ゲーマルク
げーまるく
ネオ・ジオン軍が第一次ネオ・ジオン抗争後期に開発したニュータイプ専用試作型重モビルスーツ。型式番号AMX-015。
直前に開発されたドーベン・ウルフ(AMX-014)と共に、第四世代モビルスーツを代表する機体とされる。
第四世代の特徴である、ジェネレーター直結の高出力メガ粒子砲を全身に搭載し、サイコミュを機体制御と共にファンネルの操作にも活用している。
数機が量産され、特に強化調整を受けたキャラ・スーン搭乗機は、グレミー・トト率いるニュータイプ部隊、及びグレミーの傘下に加わったラカン・ダカランのドーベン・ウルフ部隊(スペース・ウルフ隊)と、熾烈な内部闘争を繰り広げた。
本機のジェネレーター出力は、同世代のZZガンダム及びSガンダムさえも上回る。
この高出力を利用して、本体には大小合わせて計26門のメガ粒子砲を搭載。加えて別途ジェネレーターを内蔵したマザーファンネルを2基、更にそこから射出されるチルドファンネルを計28基装備するという超重火力機として完成している。サイコミュの仕様上、ニュータイプか強化人間でなくては運用不可能である。このため、同時期に同じ構想のもとに完成し一般人によるサイコミュの使用を可能にしたドーベン・ウルフと比較して運用上の評価が劣るとされる。ただし、キュベレイに比べればサイコミュを使用した際のパイロットへの負荷は軽減されている。
火砲の運用に特化した機体構造であり、機動力(長距離の移動能力)の面では特筆すべき性能を持たない。重力下においては、戦場までガズアル/ガズエルの二機に牽引される姿が見られた。しかし運動性能や四肢の駆動力自体は高く、一瞬ながらZZガンダムとも互角の近接戦闘を展開している。また強力過ぎる火力故、コロニー内部等、閉所での戦闘では性能を活かすことが難しい一面も持つ。
その殲滅力はスペース・ウルフ隊ですら正面からの戦闘を避け後退する程で、ハマーン軍とグレミー軍が決戦を行った抗争終盤では、ドーベン・ウルフを2機撃破し(ただし、ラカン機には苦戦させられ、危うく撃墜させられそうになった場面もあった)、クィン・マンサと互角に渡り合い、最期にはプルスリーからプルトゥエルブが操る量産型キュベレイ十機を(刺し違える形とは言え)壊滅させるという大きな戦果を挙げた。
親指部メガ粒子砲
親指に内蔵された固定武装。2.3MW。腕部方向に自由に向けられるため射角は広く、背後に迫ったクィン・マンサのファンネルを、素早く撃墜するシーンもあった。
メガビームカノン
両脚部に格納されている、ミドルバレルのメガ粒子砲。出力3.8MW。
使用時は脚部から90度ターンアップし、更に砲身がスライドにより延長される。
MSほどの大きさのある隕石を瞬時に粉砕する威力があり、至近距離でZZガンダムに発砲しているが、回避されている。
マザーファンネル
本機の特殊武装。
ファンネルがエネルギーCAP容量、及び推進剤積載量の問題で、威力・射程共に限界に達し始めていたことから、ジェネレーター内蔵のマザーファンネル1基に、14基のチルドファンネルを収納。サイコミュの中継としても用いることで、その射程を大きく伸ばすことに成功している。
なお、マザーファンネル自体もジェネレーター直結型高出力ビームカノン(出力5.5MW)を一門内蔵しているため、高い攻撃力を有する。
その他、ゲーマルク背部にドッキングした状態でも射撃可能であり、背後に取り付いたラカン・ダカランの機体を追い払っている。
チルドファンネル
マザーファンネル(以下、マザー)の側面に沿って14基が収納されている。
このチルドファンネル自体は、出力(1.8MW)、射程共にサイズ通りで特筆すべき性能はないが、マザーによって戦地(敵機)近距離まで運搬され、同じくマザーのサイコミュ中継機能によって、総合射程を大きく拡大している。
ミノフスキー干渉フィールド
後にサイコ・フィールドと呼称されるようになった力場と、同質のものであると推察される特殊なフィールド・バリア。
量産型キュベレイとの死闘の最中、無数のファンネルから放たれたビームを弾き返した。
ダグ・ドール
本機の系列で誕生した機体であり、通常のモビルスーツに近い体型を維持しつつも重火力やリレー・ファンネルシステムなど共通の機構を有している。
フェンリス・ヴォルフ
火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)が開発した、ドーベン・ウルフの発展大量生産型である『リーベン・ヴォルフ』がニュータイプ用オプションを装備した仕様。ゲーマルクのマザーファンネルやチルドファンネルの他、胸部ハイパーメガ粒子砲を装備する。