データ
全高 | 52m |
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重量 | 5,500t |
最大出力 | 2,500万馬力 |
テーマソング | 飛べよデカウイングロボ!(歌:高取ヒデアキ) |
概要
物語後半より登場するS.P.Dロボの一体で、作品全体を通しての4号ロボに相当する。5機の航空機型デカマシン「パトウイング」が、「特捜合体」することで完成する。
後述の通り強い負荷がかかる高速飛行など、他のS.P.Dロボ以上に極端な環境での運用を前提としている都合上、同時期に登場したスワットモード専用とされている。作中でも、基本的にスワットモード使用時はデカウイングロボ、そうでない場合はデカレンジャーロボと使い分けられているが、アブレラとの最終決戦時のように、本来スワットモードを使用しないデカブレイクが搭乗・操縦するケースもない訳でもない。
作中で度々言及されている「惑星バリアシステム」についても、特にそれに引っかかることなく度々宇宙まで飛行していることから、描写こそないもののデカウイングロボの運用時には何らかの対応がなされているものと見られる。
性能
白をベースにしたカラーリングのデカレンジャーロボに対し、デカウイングロボはスワットモードに準じる形で黒を基調としている。またデカレンジャーロボが地上戦を主体とし、格闘・射撃とバランスの取れた性能を発揮する一方、デカウイングロボは高速飛行能力を活かした空中戦を得意とし、より射撃に特化した性能を備えている。
その活動範囲は、大気圏内に留まらず宇宙空間にまでおよび、二挺の拳銃「パトマグナム」による射撃は高い命中率と破壊力を叩き出す。その実力たるや、初合体の際にはいきなり怪重機複数を、これによる通常攻撃で瞬殺してみせた他、実体のない稲光さえも連射で相殺できてしまうほどである。
射撃に特化してはいるものの、各関節のセンサーと戦闘プログラムの連動により、デカレッドが会得しているジュウクンドーの腕前を応用することも可能で、パトマグナムでの打撃、それにかかと落としに続けて蹴りを見舞う「ダブルヒールスマッシュ」といった格闘術にも長けている。怪重機・ミリオンミサイルとの戦闘では相手の放ったミサイルを回し蹴りで全弾破壊し、そのまま怪重機自体も踵落としで地面に叩き落としている。
デカウイングキャノン
デカウイングロボが「特捜変形」して完成する、左右二門の銃口を備えた大型の銃形態。
機体に搭載されたパトエネルギーを、銃口から超大型エネルギー弾として発射する「ファイナルバスター」が本形態での基本的な必殺技で、使用時には周囲への影響を考慮して敵を宇宙空間まで運んだ後、本形態へと変形して射撃を決めるのが基本である。物語終盤では、地球に接近しつつある巨大隕石を破壊するため、強化版の「スーパーファイナルバスター」を使用したこともあり、こちらはエネルギーの消耗が激しいので一度しか撃てないことが、作中でも言明されている。
また発射の際には、スワットモードの専用装備の一つであるディーリボルバーにSPライセンスをセットし、これをロボ本体と連携させる必要もある。万が一の事態に備えて1名以上のスペシャルポリスが搭乗し、目標の捕捉と発射操作を行うことも義務付けられている。
銃であるとはいえ、基本的には特に射手を必要とせず単独で運用されることが殆であるが、以下の応用技のように状況に応じて、他のロボを射手とし連携することも勿論可能となっている。
- オールスターアルティメットバスター
デカレンジャーロボ・デカバイクロボ・デカベースロボとの合体技。3体のロボのパトエネルギーをデカウイングキャノンにフルチャージして放つもので、地球署が行使できる最大火力を叩き出す。デカウイングロボが使用する必殺技の中では、初めて地上で使われた技でもある。
- ツインロボ・アルティメットバスター
デカバイクロボがデカウイングキャノンを構えた状態で放つ技。アブレラとの最終決戦時に使用され、デカレンジャーロボを大破に追い込んだ怪重機・アブトレックスを至近距離からの射撃で撃破せしめた。
- ギガマグナム・シューティングフォーメーション
OV『スペース・スクワッド 宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー』にて登場。ハイブリッドマグナムを構えたデカレッドのイメージを投影し、これを射手とする形でデカウイングキャノンを発射する新装備で、サタンゴースを一撃の下に粉砕した。
これは、宇宙刑事シャイダーの使用する「ビッグマグナム」と同様のシステムでもあり、作中ではこれを目にしたギャバンTypeGが「聞いてないよ!シャイダーの持ちネタのパクリ!?」と当惑する一幕も見られた。
ロボ同士の連携はS.P.D.ロボに留まらず、他の戦隊のロボ相手でも問題なく行えるようで、OV『魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー』ではマジレジェンドの魔法エネルギーをフルチャージしてして放つ「マジファイナルバスター」を披露している他、『宇宙戦隊キュウレンジャー』における『デカレンジャー』とのコラボエピソードでは、ワームホールが閉じる速度を遅らせるため、デカブレイクの操縦によるデカウイングキャノンを、リュウテイオーが射手となって発射したこともある。
備考
放送当時発売されたDX玩具は、先に発売された「特捜合体 DXデカレンジャーロボ」と同様に、10個のLEDと振動センサーを活かしたライト&サウンドギミックを搭載しており、合体させることでサウンドを鳴らしたり、デカウイングキャノン形態でも発射遊びを楽しめるようにもなっている。またオリジナルギミックとして、パトマグナムをデカウイングキャノン形態でのスタンドとして活用することもできる。
別売の「超巨大起動 DXデカベースロボ」にマシン形態で収納できるように、分離形態のパトウイングはいずれもデカマシンに準じたサイズとされており、一部の機体は格納形態を取ることも可能とされている。このように基本的な機構はデカレンジャーロボとも共通した部分が見受けられるものの、「特捜変形 DXデカバイクロボ」との連動は特に想定された作りではない(※1)。
前出の「スーパーファイナルバスター」が使用されたEpisode.43に登場する、デカウイングキャノンからパトウイング2のみを分離させた形態は、脚本打ち合わせの際にDX玩具を弄り倒しているうちに出てきたアイディアである(参考リンク)。
『デカレンジャー』の英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー・S.P.D.』にも、は「SWATメガゾード」(※2)の名称でデカウイングロボが登場する。
同作では敵組織・トゥルービアンの真の首領であるオムニとの最終決戦において、シリーズとしては珍しく巨大戦の新規撮影映像も用意されており、弱点の腹部が露出した隙にパトマグナムにエネルギーを込めてフルパワーで極太のレーザーを放ち、オムニを撃破せしめている。
基本的に、『パワーレンジャー』シリーズにおける巨大戦の新規撮影は、レンジャー側の巨大戦力を失う展開である場合が多いが、SWATメガゾードはその例外的なケースとも言える。
(※1 一例として、パトウイング3の受けジョイントが、パトジャイラー&パトレーラーとは若干形状が異なる点が挙げられる。他方で、ミニプラ版ではジョイント形状がほぼ同一であることから、同シリーズのデカバイクロボとも問題なく連動可能となっている)
(※2 商品としての名称は「シュープリームメガゾード」)
関連タグ
ビクトリーマーズ:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場する巨大ロボの一つ。物語後半に登場する、極限環境での運用を前提とした4号ロボであり、それ以外にも「人型とは別の形態への変形機能を備えている」「他のロボへの格納を考慮して1号ロボとサイズを揃えられている」「ロボを構成する五つの巨大戦力の担当部位がほぼ同じ(厳密にはイエローとピンクの担当部位が左右逆)」など、デカウイングロボとは様々な面で共通項を有する。こちらも海外版で新規撮影が用意されたが、敵にコクピットを乗っ取られた為に止む無くレンジャー自らの手で爆破された末路である。