概要
ベネリットグループ御三家に名を連ねる3企業の一角。略称「ペイル社」。英名Peil Technologies(公式サイト英語表示より)。
事業には、4人の初老の女性CEOによる合議制を取っている。
社章は『両の翼を広げつつ頭のみ右を向けた鷲』が象られている。
事業
ペイル社のMSは「機動力やスピードに優れている」と評判である模様。裏を返せばその分装甲は少なく、相当の技量が無ければ宝の持ち腐れになる。
航空事業から参入したのか、推進器や空力特性の面において一日の長を持っている。
開発兵器
MS
- ガンダム・ファラクト
- ザウォート
- ザウォート・ヘビィ
艦艇
- ペイル宇宙艦(艦種および名称不明):第9話および第12話に登場。地球寮にザウォートを納入し暫定的な学園艦としても運用されたり、クエタ襲撃の際に破壊されている。
その他
謎多き内情
表向きこそザウォート等のMSを製造・販売しているが、密かに禁断の技術とされているGUNDフォーマットを採用したMSを開発・所持しているなど、GUNDを否定するデリング・レンブランが率いるベネリットグループ内で“御三家”に数えられる立場ながらも、その有り様は『異端』極まりない企業体制と評せられる。
実際にジェターク社のトップはGUNDを「時代遅れの遺物」と愚弄しているが、ニューゲン達ペイル社のCEO陣は、シン・セー開発公社のプロスペラのエアリアルの釈明に強く興味を示し、ダリルバルデ戦時点での当機のデータから「旧来のGUNDが抱える“生命倫理問題を解決している”かも知れない」と微かに喜悦する様子があるなど、さも『GUND技術の復興・再来』を目論んでいるかのような素振りさえも見せている。
またGUNDフォーマットに対応する為に調整された、強化人士なる改造人間を生み出している。
また、強化人士に纏わる形でエラン・ケレスの実態が判明、生命倫理問題を口にした後に「文字通り平然と人命を使い捨てる」4人の本性が露わになり、その胡乱ぶりを加速させた。
マーキュリー親子に敗北し彼女らを追い込むべくCEO4人は「自社のファラクトとシン・セーのエアリアルが共鳴した以上、エアリアルはGUNDフォーマットである」「我が社もGUNDフォーマットを使用したので、当社のMS開発部門を解体する」(いずれも要約)と、文字通り肉を切らせて骨を断つ戦略を実行した。
だが、ミオリネ・レンブランの新プランにより、上記の策謀は半ば失敗に終わったが、ニューゲン達CEO陣はサリウスのようにデリングの動向を気にする……以上にGUND-ARM Inc.が掲げる「従来のGUNDフォーマットの欠陥を解消した、新たなGUNDフォーマットを造りあげる(要約)」に興味津々と、悪い意味でブレなかった。
社員
共同CEO
技術者
擁立パイロット
その他
CEOの見分け方
タケモトピアノのCMを思わせる機械的なCEO達だが、相違点を以下に記述する。
- ニューゲン:顔が縦長、眉毛あり、首以外に目立つ特徴は無い
- カル:顔が丸形で恰幅な体
- ネボラ:常時バイザー装着
- ゴルネリ:顔が角張った縦長、眉毛なしで、巨躯な体
余談
- 長らくCEOの人工的な部位に関して、本サイトでは「GUNDである」と断定されており、公式では未だ明言されていないものの4人の異様な風貌や、GUNDフォーマットに肯定的な社風といくらかの説得力があったためか問題視されていなかったが、過去にそれに関する記述が削除された経緯がある。
- 2023年の4月1日のエイプリルフール企画では、公式自らアスティカシア高等専門学園の制服を着用する4人のネタイラストがSNS上に投稿された。
- デザイナーがかつてデザインした機体は騎士モチーフであったが、本作では騎士モチーフは競合他社のグラスレー社が担っている。
関連イラスト
CEOのキャラの濃さとエランの扱い故にネタを挟んでいないイラストが少なく、また同社のMSが描かれたイラストが多い。
関連項目
稲田航:主なモビルスーツデザイン担当。
黙示録の四騎士:企業名に加えCEOが4人いる状態からも、モチーフの可能性が高い。
ALERT
この警告を書いてまで隔離したんだ。
以下、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2のネタバレ注意!
むざむざバラされるのは御免だよ。
ALERT
第18話では強化人士5号の口から「ペイル・グレード」なる人物の能力などを査定するAIが存在する、いわゆる本物の「エラン・ケレス」はそのAIにより『MS操縦以外は最優の次期後継者候補』として選定された人物である事情が明らかになった。
第21話ではペイル社が総裁選で支援していたシャディク・ゼネリがテロの首謀者として拘束されたのもあり、プラント・クエタでのテロ以降強引な治安維持活動なども合わさって、信用を失っていたベネリットグループを見限って離反。
宇宙議会連合に同調し、議場において4人の共同CEOがベネリットグループを糾弾した(ただし、ベルメリア・ウィンストンや強化人士5号ら社の暗部を知る・証明できる者達がグループサイドに残ったため、しっぺ返しを食らう可能性も高い)。また、クワイエット・ゼロについてもどこからか情報を入手していた様子。
本作には『逃げたら一つ、進めば二つ』の台詞があるが、物語の最後の敵となるペイル・テクノロジーズは端的に
『勝ち馬に乗る為にあらゆる物を切り捨てて逃げ続けた者達の成れの果て』であり、ロボットアニメどころか通常のアニメでさえも珍しいタイプのラスボスポジションとなった。
また、主だった組織のトップの大半が、何らかの形で家族(あるいはそれに等しい存在)に対する交情が露になる傾向が強い本作品の中で、ペイル社(並び宇宙議会連合)にはそのような描写が皆無だったため、こうなるのは必然だったのかも知れない。
最終回ネタバレ注意!!
しかし、結局4人のCEOとオリジナル・エランは生き残りそろって3年後を迎えたが、その末路は雲泥の差だった。
- 4人のCEO=「クワイエット・ゼロの事態収拾後、自分達がグループを手に入れる」目論見から、企業絡みの資産の大半をグループに残したままだったのが仇となり、ミオリネの『ベネリットグループ解体』により連座してペイル社の資産が売却、4人とも全ての資産を失い落ちぶれて以降、僅かに残った財産でそれなりの邸宅にてルームシェア生活を送る羽目に至る。
- オリジナル・エラン=いつの間にかヘッドハンティングされていた(3年後の状況から、御三家の勢いが減退し代わりに台頭したここと推測)ようで、グループ内で力を発揮できる立場になり、彼女を秘書にグエル相手に『アスティカシア学園の存続』と『ジェターク社社員の再就職斡旋』に手を貸していた恩義から、強気な商談を行っていた。
最終的にはペイル社は「勝ち馬であったかのように見えて沈む」と予見したオリジナル・エランが、密かに真の勝ち馬に鞍替えして乗る結果になった。
なお、CEO4人のその後こそ明らかになっているが、明確に存続が明らかになっているジェターク社とブリオン社、存続が示唆されているグラスレーとは異なり、会社そのものはその後どうなっているのかは不明である。
- 第22話ではオリジナルのエランだけ椅子を用意してもらえてなかったシーンが視聴者の笑いを誘ったが、最終回の顛末を見るとオリジナル・エランの行動は「ペイル社にいいように使われ椅子さえ用意してもらえなかったので、自分で座る椅子を用意するためにペイル社を見限った」などと評されている。
- またオリジナル・エランは4人のCEO達に「ペイル・グレードに飼い殺される」と宣ったが、この発言だけを切り取って注視すると……。
- 被造物を身限り、自らの意思で進んだオリジナル・エラン
- 最後の最後まで被造物に縋って自発的な思考を疎かにし、文字通り飼い殺された4人のCEO達
- 正しく「造物主が被造物に振り回される事態への皮肉」とも取れ、4人の凋落は自然の成り行きだったと思われる。
- オックス・アース・コーポレーションの記事で、視聴者には「オックス・アース社によって集められたアーシアンの孤児が、ペイル社によって強化人士に改造され、宇宙議会連合の手駒として消費されてしまう最悪のシナリオ」も想定されていたが、それもペイル社の求心力の低下でご破算になった……と見て良いのだろうか……?。
追加の関連項目
アタシは故あれば寝返るのさ!:第2シーズンの同社の姿勢は正にこれ(もっとも、発言の意図的には5号の信条に近いが)。
マーサ・ビスト・カーバイン:非人道的な暗躍を見せ最終的に失墜したが、命までは落とさなかったガンダムの黒幕繋がり。