概要
ネオ・ジオンの水陸両用型モビルスーツ。
一年戦争時のゴッグ、ハイゴッグの流れを汲む機体だが、その最大の特徴は機体本体が球形と化している点である。
その機体形状は水流抵抗が小さい上に耐圧性に優れ、非常に高い水中運動能力を発揮する。
また、水中移動時には腕部を機体内に収納し、脚部を折り畳むと『巡航形態』に変形する。
原型機もメガ粒子砲を装備しているが、カプールの腹部にも同様のレイアウトでソニックブラストを有し、更に胸部装甲が左右にスライドして現れるミサイルランチャーが8基装備されている。
また、ジオン製水陸両用MSの伝統であるアイアンネイルは、ガンダリウム合金製の装甲をも貫通できたとされる。
ゴッグの後継機であり、水陸両用機としては当時最新鋭の機体ではあったが、長らくアステロイドベルトに留まっていたアクシズで開発された事実もあり、地上に残りその後ネオ・ジオンに合流したジオン残党軍からは「海を知らない人間が作った機体」として信頼を得られず、現場では連邦製のザク・マリナーが好まれた不幸な機体である。
運用例としては第一次ネオ・ジオン抗争時にて、現地雇用された青年漁師のタマンが運用したケースが見受けられる。本来このカプールはタマンを雇った指揮官の搭乗機であったが、彼は前述の通り機体を信頼していなかった故にザク・マリナーへ乗り換え、カプールはタマンへ与えられている。ただし、タマンは交戦したΖΖガンダムのパイロット・ジュドーの説得により、機体を自爆させ元の生活に戻っている。
同時期に運用された例は、銀色に塗装されたフェアトン・ラーフ・アルギス専用機が挙げられ、水陸両用機でありながら宇宙で運用する荒業を見せた(後述の余談を参照)。
第一次ネオ・ジオン抗争後はジオン残党軍と合流・潜伏していた機体が、宇宙世紀0096年にダカールやトリントン基地を襲撃している。
尚、宇宙世紀から数千年後の正暦の時代に於いては、カプルと呼ばれる本機のレプリカ機が発掘され、ミリシャによって運用されている。
余談
元来は水陸両用MSなのだが、カプルの影響でか『ジオンの幻陽』等の一部作品では『全領域用可変MS』の扱いを受ける。
もっとも、水中用兵器は機密性が高くないと浸水等で損壊してしまう為、(推進機関の変更が大前提であるが)実はそこまでおかしい描写でもなく、他媒体の一年戦争の作品ではズゴックを制御ユニットにした兵器であるゼーゴックが、別のガンダム作品では水陸両用MSながら、宇宙運用されたアッシュの存在がある。