「このターンX凄いよぉ!!、さすがターンAのお兄さんッ!!」
スペック
型式番号 |
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所属 | ギンガナム艦隊 |
全高 | 20.5m |
重量 | 50.6t |
稼働重量 | 30.2t |
ジェネレーター総出力 | 68,000kW (±5,000~500,000+) |
装甲材質 | ナノスキン装甲 |
固定武装 |
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パイロット | ギム・ギンガナム |
概要
『∀ガンダム』のラスボスに当たる機体であり、主人公ロラン・セアックが搭乗するターンAとは兄弟機にあたる。
設定が意図的に曖昧な表現になっているアニメ本編の中でも特に謎が多い機体であり、ターンAとは登場人物達だけでなく、数千年にも及ぶ歴史・時代・文化を巻き込むほどの因縁がある。
また、ターンAと同様月光蝶を装備しており、その出力は凄まじくナノマシンは空を覆い尽くし、戦艦ソレイユをターンAとの戦闘の余波のみで間接的にエネルギー切れさせる程である。
月光蝶の色は緑色。
黒歴史時代に胴体に損傷を負っており、修復できずそのままとなっているX字状の傷は「癒えない傷を持つモビルスーツ」という、機械でありながら神話の怪物のような設定を持つ。
しかし、左右非対称で悪役然としたデザインでありながらターンAと酷似した『目』、分離・合体というアニメや特撮であればヒーロー側のマシンが持つギミックを存分に活用し、敵味方はおろか周辺地域全てをも巻き込む圧倒的な機体性能、パイロットのギム・ギンガナムの強烈な個性と合わさり、極めて高い人気を持つ機体である。
名前の由来は太陽系の10番惑星より。当時は冥王星は9番惑星であり、太陽系の外側にも世界観を広げる為のギミックでもある。ただし、森田繁氏によれば、富野監督がターンXというネーミングが既に存在していて、先述の由来は後付けであるとの事である(参考)。
機体解説
パイロットのギム・ギンガナムが本機を「ターンタイプ」「ターンAのお兄さん」「兄弟」と呼ぶ通り、ターンAとはデザイン・機能・武装において酷似した点が多い。
機体同士も接近すると、コクピットにターンタイプのマークが表示される、ターンAの額の「∀」マーク、ターンXの胴体の傷、ツインアイが発光する、鈴の音が響くなどの共鳴現象を起こす。
スモーと同じくIフィールドビーム駆動であり、常時高出力のバリアが張られている状態のため、ビーム兵器は基本的に効果が無い。
さらにその出力もターンAと同じく極めて高く、MS部隊のビーム斉射を装甲表面ではなく機体周囲のエリアで消失させてしまうほどの性能を持つ。
また、ターンX独自の機能に分離、合体がある。
機体を頭部、肩部、腕部、胴部、腰部、脚部に分離し(バックパックも分離可能)、さらに各部にはビーム砲が仕掛けられている(肩部:黒い三角形の部分、脚部:足裏など)。
劇中ではオールレンジ攻撃に使用した他、敵の組みつきからの脱出、分離した各部で敵を拘束しデータ収集しながら内部にダメージを与えるなど、特殊な使い方も披露した。
武装
汎用性を重視し携行武器が充実しているターンAとは対照的に、桁外れの機体出力を存分に活用する固定武装をメインとしている。
全身の至る所にビーム砲(リフェーザー砲)が備わっており、小説版ではロランに「武器のデパート」と呼ばせたほどで、火力はもちろん継戦能力にも優れている。
ターンAと異なりサポートを受けることは想定していないため、携行武器も大量に所持しているので、より攻撃的な傾向が強い機体であると言える。
溶断破砕マニピュレーター
右腕に備えられた異形の固定武装。ワイヤークローを発射することも可能であり、高出力のビームサーベルとしても機能する。ターンXの武装の中でも屈指の威力を持ち、ターンAのシールドやウォドムを粉砕するほどである。
ビームサーベルとして使用する攻撃はなぜか「シャイニングフィンガー」という名称で登録されているらしく、劇中ではギム・ギンガナムがこの名前を口にして威力に満悦している。
さらにゲームなどでは元ネタである機動武闘伝Gガンダムのキャラクターと共演した際に、この武装を絡めた掛け合いが行われることも多い。
3連装ビーム投射システム
右腕のクロー部に備えられたビーム兵器。多種多彩なビームを撃ち分けられる。溶断破砕マニピュレーターを起動したまま射撃する事も可能。
リフェーザー砲
全身の至る所に設けられた固定武装。
劇中では名称は出ていないが、使用頻度の高い上、分離時にはオールレンジ攻撃として使用する。
威力も極めて高く、脚部から発射したものは大木を一瞬で蒸発させた上で、戦闘領域のはるか外で傍観していたウィルゲムを一撃で航行不能にさせた。
キャラパス
背部に装備されたウェポンプラットホーム。携行武器を状況に合わせて装備・収容することが可能だが、パイロットのギンガナムはデッドウェイトを避けるためか大半を使用後に投棄している。
また、キャラパス自体もIフィールドビーム駆動によって機動力を持つため、ターンX本体のIフィールドで防御できない攻撃を受ける「盾」として使用することも可能である。
諸説によっては、ターンX本来の装備では無く繰り返されたターンXの改修の際に後から追加された物と言われたり、空洞部分にはまだ発掘されていない装備が積載されていた、などと言った謎多き装備とされている。
- ビームライフル
キャラパスに格納されているビーム兵器。
ターンAのものと同性能とされる。左手でしか運用できないため、ややショートバレルであり取り回しに優れる。
劇中では登場するが発砲する描写は無い。
- ロケットランチャー
炸薬で発射する実弾兵器。Iフィールドを備えた敵に備えて装備されたものであるらしい。
歴代のガンダムシリーズのハイパーバズーカと比較するとかなり小型の銃身だが、ムットゥーに直撃させたときは機体を完全に爆散させるのみならず、周囲のウォドムを転倒させるほどの威力を持つ。
他媒体ではビームバズーカ扱いであるなど設定が統一されていない。
- ミサイルランチャー
3連装の携行ミサイル兵器。
※劇中未登場
- ビームガン
ピストル型の小型ビーム兵器。
※劇中未登場
オールレンジ攻撃システム (ブラディシージ)
全身を頭部、両腕、両肩、胸部、腰部、両脚、キャラパスの最大10個に分離し、各個に攻撃を行う。敵機を包囲した後強力なフィールドを発生させ拘束する機能も持ち合わせている。
重力下でも使用可能。
この包囲攻撃は「ブラディシージ(血の包囲網)」とも呼ばれている。
月光蝶
禁断の戦略兵器。
詳細は「月光蝶」を参照。
劇中の活躍
ギンガナム艦隊により月のマウンテンサイクルから発見・発掘され、衛星ミスルトゥが月へ墜落する事故が発生した39話にて初登場。
しかし、調整が間に合わずマヒローを随伴させた上で、頭部『X・トップ』だけで出動した。
- ※これは左右非対称の作画に手間がかかるための制作側の都合もあり、他には最終話までナノスキンだらけにしてさながらミイラ男のような外観にする案もあったらしい
この際にターンAと数千年ぶりに邂逅する。ミスルトゥ墜落を防ぐという一時的な共闘状態でパイロットが互いに敵意を持ってなかったためか、共鳴現象はすぐに収束した。
事故後、頭部以外の全部位の復元が完了。月面都市ゲンガナムの全電力を用いて起動し、ギンガナム艦隊の戦力として編入される。
しかし、その行動を危険視したディアナ・ソレルの命令でターンXを没収されそうになるも、直前にギム・ギンガナムと一部の地球人大使がクーデターを決行。ディアナ・ソレルを討ち取るため、本格的にギム・ギンガナムの乗機となり、ギンガナム艦隊のフラグシップマシンになった。
その後は性能を出し切れていないターンAを圧倒し鹵獲するなど、ミリシャとそれに同調するディアナ・カウンターを相手に一騎当千の性能を見せつける。
しかし、性能を復元させたターンAをミリシャに奪還されてしまい、ロラン・セアックが搭乗したターンAと最後の決戦に入る。
互いのビームがバリアで無効化されてしまう故にビームサーベルによる格闘戦を繰り広げた末、最後は相討ちとなり、月光蝶の繭の中で共に眠りについた。
関連動画
経歴
本機の経歴はアニメ本編はおろかプラモデルや設定集などでも具体的に明言されたものは無く、全て推測に留まっている。
その中で最も著名なものは、『外宇宙より地球圏に流れ着いた未知の人型機動兵器』というもの。
科学技術が頂点に達した時代、突如宇宙から流れ着いたターンXは、当時の人類でも模倣するだけで精一杯であるほどの脅威的な性能を持つマシンであった。
この存在をきっかけに、人類は自らよりも高度に発展した地球外文明の存在を否定できなくなり、それらの侵略を恐れターンXを元に1機のモビルスーツを建造し始めた。
組織や国家ではなく『地球』そのものを守護するという大義名分が、機体性能と開発コストの上限を完全に取り払ってしまった。
もはや既存の兵器の枠組みを超越し、地球全土に設置された無制限な支援を行うことができる施設群と共に完成した機体は、過去の伝説のモビルスーツの名を借り「∀ガンダム」と名付けられた。
しかし、外宇宙からの侵略は幾つもの刻を経ても無かった。それどころか、増えすぎてしまった人類の影響で地球環境そのものが危機に瀕していた。
この状況を打破するために、人類は二つの陣営に分かれてしまう。
一つは『文明をリセットし、歴史を書き直す』ことを提唱する者たち。
もう一つは『科学技術で環境を回復させる』という方法を行おうとする者たちである。
話し合いは決裂し、前者は∀ガンダムを、後者はターンXを用いて戦争へ突入した。
後に『最終戦争:アーマゲドン』と呼ばれるこの戦争は数百年続き、地球は滅亡寸前まで荒廃してしまう。しかし、突如両機に備わっていた兵器が起動。地球圏の全文明を砂へ還し、戦争は終結した。
この戦いの後、∀ガンダムは地球の、ターンXは月のマウンテンサイクルへ埋葬され、歴史から姿を消した。
立体物
アニメの放送地域が限られていたためか、立体物での展開は非常に少ない。
ガンプラ
リアルタイム時に出たのは1/144のみだった(主役機のターンエーはおろかスモーも1/100で出ている)。また商品名も「モビルターンX」となっている。
ポリキャップはTV版WやXシリーズの1/144にスイッチを加えたものだが、数年の技術の進歩もあって上記シリーズよりかはポリキャップが目立たないパーツ割りになっている。また単純な色分けのためかこの手のキットにしては珍しくシールが付属しない(そのためカメラアイまで成型色まんまなのだが…)。
武器はライフルとロケットランチャーが付属し、バックパックのキャラパスにも収納が可能。
溶断破砕マニピュレーターは閉じた状態の固定式となっている。
2014年6月には弟のターンエーに7年遅れてMG化。
νガンダム同様KPS素材を関節に使用したポリキャップレスキットとなっており、各所のアクセントにクリアブラックを使用。ギミックの方も溶断破砕マニピュレーターの開閉や分離合体機能も完全再現し、そちらを再現した状態でも飾れるスタンドも付属するという決定版とも言える仕様となっている。
ただ大型機体故に関節の強度が緩いという欠点もあり、武器を持たせると次第に垂れ下がりがち。分離機能が裏目に出て、接続した腕が勝手に落下するなんて事態も…
逆に溶断破砕マニピュレーターのクリアパーツやロケットランチャーのパーツはめは異常に堅く、ピンバイスで穴を広げたり、ヤスリがけで調整するなどしないととてもじゃないが組めない。そのため、完璧に仕上げるには結構上級者向けのキットとなっている。
また、同MGが出たことで月光蝶エフェクトがプレミアムバンダイから発売。ターンXのみでなくターンエーにも対応しており、とうとう月光蝶がMGでも再現が可能になった。
アクションフィギュア
こちらも放送直後から展開したMS IN ACTIONでは出なかったが、放送10年目の2009年にROBOT魂がターンエーより先に発売。実はガンダムシリーズでは初の00以外の作品からのリリースとなった。
武器は設定上存在するものが全て立体化され、溶断破砕マニピュレーターは差し替え式で展開状態を再現。また公式では掲載されていないが関節を分解しやすくなっており、不完全ながら分離機能も有している。
カプセルフィギュア
ガシャポンSDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。一部にクリアパーツが採用されている。 ※現在、入手困難
ガシャポン戦士NEXTシリーズにラインナップ。溶断破砕マニピュレーターは展開状態、ライフルとロケット砲を任意で装備させることができる。
食玩
GUNDAM CONVERGEシリーズに、記念すべき100体目としてラインナップ。溶断破砕マニピュレーターは非起動状態⇔起動状態を差し替えで再現。 ライフルとロケット砲は任意で装備させることが可能。 本体の一部にクリアパーツが採用されている。 ※現在、入手困難
ゲーム作品では
Gジェネレーションシリーズ
Fから登場。F、NEO、SEEDでは使いにくい。
FではIフィールド無し、飛行・水中・水上移動不可、武装4つの内2つはMP消費の必殺技になっており、まともな武装はビームライフルのみ。MAP兵器の月光蝶は…お察しください。
オプションパーツやSFSで補えば解決できる範囲なので、工夫してみよう。
NEO、SEEDではIフィールドが付いたが、使える武装がシャイニングフィンガーとビームライフルのみ。Iフィールド持ちやビルゴ相手には歯が立たないし、シャイニングフィンガーも消費ブロック4なので非常に使いにくい。
PではFの仕様+Iフィールドと飛行の両方が備わったため、過去作に比べて幾分使いやすくなった。
実際に日の目を見たのはウォーズから。武装が本格的に見直され、ユニットとしての使い勝手や強さが大幅に改善され、便利なアビリティと多種多様な属性の武装を備えたゴージャスな機体に仕上がった。
なお、シャイニングフィンガーがあるからといってドモン・カッシュを乗せてそれを使わせても「シャイニングフィンガー!」とは叫んでくれない。
ロストヒーローズ2
本作でもボスとして登場。人格ベースはギム・ギンガナムとなっており、カイザーダークネスやグレムリン(進化体)と共に『リジェス三軍神』に数えられる。
目的は全てを破壊して新しい時代を始めるという原作以上にマッドな野望を抱いている…が、それ以外は大体いつものギンガナムである。
デストロイ・キューブの生成に伴い、鈴の音と共に出現し、名言ラッシュの後にヒーロー達を襲撃した。
ウルトラマンタロウ(SD)のウルトラ念力にも屈しておらず、これでも本気を全く出していない状態である。シャイニングフィンガーを使うシーンも存在し(本作では明確にシャイニングフィンガーと明言されている)、ヒーロー達を追い詰めたが、月光蝶を起動したターンAに押されただけでなく、ヒーロー達の攻撃を浴びて完全に破壊された。
本作にはゴッドガンダムも登場しているので、彼をパーティに入れてみるのもいいだろう。
ガンダムVSガンダムシリーズ
∀ガンダム枠のGクロスオーバーとして登場。 使用すると月光蝶の羽を展開してステージを横切る。
そして続編で3000GPのプレイアブル機体として参戦。多彩な武装を持つが射程が短く中距離戦を主体たとした機体となっている。メイン射撃は出撃時はビームライフルだが、弾切れになるとバズーカに持ち替え、バズーカが弾切れになると3連装ビーム投射に変更されるという珍しい武装構成となっている。背部のウェポンプラットホーム「キャラパス」は盾としても機能し、背中に攻撃が命中するとある程度の耐久力分自動で防いでくれる(ただしバズーカに持ち換える前に壊されるとバズーカが使えなくなる)。
なお、月光蝶は1出撃一回限りの武装となっているが、発動した時の機体の背中を向けている方向へ月光蝶を展開するするという扱いにくい仕様となっている。
シリーズ移行後は大きくコマンドや武装を変更。当初は他の同コスト帯機体に不利がつくような性能だったが、後続のシリーズに進むにつれて強化や新武装が追加されていっている。
足を止まらずに打てるバズーカ、飛び上がりや回り込みから放つ溶断破砕マニピュレーター、パージ時に相手を巻き込めるブラディシージと多彩な武装を持つ。
ブラディシージによる暴れやバズーカでの硬直を打ち消しながらの射撃戦と「自衛の押し付け」で相手を絡めとる中〜近距離戦主体の機体となっている。
ただし、射程が短かったり通常武装に強力なダメージを出せる物が無い等、他の3000機と比べて大きな強みが無く、他の3000機より基本部分の腕が強く要求される。
ちなみに月光蝶は覚醒技となっており、使用するとクルッと回って背中から巨大な羽を展開する。ONではそれに加えて覚醒中は月光蝶が発動し攻撃力UPする特殊な演出付き強化として、クロスブーストでは覚醒時限定の格闘の派生として実装されている。
スーパーロボット大戦シリーズ
高いステータスに加え、パイロットであるギンガナムのステータスや強力なスキルの数々から後半の難所ボスとなっている。
特にα外伝ではこれのとの最終決戦シナリオでは特殊能力にHP回復とEN回復、加えてパイロットであるギンガナムが持つ特殊スキル「底力」はHPが減るほどに強化される効果がある為、恐ろしくタフ。
おまけに周囲の味方を強化する特殊スキル「指揮官」で隣接するザンネックたちを強化まで行い、語り草になる程の強敵となっている。
基本的に敵であるが、実はZでは1ステージだけスポット参戦の味方機として使用可能。この時は敵時のステータスのまんまなので無双状態。
特殊セリフも豊富で同じガンダム関連キャラ機体以外にも各スパロボ作品の世界観に特に関わりの強い機体らにも存在する。中でも特にプレイヤーらの間で語り草になるほどのインパクトを残したのがZ第46話「混迷の中の正義」に於けるアポロとの戦闘前会話であろう。
「そうか!貴様か!相克界(オーガス劇中の事件で生まれた次元の歪みの層)を突き破り、何度も月へ拳を叩きつけていたのは!一度手合わせしてみたかった相手!いざ尋常に勝負!」
あの武装で敵機を月面に叩きつけるアニメーション、この発言が本当なら、恐ろしいことに演出ではなく本当に敵を月面送りにしている可能性がある。
小話
- 機体特性
単体の性能はオリジナルであるターンXの方が圧倒的ではあるが、サポートシステム(武器が保存されていた遺跡など)の充実による戦術的な戦闘力はターンAに劣るとされている。
これはガンキャノン、ガンタンクなどのサポートを受けて白兵戦を行うガンダムと、ニュータイプ能力を極限まで追求したエルメスの関係と似ている。この戦術的コンセプトの違いも、機体デザイン同様表裏一体の関係である。
※∀ガンダム設定画集「MEAD GUNDAM」より
- デザインの裏話について
シド・ミードは夜中に庭の桜を見た後、数十分でターンXのデザインラフを書き上げたという話が有名だが、これは間違い。
実際には旅館の夕食で出されたイセエビを見てバンディットをデザインしたという経緯が、間違ってターンXの話として広まったものである。
このデザインは赤坂プリンスホテル滞在中に、100枚を超えるスケッチを繰り返した試行錯誤の果ての産物であり、作品を通してシド・ミードの最高のお気に入りとなった。
また、全身のパーツが自由自在に分離・合体するという機能は、本来富野監督がジオングでやりたかったことである(当時のメモにジオングの原案が残されている)。しかし、この原案はのちにGジェネにおいてグレート・ジオングとして日の目を見た。
- 量産機?
多媒体では多少の言及がある程度だが、ファンの間では「外宇宙勢力では量産機なのではないか?」と推測されている。
分離・合体機能がオールレンジ攻撃を重視したものではなく、破損した部位を素早く交換するダメージコントロールを目的としたものであれば、Vガンダムのように上半身・下半身といった大雑把な範囲ではなく、必要最小限のパーツ交換で済むことから量産機という仮説は理にかなっている。
さらに、もしターンAと同じくワンオフの決戦兵器やそれに準ずる高性能機だった場合、漂流したまま放置するのは極めて不自然である。もしかすると、ターンXは外宇宙勢力にとってたった1機行方不明になったところで大した損害ではなく、捜索する必要も無いとされるもの・・・量産機である可能性が出てくる。
関連イラスト
関連タグ
ジョング:長谷川裕一が生み出したジオングを後継するビックリドッキリMS。身体を分離して攻撃を回避するのは此方が先(ジョング・1993年、ターンX・1999年)。
グレート・ジオング:Gジェネオリジナルのジオングを後継するMS。
オープンゲット・強ち間違っていない