概要
小惑星アクシズに駐留する旧ジオン残党を母体とするジオン公国の流れを汲む武装組織、機動戦士ガンダムΖΖが初出。
ザビ家の生き残りミネバ・ラオ・ザビを立てた摂政ハマーン・カーン率いるアクシズのジオン残党軍は、前作機動戦士Ζガンダム中盤に地球圏に帰還し、グリプス戦役におけるエゥーゴとティターンズの戦闘に介入。漁夫の利を得る形で戦力の温存に成功し、宇宙世紀0088年にはアクシズ内の勢力を統率し、ネオ・ジオンの設立を宣言した。更に抗争中には、地上のジオン残党や連邦からも離反した一部のエゥーゴメンバーやテロリスト扱いされ行き場を失ったティターンズの残党や、ニューディサイズ残党の一部を吸収して戦力を強化している。
また、漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』では、一年戦争後に落ち延びた先である火星を支配したキシリア派の残党「火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)」と協力関係にあり、この時期の急速な軍備拡大と地球帰還の背景に別派閥ながら協力関係にあったジオンマーズとの技術提携やルナツーに匹敵する火星プラントの工業力の下支えがあったことが判明している。
グリプス戦役で疲弊するも存続していたエゥーゴと激しい争いを繰り広げるが、ギレン・ザビの後継者を名乗るグレミー・トトの反乱により内部分裂が発生。
ハマーン、グレミー双方は、エゥーゴのガンダムチームによって倒される。
階級を公にしている者が極端に少なく、指揮官クラスの構成員には『騎士』の称号が与えられるという、宇宙世紀の軍事組織においては珍しい組織体系。
運用するMSは旧公国軍のMSのコンセプトを受け継ぎ、独自に発展改良を遂げたものが多い他、合流したジオン残党軍やティターンズから手土産として譲渡された物やダカールを制圧した際に接収したMSも運用している。
ネオ・ジオン分裂・抗争期
宇宙世紀0089年1月17日、地球連邦・エゥーゴ共同軍との戦闘によって摂政ハマーン・カーンが死亡した事によりネオ・ジオンは新たな指導者を決める必要性に迫られていた。
しかし、ネオ・ジオン各派閥は新たな指導者をそれぞれに掲げて纏まろうとしなかった。
そのため有力な将軍、指揮官、部隊を迎え入れようと戦力拡充へ動いたり、ネオ・ジオン残党軍同士で襲撃や戦闘が行われる事が普通に成っていった。
こうしてこの時期ネオ・ジオン残党軍はさらに細分化していく事になる。
分裂した各陣営は新しい組織名を名乗る事は無く、いずれも”ネオ・ジオン"を名乗っていた。
PC98ゲーム作品の「機動戦士ガンダムアドバンスド・オペレーション」ではハマーン死後、カーン家の三女セラーナ・カーンを新指導者とするネオ・ジオン穏健派とシャアを新指導者とするネオ・ジオン強硬派に分かれていた事が語られている。
この抗争で地球に降りたセラーナ・カーンは西部方面軍のド・トール将軍やシャア派のジェラルド・シンクレアとの戦闘で行方不明となり、カーン家は遂に没落、断絶する事に成る。
漫画『機動戦士ガンダムヴァルプルギス』ではハマーンの妹セラーナ・カーンが死亡した姉ハマーンに扮して0089年7月、サイド2オリンポスコロニーに姿を現し、白のグリモアと呼ばれるパプテマス・シロッコの遺産であるガンダムタイプ、オーヴェロンをめぐる事件を起こしている。
ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』ペイルライダー編では宇宙世紀0090年グレミー派残党軍がシャア乗艦レウルーラ襲撃を企て戦力(アンネローゼのクィン・マンサを除けば一年戦争時のMSばかり)を集めていたが、シャアらにこれは情報が漏れており偵察に出た部隊と交戦、これを壊滅。
グレミー残党軍のシャア乗艦を襲撃する作戦は未然に防がれている。
漫画『機動戦士ムーンガンダム』では宇宙世紀0092年にクランゲル家のリュース・クランゲル少佐がコロニー「ムーン・ムーン」で、行方不明になっていたミネバ・ザビをめぐって行動を起こした。
さらに地上には第1次ネオ・ジオン抗争時に参加したネオ・ジオン残党軍が取り残されており、漫画『機動戦士ガンダムジオンの再興』シリーズおよび、PC98ゲーム作品の『機動戦士ガンダムリターン・オブ・ジオン』ではシャア軍の指揮のもと宇宙に脱出するまでが描かれている。
この脱出した残党軍は元ハマーン軍だが、シャアの新生ネオ・ジオンへと参加している。
関連キャラクター
U.C0088年代(旧ネオ・ジオン)
U.C0089~0092年代
セラーナ軍(穏健派)
ハマーン(自称)軍
グレミー残党軍
リュース軍
シャア(キャスバル)軍
第1次ネオ・ジオン地球方面残党軍
関連MS
第1次ネオ・ジオン抗争時
スザク(S・ザク・ザクⅢ改・改)
使用した他勢力のMS
関連MA
ネオ・ジオン
使用した他勢力のMA
艦艇
ネオ・ジオン
グワダン級超大型戦艦
グワンバン級大型戦艦
サダラーン級機動戦艦
グワーシャ級大型戦艦
偽装貨物船ガランシェール
エンドラ級軽巡洋艦
ムサイ級軽巡洋艦
チベ級重巡洋艦
チベ級ティベ型重巡洋艦
新生ネオ・ジオン
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の宇宙世紀0093年では、ジオン・ズム・ダイクンの実子であるシャア・アズナブルが総帥として、ハマーンのネオ・ジオンの残存勢力と今までの大戦の宇宙移民反乱分子をまとめ、スペース・コロニー「スウィート・ウォーター」において新生ネオ・ジオンとして決起した。
アナハイム・エレクトロニクスと結託しており、運用するMSは同社のグラナダ工廠で製造された機体で統一されている。
5thルナを地球のラサへ落下させる事に成功するが、粛清対象である地球連邦政府の閣僚達は、一足先に脱出していた。
続いて地球を寒冷化させ、アクシズを地球へ落下させる作戦を決行するが、ロンド・ベル隊の活躍により阻止される。そしてシャアは、アムロ・レイと共に行方不明となり、反乱は失敗。ナナイ・ミゲル達、新生ネオ・ジオンの残存勢力は、戦場から撤退する。
関連キャラクター
MS
MA
艦艇
レウルーラ級大型戦艦
ムサカ級軽巡洋艦
エンドラ級軽巡洋艦
ムサイ級軽巡洋艦
チベ級ティベ型重巡洋艦
ネオ・ジオン残党軍(袖付き)
機動戦士ガンダムUCの宇宙世紀0096年では、ジオン共和国のモナハン・バハロがシャアの姿形を模した強化人間フル・フロンタルを用意して、彼にジオン残存勢力をまとめさせ、新たに立ち上げさせた組織。その中には、ザビ家の遺児であるミネバ・ラオ・ザビを担ぐ旧ネオ・ジオン残存勢力も合流している。
台所事情がかなり厳しく、アナハイム・エレクトロニクスから供与された一部のワンオフ機を除けば前身組織が運用したMSを改修ないしそのまま使用しており、一年戦争時代の機体であるゲルググやギガンまで引っ張り出される有様だった。
MSの袖に装飾を加えている姿から、連邦政府は彼らを『袖付き』と呼称した。
関連キャラクター
MS
その他旧公国軍及び新旧両ネオ・ジオンのMS
MA
その後のネオ・ジオン
宇宙世紀0100年代以降も生き残ったネオ・ジオン残党軍がジオン残党軍と共に活動しており、中には『機動戦士ガンダムF90』に登場した火星独立ジオン軍(前述のジオンマーズの後継組織。火星圏のオールズモビル)に合流したものもいると言われている。さらには、残党軍の一部においてエゥーゴ残党、カラバ残党、ティターンズ残党を吸収して組織を肥大化させている。
フロンタルの死後にライン・ドラグンによって10年かけて束ね上げられたネオ・ジオン残党軍「レガシィ」(地球圏のオールズモビル)が台頭、0116年に連邦軍と交戦している。
また漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』の宇宙世紀0123年では、放棄されたコロニーにネオ・ジオンの兵士の生き残りがひっそりと逃げ延びていた。その中には、今までの大戦を知らないネオ・ジオン2世のレイラ・ラギオールもいた。この頃は連邦側もジオン残党狩りを禁止し、ほとんど行っていなかったが一部の部隊では虐殺同然の残党狩りを行っていた。
関連項目
機動戦士ガンダムΖΖ 機動戦士ガンダム逆襲のシャア 機動戦士ガンダムUC
直系組織:アクシズ→ネオ・ジオン→新生ネオ・ジオン→袖付き→レガシィ