「このキュベレイをなめてもらっては困る!」
スペック
型式番号 | AMX-004 / MMS-3 |
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頭頂高 | 18.4m |
全備重量 | 57.2t |
ジェネレータ出力 | 1,820kw |
推力 | 61,600kg |
固定武装 |
機体説明
アクシズが開発したニュータイプ専用試作モビルスーツ。ジオン公国軍のニュータイプ専用モビルアーマー「エルメス」の後継機。
アクシズの摂政ハマーン・カーンの専用機であり、彼女を象徴する機体でもある。
ハマーンはアクシズの地球圏到達後、地球連邦軍との抗争は不可避と考え、連邦側のニュータイプへの対抗手段として自身の搭乗を前提としたニュータイプ専用機の開発を提唱。この時点でMAクラスの試作機が製作されていたが、ハマーンは対MS戦闘に於いて機動性が劣ること指摘し、サイコミュシステム搭載のMS開発を強く希望した。
その最中、アクシズを去ったシャア・アズナブルのオフィスから、ニュータイプ専用実験機「トゥッシェ・シュヴァルツ」をベースとした設計図が発見され、同資料に記述されていた次世代型サイコミュシステム「バイオ・シグナル・エンハンサー」のデータと共に本機の開発が進められる事になる。
かくしてハマーン自身が被験者と成り、准尉の元部下であったイェルクの必死の研究によってバイオ・シグナル・エンハンサーと本機は完成し、この際に得られたノウハウは以降に続くサイコミュ搭載型モビルスーツに活用された。
キュベレイは、バイオ・シグナル・エンハンサーの搭載によって遠隔誘導兵器「ファンネル」の装備が可能となり、MSでありながらエルメス同様のオールレンジ攻撃を行う事が可能。
特に頭部とマニピュレータにはサイコミュの混信・共振現象を抑える目的でそれぞれ異なる系統のサイコミュ送信用デバイスが内蔵されており、これによって多数のファンネルを高い精度で制御する。
また、トゥッシェ・シュバルツ同様メインバーニアは肩アーマーに配置されているが、本機のアーマーはAMBAC稼動肢とシールドを兼ねたフレキシブル・バインダーとなっている。さらに、バインダー内に腕を格納し、推力ベクトルを一方向に集中させることで高速移動形態を取る。
また本機には無線で各部駆動系へ信号を送ることにより配線をほぼ無くしている。
永野護の設定談話によればザク系統の技術を活かしたフレームが使用されているという。「キュベレイの頭部カメラ周りの黒部分の形状」「口部分がひょっとこのように長い」「肩アーマーが左右非対称」「胸部分がこのように→▍▉ ▍3つのブロックが組み合わさった形」などザクとのデザイン上の類似が見られる。
サイコミュ兵器を搭載しているが高火力・高出力とは呼べないためか、第四世代MSの定義に照らし合わせると「わずかに満たない」とされる。
キュベレイは欠点としてサイコミュのパイロットに対する負荷が高い。このため機体の性能をフルに発揮するには高いニュータイプ能力を持ったパイロットを必要とする。しかし、これは機体をハマーン専用機としている事もあってさしたる問題にはなっていない。
グリプス戦役終盤に戦線へ投入され、百式やΖガンダムを圧倒し、パプテマス・シロッコのジ・Oとその配下のパラス・アテネやボリノーク・サマーンと3対1での数的不利で互角に渡り合う程の活躍を見せた。
続く第一次ネオ・ジオン抗争では、最終決戦時に於いてジュドー・アーシタのΖΖガンダムと死闘を繰り広げた。
最終的には相討ちに近い形で大破。自決の道を選んだハマーンと共にモウサの壁に激突して爆散した。
後継機種として第一次ネオ・ジオン抗争でキュベレイMk-Ⅱや量産型キュベレイなどが次々と戦線に投入されている。しかし、オリジナルとなったハマーン機ほどの戦果を挙げられなかった。
型式番号について
『機動戦士Ζガンダム』放送当時、ガザCの型式番号はMMT-1、キュベレイの型式番号はMMS-3で、グリプス戦役末期に地球連邦軍がアクシズと協定を結んだ際、地球連邦軍からガザCに「AMX-003」、キュベレイに「AMX-004」のナンバーが追加で与えられたとされていた。
しかし、『機動戦士ガンダムΖΖ』ではネオ・ジオンのMSの型式番号がAMXとされるようになったため、『ガンダム・センチネル』では逆となり、また、新MSであるガザEの型式番号はAMX-007で、地球連邦軍から「MMT-3」のナンバーが追加で与えられたと変更された。
武装
最大の特徴であるサイコミュ兵装を除けば全体的にシンプルにまとめられている。
腕部ビームガン/ビーム・サーベル
袖口に内蔵された射撃武器。射撃に用いる際には射線への干渉を防ぐ為、マニピュレータを広げて突き出す独特の射撃ポーズを採る事が多い。
銃身はビーム・サーベルを兼ねており、その際にはデバイスがポップアップしてマニピュレータでこれを保持して使用する。
ファンネル
キュベレイ最大の特徴でもある遠隔誘導兵器。出力1.3MW。腰部に連結されたキャリアに10基を装備する(ただし劇中ではそれ以上、最低でも12基のファンネルを射出している)。
エネルギーCAP技術の導入によって端末自体を小型化する事に成功しており、バックパックに備えられたファンネルコンテナに収納する事でエネルギーや推進剤の補給を行う事が出来る。
ただし、ハマーンがファンネルを使うのは格闘戦を有利にするサブウェポンの扱いであり、後にネオ・ジオン軍が開発するサイコミュ搭載機に共通していたファンネルこそがメインウェポンと言うコンセプトは真逆になっている。
大型ビーム・サーベル
TVシリーズの最終話と劇場版Zで百式との最終決戦で使用。両手で持てるくらいサーベル本体が長く、出力もその分強化されている。左右のバインダー内に1基づつ装備される。
関連動画
バリエーション
プロトタイプ・キュベレイ
キュベレイのプロトタイプ。
0080年代前半にアクシズにて元フラナガン機関のスタッフが「エルメスのMS化」をコンセプトに開発した機体。エルメスのビットを改良したファンネルを装備しており地上でも使用可能。エネルギーCAPを採用し、ファンネルコンテナに搭載しての待機および再充電によりパイロットへの負担を軽減しつつ連続使用が可能となっているが、さほど小型化はされておらず、搭載数は6基と少なくなっている。またサイコミュも小型化が難航し、MSとしては大型ではあるがAMBAC作動肢によって大推力のエルメスと同等の機動性を維持している。
そのほかの武装はビームサーベルと両前腕部を展開して現れるメガ粒子砲である。同じくフラナガン製のシュネー・ヴァイスやガザレロと異なり、MSとしての火力も充実させる予定だった。火力や機動性は申し分ないが、NT専用機としての完成形を目指してさらに改良が進められ、続けて開発された機体へそのコンセプトが受け継がれた。
キュベレイMk-Ⅱ
量産化を視野にいれて開発されたマイナーチェンジ機。搭乗するプルとプルツーの能力を検証する意味合いも持つ。
詳細はキュベレイMk-Ⅱを参照。
量産型キュベレイ
ハマーンに劣るプルシリーズのNT能力を補うために火力を強化した量産型。
詳細は指揮官機のマグナ・マーテル共に量産型キュベレイを参照。
ディマーテル
グリプス戦役で華々しく活躍したキュベレイの後継機。『赤のグリモア』とも呼ばれる。
詳細はディマーテルを参照。
キュベレイパピヨン
ガンダムビルドファイターズに登場するキュベレイの改造ガンプラ。
詳細はキュベレイパピヨンを参照。
キュベレイダムド
ガンダムビルドダイバーズの公式外伝である「ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL’s World Challenge」に登場する改造ガンプラ。
形式番号はAMX-004DMD。
腕部をはじめとするマニピュレーターが巨大化されているのが印象的。
これによって巨大な肩部とのバランスが取れている気がしないでもない。
デザインはNAOKI。
2018年にプレミアムバンダイによってMG化された。
キュベレイアンベリール
上記キュベレイダムドのカラーリングを元のキュベレイの色彩にしたもの。
デザインはNAOKI。
2020年8月にプレミアムバンダイによってMG化された。
外部出演
- スーパーロボット大戦シリーズ
本シリーズでは最強クラスのMSの1機でありZガンダムやZZガンダムはおろかサイコフレームを搭載しているサザビーやシナンジュ、νガンダムに匹敵する性能を誇る。
「ボスユニット」として名高く、理不尽なまでのHPに加え、ファンネルの射程外攻撃によって、ガンダム系のボスの中でも屈指の強敵。
最強武器であるファンネルが作品によって弾数制であったりEN消費制であったりするのだが、継戦能力を高める為か後者の場合凄まじい省エネ仕様になり、ある作品Aでは前者のケースとなり弾数が40にも跳ね上がっている。いくら小型化したって、何処にそれだけのファンネルを搭載しているのだろうか。
なお、一部作品では条件を満たせば味方機体として使える。
- Gジェネレーションシリーズ
エルメスやノイエ・ジールなどから開発可能で、Mk-Ⅱや量産型、クィン・マンサへ発展する。
ファンネル付きMSの開祖であり、性能・武装共に他のファンネル搭載機に比べるとどうしても地味。 それでもIフィールドを無視でき射程もあるファンネルがある分、ジ・Oよりは強い。『ジェネシス』では超強気状態で使用できる特殊格闘「サイコ・プレッシャー」が追加されている。
- ギレンの野望シリーズ
ジオンの系譜で初登場。そして一年戦争のみを取り扱ったジオン独立戦争記以外で使用可能。
ジオン系勢力で開発可能。そして開発にはエルメスとジオングが必要。
運動性が高くサイコミュを持つため高レベルのNTを乗せると量産型や半端なエース機の攻撃がまるで当たらない恐ろしい回避性能を発揮し、更にはビームガンとファンネルの波状攻撃で次々と撃ち落とす攻防の要と化す。但し、地上だとファンネル系の覚醒武器が使えないため火力がガタ落ちしてしまう。
…が、困った点として『ギレン本編ではキュベレイは開発できるが、ハマーンがへそを曲げてそのうち敵対しはじめる』、そして『レビル本編やエゥーゴやティターンズでは必ずハマーン率いるアクシズと敵対せねばならない』という問題が立ち塞がる。敵の総大将として出てきたハマーンが本機にのったら自身のNT能力とトップクラスの反応や射撃を存分に発揮し、全方位を囲んで集中攻撃しても躱しまくり、それでいてこちらのユニットを次々撃ち落とす強敵となってしまうのだ(しかも自身の高い指揮で周囲の味方を底上げするおまけつき)。いかにハマーンの乗ったキュベレイに対処するかがこのゲームの攻略のカギになるといっても過言ではない。ある程度の犠牲を許容するなら、補給できない位置で周囲を量産した機体で囲んで集中攻撃し、エネルギー切れしたキュベレイを削っていくという方法がある。
- エゥーゴVSティターンズシリーズ
最高コストの375で参戦したこのシリーズ中唯一のファンネル機。
連ザシリーズやガンガンシリーズと比べてファンネルの火力がかなり高く、特に複数停滞させてからのメイン連動発射は格闘機も真っ青の絶大なダメージを叩き出す(しかも時間経過以外では戻らないタイプだった為、後を考えなければ連射出来る)。
しかし耐久がたったの480しか無い上に防御力も低く、同じコスト帯のZガンダムやジ・Oと比べると操作感が重い=機動力も足りず、更に格闘性能も微妙と、正直な所ファンネルの性能に基本性能の殆どを奪われていると言っても過言ではなく、またZガンダムやジ・O、そしてコスト310&275コンビの存在もあって色々な意味でニュータイプ専用機という状態だった。
- ガンダムVSガンダムシリーズ
NEXTより参戦。
女性パイロット機体の中でも、初の3000GPである。出るなら「機動戦士ガンダムZZ」枠と多くのユーザーが予想していた中、まさかの「機動戦士Zガンダム」枠での出場であった。
高い機動性とファンネルを駆使して戦う射撃型の機体。また、「プレッシャー発動」という特殊な武装も装備しており、 オーラ展開前にNDでキャンセルし痺れた敵機を捉える「プレキャン」というテクニックも存在し格闘性能は悪くはない、テクニカルな機体。
「機動戦士ガンダムZZ」枠からの参戦。 コストは2500。アシストとして追従するハンマ・ハンマと敵機を拘束するR・ジャジャを呼び出せる。
サブ射撃のファンネルは設置した後に手動入力でビームを発射させる仕様となっている。
このため癖が強く、ハマーンばりのニュータイプ専用機とも言われるほど。しかし使いこなせれば、一人十字砲火で敵を追い詰める後衛寄り機体。本シリーズでのプレッシャーは、触れるとスタンさせるピンク色のオーラをSA付きで発生させるモノ。迎撃用武装としては非常に優秀。ただし、1個強力な迎撃択があるのであって素の自衛力はそこまで高くない。プレッシャーの再リロード時間も長いのでこの間は注意。
なお、本シリーズのキュべレイは開発スタッフに振り回され散々な扱いを受けた機体でもある。
【無印】
ハンマ・ハンマとR・ジャジャは耐久力150以下で着地すると登場。
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【フルブースト】
ファンネルが他機体と同様の自動発射となり、操作系統が簡略化した。また、アシスト二機が特射の任意呼び出しになった。
アップデートで強みのファンネルを中心に全面強化され、一気に対戦環境の中心に躍り出た。
が、後の修正により大幅弱体化を喰らい、強化前と同等かそれ以下の性能になってしまった。
↓
【マキシブースト】
サブのファンネルの手動発射が復活。新たに単発ダウン系のCSが追加。
そして途中に行われたアップデートの際にコマンド変更され多くのプレイヤーを困惑させたものの、以後エクバとフルブの折半+αの性能に落ち着いた。
そしてONにて格闘モーションが一新、格闘戦でダメージが稼げるようになる。アップデートで若干弱体化したが、元々まとまったダメージを稼げるタイプではなかったのでより戦いやすくなった。
2023年の1月中旬にコラボした際に、超究極(コラボクエストの最高難易度)の進化前無しの降臨星6モンスターとして参戦。ギミックは轟絶のアビニベーシャにある壁パネルと重力バリア、ワープ、ブロックのギミックがあるクエストで、特に難しいのが壁パネルの調整であり、一バウンドにつき敵の防御ダウンで、二バウンドにつきバリア付与、三バウンド以降は超微量の回復弾と覚えなければ攻略不可能であり、何人のプレイヤーはそれで頓挫したとか。さらに攻略とは別にミッションがあり、「ガチャ限以外のガンダムコラボのキャラを入れてクリアせよ」というものでガンダムバルバトスルプスレクスやジャスティスガンダムを運極にする為にはこれを必ず攻略せねばならない。因みに一発クリア型ではなく周回型である為運極作りが大変である。
詳しい性能
種族 | ロボット |
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タイプ | 砲撃 |
ボール | 反射 |
アビリティ | 超アンチダメージウォール/アンチ転送壁/ラックカウンターキラー |
ゲージショット | アンチブロック/シールドブレイカー |
ラックスキル | クリティカル |
ストライクショット | 〈ファンネル〉スピードとパワーがアップ&敵にふれる毎にファンネルで攻撃(21ターン) |
友情コンボ | チャージショット |
余談
名前は大地母神のキュベレーを原案としている。
それまでのMSとは一線を画する大きな曲面を多用した優美で洗練された独特なデザインから現在では多くのファンがいる本機だが、デザインした永野護曰く、放映当時に登場したばかりの頃は古参ガノタから「こんなのMSじゃない」と叩かれて全く支持されなかったらしい。
後年、永野はファイブスター物語において本機のデザインを流用したキャラクターの「メイザー・ブローズ」を登場させている他、氏が愛好するゲームであるファンタシースターオンライン2ではキュベレイをモチーフにしたマグ(支援ユニット)である「ベレイ」および「ベレイMK2」が登場する。
SDガンダムでは上記の経歴もあり女性として登場する場合が多い。そして百式がモチーフのキャラと浅からぬ因縁を持つこともしばしば。
立体物
『Z』『ZZ』放送当時の旧キットは1/220スケールのものが発売。
1/144スケールではHGUCシリーズにて1999年にラインナップし、その後2015年にアップデートが施されたREVIVE版が発売されている。プレミアムバンダイ限定でREVIVE版専用のファンネルエフェクトセットも発売された。
1/100スケールではMGとして発売。発売が2001年と古いため可動域には難があるものの、プロポーション・色分け共に良好で目立つ合わせ目もほとんどない。
SDシリーズとしては元祖SDガンダムで発売後、BB戦士にてラインナップ。 ※BB戦士は、成形色の仕様をエクストラフィニッシュverに合わせ プル専用機、プルツー専用機が同梱した「キュベレイトリプルコレクション」としてもラインナップされた。
SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。※現在、入手困難
関連イラスト
関連項目
ガンダム 機動戦士Zガンダム 機動戦士ガンダムZZ ハマーン・カーン ニュータイプ ファンネル