機体データ
概要
単体ではツインドライヴシステムの安定稼動に至らなかったダブルオーガンダムが、支援機オーライザーと合体した形態。これによってツインドライヴの完全稼動に成功し、トランザムの安定した使用も可能となった。
オーライザーの各パーツは、中央ブロックがメインスラスター兼複合センサーユニットとして背中部に、両翼のバインダーは各種武装を備えた大型クラビカルアンテナとして両肩のドライヴ部に装着され、まるでマントを纏ったような姿になる。
合体後のダブルオーはガンダムを超越したMSであるとして、名前にガンダムの代わりに『次の段階に引き上がった』という意味の「ライザー」が付けられ、「ダブルオーライザー」と呼称されている。
合体後のオーライザーはダブルオーからの制御が可能だが、ライザーソードを使用する場合はオーライザーにもパイロットが搭乗し、ジェネレーターの微調整を行う必要がある。
合体前でもオーライザーの制御自体は赤ハロのみで行えるため、刹那のみが操縦する場合もあれば、オーライザーに沙慈・クロスロードが搭乗したことも多かった。
ツインドライヴによって通常時でも膨大な粒子生産量を誇るダブルオーライザーだが、トランザムを起動させた状態では通常時の7倍以上もの粒子放出量を記録している(これは理論的限界値を超えた数値である)。その際、機体の「量子化」やGN粒子を媒介に人々の意識を感応させるなど、未知の現象も引き起こしている。このように、トランザム使用時のダブルオーライザーは全く別次元のMSとしての性能を発揮することから「トランザムライザー」という別名が与えられている。
元来、GN粒子には脳量子波レベルの拡張を促す力があるが、ツインドライヴが生み出すGN粒子はそれだけに留まらず、パイロットの遺伝子にも影響を及ぼし、人間が遺伝子レベルで眠らせている能力の発現を促す力を持っている。その力によって刹那は毒性のあるGN粒子に対する耐性を獲得し、脳量子波を操る、高い戦闘能力を発揮するなど徐々に変革していった。そして、高い相互理解能力を持つ進化した人類「純粋種のイノベイター」へと革新を果たした。
母艦であるプトレマイオス2にはMS格納庫のスペースに限りがあるため、通常はダブルオーガンダムとオーライザーで分離した状態になっており、出撃後にダブルオーライザーへ合体、作戦領域へ向かうという運用を行っている。
最終決戦でリボーンズガンダム/リボーンズキャノンと死闘を繰り広げ、その死闘の末に相討ちの形で機体は大破。リボンズに左肩のGNドライヴ(=0ガンダムのもの)を奪取され、更には宇宙空間に漂っていたOガンダムに乗り換えられてしまう。
トドメを刺すべくOガンダムを駆りダブルオーの残骸の元へ向かうリボンズ。しかし、そこにはあるはずのもう一つのGNドライヴが無くなっており…
武装
基本武装はダブルオーガンダムを参照。
バインダー部分に装備されているオーライザーの装備も一部使用できる。
GNソードⅢ
最終決戦を前に配備された新装備。ダブルオーライザー用に設計されたGNソード。
エクシアのGNソードに近い形状の実体剣で、GNカタールや、GNハンマーに採用された新素材の刀身によって攻撃力は大きく向上している。刀身を畳むことで3連式のビームライフルとなり、連射性能の高い射撃のほか、3門を収束させることで強力な砲撃を行なうことも出来る。
トランザムライザーの膨大な出力を前提に設計されているため、GNソードⅡを2基必要としたライザーソードを単基で発動することが可能となっている。更に消費粒子量の軽減(最適化)や出力調整すら単独で可能。
特殊能力
トランザムを起動し、オーライザーの「ライザーシステム」を作動させることで使用可能な超大型ビームサーベル。
トランザムバースト
ダブルオーライザーには、イオリア・シュヘンベルグによって意図されていた「人類を革新に導く」ための機能として、純粋種のイノベイターが搭乗することで起動するシステム「トランザムバースト」が秘匿されていた。
最終決戦において、刹那が真のイノベイターとして覚醒したことに伴ってシステムが起動し、七色の輝きを放つ膨大なGN粒子が戦場全域に放出された。その力をリジェネ・レジェッタは「純粋なるイノベイターの脳量子波がツインドライヴと連動し、純度を増したGN粒子が人々の意識を拡張させる」ものであると語り、イノベイドの脳量子波を乱したほか、MSを吹き飛ばすなど物理的な力も見せた。また、意識の感応に加え、毒性のあるGN粒子によって身体を蝕まれていた者を回復させるなどの現象も起こした。
関連イラスト
関連動画
バリエーション
ダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)
型式番号GN-0000RE+GNR-010。
劇場版に登場。別名GNコンデンサータイプ。
型式番号が示すように、2nd Seasonでの最終決戦で大破したダブルオーを修復した機体である。武装は(先述の最終決戦と同様に)GNソードⅢを装備した状態。
TVシリーズ最終話で失われた2基の太陽炉(正確には最終決戦で1基、その後に行われた0ガンダムとの一騎討ちでもう1基失われている)の代わりにGN粒子貯蔵タンクを両肩に搭載している。
稼働時間に大きな制約こそ出たものの基本性能自体は変わっておらず、改良された粒子貯蔵タンクのおかげで(短時間でならトランザムを使用する事も可能。さらにプトレマイオス2の格納庫も改修され、大型ハッチの第3デッキを使用することで最初から合体状態で出撃できるようになった。この改修でオーライザー側にパイロットは不要になったため、ライザーシステムの作動は赤ハロが担当する。
既にイノベイターとして覚醒した刹那の能力に機体性能が追い付かなくなっており、スメラギ・李・ノリエガは刹那に無理をしないよう忠告していたが、依然として強力な機体であり、本機の後継機であるダブルオークアンタが完成するまでの繋ぎとして使用された。
ELSとの戦闘でトランザムバーストによる対話を試みるも、刹那が大量の情報に対応できず意識を失った隙にELSに取り込まれてしまった。結局、刹那はティエリアによって救出されたが、機体はセラヴィーガンダムⅡの自爆に巻き込まれて失われた。
(当初は)世界を変える機体とも称された機体にしては呆気ない最期を迎えてしまったが、この対話の失敗を元にダブルオークアンタではヴェーダによる入念なバックアップを行っており、ELSとの対話に見事成功した。(そういう意味では)ダブルオーライザーは最後まで刹那を導いた機体であったと言えるだろう。
ELSダブルオー
劇場版(漫画版)に登場。
(粒子貯蔵タンク型の)ダブルオーライザーを模倣し擬態したELS。
他のメディア作品では
ゲームなどのメディア作品に登場する際は、作品によって扱いや仕様が大きく異なっている。
ダブルオーライザー単体で使用できる場合もあれば、ダブルオーガンダムから一定時間や条件を満たして強化形態として使用できる場合もある。
武装も細かく分かれている場合(Gジェネなど)は装備によって別機体として扱われる場合もある。
最近の作品ではGNソードⅢを装備した最終決戦仕様が標準装備とされることが多い。
バトルスピリッツ
バンダイの人気カードゲームでも参戦
8(4)/青/MS・CB
<1>Lv1 7000 <3>Lv2 11000 <6>Lv3 16000
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
ボイドからコア1個ずつを、系統:「CB」を持つ自分のスピリットすべてに置ける。
さらに、カード名に「ガンダム」を含む自分のスピリットが2体以上いるとき、相手の手札すべてをオープンして手元に置く。
Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
相手の手元のカード1枚を破棄し、コスト8以下の相手のスピリット1体を破壊する。
バトル終了時、自分のトラッシュにあるカード名に「ガンダム」を含むカード3枚をデッキの下に戻すことで、このスピリットは回復する。
シンボル:青青
相手の手札すべてを公開し、《煌臨》などの手札から使う効果を封じられる召喚時効果が強力なスピリット。
全体的に小型を並べるCBの戦術にマッチした能力をしており、同系統のフィニッシャーとして申し分ない。
また、オープンされたカードは使用される前にアタック時効果で1枚破棄できる。
追加効果の回復によって何度も発揮できるが、トラッシュを消費するとプトレマイオスLv2効果や【トランザム】に支障が出る。
CBはトラッシュ肥やしも得意とはいえ、回復を使うならそのターンで確実に勝負を決めるべき。
弱点はコンボ性の高さと手札オープンができなかったときの突破力の低さ。
自身に限らずCBは全体的に除去の上限が低く、大型ブロッカーや耐性持ちを排除するのが苦手。
俺たちがガンダムだを複数枚積んでより確実に手札オープンができるように構築するのが最もポピュラーな回答だろう。
または仮面ライダーオーズ タジャドル コンボ(最終回ver.)のような強力な除去手段をタッチして対策したい。
また、刹那・F・セイエイ[西暦2312]とのコンボも強力だが、俺たちがガンダムだとのコンボの方がより優先される。
通常1回のアタックの打点が2点か3点かでは決定力に天と地ほどの差が出るが、手札オープンさえ決まれば相手の防御手段をかなり制限できる。
CBの持ち味の速攻を決めること、また手札オープンを決めることに比べれば、合体によるシンボル追加は二の次でよいと言える。
立体物
【ガンプラ】
HG、1/100、MG、RG、PG、BB戦士が展開されている。
HG
HGはデザイナーズカラー、トランザムライザー、+GNソードⅢ、粒子貯蔵タンク型と4種類もある。ダブルオーガンダムがベースのため、かなり可動が優秀。ただしオーライザーのバインダーはGNドライヴに固定される形となるため、バインダーを可動させるにはGNドライヴのアームごと回転させる必要がある(本来の設定上はGNドライヴの周りを弧を描くように回転するのが正しい)。
どのHGダブルオーライザーにも言えることだが、コンデンサー内部に貼るシールは黒一色だった単体版のHGダブルオーと違い、設定通り文字と模様が入っている。
また、デザイナーズカラーはアニメ二期放送初期の商品のためGNソードⅢが付属していない。もちろんHGダブルオーガンダムやオーライザー単体にも付属していない商品のため、ダブルオーガンダムが欲しい場合でもデザイナーズカラー除く後者三種類のどれかを絶対買ったほうが良い。
最もおすすめなのは粒子貯蔵タンク型。
GNドライヴ用のコーンパーツもちゃんとランナーに残っている上、唯一付属していないノーマルオーライザーのキャノピー(クリアオレンジ)も塗装でなんとかなるため。
1/100
1/100はMGやPG除くガンプラとしてはかなり久々の電飾モデルとなる。また、この商品限定のクリアグリーンのアクションベース(ソレスタルビーイングロゴ)が付属する。
ダブルオーの場合は電飾が2個付属しツインドライヴが発光するが腰の回転軸がない代わりに胸部分にあるという仕様になっており賛否両論。また、頭部真下にも電飾を仕込めるスペースがあるが、頭部に光を伝達するパーツがないため3個目の電飾は用意されていない。また、二期放送中の商品のため、GNソードⅢも付属していない。
こちらもオーライザーのバインダーはHG同様GNドライヴのアームごと回転させる必要があるが、GNドライヴの発光ユニットがある分バインダーが外れやすい。
その後成型色を変更し、GNソードⅢを追加、さらに頭部を発光させられるよう首のパーツとポリキャップをクリアカラーに変更し三個目の電飾を追加したデザイナーズカラー版が発売。1/100を買う場合はこの商品が決定版となっている。
PG
二期終了から一年足らずで発売。メインカメラの他、完成型ツインドライヴに発光ギミックとタービンが回転するギミックが仕込まれている。
MGエクシアの流れを汲んで、GN粒子伝達ケーブルに透明の特殊素材が使用されている。
このキット特有の機能として武器の保持を安定させるために関節のコンデンサー部分にクリック機能を加えた点があるが、全ての可動軸が固定できるわけではなかったためあまり意味がなく評価は著しく低い。そのため以後のPGには採用されていない。後年に発売されたセブンソードでは一部が廃止され改良関節に入れ替わっている…と言われていたが、実際はアンテナと肩・胸部装甲が変わっただけで関節は据え置きである。
二期終了のタイミングでの発売だったため粒子貯蔵タンクは付いていないが、何故かオーライザー用に一期でガンダムキュリオスが使用していたGNハンドミサイルユニットが付属した。
実は、ダブルオーガンダムとオーライザーを分けて飾ることも可能な専用台座も存在したが、初回限定盤特典だったため現在は台座なしでしか飾れないというめんどくさい仕様になっている(大きさゆえ通常のアクションベースが使用できないため、代用のベースを探すのに苦労する羽目となる)。
MG
MGで欲しいガンプラアンケートで堂々3位を獲得したため2011年に商品化された。
ダブルオーガンダム用シールド、GNソードⅢ、各GNソードのビームエフェクトに加え粒子貯蔵タンクと専用のオーライザーのキャノピーと必要なパーツは全て取り揃えられている。
別売りのLEDユニット(グリーン)二個セットを2つ使うことでPGと同箇所に加え、オーライザーのバインダー二箇所も加えた計5箇所も発光する(商品単体に付属するLEDユニットのは頭部用の1個のみ)。その代償で首の可動軸がボールジョイントではなくなっているが、豊富な可動軸もあってある程度の表情付けなら問題ない。
バインダーの強度対策のためかロック機構を採用している他、GNドライヴとオーライザーの接続はオーライザー内のジョイントを取り出して接続する方式に変わっている。
RG
MG同様必要なオプションパーツは全て揃っている。バインダーのへたれ対策にロック機構を採用している点も共通。
RGエクシアと同じフレームを流用したため、腕の可動軸が円形になっていなかったり、膝の可動軸が他とかなり異なるところは好みが分かれる。
設定上はダブルオーと同規格の腕を使用しているクアンタのRGの腕は、設定通りの円形状になっているのでそちらを移植すれば本来の形に近づけられる。
BB戦士
ダブルオーガンダムとオーライザーがセットになっていて、劇中同様にドッキングが可能。GNソードⅡ用にビームサーベルエフェクトが追加されている。
同シリーズのダブルオークアンタに同梱されている粒子貯蔵タンクを装備させることが可能。
【アクションフィギュア】
ROBOT魂、HCM-pro、METAL BUILD、ネクスエッジスタイル、METAL ROBOT魂が発売。とにかくGNソードⅢの入手に手を焼かされる。
ROBOT魂
単体で発売されたことはなく、単品のダブルオーガンダム及び本体を大幅改修したダブルオーガンダムセブンソードに別売りのオーライザーを合体させることで再現が可能。なお、GNソードⅢはまさかのプレミアムバンダイ限定で単品販売になった。
またトランザムカラーも販売されているが、GNソードⅢ登場前だったため、こちらもGNソードⅢは付属していない。
HCM-pro
このシリーズにはそもそもGNソードⅢが存在しない。
ダブルオーライザーとしてはデザイナーズカラー版で発売。アニメ放送前にダブルオーガンダム単体では出てたが、そちらのオーライザーはデザイナーズカラー版から三ヶ月も後であり、ようやく通常カラーでもダブルオーライザーが再現できるようになったタイミングでGNソードⅢが登場するというあんまりな扱いだった。
METAL BUILD
何故かトランザムカラーの方が先に出た。初めて出たのがMG翌年というのもありGNソードⅢは初めから付属している。デザイナーズブルーという限定モデルも存在する。
ネクスエッジスタイル
武器はGNソードⅢ、GNソードⅡが付属するがビームサーベルは付いていない。GNソードⅢはギミック色分け共に優秀だが、Ⅱの方はライフルの持ち手だけが変形した中途半端な形状な上に白単色になってしまっている。
もっとも重要な武器やエフェクトを省略されやすい傾向にある同シリーズでは、武器が少なく一番使用頻度が高いであろうGNソードⅢが完全再現されている分だいぶマシな方ではある。
METAL ROBOT魂
同シリーズの第一弾として登場。ROBOT魂の系列だが、無印とはまったく別物で一から設計され直されている。粒子貯蔵タンク型のオプションはないが、純粋なダブルオーライザーとしてのオプションは全て揃っている。
余談
名前の由来は、ユダヤ教における生命の樹(セフィロト)の上に存在する概念「000(無限光)」からと思われる。上記の教義では、「無(0、アイン)を否定することで無限(00、アインソフ)が生まれ、無限を肯定することで無限の光(000、アインソフオウル)が生まれる。そして無限の光が一転に集中したものが、第一のセフィラ「ケテル」とされている。」
作中では「0ガンダム(0)のマイスターであるリボンズの生み出す変革・世界を否定したダブルオーガンダム(00)のマイスター刹那が、ダブルオーライザー(000)を駆使し人類をイノベイターへと覚醒・争いのない世界・異種との対話へと導く物語」…というよう反映されている。