「これは貴方を基にした、失敗を犯さない理想の姿。完璧な貴方…。」
機体データ
概要
エルドラの静止衛星に居座るアルスが、クガ・ヒロトのコアガンダムを基点としたプラネッツシステムを学習・解析して独自に作り出した機体。
複数機が存在しており、異なるアーマーを装備しアルスの拠点たる静止衛星を護衛している。
操作者によって頭部のセンサーアイの発光色が異なり、アルスが遠隔操作する「アルスコアガンダム」時は赤に、警邏用AI・ガードアイが操作する「エルドラコアガンダム」時は紫に発光する。
ヒトツメの機体に近いかなり特異なシルエットをしており、頭部の大半を占めるバイザーに覆われたモノアイが特徴的。
腕部は後述のアーマー装備後の体型に合わせた長さになっているためアルスコアガンダム時には機体に対し長く見える。
デザインした海老川兼武氏によれば頬部分の発光部も合わせた三つ目とのこと。
コアスプレーガンもオリジナルと同形状だが、ビームブレイドはマニピュレーターから直接発生させる構造になっている。
コア部分は他のヒトツメと同様、オリジナル機のコクピットの位置に関わらず(リバースターンXはオリジナル機も頭部がコクピット)頭部にある。
換装システム自体はコアガンダムを模倣しているものの、各アーマーのコンセプトはGBNより得た既存のMSのデータを解析しその性能の再現を目的として製造されたいわば「偽物」である。
また、コアガンダムが使用する各アーマーのようにサポートメカ状態での運用はされておらずそういった形態も劇中では一切登場していない。
なお、コアガンダムとプラネッツシステムの規格はほぼ共通しているため、理論上はヒロトのアーマーも使用可能である。
バリエーション
アルスアースリィガンダム
アースリィガンダムの戦闘データを基に開発され、アースアーマーを模したアルスアースアーマーとドッキングした姿。ドッキング時はヒロトと同様に「コアチェンジ・ドッキング・ゴー」と言う。
ガードアイ操作時の名称は「エルドラアースリィガンダム」となる。
アースリィガンダムと同じくあらゆる状況へ対応可能なベーシックな戦闘スタイルを得意とする。
主武装のビームライフルに左腕を接続する事により、本体からのエネルギー追加充填を受けて高火力なバーストシューティングが可能となる。
アルスのセリフから、本機のベースとなったのは厳密には通常のアースリィではなく、第二次有志連合戦でヒロトが使用していたウラヌスアーマーの「ビームシュートライフルU7」を装備したアースリィガンダムのようで、事実上リミテッドチェンジの一形態と言えるこのアースリィを元にして建造されている模様。アルス自身、ヒロトの能力を評価してこの機体を用意したようだが、当のヒロトにとっては過去のトラウマをえぐる機体となってしまっている。
そのデータが使われているためか性能はかなりのもので、スプレーガンの時点でもビームスナイパーライフルのような驚異的な火力・射程と狙撃精度を誇る。
第16話でエルドリウム鏡砂の不足によりガンプラが十全な状態で実体化できず(ガンダムジャスティスナイトとヴァルキランダーに至っては本体さえ召喚できなかった)、鏡砂に満ちた遺跡を捜索するコアガンダムⅡとモビルドールメイに対し襲撃をかける形で初登場。
不完全な状態の2機に対しては素のアルスコアガンダムでも充分な脅威だったが、更にアルスアースアーマーを纏い圧倒的な力の差で2機を追い詰める。
あわや絶体絶命というタイミングで、目覚めたクアドルンが呼び寄せた雷により撤退して行った。
第18話では遺跡へ避難する山の民を護衛するBUILD_DiVERSを位置を伏せた狙撃で追い詰める。
ユーラヴェンガンダムのセンサービットも破壊し、音声通信を入れてきたアルスはかつてコピー元となった装備で狙撃を外してしまったヒロトに対しその事情を汲まず、記事冒頭の台詞で自らの機体を紹介する。
しかしそれがヒロトの逆鱗に触れ、睨み合いに気付かず避難を再開したフレディ達を囮に位置を特定されビームライフルを狙撃により損失、アースアーマーへ換装したコアガンダムⅡに接近戦に持ち込まれる。
それでもなお2振のビームブレイドで善戦しビームライフル、右手のビームサーベル、左腕と次々に使用不能へ追い込んでいくが、ウラヌスアーマーから射出されたビームシュートライフルU7が顔面に直撃、そのままコアスプレーガンを接続したアースリィガンダムに頭部を接射で吹き飛ばされ撃破された。
第22話のマサキ奪還作戦では同型機がフェイクν、デュビアスアルケーと共に登場、奪還を妨害したが、撤退後第25話で再登場したこの2機が破壊されたのに対して、本機がどうなったかは不明。
先述の通り模倣元のアースアーマーのようなサポートメカ形態は登場しておらず、劇中での初合体時はアーマーそのものがバラバラの状態でどこからともなく飛んで来ている。
アーマーデザインは柳瀬敬之氏が担当。
フェイクνガンダム
第22話より登場した第2のアーマー。
νガンダムを模した装甲・武装を持ち、フィン・ファンネルによるオールレンジ攻撃やバリアの展開が可能。
頭部にはガンダムフェイスを模した装甲を上から被せる事で、νガンダムの顔を疑似的に再現している。尤もアルスアースリィ同様あまり精巧に似せるつもりも無いようで、アンテナは白と黒の左右非対称になっている。
第25話ではガンダムイージスナイトと交戦し、初めのうちはオールレンジ攻撃でイージスナイトを寄せ付けなかったが、MA形態に変形し突撃をかけてきたイージスナイトに本体を捕縛され、そのままスキュラの一撃で撃破された。
第26話でも再登場するがこちらはν-ジオンガンダムとイージスナイトの合体攻撃に戦艦ごと破壊された。
アーマーデザインは刑部一平氏が担当。刑部氏は同作で同じくνガンダムをモチーフとしたガンプラ「ν-ジオンガンダム」のデザインも担当している。
その存在はプラモデルのラインナップにて先行公開されていた。
デュビアスアルケーガンダム
第22話でフェイクνガンダムと共に登場した第3のアーマー。
アルケーガンダムのデータを解析して開発されており、GNバスターソードとGNファングを装備する。
更に本家が披露しなかった(初期型の疑似太陽炉ゆえにできなかった)「トランザム」も使用する事ができ(起動時にバイザーに一瞬エルドラ文字でTRANS-AMと表示される)、圧倒的なスピードの波状攻撃で敵機を翻弄する。
頭部の殆どを覆う頭部装甲にはツインアイが付いており、アルスコアガンダムのアーマー内では最もガンダムらしい顔をしている。
元から長い腕はアーマーにより更に延長されており、アルケーガンダムの異形な体系も再現している。
長時間のトランザムが可能だが、シャフリヤールたちに「動きが直線的で軌道を読みやすい」「セーフティとしてのトランザム終了が無く、トランザムを中断できない」という弱点を看破され、第25話ではトランザムの連続運転による過負荷で動きが鈍った隙を突いたエクスヴァルキランダーに撃破された。
第26話で再登場するが、トランザムを使う暇すら与えられずエクスヴァルキランダーとセラヴィーガンダムシェヘラザードの合体攻撃に戦艦ごと破壊された。
アーマーデザインはオリジナルのアルケーガンダム同様鷲尾直広氏が担当。
機体名の「デュビアス」とは、「疑わしい、怪しい」という意味。
フェイクνとは違い、立体化どころか事前情報なしのサプライズ登場となった(ただし、第18話と第19話の間の「再開直前PV」には顔のアップが映っている。もっとも、これだけではアルケーとはわかりにくいが)。
リバースターンX
第25話で登場した、ターンXのデータを解析して開発された第4のアーマー。
オリジナルの溶断破砕マニピュレーターに相当するアームはアルスコアガンダムの腕とは別に右肩部に増設される。
オリジナル同様に頭部・四肢を分離してのオールレンジ攻撃も再現可能だが、その際は何気にエルドラコアガンダム本体の関節すら分離している。
スタンダードなガンダムタイプからかけ離れたMSをモチーフとしたためか、頭部装甲が覆う範囲は襟周りに集中しておりメインセンサーは丸ごと露出している。
同話でウォドムポッド+と死闘を繰り広げたが、モビルドールメイがウォドムポッドを備え付けの有線式コントローラーで操縦している特性を用いた奇策により、分離した溶断破砕マニピュレーターを自らにぶつけられ爆散した。
第26話の再登場時では、こちらも特に見せ場もなくウォドムポッド+に戦艦に叩きつけられたところをロードアストレイダブルリベイクの戦艦内部からの砲撃で戦艦ごと破壊された。
アーマーデザインは森木靖泰氏で、こちらも事前情報なしの登場。
アルスコアガンダム・アースアーマー装備(正式名称不明)
第26話にて登場。コアガンダムⅡとドッキングしようとしたアースアーマーをハッキングし、奪い取った姿。
ドッキング前の頭部のアウトラインがアンテナを除いたガンダムに近く、フェイスは直線的なバイザーで覆われており(形状は後述のHGBD:Rでアニメに先んじて明らかになっていた)、当初からアーマーを奪取する目的で用意された機体と推測される。
コアガンダムⅡを追い詰めるも、最後はエクストラリミテッドチェンジによってまたしても頭部を破壊され撃破された。
アーマー換装システムを模倣している為登場当初から予想されていた展開ではあるが、アルスがハッキングで干渉出来るデータ世界であるGBNでのみ出来るのか、エルドラでも出来たが敢えてしなかったのかは不明(アルスコアガンダムが登場してから最終回までの間にヒロトのアーマーを奪うタイミングが存在していなかったため、どちらの可能性もありうる)。
暴走体(正式名称不明)
旗艦も大破し追い詰められたアルスが残っていた中破したアルスコアガンダムと墜落した旗艦を無理やり接続させた状態。
膝から下が欠損したアルスコアガンダムと旗艦を触手状のパーツで繋げている。このパーツは一説ではビグザムの足がモチーフと言われている。
感情を爆発させたアルスの心のままに暴れウォドムポット+を撃破、モビルドールサラとモビルドールメイを戦闘不能にするものの、最後はコアガンダムⅡとガンダムダブルオースカイメビウスの合体攻撃に墜落した旗艦の残骸ごと散った。
ガンダムビルドメタバース
本編第3話にて、バリエーションの一つであるフェイクνガンダムがまさかのカメオ出演をした。
ティフォエウスガンダム・キメラに苦戦しているホウジョウ・リオを目撃し「加勢するぞ!!」と、同伴していたリゼルC型、シャルドールローグと共に気合十分でリオの助太刀を試みるも、残念ながら手も足も出ずにリフレクタービットの一斉射撃を受けて撃墜されてしまった。
ガンプラ
2020年4月25日よりHGBD:Rでアルスアースリィガンダムが発売。
コアドッキングカスタムに対応しているため、別売りのアースリィガンダム等の各種アーマーを装着できる。(頭部はアルスコアガンダムとアルスアースリィガンダム、後述のフェイクνガンダムで丸ごと差し替える必要があり、コアガンダム用のアーマーのアンテナに対応した頭部もある。)
フェイクνガンダムは、外装パーツ「フェイクニューユニット」と武器「フェイクニューウェポンズ」が2020年6月27日に発売。フィンファンネルはHGUCのHi-νガンダムと同じく、可動式と非可動式のフィンファンネルが付属する。但し可動式ファンネルを6つ揃えても無改造では取り付けられないので注意すること。
ガンダムベース限定でコアガンダムとコアガンダムⅡとセットの[ロービジビリティVer.]も販売されている。こちらは本編のダークなカラーリングとは異なり白多めな成形色となっている。
現状デュビアスアルケー、リバースターンXは立体化されていない。
余談
本編で登場直後は、殆どの視聴者が元となったコアガンダムと同じく「状況に応じてコアチェンジする」と予想していた為に、第22話での3機同時登場にはネット掲示板等では「予想外だった」という声が非常に多く挙がった。劇中では高性能機の素体として使用したり、最終話のように対コアガンダム用として運用された。
ビルドシリーズの設定上、その他のガンダム作品は劇中劇として扱われているはずだが、「質量操作やトランザムなどフィクションの描写をアルスがエルドラというリアルで実現している」という割ととんでもない事になっている。
つまり、この世界に少なくとも「ミノフスキー粒子」「メガ粒子」「GN粒子」が元々存在していたか、アルスが似たようなエネルギーを独自に作り出したということになる。
尤も、アルスはかつて外宇宙からの侵略者とビームの飛び交う宇宙戦争をしており、そういったエネルギーがあっても全く不思議はないが。
ともあれアルスが地球の存在を認識せず、ガンダム関連の超技術も無く対抗する手段に乏しいリアルの地球へ実体を持ったまま侵攻をかけるようなことが無かったのは幸いである。
モチーフ機体は一見すると接点や共通点を感じられないチョイスだが、第25話の戦闘ではそれぞれ登場作品を同じくするパルヴィーズ・メイと、カザミは憧れの人の機体のベース機を模したフェイクνガンダムと交戦しており、BUILD_DiVERSのメンバーに関連した機体となっている。
この他、山の民達の国を焼き払い、文明を滅ぼせる力を有しながらも、エルドラという星を護るというアルスの使命と目的に添った機体としては、この上ない面子という声もある。
しかしHGBFフェイクニューユニットの説明書の解説には「GBNのデータを解析し、アルスが着目したのはνガンダムの総合的な強さにあった」と記載されているため、意図した組み合わせではなくただの偶然であった可能性が高い。
そして何気に、同じ作品内に登場した機体とはいえ、映像作品ではこれが史上初のガンダムビルドシリーズで初登場したオリジナル機体をベースとした別物のバリエーション機となる。(外伝作品も含めるとトランジェントガンダムグレイシャー、更には同じくコアガンダムをベースにしたコアガンダムリゼが似たような経緯で制作されている。)
関連タグ
コアガンダム アースリィガンダム νガンダム アルケーガンダム ターンX
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