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もしかして→スペーシアネオスペーシアン


概要編集

アド・ステラにおける宇宙生まれ・宇宙育ちの宇宙居住者たちのことを指す。

小惑星を基部に作られた宇宙都市・フロント宇宙世紀におけるスペースコロニーに相当)に住まう者たちを主にそう呼ぶ。


解説編集

宇宙産業の発展の恩恵を受けた富裕層を中心に構成される。経済発展に取り残された地球を捨てて宇宙へと出た身勝手な経緯があり、地球居住者のアーシアンを理不尽に差別し、大資本やマスコミの殆どはスペーシアンが独占している。

企業行政法に伴うアーシアン側の工場施設徴収に反対した民間アーシアンのデモに対しMSを持ち出して武力制圧を行う等、苛烈な弾圧が行われている。

このように治安活動名目でアーシアン虐殺など悪辣にも程のある前科は幾つか犯している模様。

スペーシアン資本には「戦争シェアリング」と呼ばれるアーシアンの紛争に対してスペーシアン資本の兵器売買やその他の利潤を保証する利権体制が存在している。

当初は戦争抑制の意図が在った模様だが、現在ではスペーシアンの莫大な宇宙開発費用を支える巨大な利害構造に変貌しており、スペーシアンによりアーシアン同士の紛争が引き起こされ、スペーシアンが利益を独占。アーシアンが一方的な被害を受けている(尤も権力者の大半は地球環境の改善やアーシアンと和平する気は皆無に等しく、保身とエゴを優先しているだけに過ぎない)。

彼らの存在が地球が疲弊している元凶で在る一方でスペーシアン側がシェアリングの利益が年々減少する因果応報の反動に遭っている為、大勢も行き詰りつつある模様。

行政の中心も宇宙へと移行し、これまでのガンダムシリーズ作品で登場した地球連邦地球連合地球圏統一連合などの様な統一国家に当たる存在として「宇宙議会連合」為る組織によって統制されている。

当然それに反発するアーシアンも存在し「フォルドの夜明け」と名乗る反動組織が存在する。


フォルドの夜明けに協力するノレア・デュノク曰くスペーシアンは「地球を汚して、宇宙に逃げた」との事だが、歴史的な経緯等は明示されていないもののA.S.122時点で学問的には性急な宇宙進出を行ったとされている。

アーシアンとの間で実体弾の宇宙空間での使用を禁ずる条約が敷かれており、それは歩兵等の装備も例外では無く電磁気銃を用いている

表向きには弾丸薬莢デブリ化とフロントやプラント、宇宙船の損傷を危惧しての事と思われるが、実態としては兵器等の残骸や船外活動中の遺失物が圧倒的に多く占める筈で在り実質的に資金・技術力に劣りビーム兵器の運用が困難なアーシアンを取り締まる為の詭弁と言わざるを得ない。

事実、宇宙議会連合の主力モビルスーツのカラゴールミサイルを標準装備しており、条約を遵守する姿勢は全く見られない。

……様に思えるが、「実体弾」という言葉は、現実における徹甲弾の様な「金属の塊のみで出来た砲弾」を意味するので、ミサイル兵装は解釈的には問題無い可能性が高い(まぁどっちみち誘導兵器とも成れば高い技術力が必要な事には変わり無いが)。


スペーシアンの権力者にまともな人間が少ない所為か利己のみ執着している所為か彼らの企業同士での確執・小競り合いや企業内外での階級反映された人間関係からの歪み等の団結力やチームワークの弱さが観られる。

地球出身者では無い筈のスレッタ・マーキュリー水星(辺境の惑星)出身者に対しても田舎者と差別的な接し方が為されている。


アスティカシア高等専門学園ではベネリットグループ内部の御三家及び所属企業をバックにした寮に生徒が在籍しており、総じてスペーシアン出身者がアーシアンの地球寮を侮蔑している状況下にあるが、スペーシアン同士も寮同士での確執が存在するのではとされる。


スペーシアンの企業・団体・組織編集

  • 宇宙議会連合:政府機関。
  • モビルスーツ開発評議会:モビルスーツメーカーの組合と言える存在。
  • 監査組織カテドラル
  • マスメディア
    • INN INTERPLANETARY NEWS NETWORK):A.S.101時点で広く視聴されている放送局。A.S.122でも存続している。
    • CMN COSMIC MEDIA NEWS):A.S.122時点で存在する放送局。プラント・クエタの「事故」に「フォルドの夜明け」が関与していたとされる報道を行った。
    • EOR EXTRA-ORBITAL REPORTS):A.S.122時点で存在する放送局。プラント・クエタの「事故」でジェターク社CEOが死亡し、総裁が被害を受けた等と報道。長らく他局と異なり画面の一部しか映し出されていなかったが第21話にてはっきりと識別出来る形で映し出された。
    • PNB PLANETARY NEWS BROADCAST):A.S.122時点で存在する放送局。ベネリットグループの治安活動の反発として北アフリカで発生した反スペーシアン暴動について報道していた。
    • AFNN All-Front News Network):A.S.122時点で存在する放送局。北アフリカで発生した反スペーシアン暴動について報道。反ジェターク社の意向が存在するとみられ、同社のディランザ・ソルの醜態を見せつけていた。他局と比較するとやや親アーシアン傾向にある。
    • これらの局はスペーシアンらしく、アーシアンを野蛮で劣ったものとして敵視・蔑視する報道が多い。各番組のナレーターのCVは第16話の野坂尚也など。

スペースノイドとスペーシアン編集

スペースノイドとは宇宙世紀における宇宙移民者を指す言葉であり、またガンダムシリーズを語る上で重要なファクターでも在る為、往年のガンダムオタク達にとってスペーシアンという響きは否応無くこれを連想させた。

しかしながら実態は対照的と言っても差し支えなく、また区分もアド・ステラ側がスペーシアン/その他辺境(水星地球=アーシアン)なのに対して宇宙世紀側の区分が地球のアースノイド(地球+加勢する者)/その他のスペースノイド(火星木星小惑星帯その他含む)と厳密には分布図が異なる。


宇宙世紀は当初技術力に対してコロニー開発等に十分と言える程の技術発展が無いにも拘らず、足早な宇宙開発が進められたせいか、長年過酷な開発事業を強いられて来た。反面地球に残った人々はアースノイドと呼ばれ、その殆どがエリート官僚やその関係者、軍人や資産家と言った有力者で固められており、アド・ステラ世界とは真逆の構造と成っている(世界観が異なるものの、A.G.ヴェイガンも宇宙移民者でスペースノイドと同じく地球側から追放された人々である)。

勿論一部には該当しない人物もいるが、多くの場合上記の関係性で語られる。ゴップの様に「カネが在るから宇宙に行ける」とアースノイドの中にも宇宙にすら上がれない貧困層がいる事を(後発作品であるが)示唆する特権階級アースノイドすらいる(しかしこの点については、月に拠点を置くアナハイム・エレクトロニクスの会長であるメラニー・ヒュー・カーバインも、重力に魂を引かれた人々と断じたキャスバル親子の地球、もといアースノイド全体の実情に対する無知として、怒りながら指摘している)。


地球に残ったアースノイドは安定した長期政権を後ろ盾に地球から各サイド(地区)のスペースコロニーの行政権を実効支配し、反対する者は秘密警察などで弾圧し、文字通り植民地の如く長年顎で扱って来たのだが、足元の砂漠化を始めとした環境汚染に何ら対応を取る事も無い程に内実は腐りきっており、様々な軋轢と対立を生む温床と成っている。

対してスペースノイドはその開拓初期から不安定な生活を余儀無くされ、常時外部から酸素や水などを補給せねば成らない以上必然的に生きて行くだけで金が掛かる宇宙世紀のスペースコロニーは生物循環機能が低い為だが、他の作品だと海洋や山林を再現してこれらの問題を克服する場合もある)。

こうした過酷な環境で生きる事を強いられる体制が年々腐敗し横暴に成って行くに連れ、地球の連邦政府への反感と分離主義は加速し、ジオン公国一年戦争を始めとして地球からの独立を求める声が度々あがり幾度も戦争を起こす。

無論、スペースノイドにも地球を慮る意識を持った者は多く、現に一年戦争の地球連邦軍には宇宙生まれの将兵も数多く参戦している。

実の所サイド4の様な積極的に連邦軍へ貢献するコロニーも有れば条件付きで中立を目指すサイド6等のコロニー等もいてスペースノイドも一様では無いのだが、現実社会の事象を分かり易い例として一度分断が起きてしまうとどんな人でも勝手に簡単な言葉で一括りにされ、無理解と無意味な対立が長年に渡り両者を蝕み続ける(こう言った問題は、今後の水星の魔女を見て行く上で良い参考と成るのではないだろうか?)。


だが、皮肉な事に統治機構として役割を担っていた地球連邦の権力が形骸化した宇宙世紀150年代ではスペースノイドは地球に対する憧れや帰属意識が薄れた。

その為、地球圏の掌握などと言ったお題目ほとんど眼中に無く、更に統制が取れなくなったスペースノイド同士がお互いに敵という状況が続いた為、「宇宙戦国時代」と呼ばれた。


……こう言った政治的対立の背景も有ってか、劇中では過激な侮蔑発言に「宇宙人」という呼び方すら登場し、戦国時代前夜には「地球人がそう呼ぶように違う惑星の生き物なのだよ、SF映画に出てくる異星人のようにね!」と啖呵まで切られた(往々にしてスペースノイドの勢力は戦争やテロと言った過激な手段に出易いのだが、コロニーと言う周りを宇宙に囲まれた逃げ場の無い閉鎖的空間に暮らす人間たちへ扇動者が何か事を発すれば、エコーチェンバー効果が高まって好戦的な思想が流行し易い事も一つの起因ではないかと想像される)。


宇宙世紀よりも太陽圏開発が進んだアド・ステラ世界の分断……呪いは果たしてどのように進んで行くのか……



余談編集

日本ではすっかりガンダムシリーズ、特に一年戦争~シャアの逆襲頃の時代を描いた宇宙世紀が有名な影響で地球側が優位、宇宙側が劣勢という構図がお決まりと為っているのだが、海外SFでは居住に高い技術力を要求される宇宙側に金持ちが住むという構図の方が多い。

尤も宇宙世紀も後の世では生活環境も向上し、地球は半ば無視される様に成り、アナザーガンダムシリーズにも未来世紀や正暦の作品の様に宇宙側が技術などで優勢の作品もシリーズは存在している。

スターウォーズシリーズや銀河英雄伝説の様な広範囲の宇宙を舞台とするスペースオペラものと成ると地球/宇宙と言った対立軸は相対的に小さくなる為、あまり話題にも上がらない。


関連タグ編集

機動戦士ガンダム水星の魔女

アド・ステラ


世界の歪み だいたいこいつのせい

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