機体データ
型式番号 | MSM-04G |
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所属 | ジオン公国軍→ジオン残党軍 |
開発 | スウィネン社? |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 17.4m |
本体重量 | 137.3t |
全備重量 | 198.7t |
出力 | 2,660kW |
推力 | 97,900kg |
固定武装 | 320mm3連装ロケットランチャー×2、メガ粒子砲×4(異説あり) |
概要
型式番号MSM-04G「ジュアッグ」は、ジオン公国のモビルスーツ(MS)で、アッグシリーズの一機。模型企画「MSV」展開の先駆けとなった『フィルム未登場メカ・シリーズ』が初出で、後にMSVに組み入れられた。
アニメ『機動戦士ガンダム』でジャブローが舞台となる話に登場する予定だったが、未登場のまま終了。その後長い間出演に恵まれず、映像作品ではゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』のOPが初出。その後のアニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場、その奮戦する姿で、多くのファンを歓喜させた。
機体解説
アッグ・アッグガイ・ゾゴックと共に、ジャブロー攻略戦用に開発されたアッグシリーズの一機。アッグによって切り開かれたルートを通じて侵攻し、接近戦を行うアッグガイ、ゾゴックの射撃支援を行うことを目的とする。水陸両用機でありながら、水中でも一応活動出来る程度に過ぎず、対応した武装もないため、「湿地戦機」「特務モビルスーツ」とされることも多い。
アッガイの試作案を転用して開発され、装甲が強化されて重量がかなり増加している。胴の外形はアッガイに近いが、四肢形状はどちらかと言えばアッグガイに似たフレキシブル・ベロウズ・リム(直訳・柔軟な蛇腹状の四肢)で構成される。胴体前面に4箇所ある開口部はどの様な役割を持つのか明確になっておらず、支援機という性質からメガ粒子砲やミサイル、あるいはスラスターなど諸説あり、UC登場機は最初の説を採用していた。
コクピットは頭部に2席設けられているようで、アッガイと同じ兵員輸送機だったとの説を裏付けるものとなっている。この巨大な頭部はレドームの機能を持つ、あるいはモノアイスリットの独特な形状から前方の視認(センサー感知)に死角があったなどの考察もある。また、頭部には外見上最大の特徴となる象の鼻を思わせる可動肢が備わっており、フレキシブル・ベロウズ・リムと同様に柔軟に可動する排熱ダクトとなっている。中にはこのノーズ部がダクトではなく対地センサーだったとか、あるいは搭乗兵員の乗降口だったなどの珍説もある。
バックパックはMSV登場機の例に漏れずメカメカしい外見で、下端にはボックス型の水中用推進機が配されており、外装形状が未整理な試作機らしさが窺える。
武装
MSV期の設定では、武装は両腕部の320mm3連装ロケットランチャーまたはロケット砲のみ。
この砲口は扇状に配置されており、面制圧を目的とする兵器との説もあったが、UCでの描写から一門ごとに基部である程度スイング稼働出来たようである。
- (余談だが「砲」(Gun)は弾体そのものは推進能力を持たず、炸薬によって弾を撃ち出す兵器カテゴリで、ロケット砲という表記は不正確と突っ込まれるが、パンツァーファウスト3のようにロケット弾を発射する(無反動)砲や、ガンランチャーや旧ソ連のMBTのようにランチャーも兼ねる戦車砲が実在する。)
- 現実においては砲弾を連射するには、砲身の根本付近に弾薬を格納するスペース(マガジン)、及び装填機構が必要となるがジュアッグの場合にはそれが見当たらず、どういった機構で連射を実現しているかは謎となっている。(→ジオン脅威のメカニズム)
バリエーション
残党軍仕様/ユニコーンVer./UC Ver.
名称はHGUCキットなどからの暫定。機動戦士ガンダムUCに登場、地球上のジオン残党軍がダカール襲撃で使用した。登場に際してカトキハジメの手でリファインされているが、全体的なフォルムは原典のMSV版を踏襲している。
主砲は小口径ロケットランチャーのクラスターに換装されており、HGUCのキットではご丁寧に各砲門で7発のモールドが施されていた。これを設定として採用するなら、1機全体で計42発を装備していることになる。また、胴体前面の開口部は4門の高収束ビーム砲になっている。
ロケットランチャーは残党軍の手により換装されたようだが、ビーム砲は元からの仕様なのか、残党軍の手による改修なのかは不明。
アニメ版におけるパイロットは、カークス隊所属のキョゴ。
格闘戦仕様/MSV Ver.
名称は限定キットなどからの暫定。通常兵器の携行や単独での格闘戦に対応すべく、右腕をゾゴックと同様のマニピュレーターに換装した機体。この仕様ではグフのヒート・サーベルと同形状の格闘兵器「ヒート・ナイフ」を用いることもできる。この腕にはゾゴックにも無い手甲のような増加装甲が取り付けられている。
MSVで描かれた画稿ではウッドランド・パターンに近いカーキ色・オリーブドラブ・茶色・ベージュの4色迷彩で塗装されており、限定キットではアッガイ系の茶色の成型色になっていた。マニピュレーターはUC仕様ゾゴックの4本指ではなくMSV仕様の5本指で、主砲はちゃんと1門1発のモールドに変更されている。
ジュアッグ改
雑誌企画『F.M.S.』に登場。
ジャブロー攻略戦に投入されたジュアッグの派生機で、ノーズ部の可動機構が廃されるなど、機体各部の形状が変更されている。機体名では「改」となっているが、通常型との差異は機体ごとの仕様差によるものとされる。
また、本機の右腕もゾゴックのマニピュレーターに換装されている。
活躍
機動戦士ガンダムUCでは宇宙世紀0096年、ガランシェールの地球降下陽動の為にヨンム・カークス率いる部隊の一機として地球連邦首都のダカールを襲撃。
一年戦争当時の機体を使用しているにもかかわらず、第二世代以降のモビルスーツであるジムⅡ2機とジムⅢをロケットランチャーで構えたシールドごと粉砕して撃墜、斬りかかってきた手負いのネモのビームサーベルを右腕の砲身で受け止め防ぎ切ってお返しとばかりにコックピットに左腕を突き刺す、直後に飛びかかってきたもう1機のネモをメガ粒子砲で撃墜と単騎無双と言っていい活躍を見せた(一応僚機にカプールがいたが、早々にネモに撃墜されている)。
しかし背後から襲いかかってきたジムⅢのビームジャベリンは受け止めきれず左腕の砲身を切断され、胴部にジャベリンを突き刺される。それでも反撃しようとロケットランチャーを向けるが、ジムⅡが放ったバズーカで撃破された。
短い活躍ながら、あまりにも重装甲すぎる活躍に、強烈な印象を残しつつビームと装甲の耐久設定の物議においてよくあげられるシーンにもなっている。
この残党軍仕様の機体は上述のように、胴体開口部にはビーム砲が搭載されており、腕部の3連装ロケットランチャーも多数の小型ロケット弾を発射する形式に改造されている。
なお、UCの地上編は小説・アニメで全く違った展開となっており、原作小説においては残党軍とシャンブロは別陣営のため、上記のような目立った活躍はしていない。
両方のシナリオを取り入れて再編されている漫画版においては、カークスが自ら搭乗する機体としてシャンブロに随伴し登場するが、シャンブロともども活躍内容はアニメとは全く異なっている。
ガンプラでは
1/144スケールのみの販売。旧キット、ガンダムUC仕様(ユニコーンVer./UC Ver.)のHGUCの両方が存在。HGUCのバリエーションキットとして、上述の格闘戦仕様に相当する「MSV Ver.」がプレミアムバンダイ限定で発売された。
ガンプラ改造アクションゲーム『ガンダムブレイカー3』では、発売直後の初期verにおいて「敵がやたらと硬い」というゲームバランスに対し本機の腕パーツが高火力だったため攻略上で一時的に猛威を振るった事がある。その後のアップデートで敵の防御力と併せて下方修正されたが、ジュアッグ(の腕)といったらガンブレ3の記憶が蘇るプレイヤーも少なくないのではないだろうか。
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