ジャンナイン
じゃんないん
「ジャンナインか……ま、悪くはない」
人工天球ビートスター内にて生み出された『最強のメカロボット』。
当初は赤い瞳を持ち、名前は「ジャンキラー」であった。
様々な次元のロボット怪獣のデータが加わっており、さらに機体と搭載AIは拉致したジャンボットをベースにしているので彼とは兄弟の様な間柄になっている。事実、ジャンボットと外見上は酷似点が多く、彼と同様のコックピットまで備えている(ちなみに後述の『ギンガ』に登場した際に頭部にこのコクピットが存在していることが判明した)。元々有機生命体抹殺のために生み出されたのだが、本来は必要の無いはずのものまであるのは、ジャンボットの素体をそっくりそのままコピーした上で生み出されたためだろうか?(劇中のエメラナ姫の台詞によると、ジャンボットを拉致してからジャンキラーが出撃するまで6日しか経っていない。あまりに早すぎる製造スピードもコピーと考えれば納得がいく)
射撃武器も搭載しているとはいえ白兵戦主体のジャンボットとは異なり、ゼロに「全身が武器の塊」と言われるほど多数の火器を内蔵している。またパワーとスピードや格闘性能も、ビートスター内の霧によって光線などのエネルギー放出をあまり使えず力を奪われていたとはいえウルトラマンゼロのウルトラゼロキックを片手で事もなげに受け止めてゼロスラッガーを放つ前に頭を押さえつけて使わせず、グレンファイヤーとミラーナイトが加勢しても全く歯が立たないほど高い。
ちなみに、背中などにキャタピラがあるが、これは戦車形態に変形するという初期設定の名残である。変形形態は当初設定されてなかったが、『ウルトラマンギンガ』にて空陸両用戦闘メカ「ジャンスター」という形態が新たに設定された(名前の由来は、恐らく『ジャンボーグA』の挿入歌である『エースアンドナイン』の歌詞から)。
当初はビートスターの定めた有機生命体を抹殺するプログラムに従って動いていたので冷酷な戦闘マシーンだったが、改心して自我に目覚めた後はジャンナインの名前を貰って「ま、悪くはない」と言い放つなど、先輩であるグレンファイヤー達からは少し生意気な所があると見られている(列伝ではグレンからナインの坊主と呼ばれていた)。
生まれたばかりだからか性格は至って素直であり、ツッコミを受けると「そうか」と言って納得をする。ジャンキラー時代の名残からか、無機質な物言いをすることも多い。
また、ウルトラゼロファイトではジャンボットが破壊された際に悲痛な声を上げ、ゼロダークネスとの戦闘時にゼロを涙を流して説得しており、仲間思いな所も見える。
ジャンボーグAを基にしたジャンボットと同じく、デザインは同作品に登場した往年の円谷ヒーロー・ジャンボーグ9を基にしている(戦車に変形出来るという初期設定もこれの名残と言える)。なお、原典は全く飛行できないという設定だが、ジャンナインは飛行できる設定に改められている。
ジャンボット同様に自律稼働もできるが、他者が操縦する場合は二通りのパターンが存在する。
『キラー・ザ・ビートスター』ではヒュウガがジャンボット同様にトレース方式で操縦。
『ウルトラマンギンガ』では一条寺友也が専用アイテム・ガンパッドを使って操縦を行うコマンド方式で、ジャンスターからの変形コードは「ジャンファイト!ツーダッシュ!」。
後者は元ネタであるジャンボーグ9がジャンボーグAのようなトレース式ではなく、車と同じ操縦方法であった事に由来し、変形コードもそのまま引用されている(ただし、ジャンボーグ9のようにポーズを決める必要はない)。
名称は元ネタとなったジャンボーグ9のもののみならず、ジャンボーグAから借用したものも多い。
ジャンキャノン
右腕のビームまたは実弾を放つ二連キャノン。ジャンスターの状態でも発射可能。
使用時には装甲がスライドして、砲身が露出する。
『ウルトラマンギンガ』では砲門が増設されており、ギンガとの最初の戦いでは戦いを終えたところに不意討ちをかけたとはいえ、これの怒涛の猛連射だけで完勝した(こちらで)。
元ネタはジャンボーグAがジャンポケットから展開する砲台「ジャンキャノン」。
ジャンバスター
腰のパーツが展開して発射されるビーム。
初使用時はビートスター内の岩盤を広範囲に渡って溶岩に変えてしまい、上述の事情でゼロが弱体化していたとはいえワイドゼロショットとの撃ち合いに一方的に競り勝つという超威力を見せた。
元ネタはジャンボーグ9がバックルから放つ破壊光線「必殺ナインレザー」。
ジャンサンダー
両手から放つ電撃。ジャンキラー時代にウルティメイトフォースゼロに浴びせた。
ジャンレザー
目から放つ赤いビーム。
自身を説得しようとするエメラナに向けて連射したが、か弱い命を一方的に奪うことを無意識のうちに拒んでいたために一発も命中しなかった。
『ウルトラマンゼロ外伝 キラー・ザ・ビートスター』
天球内に侵入したゼロ達を倒す為にジャンキラーとしてビートスターによって送り込まれ、その圧倒的な火力とパワーで苦戦させたが、ビートスターに操られるジャンボットを制止したエメラナの言葉に動きを止める。そのことからジャンボットをベースにしたAIを搭載され「心」が宿っている事に気付いたエメラナによる必死の説得を受け、更にゼロ達の熱い言葉に感情を呼び起こされて緑の粒子状の「涙」を流して改心した。
レイはエメラナに自分もジャンキラーと同じような境遇であると語った。
その後ビートスターに苦戦するゼロのもとに駆けつけ(この時目が兄と同じ黄色になっている)、恐怖に囚われ暴走するビートスターに手を差し伸べるものの拒絶されたためゼロと共闘。生みの親であるビートスターには当然全てのデータを握られているためあらゆる攻撃を回避されてしまうが、そんなことはジャンキラーも承知であり、予め隠し玉としてヒュウガを搭乗させており、ヒュウガの操縦によって放った計算外のパンチでビートスターの頭部を破壊、勝利の鍵となった。
事件が解決した後ゼロからウルティメイトフォースゼロに勧誘され、「それならジャンキラーなんて物騒な名前は変えた方がいい」とミラーナイトが提案した事がきっかけで、エメラナにより今回の事件の解決に尽力したウルトラマンゼロ、ミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボット、レイ、ヒュウガ、ゴモラ、リトラに続く9番目の戦士として「ジャンナイン」の名前を与えられ、『ウルティメイトフォースゼロ』の一員に加わった。
グレンファイヤーは「ジャンボット・ツーダッシュ」という名前を付けようとしていた(ゼロから「同じようなことを二回言ってる」と却下された)。由来は前述の通り。
更に素の性格は結構生意気だと判明したことで、エメラナの命によって兄であるジャンボットが教育係に当たるようになった。
なお、ギンガに登場したガンパッドで操縦を行うジャンナインとは異なり、ジャンボーグAやジャンボットのようなトレース式で操縦を行なっている。
『ウルトラゼロファイト』
第一部では、ラストに他の仲間と共にゼロを迎えに現れる。
第二部ではジャンボットと共に「鋼鉄のジャン兄弟」と名乗り、ダークネスファイブの極暴タッグと対決、主にタイラントを相手取るが、武装の殆どがエネルギー投射系兵器であるために尽く吸収されてしまい手こずっていた。
ゼロダークネスとの戦いでは、自らに「心」というものが何かを教えてくれたゼロの心を取り戻すべく涙を流しながら話しかけるも、ダークゼロツインシュートで上半身と下半身を真っ二つにされ、破壊されたジャンボットの手を掴もうと伸ばすが、届かないまま命を散らした…
『ウルトラマンギンガ』
ウルティメイトフォースゼロの追加メンバーであるため、他のメンバーに比べると活躍する機会が少なかったが、ギンガではまさかのライバルキャラクターとして抜擢されている。
ただし、『ゼロ』シリーズが同一の存在かは公式でも明確に言及されてない(一応、列伝のナビゲートでだが、ゼロとグレンが両者が別の次元の存在であることを示唆する台詞を言ってはいる)。
当初はダークダミースパークの影響でジャンキラーとして登場しているが、友也がダークライブしているわけではない。
今回から新たにジャンスターへの変形、背中のキャタピラでの移動(寝そべる)、新技ジャンスターダストも披露した。変形シーンのバンクも用意されており、キラー、ナインでちゃんと変更されている。
普段は宇宙空間で待機しているため、スパークドールズは直接登場していない。自我はあるよう(ジャンナインとして覚醒した時、友也に「僕に戦えというのか、ジャンキラー」と呼ばれてガンパッドに「JEAN‐NINE」と表示して答えた)だが、言葉は発しない。
ギンガとは3度戦っており、初登場の第4話では不意打ちだったとはいえこれまで無敗だったウルトラマンギンガにジャンキャノンだけで勝利した。第5話では、ギンガを宇宙に誘い出して互角の戦いを演じ、時間切れに追い込んだ。そして第6話でも互角の戦いを繰り広げるも、なんとギンガは拳をジャンキラーの頭の中にすり抜けさせ、コックピット内の友也のダークダミースパークを握りつぶすというとんでもない荒業で勝利した。
その後は友也の心情の変化に合わせ、ジャンナインとして覚醒。ギンガと共にティガダークとバルキー星人を打倒し、ギンガと共闘していく味方となる。
とはいえ、味方となってからは劇場スペシャルのタイラント戦で活躍したのを最後にいい所がなく、ダークザギや美鈴の父がライブしたダーク戦士にボコボコにされたり、諸事情で動けなかったギンガを庇ってスーパーグランドキングの破壊光線をもろに食らって大ダメージを被り、最終決戦には使用不能となるなど、ほとんど噛ませ犬扱いだった(対峙した相手がギンガさえ苦戦するほどの強敵ばかりだったこともあるが)。
最終話で友也に「GOODBYE FRIENDS」とガンパッドでメッセージを送り、ギンガやタロウ、そして多くのスパークドールズと共に地球を去った。
続編の『ギンガS』では、(登場自体は検討されていたようだが)サブトラマンであるビクトリーの登場もあり、出演することはなかった。
ガンパッド
友也が所有している、ジャンナインの操縦装置。タブレット端末型のパッドモードと拳銃型のガンモードの2形態を取る。機能の詳細は一条寺友也の項目を参照。
『ロストヒーローズ2』
原典と同じくビートスターに作られたジャンボットの兄弟機として登場するが、この作品のゼロが経験した戦いがベリアル銀河帝国までである為、この作品では初対面という設定。名前の由来もほぼ原典通りであるものの、9番目の勇者に大怪獣バトルの面々が入っていない点で異なる。
また、同作ではウルトラマンギンガも登場するが、特に絡みはない。
初めはジャンキラーとして対戦することになる。
『ウルトラマンZ ボイスドラマ』
第9回『鋼鉄の弟さん』に登場。
ゼロを訪ねて光の国にやってきた際にウルトラマンゼットと出会う。
しかし、ゼットからは何かにつけて兄のジャンボットと勘違いされた上に、終いにはゼロがゼットに「ゼロにケンカを売って泣かされた」「いつの間にか自分を『ボク』と言い出してキャラ付けに苦労している」などと失礼なことを吹き込んでいたことを知り憤慨。
ブチ切れてジャンキラーに変貌し、(その場にいたゼット諸共)ゼロをボコボコにした。
一方で、上記のように自分の話題がなかなか上がらない際には「そろそろ1個くらい(自分の話題が)出てきてもいいんじゃないか?」とイラついた様子を見せたり、ゼットが自分を“モロボシくん”と勘違いした際には、「いや、それペット!ピグモンだから!ちっちゃな有機生命体だから!」とツッコんだ挙句、「だいたいそのネタ、今の世代には伝わらないからな!何年前だと思ってるんだ…」「気になる人は『ゼロ モロボシくん』で検索してくれればいいんだ」等とメタ発言を連発する等して、視聴者の腹筋を崩壊させた。
(ギャグ展開とはいえ)以前の彼からすると考えられない言動ではあるが、これもまたウルティメイトフォースゼロの面々と関わったことで性格が軟化していった結果と考えるべきなのだろう。
「チャンネル登録しないのなら……お前を倒す」
ゼロ「いや、ホントすんません…いい加減機嫌直して下さい…」
なお、ゼロは第12回でこの時の件について「ああいうのはさぁ…その場のノリでちょっと盛って話すものなんだよ……ね…?…それをそのまま伝えちゃったら……そりゃあ怒るよ!」「そういうところ直さないと、社会に出てからキツいぞ!」とゼットに苦言を呈していた。
裏を返せば、ゼットが変な解釈をしたとかではなくゼロ自身がそう言っていた事は事実という事になる。
ウルティメイトフォースゼロにおいては唯一、一人称が「僕」である。
初期デザインではメインカラーが青であり、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』超全集の付録ポスターで見る事ができる。
ちなみにジャンボーグAの作品内にジャンキラー、ジャンキラーJr.というジャンボーグAを元としたロボットも登場するが、敵・グロース星人側のジャンボサイボーグ(有人操作)であり、ジャンボーグ9とは別人(別ロボ)、デザインも別物である。そもそもジャンキラーという名前は後付けで、最初からジャンナインとして設定されていた。
ソフビなどもジャンナイン名義で販売されているが、ULTRA-ACTではジャンキラーとして販売された。
ミラーナイト:こちらも元ネタが空を飛べないヒーローである、飛行可能な設定にリファインされたヒーロー。
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