概要
アーシアン(地球系)のモビルスーツ(MS)製造企業であるオックス・アース・コーポレーション(以下、オックス・アース社)が量産・販売を計画していたモビルスーツシリーズ。通称ガンダムまたはガンダムタイプとも呼ばれる。
地球の軍事企業であるオックス・アース社は、新鉱物及び元素であるパーメットを研究していたヴァナディース機関を買収し、GUNDを軍事転用させた。こうして基幹システムGUNDフォーマットを搭載したGUND-ARMが誕生した。
他のMSと異なり、実戦仕様時のビームは総じて青色に発光する。
従来のMSが用いているパーメットリンクではなく、この機体シリーズ特有の接続方式であるGUNDフォーマットリンクによって有機的で精密な挙動が可能となり、既存のモビルスーツを凌駕する機動性能を獲得している。さらに、開発の過程で次世代群体遠隔操作兵器システム(通称、GUNDビット)も実用化されている。
一方で、GUNDフォーマットリンクの妨害技術も存在しており、アンチドートによって基本的な操縦すら阻害されてしまうという脆弱さを併せ持っている。
GUND-ARMには、パーメット・スコアと呼ばれるGUNDフォーマットのスコアが存在しているが、これを上昇させるに連れて、搭乗者に侵害的情報逆流現象データストームが発生。搭乗者にデータが逆流することで身体に大きな負荷がかかり、死亡ないしは廃人化するという危険性が孕んでいる。
歴史
開発黎明期
非生物機構で動く18mの機体を人体とリンクさせる試みの代償は大きく、パーメットの大量流入により、搭乗者に侵害的な情報逆流現象・データストームを引き起こし、身体へ深刻なダメージを及ぼすという重大な問題が発生。幾多の廃人や死者が生み出されており、世間でもGUND-ARMに子供の命を奪われたとオックス・アース社を非難する声も出ていた。
モビルスーツ開発の互助組織であるモビルスーツ開発評議会は、オックス・アース社に対しGUNDフォーマットの健全性を証明するよう要請していたのだが、評議会内のスペーシアンの権威達はオックス・アースの切り捨てを画策。通達した期日を待たずしてGUND-ARMの開発を凍結するという声明を発表する。
同時にMS開発の監査組織としてカテドラルを設立。統括代表となったデリング・レンブランは就任演説でGUND-ARMを「呪い」と批判し、「兵器は純粋な人殺しの道具であるべきであって使用者の命まで危険にさらす兵器はあってはならない」と訴えた。
デリングは評議会の特殊部隊を独断で運用し、ヴァナディース機関が拠点としていたフロント・フォールクヴァングを襲撃。技術者達を抹殺し、量産試作モデルを破壊するという蛮行に出る。
こうしてオックス・アース社とヴァナディース機関、GUND-ARMにまつわる技術は歴史からその姿を消したはずだった。
オックス・アース社の消滅により技術が途絶えることになったが、密かにペイル・テクノロジーズにより、ガンダム・ファラクトが開発されているなど、カテドラルの監視を擦り抜け陰で、GUND-ARMの研究が継続されている事が匂わされている。
魔女の再来
巨大複合企業ベネリットグループが運営するアスティカシア高等専門学園に突如として現れた、GUND-ARMを思わせる特徴を持つ機体・エアリアル。
審問会に出頭したシン・セー開発公社の開発責任者は疑惑をかわすだけでなく、過酷なパーメット採掘事業を支援するための新型ドローン技術の実証機としてエアリアルを売り込み、グループ首脳陣も興味を示す。
期せずして直接対決を演じる事になるジェターク・ヘビー・マシーナリーのモビルスーツを下したエアリアルの性能は疑うべくもなく、グラスレー・ディフェンス・システムズは水星という辺境でこれほどの機体が開発された経緯を探る。
一方、擁立したパイロットを通じて学園内からエアリアルに近づくペイル・テクノロジーズは新型機体ガンダム・ファラクトを投入、同等の性能をぶつけエアリアルの正体を暴こうとする。
GUND-ARMの消失
最終回では、クワイエット・ゼロ内に強化人士のオルガノイド・アーカイブがあった事でデータストームネットワーク上に出現したエラン・ケレス(4号)に導かれたスレッタ・マーキュリーがガンダム・キャリバーンに搭乗した状態で、ガンダム・エアリアル(改修型)のパーメットスコアを8以上に上げる。すると、ガンダム・ファラクト、ガンダム・シュバルゼッテが無人にもかかわらず駆け付け、計4機のGUND-ARMにより超広域のオーバーライドが展開。
宇宙議会連合議長が発射命令を出していたL1惑星間レーザー送電システム「ILTS」はオーバーライド(上書き)され機能を停止した。
そして、パーメットが粒子レベルまで分解を始め、クワイエット・ゼロ、キャリバーン、エアリアル、ファラクト、シュバルゼッテは消失。宇宙議会連合の侵攻の大義名分を失わせた。
こうして、主人公であるスレッタ達が運用出来そうなGUND-ARMは消失してしまったが、ドミニコス隊により鹵獲された(ガンダム・ルブリス・ウルの所在は不明で、ガンダム・ルブリス 量産試作モデルを保有していたオックス・アース社並びに同社を工作組織として再編させた宇宙議会連合の理事会はどうなったのか不明である。
GUNDビット
「ガンビット」。自立可動式の兵器であり、GUND-ARMに搭載された次世代群体遠隔操作兵器システムの通称。プロローグでは、ドミニコス隊から、妙なスウォーム兵器として認知されていた。
GUND-ARM機体一覧
PROLOGUE
型式番号 | 機体名 |
---|---|
XGF-01 | ガンダム・ルブリス 量産試作モデル |
XGF-02 | ガンダム・ルブリス |
本編
型式番号 | 機体名 |
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XVX-016 | ガンダム・エアリアル |
XVX-016RN | ガンダム・エアリアル(改修型) |
FP/A-77 | ガンダム・ファラクト |
EDM-GA-01 | ガンダム・ルブリス・ウル |
EDM-GA-02 | ガンダム・ルブリス・ソーン |
MDX-0003 | ガンダム・シュバルゼッテ |
X-EX01 | ガンダム・キャリバーン |
漫画「ヴァナディースハート」
型式番号 | 機体名 |
---|---|
XGF-01[II3] | ガンダム・ルブリス・ジウ |
AVP-03 | ガンダム・ルブリス・アノクタ |
関連タグ
機動戦士ガンダム水星の魔女 / 機動戦士ガンダム水星の魔女PROLOGUE
GUND:パーメットを用いた身体拡張技術。
GUNDフォーマット:GUND-ARMに搭載された基幹システム。