概要
宇宙忍群ジャカンジャの最高幹部の集団。
それぞれが強大な戦闘力の持ち主であると同時に、全員が異なる分野のエキスパートであり、作戦内容から来る組み合わせによって多彩な連携を見せる強敵揃いである。
その為、それぞれが従える部下の実態もまるで異なる。
同じ七本槍でも、六と七の槍は諸事情から長らく前線を離れており、首領タウ・ザント以外の面子とは一切面識は無かった。
また、「○の槍〜」と番号が割り振られているが、この番号が別に強さや階級の序列等ではなく、明確なリーダーはいない。あくまで実力的に最強は七の槍のサンダールというだけである。
加えて、劇中で七本槍が全員揃うのは最終回のみで、この最終回で集結した七本槍も邪悪なる意志が作った偽物に過ぎず、本物の七本槍が一同に介する事は最後まで無かった。
メンバーの名前は、それぞれ「曜日(七曜)」の英語読みと各モチーフから。
メンバー
一の槍フラビージョ
演:山本梓
『暗黒七本槍・一の槍フラビージョ。宇宙センター街でタウ様にスカウトされましたっ』(巻之四十七)
中忍の採点をするのが任務。単体でもそこそこ強く、「どかーん!」の一言で爆発を起こす。
ウェンディーヌとは「ウェンディ」「フラビー」と呼び合う仲ではあるが、偶に宇宙一のくノ一がどちらなのか張り合う事も。
巻之五十でウェンディーヌと共に倒されるも、Vシネマ『アバレンジャーVSハリケンジャー』で生存していた事が判明した。
劇場版『特捜戦隊デカレンジャー』にも、「宇宙女子大生」の肩書きで彼女と思しきキャラが1カットのみ登場したが、フラビージョであると明言はされていない。
さらに、『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』にも登場するが、こちらの世界線では既に死んでいるという設定であるらしく、ツエツエ・メーミィと共にプレシャス『三賢者の杖』にされた挙句に破壊された。
『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARSAFTER』の時代でも、ウェンディーヌと共に存命しており、零の槍バット・ゼ・ルンバと手を組む(というより従わされていた)が、バット・ゼ・ルンバが敗れ去ると、2人揃って逃げていった。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』では、偽ガオホワイトに変身した。
モチーフは蜂とコギャルで、名前は金曜日(Friday)から。
二の槍チュウズーボ
声:郷里大輔
『二の槍チュウズーボ、ご存知宇宙忍者の口入れ屋。最後は花丸であった…!(巻之十九)
宇宙忍者軍団の頭領。背中に巨大な箱を背負っている。少々短気で頭に血が上りやすい。
巻之十四での作戦失敗で謹慎を命じられ、さらにゴウライジャーに面目を潰された事から、巨大化して戦いを挑んだが轟雷旋風神に敗れ、暗黒七本槍初の戦死者となった。
ちなみに声を担当した郷里大輔氏は、前作ではラスボスのセンキを演じた。
二の槍候補チュウボウズ
声:岸祐二
『宇宙忍者ファイル、暗黒七本槍・新二の槍候補チュウボウズ。ちょっと生意気な若造です』(『VSガオレンジャー』)
Vシネマ『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』に登場した、チュウズーボの弟。
お調子者の性格で、地球忍者を倒す事で、空席になった二の槍に加入しようと目論む。
オルグの生き残りであるヤバイバ・ツエツエと手を組む。ガオレンジャーからGフォンを強奪した上で、暗黒七本槍(兄とサンダール以外)を偽者のガオレンジャーに変身させた。
兄の技を使いこなす他、『兄貴魂召喚の術』で兄を呼び出して襲い掛かった。
声を担当したのは、『激走戦隊カーレンジャー』の陣内恭介/レッドレーサー役を演じた岸祐二氏で、百獣戦隊ガオレンジャーではカメラオルグ役の声を演じた他、本編でもシュリケンジャーの変身態の一人として登場している(巻之三十五に登場した三味線奏者・滑川数馬役)。
三の槍マンマルバ
声:今村卓博
『暗黒七本槍・三の槍マンマルバ、ご存知的中率100%の予言者。今、その体に異変が…!?』(巻之十八)
不確かな未来に対する事柄を視る事ができる予言者。
タウ・ザンドに対して『アレ』が地球にあると進言した。
幼体は、ボールのような姿で宙に浮いている。チュウズーボの敗退と前後して繭に籠り、後に成長する。
マンマルバ成体
『暗黒七本槍・三の槍マンマルバ成体。予言は絶対です。が…』(巻之三十三)
巻之二十一で成長した姿を見せたマンマルバ。一人称が『僕』から『俺』に変わり、性格も以前の温厚なものとは打って変わって冷静沈着で残忍な性格に変わったが、語尾に『ら』をつけて話す癖はそのまま。
自身の誤った予言で本拠地に招いた挙げ句、自分達を裏切ったゴウライジャー(特にカブトライジャー)を激しく敵視し、宇宙サソリの卵を体内に植え付けて苦しめるが、後一歩のところで失敗してしまい、巻之三十三にてカブトライジャーとの一騎打ちの末に敗れた。
しかし、自身が倒される予言を想定して分身を残しており、再度地球忍者を苦しめるが、流星群の膨大な情報量に耐え切れず、醜い暴走体と化してしまう。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』では、偽ガオブラックに変身した。
マンマルバ暴走体
『暗黒七本槍・三の槍マンマルバ暴走体。お腹の中は、胃液の雨降る不思議空間です。』(巻之三十七)
幼体時の球体の体躯に両足がついた状態で巨大化したような、醜悪な姿となってしまった(上記イラストの後ろ側が暴走体)。しかし、戦闘力は大きくなり、ゴウライジャーを体内に飲み込んでしまう程である。
しかし、バリサンダーに乗った野乃七海と吼太がゴウライジャーを救出。その後、天雷旋風神と戦うも敗れた。
四の槍ウェンディーヌ
演:福澄美緒
『暗黒七本槍・四の槍ウェンディーヌ。ご存知センティピード総務課、セクシー重役』(巻之三十六)
ジャカンジャ一の美女。錬金術師でもあり、四軍団の内の三軍団の巨大化を受け持つ。
フラビージョとは、偶にどちらが宇宙一のくノ一かで張り合う事もあるが、関係自体は良好でサーガインとも良好な関係にあった模様。
怒りの感情が高まると、巨大化する体質であり、それでかつて星一つを滅ぼした事がある。
巻之五十で、フラビージョと共に倒されたかと思われたが、Vシネマ『爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー』で生存していた事が判明する。
『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARSAFTER』の時代でも、フラビージョと共に存命しており、零の槍バット・ゼ・ルンバと手を組む(というより従わされていた)が、バット・ゼ・ルンバが敗れ去ると、2人揃って逃げていった。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』では、偽ガオブルーに変身したが、海賊戦隊ゴーカイジャーとは違い、スカートは付いてない。
モチーフは蛇と錬金術師で、名前は水曜日(Wednesday)から。
五の槍サーガイン
演・声共に岡本美登
『暗黒七本槍・五の槍サーガイン、ご存知メカ忍者軍団指揮官。クグツ作ってます!』(巻之十)
クグツ忍者軍団を指揮する幹部。武人と科学者という相反するモチーフを兼ね備えるかなり稀有な存在。
しかし、鎧姿はこれ自体が傀儡に過ぎず、本体は小さな蟻に似た生物で、驚きの叫びをあげたりする時に見る事ができる。
巻之四十三にて、最高傑作のカラクリ巨人・ガインガインで戦いに挑むが敗れ去り、なおも挑みかかろうとするが、最期はサンダールに両断された。
チュウズーボの覚悟を汲んだり、マンマルバの最期を嘆いたり、死後にウェンディーヌ、フラビージョが、サタラクラも巻き込んで仇討ちをしようとするなど、仲間への情は互いに篤かったようである。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』では、偽ガオイエローに変身した。
モチーフは蟻と科学者で、名前は木曜日(Thursday)から。
六の槍サタラクラ
声:島田敏
『暗黒七本槍・六の槍サタラクラ。ダジャレ大好き新幹部。やかましくって、ごめんね~!』(巻之二十二)
巻之二十一から登場。単独で数多くの星を腐らせてきた実力者ではあるが、駄洒落や悪戯が大好きで、首領を「タザやん」と呼んだり、ふざけているようにしか見えない作戦が多いお調子者の幹部。
センティピードに常駐しない中忍のパイプ役も担い、仮面忍者軍団を指揮する。
一見お調子者に見えるが、その本性は残忍であり、特に仮面の下の自身の素顔を毛嫌いしている。
お調子者であるのは、残忍な本性を隠す為である。
巻之四十九にて、タウ・ザントが究極の存在になろうと、ジャキュームガンのエネルギーを集めるという大役を引き受けるが、腕にくっついたジャキュームガンのエネルギーを勝手に使った暴れた為に、サンダールによって倒される。
その際に仮面が割れ、醜い三つ目の素顔を晒された事と、ジャカンジャから捨て駒にされた怒りから巨大化するが、シュリケンジャーが乗った天空神の捨て身の自爆で倒された。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』では、偽ガオレッドに変身。名乗りでは音頭を取り、「灼熱の、4×4(獅子)=16!」と言った。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、血族のサタラクラJr.(後述)が登場した。
モチーフは京劇役者と孔雀で、名前は土曜日(Saturday)と「桜」から。
七の槍サンダール
声:池田秀一
『暗黒七本槍・七の槍サンダール。他人を一切信じないので、配下はすべて忍獣です。』(巻之四十八)
巻之三十九から登場。七本槍最強の男で、アストラム星を消滅させて、怒りの矢のメダルを封印した石を持ち帰ってきた。
表向きは七本槍を「同志」と呼んだり、タウ・ザントに忠誠を誓っているが、その本性は他人を一切信用せず、タウ・ザントをも出し抜こうとする冷酷な男。
巻之五十にて、タウ・ザントが究極の存在になろうとする直前に本性を露にし、地球忍者達を大いに苦しめるが、轟雷神の捨て身の特攻と自爆の前に果て、ここに暗黒七本槍は全滅した。
『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』には、時系列の関係上、七本槍の中で唯一登場しない(以前に倒されたチュウズーボは復活という形で登場した)。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、血族のサンダールJr.(後述)が登場した。
暗黒七本槍(邪悪なる意志)
「一の槍、フラビ~ジョ♪」
「二の槍、チュウズーボ!」
「三の槍、マンマルバら!」
「四の槍、ウェンディーヌ!」
「五の槍、サーガイン!」
「六の槍、サ・タ・ラ・ク・ラ!」
「七の槍、サンダール!」
『我ら、ジャカンジャ・暗黒七本槍!』
ウェンディーヌ「参上」
フラビージョ「ね♪」
サーガイン「我らの間の全ての因縁は消え……」
サンダール「貴様らを倒すために、今!」
サタラクラ「七つの力を合わせちゃうんだもんね~!」
最終巻にて、邪悪なる意志が化身した暗黒七本槍のコピー体。
外見・能力・人格の全てがオリジナルの暗黒七本槍の7人を完全にコピーしているが、あくまで邪悪なる意志が作った偽物に過ぎない。
一方で、オリジナルの七本槍達の諍いや性格の齟齬は存在せず(かつてそういう関係だったという記憶はある模様)、オリジナルとは打って変わって互いに見事な連携を見せ、チュウズーボの棍棒を媒体としたエネルギー弾「ジャカンジャ七重連・暗黒ボンバー」を必殺技とする。
その為、ある意味暗黒七本槍の理想形だとも言える。
これまでの戦いで、個々人それぞれの能力特性は既に完全に見切られており、もはや「伝説の後継者」たちの敵ではなくなっていた。
結果、ハリケンジャーとゴウライジャーにそれぞれ分断され、せっかくの連携を活かせないまま各個撃破された。
それでも完全討滅には至らず、再びタウ・ザント通常態の姿で再顕現することになる。
ちなみにオリジナルのフラビージョとウェンディーヌに関しては、その1話前の巻ノ五十で五重連ビクトリーガジェットを受けた時に、次元の狭間に秘かに逃亡・生存していた事が後の作品で判明している(尤もフラビージョに関しては、その後の作品によって生死の解釈が異なる)。
余談
幹部は男性陣が着ぐるみで女性陣が顔出しという当時のパターンを踏襲しており、配役の考え方の違いを目の当たりに出来る(シンケンジャー以降はコンプライアンス上の事情から顔出しは男性のみ、または全員着ぐるみ系が主流になっている)。
しかも、直近の作品では顔出し女性幹部が1名のみだったのに対して、本作では2人に増えており、この構成は次作のエヴォリアンも引き継いでいる(ただし、1名は成長により女優が替わっている)。
関連イラスト
関連タグ
サタラクラJr.&サンダールJr.:『海賊戦隊ゴーカイジャー』に登場する行動隊長。サタラクラ及びサンダールの血族。
ウラ七本槍:暗黒七本槍に匹敵する隠し玉と呼べるメンバー。チュウボウズが所属していたようだが、詳細は不明。
忍虫戦隊ジャカンジャー:『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』に登場。当初は「暗黒十本槍」と名乗り、八の槍ウラヌスッド(クワガライジャー)、九の槍ポセイドム(カブトライジャー)、十の槍ハーデズキン(テントライジャー)として登場していた。