ダリルバルデ
だりるばるで
ジェターク社が開発した赤いモビルスーツ。パイロットはグエル・ジェターク。
第5世代実証機としてドローン兵器のモビルスーツへの搭載が行われており、総じて次世代機として正統進化版のバージョンを確立しているといえる。
しかし革新的技術であるGUNDフォーマットは禁忌とされたためか採用されておらず、代わりに意思拡張AI(β版)を搭載したことでGUND-ARMとは対局にある位置づけがなされている。
胸部と両肩、両脚にGUND-ARM同様にシェルユニットが埋め込まれており、意思拡張AI作動時は緑色に発光している。発光色の違いがGUNDフォーマットと意思拡張AIという制御システムの違いに起因するものなのかは現状明かされていない。
最大の特徴は意思拡張AIによって制御されるドローン兵器。操縦者との操作感覚の整合性を取るために、人体の部位に伴う箇所にその機能が与えられている。また、それ以外にも様々な兵装を搭載しており、通常戦闘にも抜かりはない。
スペックとしては最新鋭機であるため決して機動性は悪くなく、少なくともディランザよりは圧倒的である。
しかし、近接戦を重視したあまり牽制用の射撃兵装以外を持たない武装構成は相手に退かれると不利であり、意思拡張AIによるオート戦闘の方はエアリアルの囮攻撃に釣られるなど経験・対応力不足が目立ち、グエルの手動による操縦に切り替えて以降の方が動きが良いとスレッタにも評されている。AIの性能がまだ発展途上なのか、グエルのスタイルと相性が合わないのかは不明だが、機体性能の良し悪しをトップであるヴィムが把握できていない点でジェターク社には大きな課題を残してしまっている。
先述した通りGUND-ARMには該当しないものの明らかにそれらの特徴を持ち合わせているが、関連技術を持ち合わせていないジェターク単社でも御三家内では優れるAI技術を用いてドローンを制御し、完成度はともかく疑似的なGUND-ARMかつそれに迫れる機体を作り上げた実績は特筆すべき点であろう。
固定武装
シャクルクロウ
足を射出する有線式の拘束兵器。敵機を掴むことで拘束し、振り回したり距離を詰めることも可能。電撃による攻撃も可能で、敵機の電子機器やパイロットにダメージを与えることもできる。ワイヤークロー系の兵装のため、射出時の勢いで物理的ダメージを与える質量武器や掴んだ相手を引き寄せる等の多種多様な機能を備える。
携行武装・ドローン兵器
ビームジャベリン(ビームアンカー/ビームクナイ)
分離・連結が可能な格闘兵装。分離時は錨形状のビームアンカーと爪形状のビームクナイの二刀流で、これらの柄尻から合体させた際には長柄・双刃のビームジャベリンとして運用する。
エネルギーは腕部を介して機体直結式で供給され、高い切断力を持つ。一方で後述のイーシュヴァラ・タイプAに持たせて分離しても問題なく使用可能。
イーシュヴァラ(タイプA/タイプB)
本機の特徴でもあるドローン兵器の一種で、本機の前腕に当たる部位にもなる。タイプAは通常のマニピュレーターを装備し、後者はマニピュレーターの代わりにビーム砲・ビームサーベル兼用のデバイスを内蔵する。
本体から分離し、意思拡張AIによる操作で合計4つ刃で立体的な攻撃を行うことが可能。
通常本体の上腕に接続されているのはタイプAだがこれを失った際などには背部に2基搭載されたタイプBを接続することも可能。この際、ビームサーベルの出力を最大まで引き上げることが出来る。
ジェターク社周辺宙域でテストを行い、周囲を高速で周回するイーシュヴァラによって2機のディランザを瞬時に切り裂き、その性能を披露してみせた。
グエルとスレッタとの二度目の決闘では本体操作も意志拡張AIに委ねた自動操縦に加え、排熱用スプリンクラーを使ったビーム射撃を封じる妨害工作など、ヴィム・ジェタークの仕掛けた裏工作により序盤は不本意ながらも優位に立つ。
しかし、ミオリネが裏工作に勘づきスプリンクラーを止めてからは形勢逆転、エアリアルのビットによる集中砲火を受けて中破。
業を煮やしたヴィムの発言で遂に堪忍袋の尾が切れたグエルはコンソール上の生徒手帳を破壊し意思拡張AIが機能停止。再起動し自らの手による操縦でイーシュヴァラBタイプを自機の両腕に装着してサーベルによる直接戦闘を挑み、巴投げで投げ飛ばされても即座にシャクルクロウを射出して投げ返してみせたが、最後の一合ではビームサーベルを構えて突撃してきたエアリアルを同じくビームサーベルで迎え撃つものの、『サーベルは防御に使い、突撃した勢いに乗せたフライングボディプレスを直接頭部に叩き込む』という咄嗟の技を食らわされてブレードアンテナを破損、敗北した。
その後は修理等のためジェターク社に引き揚げられた。
HG1/144スケールで2022年12月発売。価格は2090円(消費税込み)。
紫色のサーベルエフェクト・腕部の分離ギミックに加え、シャクルクロウ発射状態を再現するためのリード線と本体を浮かせて展示するためのスタンドが収録される。イーシュヴァラやアンビカーは本体から分離してディスプレイが可能であり、劇中同様の多彩なギミックを持つ。
その多様なプレイバリューに反して本体に関するランナー数はたったの3枚と少なめで組みやすく、キットとしての評価は高い。
VSシリーズ
機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 OVERBOOSTにてシリーズ初参戦。
コストは初期エアリアルを超え、水星機体初の2500である。
パイロットのグエルは二期後半の短髪の姿となっている。
耐久力は660と、戦国アストレイ頑駄無などのと同等の数値をもつ。
サブのイーシュヴァラ、N/横特射のショットライフル拡散撃ち、後特射のペレットマイン、CSの単発ダウンビームと射撃武装が多い万能機だか、各種特格による近距離での立ち回りがメインとなる。
前特格でピョン格が使え、当たると自動的に大車輪え移行してくれる。
後特格でバリア格闘が使えるのだが、なんと射撃だけでなく、ダブルオークアンタフルセイバーのように格闘も防いでくれる。
これだけ見るとかなりの強キャラに見えるが実際は
・ビームライフル以外癖が強く使いにくい射撃武装が多く、射程も短いので基本が撃ち合いの本作において相手に弾が届かないのはそれだけで非常に苦しい上に、散弾やペレットマインの性質上前衛の味方への誤射も起きやすい
・ベルティゴ同様グスサー・イーシュヴァラを使って硬直打ち消しできるのだが、使った際の隙をこれで消せる武装が少なすぎる上に、武装としての強味が全く無い
・格闘戦が主体なのに距離を詰める手段が殆どなく、近付けても全体的に格闘の追従が弱く単純に足が遅いせいもあり簡単に距離を取られてしまう
・動きの固さから自衛力が低く、受け身の展開になるとガン逃げも厳しい状態になりやすい
・唯一8機の機雷を射出するペレットマインだけは強武装と呼べるのだが、まとまって飛んでいくことが災いし、相方の弾だろうがマシンガンの一発でも掠ると全部誘爆して相手に届かない、下手したら射出直後に撃たれ誤爆する危険性もある
・格闘機の強味である置き攻め展開もキャンセルルートの少なさから同コストの近接機どころかダリルバルデより下のコスト機体にも劣る
・そもそも体力が2000コストの同カテゴリ機体と同数値の低さ
…などなど挙げるとキリが無い
このような惨状から使用者は殆どおらず勝率も使用率も底辺の位置におり、この状況は流石に不味いと思われたのか参戦から4ヶ月目となる8/28からのアップデートにて早くも上方修正の対象となる、各武装の誘導・追従性能や移動距離を中心にほぼ全ての武装に何かしらの強化が入る事になった。
上方修正後は武装全体のアッパーにより今までよりは幾ばくか相手に噛みつきは易くなった、しかし攻撃面の向上に対し根本の立ち回りの弱さや依然として低い機動性もありまだまだ課題が多いのが現状となっている。
- ダリルバルデのスペルはDARILBALDEだが、ドイツ語でDarrylValdeに直すと、Darryl:男性に対しての最愛の人、Valde:選ばれた、強い、たくましいという意味となり、訳すると選ばれた最愛なる人となる。ヴィムのグエルに対する感情が見えるかもしれないと言われている。
- ドローン兵装につけられた「イーシュヴァラ(Isvara)」は世界を創造し支配する最高神、「アンビカー(Ambika)」は人々を悪魔から守る女神という具合にそれぞれインド神話に登場する高位の神性の名前から取られている。
- 第3話放送終了直後、ヤマザキビスケット社のスナック菓子製品『エアリアル』と水星の魔女のコラボが発表された。当モビルスーツとパイロットであるグエルは濃厚チェダーチーズ味を担当する。
- バトルスピリッツのコラボブースターではダリルバルデに搭載されたAIを「ダリルバルデに合体しているブレイヴのBPを全て同じにする」形で再現されている。ブレイヴはガンダムコラボにおいて武器ではなくパイロットに位置づけられるカードとなっておりかなり秀逸な再現となっている。
- スマホゲームモンストでは、ガンダムコラボの星5降臨モンスターとしてゲスト参戦しており、ガンダム・エアリアルのストライクショットで倒すと第3話のプロポーズシーンが見られる演出も付いた(ちなみに進化前はグエル専用機のディランザ)。
ALERT
見てない…。
ネタバレされたくない。
※Season2以降のさらなるネタバレ注意!!
俺は、続きに…。最新情報に進めていない!
ALERT
「プライドだけじゃスレッター・マーキュリーには勝てないさ。」
スペック
パイロット | グエル・ジェターク |
---|---|
固定兵装 |
|
携行兵装 |
|
第1期においては第5話以降長らく姿を見せていなかったが、Season2のOPにこれまで持ち合わせていなかった射撃兵装を携えて登場(一応、牽制用の頭部バルカンは存在するが……)。
武装変更点
コンポジットアームズ(ビームショットライフル/ガンブレイド)
ビームジャベリンに代わって追加された装備。ビームショットライフルに折り畳み式の近接装備『ガンブレイド』をマウントした複合兵装。
ビームショットライフルは通常のビームに加え、その銃身の下には拡散ビームを発射出来る専用の銃口を備える。
さらにガンブレイドは刀剣型ビーム兵器『ビームカタナ』とその基部に据えられたピストル型の『ビームガン』から構成される複合装備であり、両者の組み合わせで近接格闘~近接射撃までをカバーする。
近接戦向けの携行武装が多かったダリルバルデだが、この武装の導入によって遠距離からの攻撃が向上し、より汎用性が高いMSとなった。
グスサー・イーシュヴァラ
イーシュヴァラ・タイプBに代わって追加された装備。基本性能はビーム砲とビームサーベル・腕部接続機能を引き継いでいる他、先端のデバイス形状が変更されており、内蔵された拘束ワイヤーで対象にとりついて自爆する機能が追加されている(本編未使用)。
視認性の低下を図るためか赤色から黒色に変更され、装備数が2基から4基に増えており、より多様な攻撃が可能になっている。
なお、本装備の追加に伴いバックパックも大型のものに換装されている。
ダヤ・アンビカー
アンビカーに代わって追加された装備。アンビカーより大型になった、ドローン機能を持つシールド。シェルのモールドも十字模様となっていて十字架にも見える。
格納庫や運送MSコンテナで待機時や防御時のマウントポジションは正面に向き、通常時のマウントポジションも側面に展開し下に向くようになっており、かつてのグエルが搭乗していた専用ディランザに近いものになっている。
防御性能に改良が加えられており、劇中でも実戦仕様のキャノン型ビームを正面から複数回防ぎ続け、その後も複数回の近接打撃とゼロ距離のビームキャノンを受けてやっと破壊されている。
また、内蔵スラスターは改良前と比較して容量が拡大しており、推進力を補う追加ブースターとしての側面が強調されている。
Season2以降の劇中の活躍
紆余曲折の末に復学したグエルがエアリアル改修型と決闘を行うことになった際には一部兵装等を換装した本機が再登場。意思拡張AIはカミル・ケーシンクらジェターク寮生によって出来る限りの最適化を実施。それでも使うかグエルに確認したが、グエルはプライドだけでは勝てないと使用を決意した。
今度こそスレッタとグエル、エアリアルとダリルバルデによる真剣勝負……と思いきや、今回はグエルがトラウマによって本調子を出せず、いくつかの装備を失うなどやや劣勢で戦局が推移する。
エアリアルに詰め寄られ、グエルがまともに戦闘出来ずあわや敗北の危機といったその時、グエルの決意に呼応するかの様に自律操作で咄嗟に防御。そのままシャクルクロウで肉薄し左腕を切断するなど、まさに人機一体と言うべき挙動で反撃に転じる。
その後エアリアルによるオーバーライドで(影響を受けたガンダム・ファラクトやガンダム・ルブリス・ウルのパイロットがデータストームで苦しんだのとは異なりグエル本人は影響はなかった)グスサー・イーシュヴァラの一部を奪われた際には必死で応戦するも万事休す……と思いきや、まさかの干渉でエアリアルが機能停止。その隙を逃さずブレードアンテナを切断することで、ボロボロになりながらもグエルに勝利をもたらした。
………実はこの試合自体がスレッタからエアリアルを遠さげたいが為にミオリネの仕組んだ八百長であった。
全力を出した結果の勝利では無いためか、あるいは想い人を悲しませる事になった為なのか、グエルの顔に笑みはなく複雑な表情でモニターを見つめていた。
そして…。
第20話ではプラント・クエタから続く一連の事件の首謀者であるシャディクを捕らえるべく、ラウダの手によってグエルの元に届けられる。
その後シャディク達と交戦状態になった際には実戦仕様のミカエリスに対して学園仕様であることでの出力差などにより苦戦するものの、最終的には接近戦に持ち込むが、横槍を入れたサビーナのハインドリーを無力化した隙を突かれ、零距離射撃により胴体を撃ち抜かれてしまう。しかしその直前に背後に飛ばしたグスサー・イーシュヴァラの総攻撃でミカエリスの四肢を破壊して戦闘不能にし、グエルに勝利をもたらした。
一方でミカエリスによるダメージは致命的であり、グエルがコックピットから脱出した直後に機体は爆発によって喪失してしまった。(その後、グエルはデミギャリソンに救助されている)
Season2以降の余談
- 先述のOPでは『理想』の歌詞に音ハメされる形で登場しており、グエルの心情をうたっているとも解釈出来るが……? その直前にはミカエリスが登場し、シャディクと対比されているようにも思える。
- 第17話終了後、改修された当機の設定画が公開された。そして公式ホームページの紹介でも掲載されている。改修と言っても外装は変わらず装備の変更程度だがアンビカーの大型化によってシルエットや印象が変わっているものの、名称自体は変更されてない(公式としては改修というより、ただ武装換装を施しただけという認識なのかもしれない)。しかしファンから区分けのため便宜的に「ダリルバルデ(改修型)」や「ダリルバルデ(復学仕様)」と呼称される事も。
ホビージャパンでは「ダリルバルデ(後期型)」と表記されているがこれが公式の名称か不明。
- ダリルバルデに限らず、season2仕様のライバル機がどれも立体化(ファラクトのビームカリヴァやミカエリスのジャベリンのジャベリンブレイサー等)の発表がされてないのが残念なところであるが、そのガンプラを改修型に作成した猛者が現れた。(同制作者はミカエリスのジャベリンブレイサーも作成していた)後にホビージャパンでは3Dプリンターを使用したスクラッチで作成された。
- 放送終了後から3ヶ月経ち、ようやくSeason2仕様への換装パーツがディランザ(グエル機)、ミカエリス、ファラクトの換装パーツとセットになってプレミアムバンダイで発売される事が発表された。
- Season2仕様の武装名はメカニカルコーディネーターの関西リョウジが名付けている。
- コンポジットアームズの「コンポジット(Composite)」の意味はそれぞれ違う性質を持つ素材を組み合わせることで、単独では得られない特性を得ようとする物を指す。
- ダヤ・アンビカーの形状や装着位置、ビームカタナからまるで鎧武者(特に機体色が赤色なのでこれ)にも見える。特にミカエリス戦では東洋鎧武者VS西洋甲冑騎士にも見えたとか。
- グエルが頻繁に機体を乗り換える上に出る度にボロボロに破壊されているため出番は3回とライバルキャラの乗機の割にあまり多くない(本作のネームド機体の出番としては多い方なのだが)。しかしグエルがこの機体に乗った場面ではグエルが目の前の困難から逃げずに進む選択を取る事で、彼自身を含めた周囲の状況やシナリオに大きな変化をもたらしている。元々グエルは目の前の状況から逃げ続ける状況が少ないというのもあるが、そうした彼の選択に呼応するかのような戦い振りを含めてシナリオの重要局面を盛り上げたす名勝負メーカーとなっている。
- 対戦カードも機体性能の差を筆頭に含めて不利な要因を少なからず背負っている戦いばかりだが、グエルの元の操縦技術の高さに加えて後の戦闘ではAIの挙動が洗練され、最後はフィニッシャーをAIが担うまでに至っている。エアリアルとは別の形で「パイロットと共に成長する機体」としても描かれているともとれる扱いである。
- 元々の人気が高い機体だが、第17話での無敗のガンダム・エアリアルに対して非ガンダムタイプの本機で勝利をもぎ取る快挙と活躍もあり、更に人気が上昇しその反響で、本機のガンプラが多く売れたとか。「ガンダムナビアプリ」にて実施された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 モビルスーツ人気投票でもエアリアル系の次に第3位(得票数:4691)というTOP3に選ばれるほど。。
- 17話での決闘は仕組まれたものであったが、ミオリネはエアリアルのパーメットスコアが8になってから機能停止させるまで決闘に不干渉であり、それまで互角に渡り合っていたのは紛れもなくダリルバルデの性能とグエルの実力である(加えてグエルはPTSDで前半操縦が鈍っていた)。13話のオッズ9位のパイロットでさえエアリアルにあっけなく秒殺された事を踏まえるとグエルの卓越したパイロット能力と、ここまでしないと勝つ事が出来ないエアリアルの理不尽な強さがうかがえる。
コメント
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