スペック(データ)
全高 | 45m |
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全幅 | 32.5m |
胸厚 | 16.7m |
重量 | 4,600t |
最高速度 | 220km/h |
出力 | 1,500万hp/t |
動力源 | メガイオンエンジン |
スーツアクター | 日下秀昭 |
テーマソング | ビルドアップ! デカレンジャーロボ(高取ヒデアキ) |
概要
5台のデカマシン(パトストライカー、パトジャイラー、パトレーラー、パトアーマー、パトシグナー)が「特捜合体」することにより完成する、S.P.Dロボの一体。本作の1号ロボに相当する。
怪重機や巨大アリエナイザーに対し、各デカマシン単体で対処困難な場合に使用される形態であり、後述の各種装備とずば抜けた機動性を活かした、射撃・格闘を得意とする。また、デカマシンに実装された宇宙統一規格ジョイントにより、調整次第で他のデカマシンとの合体までも可能とする拡張性の高さも備えている。
操縦は合体前と同様に各マシンのコックピットから、それぞれの担当部位を受け持つ形で行われる。遠隔操作も可能なようで、実際にOV『10 YEARS AFTER』ではデカブレイクによる遠隔操作で戦闘に参加したこともあった。
一方で、そのポテンシャルの高さを発揮するためには、白鳥スワンによる日常的なメンテナンスも必要不可欠であり、作中でも初合体に際し、何百トンものマシン同士が激突することから失敗すれば大破の恐れがあると警告されている他、とある事情からメンテナンス不十分な状態で出動した際には、平時の実力を発揮できずに怪重機に敗北し、大破・炎上にまで追い込まれるという憂き目にも遭っている。
この一件に限らず、度々苦戦や破損を強いられることの多いデカレンジャーロボであるが、裏を返せばバックアップ態勢さえ万全であれば、例え大破状態からでもそこまで間を置かずに復帰可能であるとも言え、実際にTVシリーズ終了後の派生作品でも主力として活躍している。
パワーレンジャー・S.P.D.での名称は「デルタスクワッドメガゾード」。
当初はBスクワッド(日本のデカレンジャーに相当)ではなく、Aスクワッド(パワレンオリジナルのエリート部隊)のロボという扱いだった。
合体シークエンス
パトストライカーがストライカーアームでパトアーマーとパトシグナーを掴み後輪に接続、二台を支えに前輪部分を回転させて両足のジョイントを展開、パトレーラーとパトジャイラーの後部が起き上がってパトストライカーに接続、最後にパトストライカーの後部が展開して顔が出現し、合体完了(ビルドアップ)となる。
なお、パトストライカーはパトレーラーとパトジャイラーに合体する際に毎回、垂直に落下しているが、原理は不明(パトストライカーは宇宙空間を移動できるマシンの為、所定の位置まで"飛んだ"のかもしれないが…)。
とりあえず、ビクトリーロボのように吊り下げられてドッキングしているわけではない事は確かである。
『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー』ではデカウイングキャノンで撃墜したアボトレックスが地表に激突する瞬間には既にスタンバイされている準備の良さを見せた(短時間でどうやって乗り換えたのだろうか…)。
特徴・性能
警察車両によって構成された機体ということもあり、白を基調に各メンバーのパーソナルカラーがバランス良く配されたカラーリングと、どちらかと言えば骨太なフォルムが外見上の大きな特徴である。また、顔面には目元を覆うようにバイザーも配されており、これも特徴的な要素の一つに数えられている。
前述したフォルムとは裏腹に高い機動性を発揮し、敵からの攻撃に対して機敏に反応し、側転や横っ跳びなどを駆使して回避しつつ即座に反撃に転じるという、往年の刑事ドラマの銃撃戦もかくやなダイナミックな動きを得意としている。単に素早い動きだけでなく、テクニカルな格闘戦までもこなすことができ、敵の腕をプロレス技のごとく固める「ジャスティスホールド」を披露したことさえある。
- 背中から展開される「ストライカーアーム」(合体後は一切使用しない)
- 右腕の投光器による「ライトフラッシュ」(ライトサーチとも)
- 左腕のサインボードを使った警告表示
- 左足を展開して放つ「ジャイロバルカン」
- 同じく左足よりパーツを分離・合体させて使用する「ジャイロワッパー」
といった具合に、合体前の各マシンの装備を活用することも可能である。これらの装備は合体完了時には展開状態となっており、「ビルドアップ・デカレンジャーロボ!」と名乗りを上げるとともに収納、戦闘態勢へと移行するようになっている。
この戦闘態勢への移行時には、右脚のコンテナ内から主武装の「シグナルキャノン」が射出、手元に収まるようになっている。その名の通り、赤・黃・青の3色の銃口を備えたこのハンドガンは、通常の弾丸の他にも水流や冷凍波、拘束用の「キャッチロープ」を発射可能である。
このシグナルキャノンを構え、各デカマシンのパトエネルギーをフルチャージし放つ必殺の銃撃が「ジャスティスフラッシャー」である。技を繰り出す際には、5から順にそれぞれの数字に対応したメンバーがカウントダウンを行い、その後に技名(もしくは「ストライクアウト」)の掛け声とともに銃撃を行う(※1)。
敵を撃破した際には、ガンスピンの後にシグナルキャノンを収納し、「Got you!」の決め台詞とともにサムズアップを決める。
もう一つの主武装として挙げられるのが長剣「ジャッジメントソード」である。パトアーマーのサーチライトをグリップとし、そこにパトアーマーのコンテナに収納されていた刃部分を接続することで完成する武器であり、主に近接戦闘にて多用される。
こちらも、ジャンプして上空から敵を一閃する「フライングクラッシュ」や、その強化版たる「ジャッジメントクラッシュ」を繰り出すことができ、うち後者は回によっては決まり手となったこともある。
(※1 基本的なパターンは前述の通りだが、Episode.12では保護対象のオカーナ星人エイミーを危険に晒されて激怒したデカピンクが、他のメンバーのカウントまで行ったこともある他、そのデカピンクが泥酔状態にあったEpisode.17では運転代行に当たったデカマスターが、彼女の代わりにカウントを行ったりと変則的なパターンも存在する)
強化形態
詳細は各個別記事を参照。
デカバイクにデカレンジャーロボが搭乗した高速移動形態。
TVシリーズの他、映画『スーパーヒーロー戦記』にも登場した。
デカバイクロボと合体した超巨大ロボ形態。
劇場版限定の武装形態。レスリー星のデカマシン・ブラストバギーとの合体により完成する。
備考
デカレンジャーロボのデザインに当たっては、「電飾をいかに見せるか」に力点が置かれており、戦隊ロボとしてはギャラクシーメガ(『電磁戦隊メガレンジャー』)以来となるライト&サウンドギミックが、よりゴージャスな形で盛り込まれる格好となった。
実際に発売されたDX玩具(「特捜合体 DXデカレンジャーロボ」)も、11個のLEDに加えて振動センサーも併用する形で、合体させることでサウンドを鳴らすことができる作りとされている。当時プレックス所属だった野中剛の語るところによれば、前述のコンセプトは「DX超合金 緊急合体ビクトリーロボ」(『救急戦隊ゴーゴーファイブ』)でサイレンを鳴らすことなどができなかったことが、発想の原点であるという。
一方で、ギミックはパトストライカーに集約される形とされ、パーツの配置を工夫することで合体時に他のマシンも光っているように見える工夫がなされている。デザインを担当したプレックスの菊地和浩によれば、緊急車両だから派手に全部光る方がいいだろうと思ったものの、実際の商品では若干抑え気味だったかも知れないと後に語っている。
この他にも、デカレンジャーロボについては変形合体に凝るのを一度止めて、「シンプルな合体の中に面白い遊びを探す」ことも志向されていた。中核となるパーツに手足となるパーツを接続する、比較的単純な合体パターンもその一環であるが、一方で合体後の武器を本体に完全格納できるなどの新味も込められていたりする。
映像作品に登場するスーツについても、作中での特徴的なアクションを再現すべく様々な試みがなされており、パトライト部には可能な限り電飾が配されている他、シグナルキャノンの両手構えを自然に見せるために、胸板を軟質の薄いパーツへ付け替えたり脇などを動きやすくする、といった工夫が盛り込まれている。
敵を撃破後にシグナルキャノンを仕舞うシーンについては、スーツの方は手首を外した状態で撮影を行い、そこに手首と銃をCGで描き加えることで、あの特徴的なガンスピンが再現されている。つまるところ、スーツでの撮影はパントマイムのような形となっている訳だが、これについて特撮監督の佛田洋は「日下秀昭だから可能であった」と語っている。この他、シグナルキャノンが収められる際アップになるホルダーは、パトレーラーのミニチュアが使用されているという。
スーパー戦隊レジェンドウォーズでは、デカレッドのレジェンドカードとデカレッド バトライズモードのビクトリーカードのスーパースキルで登場。どちらもメイン必殺技のジャスティスフラッシャー・・・ではなく、サブ必殺技のジャッジメントクラッシュを使用。ビクトリーはTVシリーズ最終回でのブルーフィニッシュ、グリーンフィニッシュ、ツインカムシュート、必殺拳ソニックハンマーにデカレッド バトライズモードのバトライズファイヤードライブを加えたものを放った後に繰り出す。
横っ飛びから繰り出されるガンアクションは本機体を象徴するアクションに位置付けられており、199ヒーロー大決戦でも披露された他、後続の戦隊ロボでもオマージュが散見される。
デカレンジャーの大いなる力を使用しているデカゴーカイオーは二丁拳銃という形でこれが拾われ、同じくパトカーをモチーフとするブンブンジャーロボポリスでも同様のアクションが展開された(尤も後者の場合、ガン=カタ的なアクションも見られ、デカウイングロボにも近しい)。
玩具
前出のDX玩具以外にも、放送当時にはミニプラや、カプセルトイ「特捜戦隊デカレンジャー カプセル合体デカレンジャーロボ」も発売された。
このうち、ミニプラ版は前年からの傾向を引き継ぐ形で、関節可動を重視した設計となっており、さらにパトライト部分もきちんとクリアーパーツとされているなど、単なるDX玩具の縮小廉価版からの脱却が図られつつあったのもこの時期であった。
TVシリーズ終了後も、2011年には『海賊戦隊ゴーカイジャー』の関連商品として、ブロック玩具的な要素を含んだ「ジョイント合体シリーズ」にラインナップされた他、同年11月には「スーパーロボット超合金」シリーズとしても発売。変形合体などのギミックこそオミットされているものの、スタイリッシュにアレンジされたプロポーションと広い関節可動により、作中でのアクションポーズも再現可能な作りとなっている。
関連タグ
サイレンダー パトカイザー:スーパー戦隊シリーズの他作品に登場する、警察車両によって構成された戦隊ロボ達
風のシズカ:『轟轟戦隊ボウケンジャー』の登場人物の一人。強化形態である「風のスーパーシズカ」のデザインモチーフの一つとして、デカレンジャーロボが採用されている。
199ヒーロー大決戦:2011年公開の映画作品。クライマックスの歴代戦隊ロボの揃い踏みにて、ライブロボとターボロボとの連携を披露している