ステイシー「暗黒召喚。」
ビッグバン!
ゼンカイジュラン! ゼンカイガオーン!
暗黒·ガッシーン……!
GO!GO!GO!GO!
ゼンカイオー ジュラガオーン!
ステイシー「ブラックジュラガオーン、とでも呼ぶと良い」
データ
全高/45.0m(肩上まで・47.0m)
総重量/2400t
スピード/350km/h
出力/1000万馬力
世界/キカイトピア
概要
強化されたステイシーザーが、ギアトジンガーとダークセンタイギアを用いて召喚する新たな巨大戦要員で、ゼンカイオージュラガオーンの偽物暗黒巨大ロボ。
ゼンカイジュランとゼンカイガオーンのコピーデータをそれぞれ登録した、ダークセンタイギアである「ダークゼンカイジュランギア」と「ダークゼンカイガオーンギア」の機界サイドを、ギアトジンガーにセットする事で、コピーメカのブラックジュランティラノとブラックガオーンライオンを召喚し、その2体が(暗黒)全界合体する事で出現する。
本機は、前回のバトルシーザーロボ2世の敗因を搭乗者のステイシーの力量だと一方的に決めつけたイジルデが、兵士による有人操作を排除する事を前提に開発した試験機である。
この為に、これまでのバトルシーザーロボとは違ってAIに制御された完全なる無人機であり、ステイシーの指示に従って自動で戦闘を行う。作中での様子を見る限りおそらくコックピット自体が無く、本家のジュラガオーンとは違って有人で操作する事は想定されていない。
ステイシーの指示出しも、あくまで最初の攻撃対象の選定のみで、それ以降の戦闘は完全にロボが自動で行う為に、ステイシー自身が操作する事や直接的に巨大戦を行う事は一切できない。
要するにステイシーザー登場当初の「偽物の巨大ロボを召喚して戦わせる」というスタンスに逆戻りしており、ステイシーの実力を過小評価していたイジルデとしては、「初期の戦闘スタイルをオリジナルより弱い幻の偽物ロボではなく、実体がありオリジナルよりスペックが向上している偽物ロボでやればより優位に戦闘を進められるのでは」という発想だったのだと思われる。
合体時のボイスはギアトジンガーのものになっており、一部音声が省略されている(本家の『ゼンカァーイ!』に当たるものやウグイス嬢の読み上げ等)。
変形・合体シークエンスは省略された為に詳細不明だが、本家と違い頭部と胸部パーツは最初から開いた状態で合体し、待機音は本家の甲子園の応援じみたものから、くぐもって低く不気味なものに変わっており、前述のボイスとも合わせて印象がガラリと変わっている(合体前の待機音は省略されている)。一応本家同様に後ろにステイシーザーの幻影こそ出るものの、本家と違って合体もあくまで自動で行われる。
なお、合体前の頭部の目は青いが合体すると赤くなる。
その姿は、まさに黒く染まったゼンカイオージュラガオーンそのものだが、基礎戦闘力はオリジナルと比べても桁違いに高く、『ブラックガオーンクロー』から放つ高出力の暗黒ビームといったオリジナルには無かった独自の強力な技を複数備えている。
さらに『ブラックジュランソード』から繰り出す闇の剣術や2機が分離しての噛みつき戦法でツーカイオーを容赦なく追い詰めている上、この時点での最強戦力であるゼンカイジュウオーの「カイジュウマックスブラスター」すらも左右に分離して躱すと共に2体の間の重力場を乱れさせて発生させる擬似ブラックホールでそのまま叩き返すと言う本家ゼンカイオーさながらの奇想天外かつ非常に自由度の高い戦術で対処する事も可能なので非常に厄介である。
その一方で所詮は無人機に過ぎない為に、その戦闘パターンや戦術はあくまで決まりきったものしかなく、慣れてしまえば攻撃パターンを読みやすい上に、逆に想定外の奇襲や攻撃に対しては極めて弱いという、人の思考や判断を介さない無人機特有の脆弱性を持っている。
その結果、スペック上はバトルシーザーロボ2世以上のスペックを有した機体に仕上がっているにもかかわらず、総合的な戦闘力ではバトルシーザーロボ2世に劣っている。
初登場時は、ゼンカイジャー&ゴールドツイカー一家を相手に実質完勝を収めたが、ステイシーが逃亡した美都子の捜索の為に撤退したのに少し遅れて召喚を解除・消滅した。
次話でも追手として召喚されてコオリトピアで再戦となり、再びゼンカイジュウオーをある程度は苦戦させるが、前述した通り無人機であるが故に単調な戦闘パターンは既に介人とゾックスには見切られており、ゼンカイジュウオーが咄嗟の機転で起こした雪崩に下半身が埋まった事で分離機能を封じられた上に想定外の事態に対応ができず、そのままなすすべもなく必殺技を食らって敗北・爆散した。
このように初戦こそゼンカイジャー側を圧倒出来たものの、2戦目では無人機特有の弱点を逆手に取られた結果あっさりと惨敗し、結果的にはむしろスペック的には劣る筈の有人機のバトルシーザーロボ2世の方が、ステイシー自身の操縦センスと覚悟によって遥かにゼンカイジャー側に善戦していた事を逆に証明してしまった。
この結果を受けて流石のイジルデも自己反省をせざるを得なかったらしく、以降はステイシーが直接搭乗するバトルシーザーロボシリーズに再び回帰し、後に3号機のバトルシーザーロボ3世を新造した。
一応はデータを登録したダークセンタイギアは残っていたので、本機を再度建造する事も可能だったのだが、イジルデがバトルシーザーロボの研究に戻ってそこにリソースを割いた為に、その後本機が再建造される事は無く、当然ながらブラックブルマジーン等が開発される事もなかった。
余談
その名前は「ゼンカイオーのブラックバージョン」という意味では順当なネーミングとはいえ「生み出した陣営が『トジ』テンドなのに、ネーミングが『ゼンカイ』オーというのはどうなんだ?」とツッコんだ視聴者も一部にはいた模様。とはいえ今回は誰が見ても分かるようなゼンカイオーのコピー品だった為に、分かり易さで考えてもブラックジュラガオーンが妥当なネーミングであろう。
ちなみに戦隊ロボのリペイントやリデコは夏映画の恒例であるが、本作は単独での夏映画は制作されなかった事から、テレビ本編の方にゼンカイオーブラックジュラガオーンを出したのだと考えられる。
元ネタ
かつてバンダイからDX超合金シリーズとして発売された、大獣神ブラックバージョン及び、ガオキングブラックバージョンが元ネタと思われる。
前述の通り、変形・合体シークエンスは省略されたが、ゼンカイジュランとゼンカイガオーンのブラックバージョンがこの姿に酷似していると考えられる。
関連タグ
- にせゴーカイオー:スーパー戦隊ロボのフェイクの先輩。
- ダイコピーワルド:ゼンカイオーの劣悪コピーを造り出した為、ある意味先駆けである。
- アキャチューガ:4年前の戦隊に登場した敵で、胸部に必殺技クラスの攻撃エネルギーすら吸収してしまう機能を搭載。これで相手の攻撃を飲み込んで防ぐ事ができ、更に取り込んだエネルギーを体内で破壊エネルギーに変換して撃ち返す破壊光線を持つ。
- ブラックオニタイジンムラサメ:次作に登場する巨大ロボのブラックバージョン。
- マルク(星のカービィ):体を左右に分割させる事で、ブラックホールを作り出すという、そっくりな能力を持つ(ただしこちらは相手をブラックホールに吸い込み、ブラックホールの先の異次元でHPを削りまくるという、ブラックジュラガオーンとは比較にならない程にえぐいもの)。
無意識にこれと既視感を感じた視聴者も中にはいただろう。