「梃子でも動かん!」
機体データ
概要
型式番号GN-008。ガンダムヴァーチェの後継機で、マイスターは引き続きティエリア・アーデが務めている。
ヴァーチェと同じく重武装・重装甲をコンセプトにした機体であるが対MS戦を考慮し、装備しているGNキャノンに隠し腕を内蔵することによって、機体自体のパワーもあって格闘戦でもある程度は立ち回れるようになった。
また、ヴァーチェの欠点であった機動性・運動性の低さも各部にGNバーニアを装備する事でカバーしてはいるが、やはり他のMSに対しては劣るものがある。
最大出力時にはバックパックの「ガンダムフェイス」が展開し、フェイスバーストモードとなる(トランザム時も同様に展開する)。これはGN粒子の制御能力を高め、GNフィールドの増強が可能なだけでなく、一度は壊滅したソレスタルビーイングの復活を誇示する意図があったとされている。
このバックパックはナドレの後継機セラフィムガンダムであり、セラヴィーから分離する際にはコックピットがセラフィム側へ移動し、セラヴィー自体は無人攻撃機として運用される。
最終決戦では後述のGNHW/B装備で出撃し、アロウズのMS部隊相手に奮戦するがトランザムを手に入れたガデッサ・ガラッゾの2機による連携によって撃墜され、セラフィム共々乗り捨てられた。その後セラフィムは単体で起動し、最終的に撃墜されている。
武装
GNバズーカⅡ
ヴァーチェのGNバズーカの発展型。連装・分割式になっており、連結した状態のダブルバズーカモードや両肩のGNキャノンと接続したツインバスターキャノン、4基のGNキャノンと連動させたハイパーバーストモード等の攻撃方法がある。また一定出力なら連射も可能。劇中ではここぞという時に防がれたりして十分な効果を発揮できないことが多かったやや不遇な武器。
GNキャノン
両肩、両膝に2門ずつ、計4門を装備する。すべての砲身が隠し腕として使用可能になっている。なお両肩のキャノンはセラフィムの腕でもあり、手には親指が2本装備されているためバックパック時とセラフィム時とで左右の手の反転は起こらない。また、GNフィールドを展開した状態でGNキャノンを一斉掃射した状態はクアッドキャノンと呼ばれ、ビームが収束した高威力の砲撃となる。なお、ヴァーチェに引き続き絶望キャノンとあだ名されることもある(いわゆる中の人ネタ)。
GNビームサーベル
格納箇所が両前腕部に変更されている。隠し腕と併用すると計6本のサーベルを同時に運用することができるようになり、阿修羅すら凌駕する格闘性能を引き出せる。但し本格的な格闘戦を行うことは想定されていないため、あくまで予備的な装備である(六刀流も見た目の威圧感は凄まじいものの、心理的効果や初見殺しが主で実用性には疑問が残る)。
関連動画
バリエーション
セラヴィーガンダムGNHW/B
セラヴィーガンダムの最終決戦仕様。
腰部GNフィールド発生装置がGNキャノンに換装され、代わりに両肩と両足にGNフィールド発生装置が装備された他、セラフィム側にはGNバーニアが追加装備されている。
GNフィールド発生装置の追加によって、ティエリアのかつての愛機であるヴァーチェを髣髴とさせるシルエットとなっているのが特徴。
セラヴィーガンダムGNHW/3G
公式外伝『00V』に登場。
セラフィムガンダムの他にその量産型であるセム2機と合体したもの。
セラヴィー本体のガンダムフェイスと、セラフィムガンダムとセムのガンダムフェイス(後者はジムフェイスに近いが)を合わせて7つの顔がある。
この状態ではGNキャノンが全8門になる他、GNビームサーベルは最大十刀流が可能となる。
セラフィムとセムを離れて配置することでトライアルフィールドの効果範囲をさらに広げる為の装備であったが、いくら量産型とはいえセラフィムとほぼ同等の性能を持つセムを2機も建造することはコスト的な問題で難しかったこと、その時点でまだトライアルシステムが使用不可でGNキャノンとGNビームサーベルの増設を考慮してもセムがデッドウェイト化する恐れが大きかったことなどから、実現はされなかった。
また、スメラギ・李・ノリエガはトライアルフィールドの効果範囲を最大にした際のシミュレーション結果を「戦場を支配している」とあらわしたが、ティエリアは「支配」という言葉に対して懐疑的であった為、使用をためらっていたとも言われている。
セラヴィーガンダムⅡ
ラファエルガンダムのバックパックに偽装された無人型MSで、セラヴィーの改修機。
乗り捨てられ残っていたセラヴィーの残骸をティエリアが回収・改造したもので、型式番号はGN-008RE。
セラフィムに近いグレー一色の機体カラーが特徴。胸部と両脚に擬似太陽炉を各1基ずつ内蔵し、高い機体出力を誇る。
バックパック状態では遠隔兵器であるGNビッグキャノンが使用可能であるが、MS形態では使用していない。
ELSに侵食されたダブルオーライザーから刹那を救出するため、ラファエル本体に乗るティエリアの脳量子波によって遠隔操作された。刹那をサバーニャに託した後、ラファエル共々ELS(とダブルオーライザー)を巻き込んで自爆し失われた。
小説版では「セラヴィーリペア」とも呼称される(誕生経緯や型式番号的には正しい)。
改造されているとはいえ、TVシリーズと劇場版両方に登場したガンダムの1機である。
なお、2023年時点でもセラヴィーⅡのみのガンプラ化はなされておらず、立体物はラファエルのものに付属する変形前のパックパックのみである。
セラ
ラファエルガンダムの地上用装備である「ラファエルガンダム ドミニオンズ」用のパーツを構成する無人型MS。
セラヴィーⅡと同様にセラヴィーガンダムをベースとしているが、頭部は簡略化されている為ガンダムフェイスを持たない。
また、セラヴィーⅡとは違いラファエルガンダムとの合体時は全身を覆う増加装甲となる。
セラヴィーガンダムシェヘラザード
TVアニメ「ガンダムビルドダイバーズ」に登場するトップガンプラビルダー・シャフリヤールが駆る機体。
セラヴィーをベースにしたガンプラで、移動やバトルも可能なプトレマイオスを支援機としてだけでなく、腕や脚、背部の各所に「プトレマイオスアームズ」と呼ばれる増加装甲へと合体装着させる。
改造に伴い両腰のGNフィールド発生器が取り外されてるが何故かGNフィールドの展開も可能。
立体物
ガンプラ
HG 1/144と1/100が発売された。
HG発売時はセラフィムの情報が公表されていなかったためバックパックは非可動だが、後発のセラフィムと規格は統一されているのでそのまま付け替えられる。またセラヴィーのバックパックのGNキャノン砲身はセラフィムの同形態再現にも使えるので捨てないように。
HGセラフィムの関節の都合上、HGセラヴィーのバックパックをHGセラフィムにするとGNキャノンの砲身が上に動かしづらい制約がある。
後にGNHW/BやシェヘラザードもHG化。GNHW/Bの増加武装の一部はセラフィムにも対応しているが、挟み込み式のため未組み立てのキットの用意を推奨されている。
1/100はダブルオー同様腰ではなく胸に回転軸を持ち、LEDユニットに対応する。こちらは最初からセラフィムとのセットで告知され、頭部と膝部の差し替えで変形を再現している。皮肉にもセラフィムは他のガンダムと構造が違うお陰で、ちゃんと腰が回る構造となっている。
フェイスバーストモードも再現されているが、HGと違いアンテナの向きが真逆の簡素なものとなっている。気になる場合は余ったPC-111ランナーのIパーツやPC-116ランナーのGパーツの軸を切って調整したものを挟むと本来のフェイスバーストモードに近くなる。
最初から2体に分かれている関係上、GNキャノンの砲身はキャノン用のクリスタル(クリアパーツ)に手首差し込み用の穴が開いた仕様となっている。またケルディムやアリオスと違い、セラヴィーは頭、セラフィムは胸部の計2ヵ所LED用のスペースがある。このためデザイナーズカラーバージョンも2個のLEDユニットが同梱されている。
アクションフィギュア
ハイコンプロとROBOT魂で発売。
ハイコンプロはGNキャノンに穴が空いていないという理想的な造形になっている。
ROBOT魂は1/100同様GNキャノンに穴が空いてしまっているが、唯一セラフィムが頭部を収納できるギミックを持つ。ただしROBOT魂としては初期シリーズの宿命か、完全には隠しきれていない。
後に3Gの方も立体化された。