概要
リアルロボットと対をなす言葉で、1機限りのワンオフであったり、謎の超技術で動いていたり、パイロットを選んだり、叫んで放つ必殺技があったりするような『特殊かつヒーローチックな』ロボットである場合が多い。
パイロットはしばしば単純でわかりやすい(記号的な)熱血漢である。
永井豪の『マジンガーZ』がその代表格だが、行きつくところまで行きつくと『伝説巨神イデオン』や『新世紀エヴァンゲリオン』のように、操縦者の意思さえ受け付けず何もかも破壊しつくすような、マシーンというより魔性の存在のごとき様相を呈する。
それでなくても、操縦者次第で「ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先(鉄人28号)」「神にも悪魔にもなれる(マジンガーZ)」という兵器の本質が既に黎明期からテーマとして現在でも根付いている。
いわゆるリアルロボットものでもこのような『超自然的マシーン』の存在は珍しくはなく、一概に「スーパー」「リアル」と分類するのは困難であり、また無意味である場合も多い。
ありていにいえば「バトル」「戦争」を舞台とし「変形」「合体」「パワーアップ」などなんでもありの混沌なつくりが売りであり、日常の枠から飛び出すことが作品として当初からパッケージされており、「強い」「大きい」「正義」という抑止の効きづらい概念で作られることから、作品の終わり方を間違えると果ては際限がなくなり破滅的な未来が待ち受けることには留意されたい。
発祥
恐らくマジンガーZのオープニングテーマが一番有名だと思われるが、8マン等それ以前からスーパーロボットと呼ばれるものはあった。
『第4次スーパーロボット大戦』の主人公キャラ設定において、「スーパーロボット系」「リアルロボット系」の属性を選択させたのがこの分類の始まりといわれている。
なお、「スーパー」の場合は後半の主人公機がグルンガストに、「リアル」の場合ヒュッケバインになる。
同シリーズにおいては「スーパーロボット=強固な装甲と高い攻撃力」「リアルロボット=回避・命中率に優れる」という大まかな個性付けがなされている。
ただし、鋼鉄ジーグやヒーローマン、テッカマンブレードなどのように作品としてはスーパー系寄りだが、サイズの関係で機体性能はリアル寄りという場合もある。
また、「スーパーロボット」という呼び名自体は、古くは「8マン」において、「エイトマンは、東八郎の記憶を人工頭脳に移植されたスーパーロボットである」という設定があったり、「ウルトラセブン」に登場するキングジョーが劇中で「ペダン星人のスーパーロボット」と呼称されるなどの例が散見されていた。
そしてロボットアニメブームの先駆けとなった『マジンガーZ』アニメ版の主題歌の歌詞にて「スーパーロボット マジンガーZ」と謳われたことにより、「スーパーロボット」という言葉は普及し、「正義の味方が操縦する巨大ロボット」というイメージが定着していった。
操縦方法は主にレバーやボタン操作、外部からの操縦が主流である一方、トレース式で操縦されるタイプも見受けられる。この方法で操縦するロボットの発祥はアニメや漫画ではなく、特撮作品の「ジャンボーグA」ではないかと言われており、同作品では車と同じようにハンドルで操縦する「ジャンボーグ9」も登場している。前者は機動武闘伝Gガンダムに、後者は特捜戦隊デカレンジャーのデカレンジャーロボや轟轟戦隊ボウケンジャーのロボに受け継がれて行ったと思われる。
ちなみに、この二大スーパーロボットは従来のロボット作品には珍しい画期的な変形方法をしており、稼動部が機械音を上げて変形するタイプではなく理屈をかなぐり捨てて、乗り物が巨大ヒーローと遜色無いロボットに変身する方法を取っているなど、一口にスーパーロボットといっても最初から完成形で出撃するロボットもあれば、合体方法や変形方法も千差万別なのである。
(余談ながら、リファイン版は造形がリアルになった事もあり、スーパーロボットらしいメカメカしい変形になっている。)
先に述べた通り、日本のロボットアニメ御三家は行き着いた先には文明を余裕で破壊し尽くす程の凶悪なシロモノがいるのである。
その逆で救世主かつ神という存在や破壊しつくすものに対しての制止力更には人々の願いを背負った希望の存在もいるため、まさに存在や目的次第で悪魔にも神にもなりえる『魔神』そのものである。