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大獣神

だいじゅうじん

大獣神とは、特撮テレビドラマ『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の登場キャラクター、および巨大戦力の一つ。
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守護獣たちよ、合体の時が来た。牙を剥け、吠え上げろ、奇跡を起こせ!


データ編集

全高41.7m
重量570t
出力2000万馬力
CV丸山詠二
テーマソング「大獣神のうた」

概要編集

第6話から登場する5体の守護獣が合体し完成する巨大神。合体の際にはまず前段階の獣戦車ダイノタンカーに一度合体し、その状態から「発動!大獣神」のコールで起立・変形する事により、大獣神としての姿を現す。

大獣神への合体には、「ダイノクリスタル」と呼ばれる5本の円錐状の結晶を使用する必要がある。また合体の際には、各々の守護獣を呼ぶ必要がある都合上5人揃っている必要があり、誰かが欠けている場合は守護獣単体で巨大ドーラモンスターに立ち向かうか、剛龍神など他の合神で対応しなければならない。他方で、ゲキたちの意志とは無関係に合体した状態で姿を現し、パイロット不在で活動に及ぶことも少なくはない。

コックピットの座席配置は、ダイノタンカーから変形する際の配置と、大獣神を操縦する際の配置がゲキ以外異なっており、また奥にはドラゴンレンジャーが座る席も存在するが、これが使用されたのは1回のみである。


戦隊初の「神」編集

従来のスーパー戦隊シリーズにおける1号ロボに相当する存在でもある大獣神だが、同時にその名からも分かるように、恐竜やそれと共に生きる生命を守護するとしての側面も備えており(守護獣の記事も参照)、共に戦うジュウレンジャーに対しても、人語によってその意志を伝えたり独自の判断で行動するのが特徴である。

このように、純然たる兵器といった趣の強い従来の戦隊ロボとは、(合体前の守護獣も含めて)明らかに一線を画した存在として位置付けられており、翌年以降も現在に至るまで度々シリーズに登場する、所謂「生命体」に類する戦隊ロボの先駆けとも言うべき存在とも言える。


人智を超えた存在であるが故に、「恐竜の卵」を守るという約束を果たせなかったアペロ族に対する仕打ちや、兄弟対決を制したゲキにブライの命を絶つよう迫るなど、時として人間から見ると厳格に過ぎるシビアな思考や判断に及ぶこともある。

とはいえ、前者に関してはゲキたちの嘆願を聞き入れて寛大な措置を取ったり、また後者でも兄を斬る事を選択せず、これを改心させたゲキの判断を(後述の事情もあるとはいえ)手出しせず見守るなど、厳格ではあるが非情ではない部分も併せ持っている。


もっとも、神ではあっても必ずしも全能の存在である訳ではなく、物語中盤ではバンドーラの作戦によって太陽からのエネルギー供給を絶たれた末、グリフォーザー夫妻と巨大ドラゴンレンジャーの猛攻によって敗北しマグマに落とされたり、物語後半では強化されたドーラモンスターに苦戦を強いられた事も度々あった。宿敵である大サタンに至っては、大獣神では勝つ事が出来ないと作中で明言されている程である。

それも無理からぬ事で、大獣神としての姿はあくまでも不完全な状態でしかなく、その本来の姿と力を取り戻すためには伝説の戦士――即ちジュウレンジャー6人の成長と、彼らが試練を乗り越え力を開放する必要があったのである。



能力編集

守護獣の時と同様に、ガイアトロンエネルギーを動力源として様々な能力を発揮する。ガイアトロンエネルギーは地球の自然、それに太陽光に由来する力であり、日食などで太陽光が遮られると前述の通りエネルギー供給を絶たれる状態となってしまうが、一方でガイアトロンエネルギーはマグマにも多く含有されているため、前述のマグマへの落下時には逆に傷を癒やし、復活を果たす要因ともなっている。


攻撃面では、頭部の角から「大獣神ビーム」、目から「破壊光線」と「吸引ビーム」、背中の砲身からの光線など、その身体に強力な武装を多数搭載している。また手持ちの武器として、ジュウマンモスの頭部をそのまま左手に装備した「マンモスシールド」という盾や、ジュウレンジャーの呼びかけに応じて空より飛来する「恐竜剣ゴッドホーン」があり、マンモスシールドの両目からもエネルギー光線を放つことができる。


大獣神/恐竜戦隊ジュウレンジャー:特撮ファンアート


必殺技はゴッドホーンの刀身から雷光を発生させ、敵を一刀両断に切り裂く「超伝説・雷光斬り」。基本形は右手一本でゴッドホーンを高く掲げ、斜めに切り下ろすというものであるが、左から横一閃に振るったり、右下から斜め上へと切り上げたりといった変則パターンも存在する。


玩具編集

本放送当時には「進化合体 DX大獣神」として、従来の戦隊ロボと同様に商品化されている。前年までとは異なり、超合金ブランドではなくなった分サイズアップが図られており、また販売形式も従来のセット版だけでなく、セット版の内容を3商品に振り分ける形での分売方式も試みられている。

超合金ブランドから外れた理由としては、それまでの戦隊ロボに比べて構造が複雑化したことで、それに対応したサイズアップの結果コスト吸収のために、合金パーツの導入が見送られたという事情がある。


番組終了後も、『ジュウレンジャー』の作品人気に乗る形で度々商品化がなされており、2012年には非変形である代わりに可動・プロポーションに重きを置いた「スーパーロボット超合金」シリーズに大獣神もラインナップされている。また2016年より展開されている「スーパーミニプラ」ブランドでは、スーパー戦隊からのラインナップの一番乗りとして大獣神がキット化された(2017年3月発売)他、同時期には超合金魂(GX-72)としても発売され、本放送当時の「無念」に対するリベンジを果たす格好となった。

超合金魂版はその人気の高さから、2023年にはドラゴンシーザーとのセット版(獣帝大獣神 GX-72 大獣神 & GX-78 ドラゴンシーザー)としての再発売もアナウンスされている(11月発売予定)。同じく再発売が決定したダイゼンガーボスボロットに対し、この手の再販商品の定番とも言える「仕様変更に伴う価格の上昇」がこのセット版では発生せず、合計額より寧ろ安くなっているという異例の事態となっている。


後年の戦隊ロボでも度々見られる、「ブラックバージョン」としての戦隊ロボのはしりでもある。元々は「超合金 ライディーン」に端を発し、複数のロボット物作品の玩具で採用された要素であるが、戦隊ロボとしてはこの大獣神が初の試みであった。

後の超合金魂版でも、「進化合体」と同様にブラックバージョンが発売されている(GX-72B、2018年7月発売)が、進化合体版のブラックバージョンとはカラーリングが異なっており、前出のライディーンのブラックバージョンと同様に、黒をベースに金の差し色を取り入れた当時品に対し、超合金魂では金の比率が抑えめとされている他、メタリックグリーンが新たに追加されているといった独自のアレンジも見られる。


海外版編集

スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー』シリーズにも、ジュウレンジャーを原典とした第1シーズンにダイノメガゾード(メガゾード・バトルモード)として、大獣神が登場している。


前述の通り「神」として位置付けられていた大獣神に対し、ダイノメガゾードはあくまで意思を持たない戦闘メカとして設定されている。また原典と同様に日食によって出力が低下する他、寒冷地では動けないという弱点も新たに追加、『ワンス・オブ・オールウェイズ』(2023年)に至っては、宇宙空間でも活動できるようになっている。

五星戦隊ダイレンジャー』を原典とした第2シーズンにも引き続き登場し、サンダーパワーによってメガサンダーゾードへとパワーアップを果たす。一方でシリーズ2年目の展開として、メガサンダーゾードではなくダイノメガゾードを新規デザインで続投させるという案も存在し、実際に検討用のデザイン案も複数描かれている。このデザイン案の中には、プテロダクティルスダイノゾード(守護獣プテラノドン)が兜として頭部に被さるという、無敵将軍隠大将軍を思わせるものもある他、同じく新デザインでの登場が検討されていたホワイトタイガーゾード(ウォンタイガー)との合体形態なども存在する。

第3シーズンにてサンダーメガゾードが大破したのに伴い、モーフィング元であったダイノメガゾードもそのまま退場の運びとなったが、後のシリーズでは新造された様で、『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』(2019年)と前出の『ワンス・オブ・オールウェイズ』に登場した。


シリーズ最初の登場キャラクターの一つであるだけに、原典の大獣神と同様に商品化の機会にも幾度となく恵まれており、2010年には他の玩具とのマルチ合体ギミックも追加される形で新規に商品化され(後の20周年の際に一部仕様を変更して「LEGACY MEGAZORD」として再発売)、パワーレンジャーの権利がサバンからハズブロへと移った後の2022年にも、同社より変形合体可能なダイノメガゾードの玩具が発売されている。


備考編集

当時プレックスの社員として、大獣神のデザイン作業に参加していた加藤大志によれば、その基本デザインは社内にストックされていた原案をベースとしており、また従前までの戦隊ロボとの差異を付けたいという思いから、単純な直線的形状を避け複雑な面構成にトライしているという。

また、着ぐるみにあまり重いパーツを付けられない都合上、それまではタブーとされてきた肩の張り出し形状についても、バンダイの開発担当であった野中剛からのゴーサインも得て導入に踏み切っている。


以降のシリーズ作品でも度々登場する機会が設けられており、映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』(2011年)や『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦!さらば永遠の友よ』(2014年)では、後輩の恐竜ロボたちとの共闘も描かれている。


スーパー戦隊レジェンドウォーズでは、ティラノレンジャーのレジェンドカードとビクトリーカードのスーパースキルで登場。いずれも超伝説雷光斬りを繰り出し、ビクトリーはジュウレンジャー6人によるコンビネーションクラッシュ(6人版はゲームオリジナル)の後に放つ。


関連イラスト編集

【恐竜戦隊ジュウレンジャー】大獣神大いなる獣の神

大獣神超伝説・雷光斬り!


関連タグ編集

恐竜戦隊ジュウレンジャー 守護獣(ジュウレンジャー) 戦隊ロボ

恐竜戦隊 合体ロボ


アバレンオー キョウリュウジン キシリュウオー:いずれも、後年の恐竜モチーフのスーパー戦隊シリーズ作品に登場する巨大戦力(1号ロボ)達

ガオゴッド:『百獣戦隊ガオレンジャー』の登場キャラクター、および巨大戦力の一つ。大獣神と同様に巨大戦力でありながら「神」として、戦隊メンバーを導くポジションとして位置付けられている


リュウオーン ゼンカイジュラン:いずれも後年のスーパー戦隊シリーズの他作品に登場するキャラクター達。前者は悪の組織の幹部、後者は戦隊メンバーという差異はあるが、いずれもデザインモチーフとして大獣神が採用されている


マグマトロン:『ビーストウォーズネオ』に登場するキャラクターの一人。大獣神と同様に古生物をモチーフとしたメカの合体によって構成される、意思を持ったロボットである


無敵将軍:『忍者戦隊カクレンジャー』の1号ロボット。自らの意志があることや自律行動できることが共通しているが、神であるがゆえに時として厳しい姿勢を見せることのあった大獣神と違って人の魂を持つが故にカクレンジャー贔屓らしく、ニンジャマン隠大将軍ツバサマルが登場してからも呼ばれなくてもカクレンジャーを助けにくることがあった。もっとも、無敵将軍に限った話ではなく、隠大将軍も似たようなものだが


歴代1号ロボ

ジェットイカロス大獣神大連王/龍星王

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