「心臓、痛い…。息、できない…。さっき食べたお菓子吐きそう…。でも…私、生きてる!!」
スペック
デザイナー | 柳瀬敬之 |
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形式番号 | EDM-GA-01 |
全高 | 21.2m |
重量 | 75.9t |
パイロット | ソフィ・プロネ→エラン・ケレス(強化人士5号) |
製造 | オックス・アース・コーポレーション |
固定武装 |
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携行兵装 | - |
オプション装備 |
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概要
『機動戦士ガンダム水星の魔女』に登場するGUND-ARMタイプのモビルスーツ。
ガンダム・ルブリス 量産試作モデルの派生(発展)機。型式番号に含まれるGAは GUND-ARMの略称と思われ、ベネリットグループ内での便宜上のパーメット識別コードはLF-U。
曲面を多用したデザインのオリジナルとはうって変わって分厚く角ばった装甲に覆われた外観となっており、左肩後部にはGUNDフォーマットに対応したユニット兼大型装備「フェーズドアレイキャノン」を装着している。
全高が21m級とミカエリスから最長高MSの座を奪い取り、17話放送時点ではA.S.で最も大型のMSとなっている。
解説
ヴァナディース事変前から製造されていたガンダム・ルブリス量産試作モデルを、GUNDフォーマットの基本コンポーネントのみ流用しつつ、外装やフレームを新規で製造されたGUND-ARM。製造元はルブリス同様オックス・アース・コーポレーションで、ベネリットグループによりGUND-ARMの製造が禁止されていることもあり、製造メーカーを隠蔽する目的で御三家製やその他メーカー製の機体などにはみられない、角ばった無骨な外装が特徴的。反スペーシアン組織「フォルドの夜明け」に、パイロットであるソフィと共に派遣・提供された。
僚機のガンダム・ルブリス・ソーンと対になる近〜中距離戦仕様の機体であり、ガトリングガンによる「面」の制圧を担当する。
ただし、パイロットであるソフィの好戦的な性格ゆえに、対モビルスーツ戦闘では弾幕を張りつつ敵機との距離を詰め、零距離からの連続射撃で仕留めるという残忍な戦法が多用される。
GUNDフォーマットは旧式のままであり(アニメでもコンソールのUIがヴァナディース事変当時のルブリスタイプと変わりないという事が確認出来る)、パーメットスコアを上げる度にデータストームの逆流が発生するという欠点を持つ。パイロットの身体に極度の負担を強いる点は変わらないものの、ソフィはパーメットスコア4による内臓への高負荷にすら耐え、複数の敵機を一方的に蹂躙できるほどの戦闘能力を発揮することが可能。データストームへの対策として、強化人士のようなデータストームへの耐性の獲得を目的とした人体改造が存在するが、パイロットであるソフィに関しては、同様の処置が施されているのかは不明。
また、パーメットスコアを3以上に上げると、肩のフェーズドアレイキャノンが三叉に展開・赤く発光する。移行直後はコクピット内部まで赤化しており、これが何を意味するのかは不明。
武装
- ビームガトリングガン
本機の主武装。束ねられた4本の銃身を回転させてビームペレット弾を高速連射する。
連続使用に耐えうる大容量のバッテリータンクから給弾する。
ガンシールドの裏側にマウントされている、近接戦闘用の装備。
使用時はガンシールドの接続部が回転し、マウント部分が現れる。
ビームの色は実戦仕様出力の薄い青色。
- ガンシールド
ガトリングガンの右側面に備え付けられているシールド。
射撃姿勢時でも防御出来るようになっている。
上記の通りビームサーベルの格納ラックを兼ねているため
接続部には回転機構が設けられている。
- 肩部機関砲
左右の肩部装甲に内蔵された機関砲。装甲の後ろにも銃口らしき穴が存在するが、劇中では前方への射撃にしか使用していないため、後方にも撃てるのかは不明。
- 大型ビーム切断ユニット
クエタ破壊工作のため携行した、ビームランチャーと思わしき兵装。オプション兵装もしくは互換性のある他機体用と思われる。
- フェーズドアレイキャノン
背部左肩側に装備されたユニット。ルブリスソーンも同型の装備を搭載。指向性の高い大出力ビームキャノンを発射する。
GUNDフォーマットと連動して直感的な範囲攻撃も行える。
パーメットスコアを3以上に上げると、ユニット自体が三叉に展開・赤く発光する。スコアを上昇させることでアンロックされる機能があることが示唆されているが、詳細は不明。ガンビットが操作可能となるスコア3以上でユニットが展開されることから、後述のガンヴォルヴァを操作する際の起点となっている可能性も。
- EDM-GB「ガンヴォルヴァ」
無人機の人型ガンビット。パーメットスコア3以上で使用可能になる。
劇中での活躍
Season1
第10話Cパートで初登場し、ボブが搭乗する艦艇に銃口を向けて静止させ、艦をハイジャックする。
続く第11話では、ノレアのソーンやデスルターと共に出撃しプラント・クエタを襲撃。出撃したドミニコス隊の駆るベギルペンデ4機に対して、ベギルペンデが発動したアンチトードをパーメットスコア4で無効化し返り討ちにする等圧倒的な戦闘力を見せ、その後スレッタ・マーキュリーがいる部屋にビームガトリングガンを撃つ。
第12話ではスレッタの乗るガンダム・エアリアル(改修型)と交戦。最終的にドミニコス隊本隊が到着したため撤退する。
Season2
第14話のランブルリングにてソーン共々乱入し、ガンヴォルヴァを率いて破壊活動をしながらスレッタのエアリアル改修型に戦いを挑む。ソフィが自分の欲しいものをスレッタに吐露しながら一時圧倒するも、エアリアル改修型がパーメットスコア6を展開したため、形勢が逆転、ガンヴォルヴァのコントロールを奪われてしまう。
この時、ルブリス・ウルのシェルユニットは青紫色に発光していたが、小説版においてこの状態がスコア5であることが明言された。
ルブリス・ウル自体はエアリアルからのコントロールを逃れたのもそのためである。
しかしその結果、膨大なデータストームがソフィに逆流し、彼女はそれに耐え切れず息絶えてしまった。
第19話では、本機体とルブリス・ソーンの出処が、オックス・アース・コーポレーションという事が搭乗者のソフィはフォルドの夜明けに"派遣"されて来たことから、彼女も元々はオックス・アース所属の可能性が高い。
第20話ではパイロットであるソフィを喪ったものの、機体は修復されており、ルブリス・ソーンやガンヴォルヴァと共に学園フロント内に秘匿されていた。
ノレアが怒りに駆られて学園を攻撃した際には、それを止めようとしたエラン・ケレスが搭乗。
「僕と来い‼。
生き方が分からないなら一緒に探してやる!
怖いなら隣にいてやる!
逃げるのが怖いなら、僕をあの絵の場所に連れて行け!
その先のことなんて後でいい!
生きていいんだって!証明させろよ!!」
必死の説得によりノレアを止めることに成功するも、直後に最悪の形でその思いを踏み躙られ、彼の感情の昂りと共にパーメットスコアが上昇。瞬間的にルブリス・ソーンから手放されていたガンヴォルヴァをコントロールし、ドミニコス隊を攻撃させた。
その後宇宙に脱出したのち、フロント管理社のデミギャリソンに包囲、拘束されている。しかしコクピット内にエランの姿はなく彼は機体のみを宇宙に放棄した上で学園内に潜伏していた。
なお、最終話の展開から、本機は確認されている中で唯一稼働状態のまま残ったガンダムになったが、フロント管理社に接収された後の動向は語られていない。(残骸だけならルブリス・ソーンやガンヴォルヴァも残ってはいる)
ガンプラ
2023年3月4日に発売。
フェーズドアレイキャノンの展開ギミックも再現されている。
バックパックには3ミリジョイント穴が2つあり、カスタマイズが可能となっている。
また、ガトリングやフェーズドアレイキャノンは、パーツの付け替えで反対側に装備出来るため、2個買いすれば左右対称も可能。
背部のバックパックは外して他のバックパックと付け替えることもできる他、フェーズドアレイキャノンを装着する穴にキャノンやミサイルポッドといった兵装が装着出来、更に両腕部にも穴があるのでシールドといった腕部兵装を搭載可能。
ルブリスウル自体も完成度が非常に高く、こちらも文句なしの良キット。
余談
- 当時はルブリス・ウルの出自について、PROLOGUEにて2機のルブリス量産試作モデルが戦闘するも敗北してしまうが爆発四散しておらず、回収された可能性があり本機は機体の状態から逆算すると損傷の少ないLF-02(ウェンディ機)の改修とする考察もあった。
なお、ルブリス量産試作モデルはヴァナディース事変時に出撃した2機以外にも製造・販売されている。
- 機体名の「ウル」はルーン文字二文字目であるが、これは原型機が試作モデルの二号機であったのか量産(試作)モデルバージョン2である事を指すのかは明かされていない。
- キット化の告知は第1クール初期の時点で行われており早かった。
上述の通り劇中に登場したガンダムとは方向性の異なるデザインが印象的で、第一印象としては同じデザイナーが手掛けた『00』のガンダムヴァーチェやセラヴィーガンダムの系列(とりわけセラヴィーガンダムII)に近いと言われている。
なお肩の外装が外れた際のフレーム部がペイル社製のザウォートに酷似している。ペイル社はGUND-ARMであるファラクトを開発した前例が存在するものの、ルブリス・ウルとの関連性は不明。
関連タグ
ガンダムシリーズラスボス機
アルスコアガンダム→ガンダム・ルブリス・ウル&ガンダム・ルブリス・ソーン→ガンダム・エアリアル(改修型)