが許せない介人/ゼンカイザーによってゼンリョクゼンカイキャノンを奪取されてしまう非常事態に陥ってしまう。
「くぅ〜っ!!……何て事だ〜!。いきなり全力破壊銃を奪われるとは!!……まぁ、良い。コイツは無事だったんだ。我輩は引き続き研究を……おぉ!? これは新たな情報か?」
早速、ゼンカイジャーに奪われて苦悶の声を上げていたイジルデだが、エネルギー切れを起こして帰還したハカイザーが無事なのを確認すると再充電を施しつつ、ハカイザーから強い反応が現れたのを喜びを隠せずにいた。
第32カイ!
ここ最近、自身が戦線にハカイザーばかりを投入する事態に、ステイシーから「僕だけじゃ不満と言う訳か」と指摘を受け、「お前ばかりにかける理由は無いからな。お前がバラシタラを超えたければ、結果を出す事だ」と口すっぱく発破を掛ける。イジルデの言葉を受けてステイシーは人間界へ赴き、武功を上げるべく介人/ゼンカイザーを襲撃して交戦を開始するのだが、そこへバラシタラの生み出したサカサマワルドが現れたため、今エピソードの騒動が起こる。
第34カイ!
新たにハロウィンワルドを人間界に送り込み、ハロウィンに熱狂して暴徒化した人間達を操り人間界を混乱へ陥れようとする。
ハカイザーも同行させて盤石な守りを固めていたのだが、ゼンカイジャーの戦いの最中にハロウィンワルドのハロウィンヘッドが吹っ飛んでパワーが半減、暴徒化させた人間達が正気を取り戻すアクシデントが発生。
ハロウィンヘッド回収に作戦を一時中断せざる負えなくなり、それを聞いたボッコワウスに「ぬぬっ……その様なワルド、欠陥品では無いかっ!!」と激怒され、更にはバラシタラに「そもそもワルドが出来るまで、どう言う仕様になるか分からんと言うのが問題である!」と遂にタブーに触れられてしまうが、ハカイザーがフォローにより何とかその場を持ち直す。
しかし「ハカイザーの正体が“功博士”であるの」をジュラン達に知られてしまったため、人間界に直ぐさま赴いてイジックハンドからイジル電撃を放って牽制、ハカイザーを回収してその場を逃走した。
第38~40カイ!
新たにショウガツワルドを生み出し、人間界制圧の作戦を展開しようとするとボッコワウスに呼び出され、徐にボッコワウスが携えた龍の頭蓋骨の様なパーツを見て驚きを隠せないイジルデ。
それもその筈、ボッコワウスが持っていたのは先々代トジテンド大王の体の一部であり、「それを使ってハカイザーに強化改造を施せ」とする、ボッコワウス直々の勅命だったのだ。
そこでショウガツワルドの作戦行動をバラシタラに任せて、ショウガツワルドが侵略作戦を展開するその間、ハカイザーを送り込まずそのまま強化に没頭しハカイザー・改へ改造。
更にダイショウガツワルドを撃破したゼンカイジャー達の前にハカイザー・改が変形した怪獣型破壊兵器・ハカイジュウオーを送り込み、瞬く間にビル街を破壊し尽くしゼンカイオー2機を合体を解除に追い込む。
自ら人間界に赴いてハカイジュウオーから戻ったハカイザー・改に命令してゼンカイジャーを殲滅させようとするも、ツーカイザーがダイレンジャーギアで発動したキバレンジャーの「吼新星・乱れやまびこ」で激しい騒音を聞かされ、苦しんでいる隙に逃亡を許してしまう。
トジテンドパレスに帰還した後はハカイザー・改の調整を済ませ、翌日に再度人間界へと送り込み、人間界の蹂躙とゼンカイジャー殲滅を完遂しようするが、今回の戦いで功を絶対に救い出す最後のチャンスと決め込んだゼンカイジャーが作戦を実行。
ゼンリョクゼンカイオーの技で山間部の平野にハカイジュウオーを転送され、被害を最小限に食い止められた上、ステイシーが密かに渡したハカイジュウオーのデータのコピーを解析し、ハカイザー・改の居場所を突き止めたツーカイザーにハカイザー・改を摘出され、コアとなるハカイザー・改を失って暴走を始めたハカイジュウオーはゼンカイジュウオーとクロコダイバズーカの同時必殺技で粉砕。
更にはジュラン達キカイノイド4人がフリップを使って功の記憶を取り戻そうとする奇策で、徐々に記憶がフラッシュバックし、ハカイザー・改が苦しみ始める。
危機的状況にステイシーを呼び付けようにも、戦闘真っ只中の山間部にてゼンカイジャーの戦いを見届けており、代わりにすぐさまクダイター部隊に加勢に向かわせるが、フリント操縦するクロコダイオーに妨害されて失敗。
遂には介人の決死の猛攻によってハカイザー・改が敗北、スーツが消滅して功の意識を取り戻してしまい、ゼンカイジャーに功を奪回されてしまった。
第41カイ!
ハカイザーを奪回された上、せっかく渡したパーツも無駄になってしまうと失態に次ぐ失態に、完全にボッコワウスの怒りを買ったイジルデは、ハカイザーの充電装置に磔にされて制裁を喰らわされていた。
「ボッコワウス様〜!! お許しを〜!!こ……この際、真実などどうでも良い! 誰かに責任を押し付ける事さえ出来れば……!!」
しかし、何とか助かりたい一心でアイデアを絞り出すと看守のクダックに拘束を解いて貰い、ボッコワウスの前でステイシーに濡れ衣を着せると、何とも卑劣極まりない方法を実行。
「バラシタラの息子故、小生が手柄を上げる事に我慢ならなくなったのでしょう。思わず父親の為に小生のデータをこそっと盗んだに違いありません」
ところが奇しくもこれは真実であり、ステイシーの方も本当に私情でデータを渡す利敵行為をしていた為に反論出来ず、そのまま制裁を受けて投獄される流れとなった。
しかし、それでもまだボッコワウスの怒りは収まらず、イジルデ自身も信用を失ったまま、謹慎処分に近い扱いを受ける事態となり、暫くはワルドを作れずにパレスの隅で縮こまっていた。
第45~46カイ!
ボッコワウスからの信頼を取り戻す為に、オミクジワルドを生み出して人間界制圧を実行。不運に見舞われた人々を増やして混乱を引き起こす。
結果、ゼンカイジャーを不運に陥らせて戦闘ペースを大きく狂わせ、後一歩の所まで追い詰めるのに成功し、オミクジワルドが撃破された後もダイオミクジワルドのチート級の能力で圧倒。
「後少しで勝利」との状況に心を震わせていたが、自身を「神」だと名乗るステイシーが介入し、オミクジパワーを彼に吸い込まれて、元のクダイテストに戻ってしまうアクシデントが発生。
予想だにしない出来事に驚きを隠せず、改めて調べてみるとオミクジトピアが並行世界から消滅した事実に気付いてボッコワウスに報告。当然ボッコワウスから質問攻めを受けるが、自分でも説明がつかずタジタジになってしまった。
その後、ゲゲが生み出したコウモリワルドの能力をゼンカイジャーが既に把握していた状態を、戦いを監視していたバラシタラから「情報を漏洩している不届き者がいる」と報告を受け、とうとう怒りが頂点に達したボッコワウスから、全てのトジルギアを持ってくるよう命令される。
ボッコワウスの命令に従い、残る全てのトジルギアを献上した直後、ゼンカイジャーがキカイトピアに侵入した為、バラシタラと共に迎撃に向かったイジルデは、バトルシーザーロボ・シリーズの集大成の切り札たる巨大戦力・イジルデストロイヤー4世を自ら駆って出陣。自身の地位を復権させるべく、ゼンカイジャー殲滅を目論む。
「出て来い、ゼンカイジャー! 我輩の汚名返上の為に倒されるが良い!」
起動直後はサイズ差もあって、ゼンカイジャーをあぶり出さんとイジル電撃で手当たり次第に蹂躙していたが、巨大化したゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌの3人と対峙。
開戦当初はイジルデストロイヤー4世の戦闘力で3人を圧倒するが、石を投げつけるターさん達に目を外した隙に押し込まれてしまうも、すぐにクダイテストを召喚し建て直しに成功した。
だが、ステイシーとSDトピアから戻って来たゾックスから「イジルデに借りを返すべき」と促されたゼンカイザー/ゼンリョクイーグルとゼンカイブルーンの登場で、2体のゼンカイオーの合体を許してしまい、増援のクダイテストが瞬く間に倒されてしまったイジルデは「貴様等、何時も何時も我輩の邪魔をしおって〜っ!!」と恨み節を吐いた。
それに対して介人からは、「邪魔してるのはそっちだ!」の一喝と同時に「五色田夫妻の拉致」「夫妻のギア技術の悪用」「五色田功を改造・洗脳しトジテンドの尖兵にする」「他の平行世界への侵略」等々の悪行を糾弾され、今までの引導を渡すべく魂の込もった攻撃を連続で浴びて、劣勢に追い込まれてしまうイジルデ。
ブルーン「貴方は勉強が得意かも知れませんが、知識はみんなの為に使うものだと私は学びました!」
ジュラン「ぶっちゃけ1つだけ感謝してんだわ……俺らをあっちの世界に連れてってくれたことだけはなぁ!」
ガオーン「おかげで界人やヤツデ、たくさんの人間ちゅわんや可愛い生き物たちと……それに、大事な仲間と出会えたから!」
マジーヌ「でぇーも! ソレ以外はぶっちゃけ、ハチャメチャのギタギタにヌヌヌ全開許せなさブルンブルンっスからねえ~!!」
「まだだ!……我輩の発明が、貴様等に負ける訳には……!!」
介人「父ちゃん、母ちゃんの発明は、お前になんかに負けない!」
そして、最期はセッちゃんも加えた「6人のゼンカイジャー」が放った「ゼンカイオーゼンリョクフルブレイク」を喰らい敗北。巻き込まれたイジルデは「技術」と「戦果」の二重の敗北を受け入れもできないままに「うわぁぁぁ!! ボッコワウス様ぁあ〜〜っ!!」の断末魔を上げながら、イジルデストロイヤー4世の爆発に呑まれて消えていった。
その最期は、今まで自分が行った悪事の全てを突き付けられ、今まで盗用した全ての技術のオリジナルの力の前に敗北する皮肉そのものの末路だった。
敗因の考察
イジルデの敗因は結局「自分さえ良ければ他はどうでも良い」に徹したに尽きるであろう。
同じ幹部ながらバラシタラとは反りが合わずいがみ合い、ゲゲからも愚弄される中でステイシーとは利害の一致からそれなりの関係を構築した。但し、これについてはバラシタラも同様であり、結局はこの2人が己の立場や権力に固執して互いに足を引っ張り合った現状が、彼等自身とトジテンドの最大の敗因の一端となったのである。
しかも、第41カイ!で保身の為にステイシーを切り捨てた結果、最後の人脈=絆さえ失って切り捨てたステイシーにはきっちり借りを返される顛末も辿った。
保身の為にステイシーを切り捨てる事無く素直に刑罰を受け入れていれば、そのまま牢獄の中でゼンカイジャー達と戦わずに生き延びられた可能性もあった筈である(その方が良かったかは別だが……。また、逆に牢獄送りのままであれば、それこそ初期の末路を送っていた可能性もある)。
しかしその一方で、イジルデが歪ながらも持っていたステイシーとの繋がりは、彼の死後に思わぬ形で活かされた。それがバラシタラとの最終決戦である。
このバラシタラとの戦いで、ステイシーはイジルデが開発したステイシーザーの装備でバラシタラを打倒したばかりか、何と最期にバラシタラが起こした大爆発からゴールドツイカー一家とステイシーを守ったのは、イジルデが遺した忘れ形見のステイシールドだったのである。
皮肉にもイジルデが切り捨てたステイシーによって、自身の死後に彼の発明品の有用性は実証され、生前イジルデや彼の発明品を散々見下していたバラシタラに一矢報いる結果となった。更にステイシーと当初交わしていたバラシタラを蹴落とすだけの協力関係も、彼の死後に結果的に彼の忘れ形見の装備のお陰でステイシーによって果たされる形となった(勿論、本人が望んだ形ではなかっただろうが)。
加えて、彼がステイシーを切り捨てた件も、ステイシーをトジテンドから独立させた後にヤツデに受け入れられ、ゼンカイジャーの一員となる決意を固める大きな後押しさせる結果に繋がった。
擬似親子関係とも評されたステイシーとイジルデの関係だったが、最後の最後でその繋がりがステイシーを守り、彼を生かして新たな未来に進ませる結果となったのである。
そして、完全に己しか考えず他者を弄ぶだけだったバラシタラやボッコワウスと違って、己の為だったがステイシーや他の世界との繋がりを持ったイジルデは、本人の望みや良し悪しは別としてトジテンドの幹部の中で唯一、ステイシーを通じて後世に様々な成果を遺すに至った。
更にステイシーの装備に留まらず、最終的に様々な世界を繋いでゼンカイジャーが渡るのを可能とした並行世界間ゲートも、彼の発明品で結果的に彼の発明は世界を繋ぐ架け橋となった。
同時に彼の残した技術を悪用する者も現われたが、いずれにせよ彼の遺した発明はその後の世界に様々な影響を及ぼし続けており、ある意味「科学者としてはこれ以上ない功績を残せた」と評価できる。
また、以下の事実を考えれば「イジルデの敗因」の考察自体あまり意味は無いかもしれない。
何故なら彼は第1カイ!の時点で、ゼンカイジャーの物語の全ての始まりと、トジテンド王朝の破滅の原因を作ってしまっていたのである。
全ての始まりは……
ゼンカイジャーの物語の全ての始まりは『神』がイジルデの「世界を閉じ込めるトジルギア」の技術に目を着けたのが始まりだった(参考リンク)。
人間の常識や倫理観など通用しない『神』にとって、重要なのはイジルデが作り出した「世界をギアに閉じ込める」技術であり、その技術が五色田夫妻の盗用か否かはどうでもよかった。
そして『神』はゲゲだけでなくあらゆる人物に憑依し、最終回前まで自分のシナリオ通りに進めて行った。
イジルデ配下のダイオミクジワルドはゼンカイジャーに勝利できるポテンシャルを持っていたが、もうこの時点で『神』はトジテンド側を勝たせる気は無く、キカイトピアの閉鎖を決めていたのである。
結局、イジルデは「世界を閉じ込めるトジルギアを作ってしまった」事実で『神』の物語への介入を招き、自身の破滅とトジテンド王朝の崩壊を招いたのである。
- 科学者の設定や頭部のレボルバーの形状等からでモチーフは顕微鏡。
- また、「車椅子に乗っているかのようなデザインのマッドサイエンティスト」の風貌や設定から、映画「博士の異常な愛情」に登場するストレンジラブ博士もキャラクターイメージにあると思われる。因みにストレンジラブ博士もかつては、独裁国家に尽くしていた科学者との設定である。
- 『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』pp.106-107によると、元々は二足歩行の予定だったが、スタッフ側から「『座ったデザイン』にして欲しい」とのオーダーを受けて現在のデザインに落ち着いた。ただ「モチーフの顕微鏡の形状に近づいて、まとまった容姿になったのでキャラが立った」とも発言している。
- 裏モチーフは『爆竜戦隊アバレンジャー』の仲代壬琴/アバレキラー。研究者繋がりなので白いコートを反映させている。
- 名前の由来は、そのまま大阪弁で「弄るで(いじるで)」。
- 声を演じる竹田氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となる。
- 前述の通り、イジルデはイジルデストロイヤー4世と運命を共にする最期を迎えたが、初期段階では崩れるトジテンドパレスの瓦礫の下敷きになって倒れる案もあったが、声優の竹田氏・スーツアクターの村岡氏両名の演技力を絶賛したスタッフの「せめて最後は、ボッコワウス大王への忠義と科学者としての矜持を持って、正面からぶつかって負けてもらいたい」との希望により、作中のイジルデストロイヤー4世で直接戦って散る展開になった。
- 尚、初期幹部で最初の退場者となったイジルデだが、続く第48カイ!でボッコワウスをも加えた残る幹部陣は巨大ロボ戦への移行も無く倒された為、極一部の視聴者からは「イジルデ(=イジルデストロイヤー4世)との戦闘が“トジテンドとの総力戦”のピーク」と見る向きもある模様。尤も近年のスーパー戦隊のラスボス戦は、巨大ロボ戦からの人間大の戦闘が主流になりつつあり、普通に等身大で戦うラスボス戦も増えたのもあり、そこまでおかしくもないのだが。
Dr.イオカル:劇場版ゼンキラセンパイに登場。新たなトジテンド王としてポットデウスを神輿に担ぎあげ、技術者としての地位(つまりイジルデの後釜)からキカイトピアを牛耳ろうと目論んだ。
関連・類似キャラクター
- インサーン:10年前の技官繋がりの幹部。その最期も巨大戦力に搭乗しての敗北と同じである。但し、こちらはロボから脱出し人間大戦で敗れて戦死している。
- サーガイン:同じく技官繋がりな宇宙忍群ジャカンジャの幹部集団・暗黒七本槍の1人。しかし戦隊の巨大戦力をパクって産み出した自作の巨大戦力は基本的に自ら操縦し、パクリを指摘された際は「偉大な発明は、常に人の真似から始まるのだ!!」と堂々開き直って見せた(実はこれ自体は正論なのだが)。一方で、武官ポジとは頻繁にぶつかっていたが、最後の戦いに挑む際に切り札を託されたり、激闘の末に戦死した際にはその最期に敬意を表したりと、根っこの部分ではしっかりとした仲間意識で繋がっており、その点はイジルデとは対極である。
- キタネイダス:顔周りの造形や妙に人間臭い面が似ているガイアーク幹部の1人。江角走輔/ゴーオンレッドを演じた古原靖久氏もTwitterでそれについて触れている。
- ギエン:キタネイダス同様に「彼にも似ている」との声があり、他には肉弾戦が比較して不得意。こちらは20世紀最後の戦隊に登場した機械生命体のマッドサイエンティストで、最終的にはベース機を軸に作り出した、自らを象徴する巨大ロボ乗り込む点がバトルシーザーロボとイジルデストロイヤー4世に近い要素を持つ。但し、こちらは目的達成の為には躊躇無くボスを殺害して無差別破壊を行い、最終的に完全に発狂した点を持つなど最終的には両極端な立ち位置。
- クバル:5年前の戦隊の頭脳派の敵幹部で、武闘派の幹部と反りが合わない点が共通している。彼も武闘派の幹部より先に退場している。
- ガチレウス:「自分さえ良ければ良い」の考えで自滅した幹部の代表。もっともこいつの人使いの荒さはイジルデの比ではなく(社畜クレオン参照)、こんな奴が上司だったらステイシーが過労死寸前まで追い詰められた可能性があるが、この辺はイジルデはまだ自身に有用な人材の扱いを心得ていた模様。
- クランチュラ:前作のポジションがほぼ同じの幹部。ただし、こちらは徹頭徹尾オリジナリティを追及している為、本質的な思考は対極にある。
- ガルザ(キラメイジャー):才能こそ本物だが、方向性が既にあるモノを改修・強化する方向性に優れていると近似している(ただし、闇落ち前はオリジナリティに溢れていた)。
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