「全ては…俺が元の姿を取り戻すための―――道具だ!!」
データ
別名 | 邪悪なる暗黒破壊神 |
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英表記 | The Evil God of Destruction DARK ZAGI |
身長 | 50m |
体重 | 5万5000t |
CV | ??? |
スーツアクター | 岩田栄慶 |
舞台版キャスト | 古谷大和、神里優希(SHINKA) |
概要
『ウルトラマンネクサス』にて最後の敵として立ちはだかる悪のウルトラマン。
ダークファウストやダークメフィストへと連なる黒い巨人「ウルティノイド」の一人目にして、全てのウルティノイドとスペースビーストの頂点に立つ首魁。
M80さそり座球状星団の異星人「来訪者」たちがスペースビーストを駆逐するために作り上げた対ビースト用最終兵器「ウルティノイド・ザギ」が自己進化の末に自我に目覚め、邪悪なる暗黒破壊神となった姿である。
雑誌展開『バトルオブドリームNOA』で初登場。『ネクサス』34をもって映像作品デビュー。視覚的な関連性が弱かった『ULTRA N PROJECT』の3作を繋ぐミッシングリンクとしての役割を果たした。
「ダークサイドノア」とも呼ばれ、外見はノアに酷似しているが、体色は銀色のノアと違い真っ黒なボディに赤いラインが走っている。
時折腕を広げて野獣のように禍々しい雄叫びを上げ、怪獣を髣髴とさせる荒々しいスタイルで戦う。巨人の姿の時に見せる凶暴性の一方、狡猾な策士としての側面も持ち、『ネクサス』では18年に渡り着々と自身が復活するための計画を裏で進めていた。事実、前日譚の『ULTRAMAN』から『ネクサス』最終話までに起こった出来事は全てザギの計画の内だった。
何万年も生きてきたザギ本人からすれば極短い期間にしか過ぎなかったと思われるが、それを差し引いてもその周到さは類を見ないだろう。
ウルトラシリーズの中でも屈指の異色作である『ネクサス』のラスボスを務めただけの事はあり、ウルトラシリーズでもトップクラスの凶悪さ、人気、そして人望(後述の「ネット紳士ザギ様」を参照)を誇るキャラである。
さらには未来予知や記憶・記録の改竄、闇の巨人を作り出して意のままに操ったり、スペースビーストを支配下に置くといった様々な能力まで持っている(ただし、ザギ自身はあくまでスペースビーストを制御下に置いているだけであり、来訪者の星に飛来したスペースビーストがどこから発生したものなのかは不明)。
「ダークフィールドG」を展開する能力も持っているが、劇中では"アンノウンハンド"として登場した際に使用したのみで、元の姿を取り戻した後は使用しなかった(ゲーム版では使用できる)。
さらに、設定上は超新星爆発にも耐えうる防御力や戦いの中で無限に進化する自己進化プログラムを持っており、不死身とも言われている。但し劇中においては倒された後に復活した描写は無い。『ギンガ』で再登場を果たしてはいるが、『ネクサス』本編と同一人物かは不明。
ただ、『ネクサス』、『ギンガ』の双方に携わった脚本家の長谷川圭一氏は同一人物であることを仄めかすようなツイートをしている(発言日は4月1日だったが、劇場版『ギンガ』にダークザギが登場するという予告自体は事実だった)。
必殺技
ノアを模して造られているため、ノアが使用可能な技と同様の技をほぼ全て使用可能とされる
- ライトニング・ザギ
所謂スペシウム光線系統の技で、ノアのライトニング・ノアと逆の構えで放つ赤黒い色の必殺光線(ただし、ライトニング・ノアとは発射までのポーズが異なる)。
『ネクサス』最終話ではライトニング・ノアとの押し合いに敗れてモロに直撃を受ける事となり、木っ端微塵に粉砕された。
『ギンガ』劇場スペシャルではギンガクロスシュートとゼロ距離での押し合いに僅差で敗北、エナジーコアを破壊され敗北した。
小説『ウルトラマンF』でも、ウルトラマンFが放ったギンガクロスシュートに似た光線との撃ち合いに敗北してエナジーコアを破壊され、敗北した。
その後、漫画『DARKNESSHEELS-Lili-』でメルバを撃破するシーンが描かれ、外伝作品の漫画という扱いではあるものの、初登場から17年越しでようやく相手に命中し、撃破する様子が描かれることとなった。
- ザギ・インフェルノ
敵に暗黒の炎を纏った拳を叩きつけ、一兆度の炎の柱で吹き飛ばす技。
ゲーム『HEROES' VS』で初使用した。
モーションはノア・インフェルノとほぼ同じ。
- グラビティ・ザギ
両拳から放つ黒色の超重力光線。ジュネッスブルーのネクサスに対して使用したものの、人々の声援を受け奮起したネクサスのバリアにノアに変身するまで耐え切られている。
ギンガに対しても牽制として何発か使用した。
- ザギ・シュート
握り拳から強力な光弾を発射する技。
数発でアンファンスのネクサスを吹き飛ばすほどの威力を持つ。
漫画『DARKNESSHEELS-Lili-』でもこれと思しき技を使用しているシーンがある。
- ザギ・リフレクション
円形のバリアを張る。劇中ではクロムチェスターδのアビロックミサイルを無効化した。
これとは異なるようだが、『ギンガ』劇場スペシャルでは両手に念力のようなものを纏ってジャンナインのジャンフラッシャーを受け止め、無力化している。
- ザギ・ギャラクシー
周囲に無数の隕石群を突如出現させ、暗黒波動で誘導して対象にぶつける技。
『HEROES' VS』では、敵の頭上に巨大な暗黒の球体を召喚、落下させる技として描写された。
『ウルトラマンF』でも使用したが、ウルトラマンFに模倣・相殺されてしまった。
- ザギ・ウェーブ
負傷したウルティノイドやビーストを瞬時に回復する治癒光線。
『ウルトラマンF』で初披露した。
劇中での活躍
映像作品においては『ウルトラマンネクサス』Episode.34のラストシーンで初登場。
「アンノウンハンド」に怯える来訪者が、TLTの吉良沢参謀に対して自らの星を破滅させた黒き巨人のイメージ映像を投影。その巨人こそがダークザギだった。
映画『ULTRAMAN』の公式サイトで限定公開されていた小説『“N” THE OTHER』にて誕生と悪堕ちの経緯が語られている。
公式サイトは現在非公開となっているが、DVD付属のブックレットで読むができる。
『“N” THE OTHER』~『ウルトラマンネクサス』
遥か昔、後に「来訪者」と呼ばれる知的生命体(外見は人間に似ていたという)は、突如飛来した青い発光体よって発生したスペースビーストの脅威によって、滅亡の危機に瀕していた。
その際、続けて飛来した赤い発光体と住人が同化、銀色の巨人に変身。銀色の巨人の力は光とともに人から人へと受け継がれ、無数のビースト軍団を撃退したのだった。
しかし、来訪者たちの心にはビーストへの強い恐怖が刻まれていた。ビーストを撃退した銀色の巨人もその戦いで傷つき、眠りについている。
ビーストの再出現に備え、来訪者たちが出した答えは「より強力な兵器を生み出すこと」だった。
こうして生まれたのが、母星を救った巨人を模して造られた対ビースト最終兵器、「ウルティノイド・ザギ」である。
対象を捕食し進化を繰り返すビーストに対抗するため、ザギにも自己進化のプログラムが組み込まれた。ウルティノイド・ザギはその存在に引き寄せられるように再び現れたビーストを次々と撃破していく。しかし、その過程でザギは「自分は光の巨人の模造品に過ぎない」「自分こそが唯一無二のウルトラマンとなる」という歪んだ自我に目覚め、暴走。
倒すべき存在であるはずのビーストを増殖、進化させ、自らの進化のため利用し始めたのだった。
ビーストを操り、破壊の限りを尽くすザギの脅威に、来訪者たちはついに母星の爆破という最終手段を取らざるを得なかった。
母星を失った来訪者たちは、情報体となって地球へと逃げ伸びていた。しかし、超新星爆発の衝撃をもってしてもザギは滅んでおらず、来訪者同様、情報体となって地球へ飛来することとなる。
地球に降り立ったザギは、来訪者と交信し、対ビースト抗体を研究していた西条博士の弟子である山岡一(のちの石堀光彦)のビーストへの恐怖という心の闇につけ込み、憑依。ダークザギに憑依された山岡は、博士の娘である西条凪の前で異形の姿へと変わり、西条博士を殺害する。
山岡は駆け付けた特殊部隊によって撃退されるが、これはザギが自らの肉体を取り戻し、復活する計画に利用するためであった。
その後山岡関係者すべての記憶及び記録を改竄。石堀光彦の戸籍を奪い、ナイトレイダーに所属。
ビーストを追って地球に現れたウルトラマンの光を奪い、ダークザギへと復活するため、「アンノウンハンド」として溝呂木やビーストを利用し、ウルトラマンの力が進化するのを促した。
「4番目の継承者…。その銃、似合ってるじゃないですか」
そして最終話。
思惑通り凪へウルトラマンの光が受け継がれたことを感知すると、自身に好意を寄せていた平木詩織を容赦なく銃撃し、本性を露わにした。続けざまに和倉隊長を銃撃した後、
西条凪を記憶消去装置「レーテ」に誘導。自分が両親を殺した張本人であることを明かし、敢えて彼女の怒りを掻き立て、凪が怒りに身を任せて変身したネクサスを拘束。
凪に植え付けた憎しみと、「レーテ」に蓄積していた人々の恐怖の記憶を利用し、ウルトラマンの光をすべてを闇に変換。すべての力を奪い取り、ダークザギとして復活を果たすのだった。そして世界中にビーストを出現させ、自らも真の姿で新宿に降り立ち破壊活動を開始する。
「復活の時だああぁぁーーーッッ!!」
和倉隊長の搭乗したクロムチェスターを撃墜し、凪から光を受け継いだ孤門一輝の変身したネクサスと交戦。格闘戦では最初のうちこそ圧倒していたものの、ネクサスが転身していくごとに徐々に差をつめられていく。それでも尚ネクサスがジュネッスに二段変身して放ったオーバレイ・シュトロームに耐え抜き、更にジュネッスブルーに変身して放たれたオーバー・アローレイ・シュトロームすらも片手で払い除けるなどして対抗する。
だが人々がウルトラマンの存在を思い出し、ネクサスを応援した事で、ネクサスが本来の姿であるノアへと変身し形勢が逆転。格闘戦で終始圧倒され、最後はノア・インフェルノを受けて宇宙空間へと吹き飛ばされるた後、必殺光線の撃ち合いを挑むも、壮絶な拮抗の末ライトニングノアの直撃を受け爆散。完全に消滅した。
なお、本来はもっと長く登場する予定で、最終話ではノアと壮絶な空中戦を展開する予定だったらしいが、放送期間短縮の影響などもあり、残念ながら実現されることはなかった(後述する『ウルトラマンギンガ』劇場版にて実現されることとなった。また、ザギが大気圏外へと吹っ飛ばされるのはこの展開の名残とも考えられる)。
防衛チームの隊員が裏切る(しかもラスボス)というのはウルトラシリーズでも異例である上、最終話の冒頭で唐突に本性を現したため、突然の石堀の豹変ぶりに驚いた視聴者は多かった(一応2話前に「石堀が一人で不敵な笑みを浮かべている」という伏線はあったが)。
書籍によると、ネクサスの復活はザギにとっても想定外であったものの、ザギにとってそれは「最強のウルトラマンを倒し、自らが最強の存在として更に進化する」ための喜ぶべき機会でもあったという。
また、記事冒頭の台詞にもあるように、ザギは自分が復活のために利用した全てを「道具」と吐き捨てたが、これは元々自分自身が来訪者達の「兵器」=「道具」として生み出されたことに通じている。
(椎名高志作の『ウルトラマンネクサス(漫画版)』では独自の解釈がなされており、「『永遠の平和』とは『虚無』である」「心と生命が消え去れば苦しみも悲しみも消え失せる」という結論に至った事が暴走の原因とされている。
彼の暴走の原因も元々は彼なりに「永遠の平和を作る」という使命を全うしようとした結果であり、これらの事実も考慮して考えると彼もまた曲がりなりにも一人の「ウルトラマン」であったと言えるのかもしれない。
余談だが、彼は戦闘中終始雄叫びをあげ続けていたのだが何故かノアが現れた瞬間その声がただの雄叫びからノアの名を絶叫混じりの声で叫んでいるような声に変わっている
ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル
タロウをして「(直前まであのタイラントと交戦していたにもかかわらず)今までの相手とは桁が違う」「(ティガが使えないため)並の怪獣では瞬殺されるだけ」と言わしめた。
公式サイトでは「邪悪なる冥王」「赤い稲妻のごときラインをまとった暗黒破壊神」など以前より凶悪な表現がされており、『ネクサス』登場時以上に激しく暴れ回った。
実際、野獣のような雄叫び、荒々しい戦い方に加え、ネクサスでは見せなかった瞬間移動能力も披露しており、圧倒的な実力は健在。登場直後にジャンナインのジャンフラッシャーを無力化しつつ突撃し、一方的な格闘戦で圧倒。続けて現れたギンガにはいきなり頭部をつかまれて吹っ飛ばされるが、ギンガが友也と会話している隙にグラビティ・ザギを照射してダメージを与え、闇のオーラを纏って時空を超えながら凄まじい空中戦を繰り広げた。
この戦いではギンガファイヤーボールをあえて回避するなど知的な行動を見せたり、未来予知能力を駆使したのか、ギンガの瞬間移動先を読んで攻撃を仕掛けるといった芸当も行っている。
最後は至近距離でのライトニング・ザギとギンガクロスシュートの鍔迫り合いの末にダメージを受けたようで、地上に降り立った直後にエナジーコアが崩壊、爆死を遂げた。
その後、スパークドールズは異形の手のモノに回収される。
なお、ヒカル達は当初ザギが全ての黒幕だと思っていた。
登場の際、原典におけるアンノウンハンドのような禍々しい空間から降臨するという演出がなされた。また、今作ではジャンナインの首を容赦なく引き千切ろうとするなど、より攻撃的な部分が強調されていた。
また地上に降り立った直後に自身の体が実体化している事を確認してから雄叫びを上げるなど、自我をもって行動しているようなシーンも見られる。
この戦いでジャンナインは深刻なダメージを受けたようで、第8話でザラガスが出現した際にはまだ修復が完了しておらず出撃を断念している。
今作のBD/DVDの付録冊子にはダークザギの紹介文に「色んな次元にも自在に飛べる」 「かつて様々な次元を荒らし回った暴れ者」などと述べられ、クライマックスの空中戦が単なる同一の空間内ではなく次元を越えた戦いである事が強調されている。
余談だがこの映画の監督は『ネクサス』も手掛けたアベユーイチ氏であり、メタ的にみるならばこの空中戦は企画されながらも『ネクサス』最終回で実現しなかったノアVSザギの空中戦のリベンジマッチと解釈する事もできる。
バトルオブドリームNOA
来訪者が母星を爆発させた影響でザギ(とスペースビーストとの激戦による疲労で眠りについていたノア)は平行世界であるM78ワールドにてM78星雲のウルトラマンやコスモスペースのウルトラマンを巻き込んだ戦いがあった……という設定で描かれている。
その世界で怪獣軍団を作り上げたザギは駆け付けたウルトラ戦士達を圧倒するが、彼を追ってウルトラマンノアも光の国へ到来、ノアとウルトラ戦士達の共闘で怪獣軍団を殲滅されてしまう。
雑誌展開によってストーリーが異なり、ノアと互角の戦いを演じた末ノアはやむなく最後の切り札であるノア・ザ・ファイナルを発動してザギの肉体を異次元宇宙に封印するパターンと、ノアが必殺技ノアシュートでダークザギをブラックホールに叩き込んで勝利するパターンが存在している。
この戦いで力を失ったノアは弱体化したといわれているが、公式設定書ではそういった経緯については一切記述されておらず、バトルオブドリームに関しても「並行宇宙での戦いがあったとも言われている」と微妙にボカした記述のため、これがいわゆる「正史」なのかは不明である。
なお、ダークザギは「ウルトラマンキングを圧倒した」といわれる事があるが、これは情報に尾ひれのついたデマである。複数パターンのある同作の作中ではいずれもダークザギとキングが直接交戦した描写は存在しない。
シリーズ外への客演
ゲーム『HEROES' VS』
本作では善悪18人の主人公の一人として登場。
各主人公が惑星ストラグルの核・ストラガイアのエネルギーを巡って戦いを繰り広げる中、ダークザギだけはウルトラマンネクサスに執着、その抹殺のみを目的に行動していた。
また、本作では他のキャラクターと遭遇してもまともな会話をせず、唸り声を上げながら襲い掛かる狂戦士のように描かれている。その為、他のキャラクターからは「野獣」などと評されているが、モノローグでは状況を冷静に分析しており、ネクサスやストラガイアに対してはテレパシーで自分の意志を語っている為、知能が無いわけではなく、会話する必要がないと考えていただけらしい。
他の主人公やそのヴィジョンを倒すことで力を蓄えたザギは、二度に渡ってネクサスと激突。二度目の戦いではネクサスがストラガイアのエネルギーにより闘争本能を解放されてパワーアップしてしまうが、死闘の末に勝利を収め、遂にネクサス=ノアを超える事に成功する。
直後に現れた黒幕・ストラガイアからは、全宇宙を闘争に満たす為に協力するよう促されるが、他者から操られる事を嫌うザギはその申し出を拒絶。18人の戦士の闘争エネルギー、戦闘データを吸収した最強の敵であるストラガイアをも殲滅してしまう(そもそも何故、ストラガイアは勝てると思っていたのだろうか?)。
その後、ザギはネクサスがまだ生き延びていた事を察知。再びネクサスと戦える事に喜びを感じながら惑星ストラグルを後にした。
今作ではガンダムシリーズにおける似たポジションのターンエーガンダムとターンXとも共演している。
なお、一部のプレイヤーからはメビウスのレベル上げ兼ネクサスとメビウス本編の恨みを晴らす用の体のいいサンドバッグとして使われているらしい。
ネクサス本編のネタバレ防止のためか、CVは「???」となっている。実際以前発売されたPS2のゲーム版では最終回前にもかかわらずエンドロールで「ダークザギの声:加藤厚成」と超絶ネタバレしてしまった。
ウルトラマンF
「紛い物だと?貴様にいったい何が分かると言うのだ!?」
第三章「暗黒破壊神」に登場。
初代ウルトラマンがゼットンの手で倒された世界に住む天才少年・少女の躁躁と鬱鬱が異世界に通信を呼びかけた結果、それに応答して出現する。
生き延びる為に人間を超えた存在へと進化する事を望む二人の要求は無視していたが、この世界にウルトラマンが存在する事を知ると取引に応じ、デュナミストとしての適性を持っていた二人をダークメフィスト、ダークファウストへと変貌させ、彼らの力を借りて大阪・新世界に降臨。文字通りの「新世界」を創る事を目的に破壊活動を行うメフィストとファウストを嘲笑しながら、自らは巨大な玉座に腰掛けてその様子を見物していた。
ザギ自身はこの世界に来た目的を「暇つぶし」と称しており、「地球を五分程度で壊滅させ、一時間もあれば人類を絶滅させる事が出来る」と豪語しながらも「脆弱なものと戦うのはつまらん」とも考えており、人類への攻撃はメフィストとファウストに任せて傍観を決め込んでいた。
一方でウルトラマンとの戦いに執着する様子を見せており、メフィストがウルトラアーマーのことを「ウルトラマンの紛い物」と評した際には、まるで自分が貶められたかの如く激怒。メフィストを蹴り倒し、声を荒げて罵っている。また、巨人兵士Fのことは当初歯牙にもかけていなかったが、彼女から「ニセウルトラマン」と呼ばれ、かつて「ノアの神」と呼ばれるウルトラマンがいた可能性を示唆されると、激昂して襲い掛かっている。
本作でも暗黒破壊神の力は圧倒的であり、ファウスト、メフィスト相手に善戦した巨人兵士Fを目で捉えきれないほどのスピードで蹴り倒し、スペシウム光線と同等の威力を持つマルス133すらも片手で払いのけてしまった。数々の怪獣を撃退してきた科学特捜隊の全兵器を投入した特攻作戦すらザギ・リフレクションで無力化し、もはや人類に打つ手は無いかに思われた。
しかし、巨人兵士Fの装備するウルトラアーマーFがバルンガ細胞の効果によってメフィストとファウストの光線を吸収し、更にザギ自身が放ったライトニング・ザギのエネルギーをも吸収してしまう。更に巨人兵士Fの肉体とメフィラス星人が埋め込んだナノマシン「メフィラスボット」がアーマーと融合変異し、ウルトラマンの偽造品(Fake)として戦っていた巨人兵士FがウルトラマンFとして覚醒してしまう。
人間を見下していたウルティノイド達は迂闊にもテレパシーで自らの思考を漏洩していたため、Fは瞬時にウルトラマンとしての戦闘に適応。ファウストはFの放ったスぺシウム光線によって瞬殺され、メフィストもザギの記憶から再現された87万度の熱線によって撃破されてしまう(これらの描写から本作のダークザギは『バトルオブドリームNOA』、或いは『ダークスパークウォーズ』の戦いを経験している事が示唆されている)。
ザギにとってもこの事態は想定外だった為、Fと精神融合して彼女の正体を探ろうと試みたが、F自身も状況を理解できていなかったので情報を得る事は出来なかった。それどころかF側にザギの情報とウルトラマンとしての因子が流れ込み、ウルトラマンFがダークザギと同等の力を得る結果に終わってしまう。
更にFからは「ウルトラマンノアはアルファにしてオメガ、あなた(ザギ)はノアのように強くなれない」、「ザギにはウルトラマンになるための因子が全て備わっていた。それに気付けなかっただけ」と指摘されてしまう。無様な偽物である自身の力を受け継いだFが真のウルトラマンになった事に苛立ったザギは、Fを殲滅すべく攻撃を始める。
戦いの最中、Fが人間を見捨てられないことを察知したザギは市街地に攻撃しようと目論むが、自らと同じ力を持つFのテレポート能力に阻まれる。両者は互いにテレポートを繰り返し、各国の都市部と秘境をワープしながら戦い続け、最終的に月面で光線の撃ち合いを繰り広げるが、ライトニング・ザギがFの放った「右肘に左拳を当てたような構えで放つ光線」に競り負けて敗北。エナジーコアを撃ち抜かれたザギは結晶のように粉々に砕け散った。
こうしてザギは滅んだが、変身を解除したフジ隊員は「闇の巨人にはウルトラマンと同様に完全な死が存在せず、ザギはいずれ復活する」と語っている。ただしそれは同時に「ザギがいつか光を受け継ぎ、真のウルトラマンになれる日が来るかもしれない」という希望でもあるという。
映像作品ではないとはいえ、本編では救いの無かったザギに一筋の光が見えたとも言える。
ウルトラマンフェスティバル
2009
第2部で登場。ザラブ星人が「復活させた」と語っている事から、ネクサス本編と同一個体だと思われる。
イーヴィルティガとのタッグでウルトラマンノア、ウルトラマンティガを苦戦させた。
彼らとの再戦でも高い戦闘力は健在だったが、観客たちの声援を受けてパワーアップしたノアたちの猛攻に押され、ゼペリオン光線とライトニングノアによって倒された。
光と闇が根幹設定に関わってくるウルトラマンティガや自分の姿に酷似したノアイージス収納状態のノアと戦えたのはある種のドリームマッチであると言えるだろう。
2012
第2部で登場。
カオスロイドSよろしく、光の国の神秘のアイテム「ウルトラブレード」で武装している。
2018
エンペラ星人によって生み出されたコピー体で、エンペラ星人曰く「意思を持たない木偶」。
戦闘力もエンペラ星人が作り出しただけあって高く、カミソリデマーガ、ジャグラスジャグラー、イーヴィルティガと組んで一度はウルトラ戦士を敗北に追い込むが、ソラの歌でウルトラ戦士が復活した事に加え、新たに現れた湊兄弟のルーブスラッガーで逆に追い詰められる。最期はジードとタロウの「インテグレートスパーク」を浴びて倒された。
作中では初代ウルトラマンと戦う場面が多い。ネクサスのエピソード0である『ULTRAMAN』が初代のリメイクを兼ねているからであろうか?
ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトルクロニクル2016 ~心の絆~
本作の黒幕として登場し、原作と違ってよく喋る。
怪獣やウルトラ戦士を模したアクロバトルスーツで戦う「アクロバトルユニット」に目を付け、自分たちを封じていたメインシステム「プリズム」を掌握して自らの手駒にしようと目論むダークメフィスト・ツヴァイと共謀し、ウルトラマンノアを今度こそ撃破しようと暗躍を開始した(※)。
手始めにマックス・エース・ギンガ・レオ・ゼロを撃破に追い込み、時空を超えて駆けつけたアクロバトルユニット陣営やウルトラマンエックス、そして第三勢力のベリアルの乱入を物ともしなかったが、東雲縁隊員が変身したネクサスがノアに覚醒。合体光線を浴びて滅び去った。
なお、ノアとの掛け合いは『ネクサス』第24話における姫矢准と溝呂木眞也の掛け合いからの引用である。
(※)スーツの中枢でザギの欠片からエネルギーを解放して洗脳するという仕組みらしく、これを実行しようとしてメフィストがプリズムに封印されたという過去が語られている。
ダークネスヒールズ
悪のウルトラマンにスポットを当てた『ダークネスヒールズ』において、メインキャラクターの一人として抜擢された。
詳細はダークザギ(DH)を参照。
バトルスピリッツ
『ウルトラ怪獣超決戦』版
テキスト
暗黒破壊神ダークザギ
青のスピリット
コスト:7(軽減色:青2紫1)/系統:闘神・冥主
維持コスト&BP:<1>Lv1 6000 <6>Lv2 15000
効果:
Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』
自分か相手のデッキを上から8枚破棄する。
この効果で破棄したカード1枚と同じコストの相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。
シンボル:青
イラスト:Hayaken
フレーバーテキスト:
ウルトラマンノアに模して造られた兵器「ウルティノイド・ザギ」が
邪悪な意思を持ち誕生した暗黒の巨人。
―ウルトラマンネクサス―
説明
コラボブースター『ウルトラ怪獣超決戦』に登場。
レアリティが「R(レア)」(真ん中程度のレアリティ)と普通であり、知名度か新しさによってレアリティが決められている事が窺える。
バトスピのカード自体の中ではこれでも強力とは言い難い性能なのだが、効果自体は「自分か相手のデッキ破壊」とまさかの自演再現となっている(自演については下記)。
『ウルトラヒーロー大集結』版
テキスト
邪悪なる暗黒破壊神ダークザギ
紫と青のスピリット
コスト:7(軽減色:紫2青2)/系統:冥主・闘神
維持コスト&BP:<1>Lv1 7000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 12000
効果:
【バースト:相手による自分のスピリット消滅/破壊後】
このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
疲労状態の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
自分か相手のデッキを上から5枚破棄する。この効果でマジックカードが破棄されたとき、相手のスピリット1体を破壊する。
シンボル:紫
イラスト:Hayaken
フレーバーテキスト:
スペースビーストを再生・進化させる闇の力「アンノウンハンド」の正体。
―ウルトラマンネクサス―
説明
コラボブースター『ウルトラヒーロー大集結』に登場。
レアリティが「M(マスターレア)」(上から三番目のレアリティ)と前回よりもレアリティが一つ上がっており、それに合わせて性能自体もより使い勝手が良くなっている。
バーストによって召喚がしやすくなり、召喚時・アタック時効果共にスピリット破壊の条件が緩めになり、より攻撃的な性能に変化している。
一方で「自分か相手のデッキ破壊」効果は残存しており、相変わらず自演再現が可能となっている。
余談
デザインについて
「黒いノアを敵として出したい」というバンダイ側が黒く塗装したノアのフィギュアを持ってきたのを見てカッコイイと思い、それを元に赤いラインを追加してデザインしたとの事である。(該当リンク)
ネット紳士ザギ様
円谷プロ公式HPでのエイプリルフール企画では普段からは想像もつかないほど知的で温厚な紳士として扱われている。本人曰くこちらが「素」であり、普段の態度は「悪の愚かさと正義の素晴らしさを子供たちに教える為の演技」だとか。そのためウルトラ戦士達、特にゾフィーを尊敬しているらしい(ちなみにゾフィーとは設定の割りに勝ち星が少ないという共通点がある。ネットでの扱いは雲泥の差だが…)。
2008年の企画『78ちゃんねる』では既に紳士キャラが固まっており、荒らし発言を窘めるなど良識的な発言を行っていた。翌年はブログ『503 Blog Unavailable』を開設して宇宙人たちの雇用問題に言及したり、自らの正義の美学について語るなどより知的な面を見せた。円谷ッターではニワカ紅茶知識を披露してウザがられているゾフィーに助け船を出そうとしたが、ザギの持つ本物の知識についていけなかったゾフィーは1秒で逃亡してしまった…。
これらの紳士ぶりから多くの怪獣達から慕われており、宿敵のウルトラマンネクサスからも「リアルとネット上での性格にギャップがありすぎる」と困惑されていた。
また円谷プロ50周年を記念して開催された「ウルトラ怪獣総選挙」では「ゆるふわ愛され破壊神」というキャッチコピーで参加。ダークザギを演じた加藤厚成氏や野々宮瑞生を演じた宮下ともみ氏に応援されるなどキャッチコピーに違わぬ愛されっぷりからか、50体中17位にランクインした。
この本編とネットでのギャップもあり、多くのファンから「ザギ様」「ザギさん」と呼び慕われている(ただし、あくまでエイプリルフールのネタである為、扱いには注意が必要である)。
なお、前述の通りザギは本来守護神としてノアを模して産み出された、出自としては善の存在である。もしかしたら闇堕ちする前の「ウルティノイド・ザギ」は本当にこのような性格だったのかもしれない。
自演ネタ
事件の黒幕でありながら、劇中では配下であるはずのビーストに殺されそうになった事があり、某格闘家を絡めたネタとして『石堀☆自演乙☆光彦』と呼ばれる事がある。
最もザギにとっては人間は器や道具に過ぎないため、死んだら別の人間に憑依しなおせばいいだけなのかもしれないが。また、石堀が殺されそうになった事で孤門隊員は自身が戦う意味を見失いかけていた為、全ては彼を闇に落とす策略の一環だった可能性もある。
また、「ウルトラ怪獣総選挙」ではダークザギを演じた加藤氏自身が応援する等、加藤氏自身もこのネタを知っている可能性がある。
キャラクターの遍歴
現在ではウルトラマンネクサスのラスボスであり、ウルトラマンノアの模造品という設定で知られているが、本来の立ち位置は大幅に異なっていた。
『ネクサス』初期の構想では「西条凪が適応者となった際、憎しみに呑まれて闇墜ちした姿」(「凪(NAGI)」のNを回転させると「ZAGI」となる)だった(凪は隊長の命令にすら背く事が多々ある程に憎しみに囚われており実質この設定はかなり終盤まで残されていた可能性が高い)。
つまり本来はノア(ネクサス)が悪堕ちした姿という設定だった。
その頃、石堀の正体はダークルシフェルというダークザギとビースト・ザ・ワンを合わせたような全く別の姿が想定されていた(凪の回想シーンで石堀の背中からビースト・ザ・ワンのようなと突起物が伸びるシーンがある)が、ネクサス自体の製作事情(放送短縮)によってダークルシフェルが廃案となり、結果的に石堀の正体はダークザギになったという経緯を持つ(この場合の雑誌展開の扱いは不明)。
ヒーローズピクトリアルでは「ルシフェルの位置づけはザギというよりもイズマエルに近いものだった」と記載されてもいるが、初期構想ではラスボスはルシフェルである事は決まっていたため、この記述は「ノアの模造品/影のような存在」という意味ではなく、「ビーストたちの集大成」という意味であると思われる。
また、同文献の中では「憐編のオープニング映像でジュネッスブルーの瞳にダークザギのシルエットが映り込んでいる」事と、「物語の進行に合わせてノアやダークザギの姿が追加される予定だった」という構想が明かされているが、廃案となった本来の構想がどのようなものであったのかは、今となっては謎に包まれている。
また、『ネクサス』放送前のウルトラマンフェスティバル2004ライブステージでは、「永き戦いの中で光と闇に分かれた存在」として描かれている。『ネクサス』前日譚的な様相を呈しているこのショーでは、「ノアのコピー」ではなく後年の『ギンガ』におけるギンガとダークルギエルのような表裏一体の関係が想定されていたようだ。
このような事から、その存在自体は企画初期からありながらも立ち位置が何度も入れ替わっている異色の経歴を持ったラスボスと言える。
『ウルトラマンF』ではいずれウルトラマンになれる日が来る事が示唆されており、もしかしたら…(なお、モデルとされるノアも正体が一切不明で、『古の超文明が生み出した存在』という説が存在している。ダークザギもかつて優れた文明を持っていた来訪者に作られた存在であったが、ザギ=過去のノアかどうかは不明。ノアは時空を選ばない活躍を繰り広げている事から、全くありえない説と言うわけでもない。もしそうなら、無限ループを起こしている事になるが)。
ちなみにダークルギエルの方は逆に「ギンガと対の存在」といった設定は当初は明らかにされておらず、続編の『ウルトラマンギンガS』最終回で明確にされた。
名前ネタ
前述の通り、「NAGIが倒れてZAGIになる」。このZとNを繋げるとZN、つまり「ゼットン」と読めることから、初代ウルトラマンにおけるゼットン枠としてこれ以上ない名前になっている。
決してZnとは関係ない。
関連イラスト
関連タグ
ダークファウスト ダークメフィスト ダークメフィスト・ツヴァイ
ダークルシフェル:本来『ネクサス』本編でザギのポジションを務めるはずだったとされるキャラ。