概要
多くの企業が宇宙に進出して経済圏を築いている時代。それらの中でもモビルスーツ製造産業の最大手と言われる巨大複合企業であり、その構成数は157社にも及ぶ。加えて、物語の舞台であるアスティカシア高等専門学園の運営元でもある。
御三家と呼ばれる「ジェターク社」、「グラスレー社」、「ペイル社」があり、更にその下に多数の傘下企業を抱えている。MS開発の互助を目的にしていたかつてのモビルスーツ開発評議会が前身である模様。
『PROLOGUE』の事件が本編(A.S.122)から21年前のA.S.101とされており、インキュベーション・パーティで創設15周年を祝っていたため、逆算してA.S.107創設とみられ事変後に前身の評議会が連帯や影響力の強化のため身を寄せ合ったものと思われる。
MSを開発している企業自体は本グループ以外にも存在すると作中で言及され、サードパーティのパーツメーカーも存在。大手ではあるが、かのアナハイム・エレクトロニクスのようにMS市場を実質的に独占しているわけではないようだ。
事業
総裁はデリング・レンブランで、アスティカシア学園理事長との兼任。
経営者としてのデリングは無慈悲な成果主義者であり、業績不振の会社は長期的には回復の見込みがあっても即座に切り捨てる程。かつてのヴァナディースへの実力行使と言う名の凶行や、御三家内にも彼の暗殺を企む者が存在する等、強引な手段で成り上がった暴君として内外に多くの敵を作っている事が窺える。
総裁関連以外でもグループ内での内部抗争のような事態も発生しておりジェターク社に対してリモート会議で蔑むような発言をとる役員も存在し、その上ペイル社では密かにガンダムタイプを製造してそれに対応した改造人間を用意していたりと一枚岩とは言えない。
そのような状況ではあるが、地球においてはベネリットグループのMSが共同で抗議デモを行うアーシアンを弾圧・蹂躙するなど、アーシアン達からは非難の対象として印象つけられている(このような人権侵害や搾取を続けた結果、フォルドの夜明けといったテロ集団が台頭する事となるのは皮肉である)。
そしてフォルドの夜明けが引き起こしたアスティカシア襲撃と言ったいくつかの事件で壊滅の危機に直面する事になる。
構成企業
- ジェターク・ヘビー・マシーナリー:御三家の一角。製品はディランザやダリルバルデなど。
- グラスレー・ディフェンス・システムズ:御三家の一角。ハイングラやミカエリスなど。
- ペイル・テクノロジーズ:御三家の一角。ザウォートやガンダム・ファラクトなど。
- シン・セー開発公社:水星の企業。登録上、ガンダム・エアリアルを開発・製造したのはこの会社だというが……。グループ内ではDランクの下位企業。
- ブリオン社:デミトレーナーを始めとするデミシリーズを製造した会社。御三家ではないが、決闘委員会に寮生を送り込むなど学園では一定の影響力を持つ。
- ハンマー・フィールド社:カペルタイプの製造元。ブリオンやダイゴウのように学生寮を所有しているかは不明。
- ダイゴウ社:クリバーリタイプの製造元。学生寮を所有している。
- ファリサ・ロボティクス:アズラワンの製造元。学園艦を所有しているとみられる。
- フォブラー・モーティブ:ホズラーⅡの製造元。
- バイホー・テクニカルラボ:ハイペリスの製造元。
- ヴィーラン・システム:ズヴァルヴィの製造元。
- R&W(リューディ・アンド・ウィストン):ジネーテの製造元。
- グランツ・エンタープライズ:ラコウィーの製造元。
- パルネオ社(ファルネオ社):業績が悪化しており、三期連続で赤字を計上した事でデリングから一方的に系列融資の停止を宣告されてしまう。しかしサリウスは財務諸表上は改善出来る可能性アリと反論し、先述の不健全な内情の縮図が表れていた。
- テングリフ社:インキュベーション・パーティーに参加していた企業の一つ。射撃管制システムのプレゼンテーションを行っていたが目標金額に到達ならず。デミギャリソンをプレゼンの際に利用していた事からブリオン系と思われる。
- YOASOBI社:祝福(YOASOBI)の限定版CDで言及された会社。モビルスーツに兵器以外の可能性を見出そうとしている。
- フロント管理社:フロントの防衛・警備を専門とする企業。ブリオン社から譲渡されたデミギャリソンを所有している。
業務提携
- GUND-ARM Inc.(株式会社ガンダム):匿名組合契約の形でグループの構成各企業、個人から投資を受ける、事実上の提携企業。
- カシュタンカを保有していた企業:グループ外企業と思われるものの、アスティカシアの元生徒と思われる人物が入社しており、グループの開発プラント「クエタ」に何かを輸送していた。
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以下終盤のネタバレ
総裁のデリングが暗殺未遂により長期の意識不明状態に陥り、総裁選挙を経由して彼の娘であるミオリネ・レンブランが新総裁になったものの苦境はますます酷くなるばかりであった。
グラスレー社の御曹司であったシャディクが逮捕され、クワイエット・ゼロ計画発動により多くの死者が出たことなどでグループの存続はいよいよ窮地に立たされる。
サリウスはグラスレーを切り捨てるようミオリネに進言するも彼女は心痛もあって決断しきれず、ペイルが宇宙議会連合と結託してクワイエット・ゼロ停止に乗じて本社フロントごとグループを滅ぼそうとした。
しかし、立ち直ったミオリネがシャディクと取引して既にグループの解散を既定路線としており、侵攻の大義名分とペイルの資産はこれによりほぼ失われてしまった。
3年後、少なくともグループ内でジェターク・ブリオン両社はそれぞれ独立した会社として助け合いつつもどうにか会社を回しているようである。
事実上の関連企業であったGUND-ARM Inc.(株式会社ガンダム)も業務を継続している。
デリングやサリウスらの旧経営陣は、これまでの事件の後始末のために喚問に応じ続けている(字幕によると巻き添えを食って死亡した多数の人の遺族の怒りが治まっていないことがわかる)。
ペイルは後継予定者に逃げられて会社の資産も無くし、地位も失ったCEO達は不満顔をしつつも隠居生活を送っているようである。
シン・セーは会社の存続は不明だがCEOであったプロスペラが要介護の身で隠居となったこともありこちらも大きな変革にあったことは想像に難くない。
最後の総裁となったミオリネも、現在の具体的な立場は不明だが、地球でデモ隊との話し合いに自ら赴いているのが確認できる。