CV:恒松あゆみ
概要
ペイル・テクノロジーズにおいてガンダム・ファラクトの開発主任を担当している中年の女性。
ヴァナディース機関の数少ない生き残りたる『魔女』の1人であり、プロスペラの正体を知るためか「先輩」と呼ぶ。
ペイル社に所属しているのは本意ではなく、生きるためにやむを得ずのようである模様。
現在名乗っている名前が本名なのかは不明だが、プロスペラに「ベル」と呼ばれていた点から、少なくとも呼び名は以前からのものである(あるいは個人名を据え置き、姓だけを変えている)可能性は高い。
人物像
本作に登場する大人の中では良心的な部類に入り、劇中でもプロスペラが娘であるスレッタ・マーキュリーをガンダム・エアリアルに乗せている実態に苦言を呈する、エラン(=強化人士4号)が上層部の道具の様に使われている現状を快く思っていない。
スレッタに対しては〈決闘〉の際に『機能停止したエアリアルが、どうやって再起動したか?』の現象について尋ねようとしている(もっとも、聞けずじまいだったが……)。
GUND-ARM Inc.の社員が(年上とはいえ関係者止まり、そもそも海外寄りの文化であると思われるが)敬語を使わず会話してきたとしても、それを指摘しない姿から、フランクさや温厚さがうかがえる。
4号の体が既に限界に近づいているのを知って瞳が揺らいだり、データストームが許容値を超えていたりすると動揺する素振りを見せており、人情は人並みにある模様。
しかし、エラン・ケレスより立場は下である模様。
後輩であるにもかかわらず、プロスペラよりも容姿は老け込み、明らかに中年の風貌・雰囲気となっている。苦労の多さか、宇宙暮らしで老化が激しいのか、逆に彼女がGUNDを主に何らかの処置で若さを保っているせいなのかは不明。
また、魔女狩りでプロスペラを除く知己全員を理不尽に亡くした経験からか、情緒が不安定気味で涙脆くなっている。
GUNDに対する思い
元々は医療工学を学んでおり、そのためにヴァナディース機関でGUNDフォーマットの研究をしていた。
具体的な研究内容は『GUNDフォーマット搭載機体の搭乗で発生する、データストームによる負荷を回避する方法』で、ベルメリアはデータストームに耐性のある中枢神経を人体に埋め込んで解決しようとしたが、この方法はカルド・ナボ博士は了承しなかった模様。
現在は「生きる為に……」とペイル社でGUND技術を取り扱っているが、ベルメリアの本心では「『GUND技術の理想』の為に先人の真似事をしている(要約)」として真摯に取り組んでいる。
それもあって世間一般のGUNDに対するネガティヴなイメージを苦々しく思い、それと同時に「魔女」と呼ばれるのも嫌っている。
しかし、プロスペラがデリング・レンブランを追い込む策略の過程で彼の娘が立ち上げた『GUND-ARM Inc.』に関わる内、上記の理想を思い出していったのか、次第に暗鬱な表情が明るくなり始めた。
不出来ながらも意気込みの感じられる同社PVに笑みを浮かべている様子から、彼らを「かつての自身の理想を果たしてくれる存在」として見ている面もあるだろう。
動向
初登場は第5話で、4号のダイゴウ寮との〈決闘〉と称したデータ収集の後、彼の計画フェーズ移行(=ファラクトの搭乗許可)をCEOに申請する。
エアリアルとスレッタの特異性を説明し、ダリルバルデとの〈決闘〉映像を4号と共に視聴。ベルメリアは「GUNDフォーマットとしては最高峰ながらも、パイロット負荷で実現しえない有機的な挙動である」と解析する風に呟くも、スレッタに対して複雑な感情を持つ彼に対して、強化されたの不満を察し「好意を持っているのではないか?」と語る一方で、ファラクトの実戦テストを行うよう告げた。
ファラクトのテスト実況を視聴していたプロスペラと邂逅するが、別れた後彼女とその通話相手に「魔女」の生き残りとしてマークされてしまう。その後、4号のバイタルチェックを行うが彼の慰問と称して「エラン・ケレス」が現れる。結局4号は本命のエアリアルとの〈決闘〉に敗れ機体の確保に失敗、CEOらへの延命の懇願も無視されてしまう。
再調整に難航していたようで、学園には「休学」と伝えインキュベーション・パーティには本来出席する予定がない人物が代打となる本末転倒な事態となっていた。
接触してきたミオリネに「パーティで買収された開発チームおよびファラクトは、受け入れ態勢が整い次第譲渡される予定」と伝え、GUNDとGUND-ARMについて知ろうとする彼女に教える。ミオリネが協力しており彼女の企業母体でもある地球寮はグラスレー寮との団体戦を行えるだけのMSと学園艦を持ち合わせていなかったが、コネを活かし何とかザウォート4機とペイル社のものと思われる艦艇を貸与した。一方でエランから「『ファラクトの譲渡』は不祥事が明らかになりかねず、不可能である」事情を、CEO達から「対価として成果を上げる」よう伝言された。
『GUND-ARM Inc.』が正規に起業が認められてからは関係を深めていき、GUND義足の運用試験に参加し義足のPV撮影に欠席したニカ・ナナウラの代理を務め、ベネリットグループ開発プラント・クエタへの航海訓練にも同行していたが、何らかの事情で彼らに荷物を搬入させており強化人士の再調整も完了し学園に投入された。
クエタ襲撃ではエアリアルのあるハンガーから離れるようプロスペラに諭すが無視された。その後ハンガーに歩兵が侵入したり社用船が映し出された際には姿を見せていない。
関連タグ
ヴァナディース機関:かつて所属していたとされるが、PROLOGUEではその姿の確認ができない。恐らく何らかの理由でスポンサーの元に居たのではないかと考えられる。
- カルド・ナボ
- プロスペラ・マーキュリー:彼女曰く「同僚」とされる。便宜上ここに記述。
- GUND
株式会社ガンダム:ペイルからの正規の辞令が下される前から既に協力している。
ガンダムシリーズ
マリナ・イスマイール:中の人が同じ、黒髪の女性、争いに消極的と類似点があるキャラクター。それ故に以下の作品が投稿された。
他の作品
シンデルマン、10サイのロボゴーグ:両者共に自らの思想や研究を否定された末に身を滅ぼした科学者と、ベルメリアの最悪のifとも評せる存在。
ALERT
警告! 直ちにスクロールを中止しなさい。
※以降から第16話以降のネタバレが記されます! ネタバレが嫌なユーザーはブラウザバックを強く推奨します!
繰り返す、直ちにスクロールを中止しなさい!
ALERT
だが、第2シーズン・第16話にて衝撃の事実が判明した。
若きベルメリアは懸命にGUNDフォーマットの研究をする中、データストームに耐性のある中枢神経の提唱・実用化まで至ったのだが、不運にも敬服するカルドから自らのそれを否定されてしまった。
それでも、ベルメリアなりに真摯にGUNDフォーマットに向き合っていた最中、デリング・レンブランによる魔女狩りが行われて孤立無援に陥る中、彼女の理論に注目したのがペイル社であった。
「技術提供を渋れば自身も狩られる」……その恐怖からベルメリアはペイル社に降り、強化人士計画の片棒を担いでしまったのである。
同話ではプロスぺラに『クワイエット・ゼロの実現に向けての協力』を要請され、一度は「ヴァナディースの理念とは違う」として断るも、上述の罪を指摘されて激しく動揺、その場で崩れ落ちるベルメリアに、プロスぺラは「逃れられないのよ、貴方も」と冷徹に告げた。
その後はエアリアル強奪の任務を受けていた強化人士5号と合流、5号から協力を要請されるも、これを断るどころか5号(=強化人士実験の被害者)に「命が惜しいあまりにペイル社に無理矢理協力させられていた(要約)」と被害者意識を出してしまい、それを聞いて激怒した5号に殴られた末に「自分は助かりたいけど、強化人士に改造された人間の未来なんかどうだっていいのか(要約)」との全くの正論をぶつけられる。
それを「違う」と否定するも「違わないだろ!!」と強く返され、同時に任務失敗を「ベルメリアの失態として上司に報告する」と告げられ、格納庫を後にする5号を背に1人泣き崩れた。
「強奪に失敗した以上はペイル社に戻れない」と察したためか、ベルメリアはやむを得ずプロスペラの要請を受ける形でシン・セーに逃げ込む。
尚、作中に登場した『エアリアルの緊急停止アプリ』は彼女が開発したと思われ、間接的にだがミオリネ、グエル、プロスぺラとともに『スレッタを〈決闘〉による八百長試合で敗北させる』ための工作に協力した。
その後はゴドイと共にエアリアルの整備や調整を担当していたが、作業員を装った宇宙議会連合のフェン・ジュンとグストン・パーチェに見つかってしまい、彼女達の尋問を受ける。その最中「ヴァナディース諸共壊滅したはずのオックス・アース・コーポレーションが議会連合の子飼いとしてGUND-ARMを密造している」事実を知って激しく動揺。2人にクワイエット・ゼロを打ち明けその鍵となるものが保管されているクエタへ案内しようとするが、裏切り防止のため見張っていたゴドイの襲撃を受けるも、フェンの命懸けの足止めにより逃げ延びる。
続く第21話、半壊したアスティカシアに到着したベルメリアは、グストンに連行される形で地球寮に向かい、そこでスレッタ達と再会する。
そこでスレッタ達と共にグストンの話を聞くも、彼の口から出た『キャリバーン』の名前とスレッタへの「キャリバーンに搭乗しプロスペラを止めてくれ」要請に、ベルメリアは血相を変えてキャリバーンの危険性を訴えた……が、スレッタは「お母さんとエリクトと話したい」としてそれを引き受けた。
グストンが話を終えた直後、直前まで彼女と似た立場だったニカ・ナナウラから糾弾を受けたベルメリアは、遂に今までの己の不誠実を認め謝罪しつつも、そうまでしても生き延びたかった本心をもさらけ出し、堰を切ったように号泣してしまった。
第22話並び第23話ではクワイエット・ゼロ(よりかはプロスペラの暴走)を止めるべく、チュチュとニカが複座するデミバーディングで運送されるポッドの中、ケナンジに主導される形でミオリネ、マルタン、5号と共にクワイエット・ゼロへと侵入。
エレベーターの中でケナンジから銃器を手渡され、ベルメリアは恐怖からそれを拒否したが、彼の「学生に渡すのは忍びないのでね……」との言い分に納得せざるを得ずに受け取る。
その直後、エレベーターが停止しドアが開くと、武装化されたハロに襲われたがケナンジが自ら囮となったため、ベルメリアはミオリネと5号と共にサーバーに侵入した。
しかし、ミオリネ達の行動を予見していたプロスペラにより、事前にクワイエット・ゼロの停止コードが書き換えられていた上、プロスペラ自身も武装ハロを伴ってサーバーに進入。
絶体絶命に陥る3人だったが、それでもなお諦めないミオリネと、そんな彼女を躊躇なく討とうとするプロスペラの姿に、遂にベルメリアは覚悟を決めてケナンジから渡された銃器をプロスペラに向けて発砲した。
「これ以上……逃げ回っていられないの……私はぁ!!」
震える手でベルメリアが放った弾丸は随伴の武装ハロ2機を破壊するに留まったが、プロスペラは虚を突かれて制圧の機会を逸する。だが、無我夢中に撃ったため早々に弾切れに陥ってしまい、それをきっかけに再度プロスペラに詰め寄られるも、ベルメリアはミオリネを覆う様に身を挺して守り続けた。
彼女の決死の行動は5号が自身の銃を回収しつつプロスペラに反撃するタイミングを、ミオリネはスレッタとの遣り取りから変更されたコードを推測し打ち込む時間を作るのに成功、見事にクワイエット・ゼロの機能停止に追い込むのに成功した。
この後疲労からかしゃがみ込んだベルメリアへ、5号は彼女の奮闘に対し赦しとも応援とも取れるメッセージを伝えている。
続く24話は一時はゴドイにミオリネ達共々拘束されるが、スレッタとエリクトが起こした奇跡により危機を脱し、デミバーディングで脱出する際にスレッタが起こした現象に「スコア8を超えるなんて…」と驚愕していた。
その後、3年の月日が流れた際も生存が確認されており、グストンとともに墓参りをしていた。