CV:塩田朋子
人物像
ビスト財団当主だったカーディアス・ビストの妹で、彼亡き後は当主代行を務める女傑。
アナハイム・エレクトロニクス社の創業者一族であるカーバイン家に嫁いだ社長夫人でもあり、社でも絶大な手腕を揮うことから「月の女帝」と言わる程の権勢を奮っている。
また、政治家的な才覚と気質を有し、その政治手腕はカーディアスをも凌ぐとされる(尚、資料によっては嘗て財政面でエゥーゴを支えたメラニー・ヒュー・カーバインの妻とされることもあるが、彼はアナハイム会長であり、社長夫人であるマーサの夫とするのは誤りである)。
財団と連邦、アナハイムの関係維持を望んでおり、サイアム・ビストによる「ラプラスの箱」の開放を良しとせず、アルベルト・ビストなどを手駒とし「箱」の開放阻止に奔走する。
また、目的のためには手段を選ばず、捕虜となったマリーダ・クルスを「プルトゥエルブ」として再調整し、連邦軍を利用することすら厭わない。
インダストリアル7へネェル・アーガマを差し向けた張本人であり、物語における黒幕の一人である。
祖父・サイアムが自分の父親(サイアムにとっては実子)を謀殺したことに衝撃を受け、それが原因で「男社会」に対して強い憎悪を抱いている。
そのため、女性中心の社会を作るという目的を持っており、女としての魅力を武器とする他、ミネバへ共闘を持ちかけたこともあった。
しかし、その言動・行動は破滅的なものを含んでおり、時として常識を逸した行動を取ることもあり、ミネバからは「気質が男そのもの」と評された。
最終的にコロニーレーザー「グリプス2」を用いて「箱」の在り処たるコロニービルダー「メガラニカ」ごとラプラスの箱を消滅させ「箱を滅するためにコロニーを犠牲とした」という事実を立てて連邦政府とビスト財団の共犯関係の存続を狙うが、バナージ・リンクスとリディ・マーセナスが発生させた「サイコ・フィールド」によって砲撃は回避され目論見は失敗に終わり、直後にその場に居合わせたブライト・ノアによって身柄を拘束され、法のもとに裁かれることになった。
終始、憎しみに囚われた過激な発言の多い人物ではあったが、アルベルトの言葉に諭されつつも、自らを黙らせるまでに成長した彼に対して、満足な笑みを浮かべてその場を潔く去っていった。
機動戦士ガンダムNTでは失脚後連邦軍によって幽閉されていたが、過去にフェネクスが暴走の後に行方を晦ませた「エシャロット事件」に立ち会っていたために護送中にフェネクスの手掛かりを求めるルオ商会の襲撃に逢いその身柄を強奪、情報の提供を強要される。
スパロボでは
どの作品においても原作同様の敵対者だが、プレイヤーに与える印象は作品によって微妙に異なる。
Zシリーズ
時獄篇で初登場。
クロノ保守派の一員としてラプラスの箱の開放阻止に動いている。
Zシリーズ完結編の天獄篇でもクロノ保守派として暗躍しているが、原作の様な政治手腕の発揮されるシーンがほぼ無く、ほとんど「新地球皇国およびサイデリアルに対して真っ先に地球を売った裏切り者」と言うべき小物臭い部分が目立つ。
その末路もクロノの教義が明らかになったことの重要さを理解できずに己の保身に執着したことでアルベルトに見捨てられ、クロノのキングことカルロス・アクシオンに「クロノはもう長くない。その先の時代を作るのは老人ではない」と言うことを聞かされて崩れ落ちるという無様なものであった。
携帯機シリーズ
今作では「ラプラスの箱」の開示を阻止すべく、連邦軍はおろかGAILなどにも干渉しており、原作よりも暗躍の度合いが増加している。オウストラル島への核攻撃を指示し、更にアローン・シモンズのような裏切り者と結託するなど、クロスオーバーにより他作品で発生した事件の犯人の協力者或いは黒幕の立場を担う事も多く、『第3次Z』よりも存在感が大きくなっている上、政治的取引や自らが干渉しておいて結局は対岸の火事として処理する様はOVA版よりも原作小説版に近い悪どさをみせる。
その暗躍ぶりは『UX』のハザード・パシャ率いる人類軍を想起させるが、彼らと違いマーサは政治的手腕も巧みなためなかなか尻尾を掴ませず、連邦軍の改革派にとっては「獅子身中の虫」であり、敵対するフリット・アスノを始め様々な他作品のキャラ達から「女狐」と呼ばれて嫌悪されており、敵対怪物・異星人以上に憎悪されている地球人である。
最後はアルベルトがこれまでの悪行をビシディアンにリークし、その情報を手にしたアルグレアスに追い落とされるが、OVA版のように不遜な態度を取ることも、『第3次Z天獄篇』のように惨めに崩れ落ちることもなく、潔くブライトに連行されていった。
VXT三部作
本作では元アマルガムの幹部の一人でもあったという設定になっており、レナード・テスタロッサによって組織が掌握されたことを機に組織を離脱し、ネオ・ジオン、およびアマルガムと完全に敵対する路線をとっている。
アマルガムをもいずれは手に入れてみせるとも豪語し、原作通り連邦側の黒幕の一人として立ち回るが、最終的にはロンド・ベルにコロニーレーザーを破壊され潔く敗北を認める態度を見せるなど、第3次ZやBXと比べると悪辣な印象はだいぶ薄まっている。
なお、選んだルートによっては殆ど姿を見せない。
単独作品
序章ワールド2から登場。
途中まではほぼ原作通りに振る舞っていたが、徐々にその枠を超えた質の悪い行動を見せ始める。
そして、「ラプラスの箱」の開示イベントは『勇者王ガオガイガー』の東京決戦シナリオとクロスした事で大掛かりな戦いとなり、「グリプス2」に至ってはプレイヤー部隊を葬ろうとするインベーダーに乗っ取られてしまうが、それを口実に「箱」を消すために火事場泥棒の手口で東京やサイド4諸共にコロニーレーザーで攻撃する暴挙に出る。
ただしグリプス2の準備自体についてはサイド4の防衛という正当な理由があったうえ、実際に攻撃を行ったのはインベーダーだったので責任は問われなかった。