「私のパパが言ってた――」
CV:高田憂希
解説
アスティカシア高等専門学園のパイロット科2年生。
グエル・ジェタークを慕い、ラウダ・ニールやペトラ・イッタと共にジェターク寮に所属する。取り巻きその1。忠臣キャラ。
人物像
作中での描写を総合すると「あまり後先考えない猪突猛進タイプ」な印象が強い。
それ故に思慮浅い言動が目立ち、ペトラ共々ミオリネをからかっている。自身が優勢の時には高圧的だが、劣勢になると途端に怖気づく所もある。
もっとも、これらの言動は『自分が安全圏にいる』故の余裕に近く、スプリンクラーを停止すべくモビルクラフトで突貫したミオリネと対峙するや、上記の通り怖じ気付いて終始狼狽えるなど、前述の思慮の浅さも含め(酷評すれば)「虎の威を借る狐」のようなキャラクター性が目立っていた。
スレッタ・マーキュリーを『水星女』の蔑称で呼び、ラウダと同じく『田舎者』とも発言する等、彼女も下流スペーシアンやアーシアンへの差別感情を持ち合わせている。
ミオリネとの関係もかねてより悪く『殴り込み』の際には、相方共々「やっぱり あんたたちか」とスレッタ編入前の言動が窺い知れる恨み節をぶつけられており、それ以前に温室の修理を行わせた際にもトマトに触れないよう言いつけられていた。
もっとも、初登場時こそ上述のような言動が目立って描かれていたものの、グエルやラウダを慕う気持ちは紛れもなく本物であり、不利になっても裏切るような真似はしない忠臣ではある。
「水星女が氷の君とデートした」事実をペトラ共々グエルに伝えたりと、恋愛方面にも年相応の反応を見せており、総じて「(良くも悪くも)年頃の女子高生らしい、自分の感情に素直な子」と評せるのかもしれない。
また、父親がベネリットグループの上層の情報を得られる立場にあるらしく、ガンダム・エアリアル及び搭乗者の処分を把握している。
作中の動向
第1話から登場し、スレッタ転入以前からペトラと共にグエルの取り巻きのようにつるんでいる。
だが、彼の真意を推し量れなかったようで、ヴィム・ジェタークの裏工作にペトラと共に従事し、スプリンクラーを使った妨害工作を実行し〈決闘〉序盤の展開をスレッタ劣勢へと傾けた(しかし、上記の通りミオリネの『殴り込み』で失敗に終わった)。
エラン・ケレスといざこざを起こしたグエルが、ラウダ用ディランザで無断出撃し彼に嬲られる様には絶句し、その後彼が『三連敗と命令違反』によって寮を追放される様を心配そうに見送る姿を以って、シーズン1最後の登場となった。
地球寮とグラスレー寮の〈決闘〉後、相方のペトラは消息を絶ったグエルの身を案じ捜索に奔走していたが、傍らにフェルシーの姿は無かった……。
余談
- ペトラ共々ミオリネをからかい、彼女の態度を「父親そっくり」と評した。悪口ながらも皮肉にも劇中で早いタイミングで彼女の本質に気付いたキャラである。
- ヘイトを集めがちな言動を取っているものの、ペトラ共々妙な愛嬌があり隠れファンも多い。
- 彼女が登場しなかった第4話と第10話では死亡説が嘯かれたほど。
- 第5話でグエルに急を告げるシーンのキャプチャ画像は汎用性が高く、新製品の告知、コラ画像との組み合わせなど様々に利活用されている。
- 独特のイントネーションで発声される「パァパ」にはフェルシーちゃん成分が豊富に含まれ身体賦活、滋養強壮など溜まった疲れを取り除く効果が見込めるとか(※効果には個人差がありますので、御注意下さい)。
ネタキャラ化(?)
- 目立つキャラデザとは裏腹に出番が減少傾向にあったため、無理矢理にでも出番を確保しようとするネタキャラ化が加速。本編のキャプチャ画像に偽の字幕を書き加えて出番を捏造する二次創作(コラ)ネタが定着した。
- その結果か二次創作においては、作中のあらゆる因縁を背負わされた某ところてんの如く、無関係の第三者にもかかわらず殺害予告の対象にされている。
- 第10話では相方のペトラだけが出演していたため、ますます不憫なキャラとして扱われている。
そっくりさん
- 第8話からはシャディクの取り巻きにあたるポジションでレネ・コスタが登場。どことなく似通った面差しの為か、レネが『偽フェルシー』の通称で呼ばれるのみならず、『真フェルシー』『完全版フェルシー』等、向こうが本物扱いされる珍事も。
- 更に『フェルシーの上位互換』とまるで『旧式と新式』扱いまでする層も……。
- パイロット科でありながら、操縦シーンがなく(パイロットスーツを着ている場面はある)、レネと比べると服装や体型が地味なのもそれに拍車をかけている。
- 上述のレネ登場と同時期に姿を消した状況から「彼女はフェルシーの代役として作られたキャラでは?」と見る珍説も存在していた。
- シンコウウインディ(ウマ娘)に至っては他人の空似かと思いきや、中の人も一緒案件。誰が呼んだか『スイセイウインディ』。
- その為か語尾に「のだ」を付ける口調でのなりきりが各所で散見されるが、所謂声優ネタなので空気を読まない振り過ぎには注意なのだ。
- 2023年6月27日現在、グーグルにおいて『フェルシーちゃん』を検索窓に入力するとサジェストに『フェルシーちゃん』『なのだ』が候補としてのぼる現象が発生中。フェルシーちゃんは「なのだ」って口にしないのだ。
- そもそも出番が少なすぎてどんな口調だったか忘れた、あるいは知らないのにファンになった人も増えている。
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主要人物
スレッタ・マーキュリー / ミオリネ・レンブラン / エラン・ケレス / シャディク・ゼネリ
ALERT
見てない……。
ネタバレされたくない。
※Season2以降の更なるネタバレ注意!!
俺は、続きに……。最新情報に進めていない!
ALERT
2023年3月10日、遂に公開された第2クールの予告PVにはフェルシーとレネが並ぶ光景が!
※激突! 本家VS元祖!!
Season2以降の動向
出番大幅加増! やったッ! 第2期完!
- 第13話
寮長であるラウダ・ニールがCEO代理として会議に出席している間、代理の立会人として決闘委員会のラウンジにフェルシーが登場。PVでは近い位置に着席しているように見えるが、実際には1人分ほど間を空けてソファーに座っている。
既に互いに面識はあるようで、レネ当人から「ジェターク寮の代理がなんでフェルシー・ロロなわけ? 激萎えなんだけど」との悪態を皮切りに口論に発展。セセリア・ドートの取りなし(煽り)には、両者が揃って怒鳴り返す微笑ましい一幕を見せた。
5連戦の決闘に全勝したスレッタに対しては「水星女1人に!」と悔しさを滲ませ、オープンキャンパス前日には久々にペトラと共に、スレッタに「〈ランブルリング〉での打倒」を宣言した。
〈ランブルリング〉ではラウダ共々参戦。量産型ディランザにて、遂に番組内初出陣。
出撃前には「やってやる~!」と意気込んでいたが、ラウダにしおらしく接するペトラを見て「ん? んん?」と何かに察した様子も見せた。
〈決闘〉の場では真っ先にエアリアルに挑んだレネのハインドリーをラウダが妨害、それをサポートする形でフェルシー対レネの宿命の対決(?)が実現。
「あんたは私が!」「できんの? 私の相手!」
単独でエアリアルに挑むラウダだったが、そこにテロリストのMSが急襲。
ラウダは機体頭部を破壊され、意識を失ったまま目を覚まさない。フェルシーは自機をラウダ機の上に覆いかぶせて盾にしながら、テロリストの無差別攻撃の中、危険を顧みずにラウダ機のコクピットに乗り込んで、彼を介抱しつつ悲痛な声で救援を求める。
「誰か!? 先輩が死んじゃう! ラウダ先輩が死んじゃうよ!?」
フェルシーの必死の叫びに応じたのは、テロリストに反撃しようとしていたチュチュだった。
- 第16話
ジェターク寮のガレージと思しき区画にて、フェルシーはディランザ(損傷具合から恐らくラウダ機)を真剣な眼差しで見つめていた。
前回の意味深長なシーンから続く第17話ではペトラに詰め寄るシーンがあった他、グエルとスレッタのリベンジマッチを他のジェターク寮一同と見守る、PTSDに苦しむグエルをラウダとペトラと共に声援を送って振り切らせる、見事に雪辱を果たしたグエルの勝利を喜ぶなどの様子を見せた。
ちなみにペトラに詰め寄っていた理由はグエルの帰還に関する件、あるいはペトラとラウダの関係などが考えられるが、詳しくは明らかになっていない(一緒にいた生徒は後者の話をペトラに振っていた)。
- 第18話
ペトラ共々ラウダに同行し、スレッタの元を訪れる。
ラウダのスレッタに向けた「お前はもういらないんだよ、空っぽな水星女」と剥き出しの敵意を含んだ発言には、ペトラと共に困惑し曇った表情を見せた。
ラウダは食って掛かってきたチュチュには「オープンキャンパスでは助けられた。礼を言う」と口にして去って行き、ペトラもスレッタとチュチュを心配するような一瞥を残してそれに続く。そしてフェルシーは立ち止まって振り返り、チュチュに「ありがとな」と〈ランブルリング〉で助けてくれたお礼を伝えた。
ちなみにこのシーン、チュチュへの礼を口にしてからラウダの方へ向き直る間のほんの一瞬だけ、フェルシーが微笑んでいるカットがある。
〈ランブルリング〉でチュチュに庇われた経緯からか、またはグエルが「ホルダーを奪還しスレッタにリベンジを果たす」目標が達成され敵視する意図が無くなったなどの理由で、スレッタや地球寮に対する敵意が薄れている模様で、グエルに次いで『アーシアンへの差別意識』が氷解したキャラクターになったと評価できるだろう。
- 第20話
軟禁状態から解放されたノレア・デュノクによる学園の無差別破壊が始まった。
「ラウダ先輩、ペトラ、どこ行ったんだよ…」
日頃頼りにしている二人の姿はなく、フェルシーは不安を隠せなかったが、単騎で学園防衛のため出撃。
「私がやんなくちゃなんだ…フェルシー・ロロ、出ます!」
しかし実戦仕様のガンヴォルヴァ複数機によって警備部隊は半壊滅状態。フェルシーのディランザは学園レギュレーションであり、とても相手にならない。物陰に隠れても集中攻撃を浴び始め、「や…やばい…このままじゃ…」と死の恐怖を感じ始めた時、セセリアからデミバーディングを受領して出撃したチュチュが救援に入った。
「おい、スペーシアン!」「お…お前、ポンポン頭!?」
「手伝え、こいつらぶっ潰すぞ」「あっ……アーシアンが仕切んじゃねえ!」
口は悪くとも頼もしい援軍を得て、フェルシーはチュチュと共にガンヴォルヴァに立ち向かった。
それ以上の被害拡大を食い止めるのには成功するも、その頃大切な友人であるペトラは学園破壊に巻き込まれており、瀕死の重傷を負ってしまっていた。
- 第21話
第17話で一緒に話をしていた生徒と共に、意識の戻らないペトラに付き添っていた。その際電話でグエルに「ペトラの容体が悪い、ラウダと連絡がつかない」旨を報告している。
- 第22話
ニュースでクワイエット・ゼロの事件を知り、第20話で共闘したチュチュとの縁を通じオジェロ・ギャベルに「プラント・クエタに自分も地球寮と同行させて欲しい」と頼み込んでいた。
突然の頼みにオジェロ達地球寮メンバーを困惑させたが、フェルシーはどうにか粘り勝って同行を許された。
ただ、グエルから「来るな」と言い渡されていたため、スレッタと一緒にいた際にグエルと再会するや否や、それを破った後ろめたさからスレッタの後ろに隠れてしまっていた。
- 第23話
ミオリネへの憎しみを爆発させたラウダは、クワイエット・ゼロに向かおうとするミオリネ達の乗る宇宙船をガンダム・シュバルゼッテで襲撃し、船を守るグエルのディランザとの戦闘が始まる。それを見たフェルシーは、居ても立ってもいられずディランザで出撃。
激闘の最中、ラウダがジェターク家の誇りも罪も全て背負う覚悟と知ったグエルは、あえて彼に倒される事を選択した。わざとディランザをシュバルゼッテのブレードに貫かせておいて、シュバルゼッテの額のシェルユニットを破壊し無力化する。「ガンダムなんてもう乗るな」と言い残したグエルのディランザは、巻き添えにすまいとシュバルゼッテから離れて行く。今更ながら兄の愛を知り慟哭するラウダの目の前で、ディランザが宇宙空間に散らんとしたその時……ディランザ目がけて消火冷却剤が浴びせられた。
間一髪で兄弟の元へたどり着いたフェルシーが、最悪の事態を防いだのだ。そして通信機から怒声が響く。
「2人ともバカなんすか!? 兄弟喧嘩で死ぬとか!! マジ笑えないっすから!!」
思いもよらぬ相手からの、しかし心から2人を心配したからこその厳しい叱声に、毒気を抜かれたグエルは自嘲気味に「ああ……そうだな……ほんと、笑えないな」と呟くのだった。
かくして『兄弟の殺し合い』……それも『片方が死に片方が業を背負う悲劇の再来』は阻止された。
※この時フェルシーのディランザを注視すると、腰に手を当ててプンプン怒ったようなポーズを取っている。かわいい。
前話でグエルの言いつけを破ってまでスレッタ一行と同行するも、目立った見せ場が無かったフェルシーだったが、同23話のここ一番で起こした超ファインプレーにより、兄弟にとって救いのない最悪のシナリオを「進めば二つ」を体現するかのように回避に成功。見事な鬱クラッシャーとなった。
この回はベルメリアや強化人士5号など、いつ死んでもおかしくない不遇脇役達が大活躍し、しかも生き残る胸熱展開であったが、それより出番が短くても「爆散するフラグをへし折って全くの無傷で和解」に持っていくと「ガンダムの歴史を変えた」(過去唯一ガンダムWでカトル・ラバーバ・ウィナーが黒カトル化した際にトロワ・バートンがヒイロ・ユイを庇ってウイングゼロのツインバスターライフルの直撃を受けてまで説得の末に機体が爆散しながらも生還した事例はあるが、それですら宇宙遊泳の末に記憶喪失のダメージを負っている)とまで称される程にフェルシーの残したインパクトは大きく、「今回のMVP」として視聴者から大絶賛された。
更に言及すると彼女の偉業はリアルにも影響しており、各地店頭で販売中の『ディランザ(一般機/ラウダ専用機)』の売上増に貢献している。
その影響力は中々で、上記の一般機仕様ディランザを「『フェルシー・ロロ専用機』ディランザと呼ぶべき」などのレビューもある程。
- 第24話
専用ディランザからグエルを救出し、2人乗りで地球寮の学園艦に帰還。その後は再出撃するスレッタを護衛するために自身のディランザをグエルに貸し、学園艦から事の顛末を見届ける。無人のシュバルゼッテとファラクトが突如動き出した時には、同じく格納庫内で待機していたラウダ共々驚いていた。
エピローグの3年後においてはカミル達ジェターク寮の面々と同じ職場に就職した模様。着用するノーマルスーツの色から、ジェターク社かその関連企業と思われるが、現時点では詳細は明らかになっていない。
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スパロボ補正:第23話のフェルシーの行動は「スパロボでフラグを重ねた末で起きる隠しイベントみたいな内容」と評価する意見もある。どれだけ撃墜数稼いだのだろう……。なお、フェルシーがグエル達を救う最大の分岐点は「フェルシーのプラント・クエタへの同行希望を了承するかどうか」だが、そこに至るまでに「マルタンがセセリアに自らの罪を懺悔する(=この結果、縁が出来た地球寮にセセリアがデミバーディングを貸与して、チュチュがフェルシーの救援に向かい生存、フェルシーが上記の行動に採れた)」と、一見フェルシーとは関係なさそうな経緯もあるため、実際フラグ立てじみているとの意見も。
また「他作品で死亡してしまったキャラクターの死亡フラグも、フェルシーなら生存フラグにしてしまえるのではないか?」との期待から、「他作品でのクロスオーバー時に介入してほしい」と期待するファンも多い。
英雄:フェルシー自身は無我夢中のままに動いた結果、グエルとラウダを助けられたに過ぎないのだが、ジェターク社(並びジェターク社関係者のファン)全体で見ると「創業者一族の継嗣2人を共に救った上に会社存続に繋げた(=歴代シリーズならば両者orどちらかの死亡確定の状況を覆した)」功績から、そのように見られても不思議ではない。故に下記のような作品が投稿された。
グラハム・エーカー/ユニオンフラッグカスタム、サザキ・ススム/ギャン:ガンプラの売上に貢献した先輩と該当MS。