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マルチ合体

まるちがったい

「マルチ合体」とはスーパーロボットのアニメや特撮ヒーローで多く見られる、巨大ロボットのタイプチェンジ合体方法。「○○武装」とも呼ばれる。
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概要編集

ベースとなるロボの腕や脚を構成するメカを入れ替える事で様々な形態にタイプチェンジするシステム。パーツが余っても構成するほかのパーツと合体してもう一体のロボをつくれることが特徴である。大抵は戦闘中で見せる換装が多いためなのか、スーパーロボットで見られることが多い。リアルロボットでの採用は玩具的機構ゆえ戦闘中での演出が難しく、あっても極めて少ないケースとなる。


主にスーパー戦隊シリーズ戦隊ロボに採用されているアイデアであるが、実はマルチ合体の元祖は戦隊ではない。戦隊ロボのライバルともいえる存在である『トランスフォーマー』の『スクランブル合体』が玩具で再現できるマルチ合体の元祖といわれている。

スクランブル合体とは、母体となるリーダーロボを中心に手足を自在に変更できるシステムであり、当時は敵味方問わずほかの合体ロボの手足のポジションを変更できる遊びが人気を博したのである。

その後、同じTFから『マルチ戦隊』という合体バリエーションの多いロボが誕生しているが、これはほかのロボとの互換性のない単独で完結した合体であり厳密な意味でのマルチ合体ではない。


1990年代に入りTFの国内展開が一段落したと同時にマルチ合体は鳴りを潜めたが、90年代後半に戦隊ロボで初のマルチ合体ロボが誕生する。激走戦隊カーレンジャーRVロボ本体とVRVロボの手足を換装した『天下の浪速ロボスペシャル』と呼ばれる形態である。これはDX玩具のRVとVRVの合体ジョイントが統一されていることを劇中で採用したものとされている。

カーレンジャーの翌年放送された電磁戦隊メガレンジャーの2号ロボであるデルタメガは「DXマルチ合体デルタメガ」というタイトルで発売されたが、作中での立ち位置は1号ロボであるギャラクシーメガの強化パーツという位置づけでありこの法則には当てはまらない。初期設定では他のロボとの連携を想定していたとのことだが、採用されなかった。

2000年代ではさらなるマルチ合体が戦隊で現れることとなる。百獣戦隊ガオレンジャーパワーアニマルは共通のジョイントを持ち、胴を中心として両腕・下半身の入れ替えによって別のロボをつくることができるものであった(その前年でも組み換えで別形態になるロボがあり、そのシステムを応用して誕生したのがパワーアニマルであった)。玩具でもそれを再現しており、絶大な人気を誇る商品となった。それ以降、戦隊ロボではマルチ合体が主流の一つとなり、全合体と並ぶ合体システムとなったのである。

その影響を受けて、マルチ合体本家であるTFもそれを復活させ、ほかの作品でもそのシステムを主流とした合体を採用するパターンが増えることとなる。


現在では全合体よりもマルチ合体のほうが主流となっており、合体ロボといえばこれを指すことが多くなっている。

これは合体ジョイントなどが規格化でき、開発資産を大部分継承できる反面、どうしてもプロポーションには制約が行くので、それをどう設計でカバーできるかが腕の見せどころとなる。半面、未知のモチーフ・形態には設計難易度が逆に高くなり、経験と技術の蓄積が重要となってくる。


ブロック(ビルド)合体編集

マルチ合体以前にもパーツが合体してロボになるブロック的な合体をするものも存在していた。

手足と頭部、胴体をブロックに見立て、組み換えで各形態を作り上げるため、ブロック玩具的なアプローチという意味で『ブロック合体(またはビルド合体)』と呼ばれるようになった。

始祖はマグネロボである鋼鉄ジーグであり、磁力結合を利用して各パーツ脱着を行うことで別のロボットをくみ上げることができ、なおかつ各関節可動によってポージングを取ることも可能な商品だった。このコンセプトは売り上げに貢献し、亜種が次々と誕生していった(俗にいう『合体ロボット』)。

ただしこれは個々のユニットが単なるパーツでしかないため、ロボやマシンを作るにはある程度のパーツ数が必要で、単体では遊びようがないのが欠点である。とはいえ、キットとして購入する際はある程度1セットとなっていることがほとんどで、パーツをなくさない限りはそれを心配する必要はなかった。足りないパーツ同士を組み上げてほかのマシンを作ることも可能なのでパーツが無駄にならないのも特徴といえる。


これを基にしてパーツ単位に個性を持たせ、なおかつポジションを自由に変えることができるようにしたのが前述のスクランブル合体である。


関連タグ編集


合体 武装 換装

グレート合体:ある意味マルチ合体の対極といえる合体パターン。


激走戦隊カーレンジャー:スーパー戦隊シリーズにおいて初めて戦隊ロボにマルチ合体が採用された作品。


超力戦隊オーレンジャー主戦力がどちらも「ブロック合体」を意識した合体ロボの作品。


鋼鉄ジーグ:マルチ合体の祖である『ブロック合体』の原点。


勇者王ガオガイガー:勇者シリーズで唯一マルチ合体ロボが多数存在する。コアロボのガイガーガオファーガイゴーに各ガオーマシンが換装できる設定となっている。

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