概要
デザイナー | 形部一平 |
---|---|
製造 | ジェターク社 |
ベネリットグループ御三家の一つ、ジェターク・ヘビー・マシーナリーが開発したモビルスーツ。重量級といった趣の重厚な外観に見合った出力を持つらしくホバー推進による高速移動が可能。
だが、重力下では単体での飛行は不向きなのか、サブフライトシステムであるティックバランと組み合わせて運用される。
積極的に要素を付加させるようにする設計方針で、用途に合わせたカスタマイズを行えるなど拡張性、汎用性があると見られる。劇中では特定の使用者に向けて調整されたカスタマイズ機のほか、一般機とその仕様変更機種などが確認されており比較的登場回数は多い。
バリエーション
一般機
形式番号 | MD-0031 |
---|---|
全高 | 18.2m |
重量 | 85.3t |
パイロット | フェルシー・ロロ |
固定兵装 |
|
携行兵装 |
|
ダリルバルデのアグレッサーで初登場しバラバラに破壊されてしまう。また、他のシーンではダリルバルデなどと並んで格納庫に佇んでいるのみでまともな戦闘シーンはなく、一切の出番がなかった御三家量産機程ではないがやや不遇な扱いである。
なお、PVではエアリアルと斬り結ぶシーンがあったのだが、本編では使用されなかった。
Season2ではラウダと共にランブルリングに参加したフェルシー・ロロが搭乗。決闘委員会で一悶着あったレネ・コスタのハインドリーと対峙する。
突如乱入したガンダム・ルブリス・ウルによってラウダ機が無力化された際には、機体を盾にする事でラウダを守っており、その後はフェルシーの呼びかけで援護に来たチュチュによって護衛された。
なお、この際対峙したアンノウンのビームマシンガンは実戦出力のはずなのだが、本機はそれに被弾しても大破するには至っていない。それに相手が痺れを切らしたかのようにビームサーベルを抜刀しており、本機の堅牢さが窺える。
グエル・ジェターク機
形式番号 | MD-0032G |
---|---|
全高 | 18.2m |
重量 | 89.4t |
パイロット | グエル・ジェターク |
固定兵装 |
|
携行兵装 |
|
グエル・ジェタークの専用機。マゼンタ(作中では赤色と呼ばれている)のカラーが特徴。一般機と形式番号が異なる。
武装は十字型に刃が広がる長柄武器ビームパルチザンをメインに、ビームライフル、ビームサーベル(公式名称はビームトーチ)、胸部ビームバルカン二門。ビームライフルとビームトーチはシールド裏側のウェポンドッグにマウント可能。
頭には(装飾以外の何の意味もなさそうな)羽根飾りがついているのが外見上の特徴だが、内部も一般機より性能も強化されている。
劇中の活躍
カペル・クゥを撃破する活躍を見せ、ミオリネ・レンブランが乗るガンダム・エアリアルとの決闘では、ミオリネの操縦技術が素人だったこともあり鎧袖一触、軽く一当たりしたのみでダウン状態に追い込む。
しかし、乱入したスレッタ・マーキュリーがエアリアルに乗った結果、GUNDビットであっさり全身をバラバラにされた後、立派なブレードアンテナをビームサーベルで切り落とされ敗北した。
何の意味もなさそうだった羽根飾りがヒラヒラと舞い散る様子はさながら花吹雪であり、スレッタの勝利と二人の門出を祝福するかのようであった。
後に過去の決闘中継の録画という形ではあるが再登場し、その時点のグエルの戦績は8勝0敗0分であった。
こうして視聴者から「鳴り物入りで登場したのに第1話でガンダムに撃破されたMS」という烙印を押されてしまった本機であるが、戦闘シーンをよく見ると
・MS一機を難なく押し切るパワー
・見かけによらないホバー移動による高い機動性
・遠中近すべてのレンジに対応できる武装
・ガンビットの斉射にも数発は耐える防御力(装甲に被弾した最初の数発は耐えている)
といった具合に、機体の性能自体は侮れないものがある。ただ相手がそれ以上の化け物だっただけである。
ラウダ・ニール機
形式番号 | MD-0031L |
---|---|
全高 | 18.2m |
重量 | 91.1t |
パイロット | |
固定兵装 |
|
携行兵装 |
|
ラウダ・ニールの機体だが、初登場時はグエルがエラン・ケレスとの決闘の際に無断で使用した。
カラーリングは一般機と同じ。両肩のシールド、特徴的なブレードアンテナ、専用の長柄の大型アックスなどに差異がある。
劇中の活躍
遠距離攻撃主体のガンダム・ファラクトに対し相手の「ドローン」によってライフルを取り落とし苦戦は必至かと思われたが、アックスを盾にして電磁ビームを防ぎつつ回避行動を重ねて肉薄するという驚きの活躍を見せる。しかし序盤で自らがかく乱のために撒いたレゴリスが仇となって、機動を阻害されたところにファラクトの電磁ビームを受け機能停止、四肢を破壊され敗北。ほぼ一般機のような外観ながらも善戦してみせた。
長らく本来のパイロットであるラウダがこの機体に搭乗する描写がなされていなかったが、ランブルリングでは遂に本人が使用。整備・調整はペトラ・イッタが主に担当しており、その際の様子は非常に意味深である。
エアリアルとハインドリーが近接戦を繰り広げる中に、豪快なアックスの一撃で参戦。フェルシーの援護もあってエアリアルと対峙するものの、直後に乱入したガンダム・ルブリス・ウルのガトリングで打突され頭部が損壊。その際の衝撃でラウダも昏倒してしまい、ルブリス・ウルに踏み倒される形でそのまま機能停止した。
ディランザ・ソル
形式番号 | MD-0031UL |
---|---|
全高 | 18.4m |
重量 | 94.9t |
パイロット | ?????????(リンク先ネタバレ注意!) |
固定兵装 |
|
携行兵装 |
|
オプション兵装 |
|
ブレードアンテナが廃され実用向けの装いとなった、ジェターク社の実戦用モビルスーツ。背部には自動追尾型クラスターミサイルを発射するHCミサイルランチャーを装備。主兵装のビームライフルも近接戦用のビームバヨネッタ付のロングバレルを装着している。また、劇中では手持ちのガス弾投射ランチャーを使用する描写もある。
他の御三家の実戦用MSと比べると機体の差異が少ないが、これはグラスレー社のハインドリーが装甲の、ペイル社のザウォートが武装とそれぞれハードの面で決闘用に制約をかけているのに対し、ジェターク社はOSに出力を本来の70%に抑えるリミッターをかけるというソフトの面でのアプローチに重きを置いているため。
決闘用のディランザは解除コードを入力するだけでディランザ・ソルに近い性能を発揮できるため、有事の際の即応性に優れるという特長を有している。
劇中の活躍
地球で起こった労働者の抗議デモに対してザウォート・ヘヴィ、ハインドリー・シュトルムと共に武力鎮圧にあたった。指揮官機かつ重装甲を生かしたた運用がされているのか、陣形の突端部を担うかのような形で先頭に立っている。コスト面の問題などで配備数や稼働機が少ないのか定かではないが、同話に登場した他機種よりも少ない1機のみが登場。
インキュベーション・パーティの会場には茶褐色の非武装の当機とみられる機体がジェターク社の商品として展示されていた。
プラント・クエタ攻撃の際はある人物が立場を弁えず軽率にも本機に搭乗したが、最悪な形の結末を迎え爆散した。
その後、これがきっかけで彼のトラウマの象徴として心象に現れる事もあった。
ベネリットグループが行ったフォルドの夜明けに対する治安活動に反発したアーシアンの暴動報道では重量級ゆえ重装甲でありながら、対地ランチャーを持った歩兵に撃破されるという醜態を晒す……も、
煙こそ上げてはいるがそれ以前の描写で先述の(学園用)ディランザ含めた御三家のモビルスーツの堅牢性が描かれており、ビルにもたれかかって倒れ込みながらもカメラが消灯するなどの様子は確認されていないが、この一撃で戦闘不能になったのか単にバランスを崩されただけなのかは不明。
別の報道でも歩兵に攻撃されているが、こちらは肩部のシールドで防御している。
とはいえ、報道時点のベネリットグループ、特にジェターク社はアーシアンにすら倒産の危機も嘯かれるほどに弱体化しており、このような自社製品の醜態をさらけ出す事態や不都合な情報をもみ消す事も叶わない状況なのは間違いないであろう。
プラモデル
ガンプラはグエル機と一般機が1/144HGで商品化。
グエル機は2022年10月8日に発売。1760円(税込み)。
頭部の羽根飾りもプラパーツで再現されているが、妙に生々しい形状のため一部で●●呼ばわりされるという珍事も。
一般機は2022年11月5日に発売。1760円(税込み)。
ラウダ専用機版と選択式となっている。
ディランザ・ソルは2023年4月に発売。1760円(税込み)。
ソルで新たに用意されたロングバレル化パーツはそれ自身をつなげてさらに延伸させられる。
いずれも流用キットであるため、バックパックやシールドの組み合わせを変更する事も可能(リアスカート等は要塗装)。
余談
デザインを担当した刑部氏によれば、ブレードアンテナを取り合う決闘ということで、ブレードアンテナにはそれぞれコンセプトがあるそうで、
- 一般機はフラッグ
- ラウダ機は車のボンネットマスコット
- グエル機はトロフィー