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ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉

じぇねれーたー

ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉とは、アニメ『機動戦士ガンダム』から始まる宇宙世紀シリーズにおいて用いられている、小型・高効率の核融合炉である。
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概要編集

宇宙世紀における基幹技術

一般的に「ジェネレーター」または「エンジン」と呼ばれるもので、モビルスーツ艦艇に限らず、あらゆる機械の動力として用いられている。

当該動力の恩恵により、宇宙世紀の地球圏ではエネルギー問題については完全に解決されている

『機動戦士ガンダム』シリーズにおいて、エレカ(電気自動車)(現在では「EV」と呼ばれているがガンダム放映時には無かった言葉。そもそも日本人が自動車を「ビークル:vehicle」と呼ぶ事自体が珍しかった)が一般的なのも、この熱核反応炉から容易に莫大な電気エネルギーが手に入るため、充電設備を充実させやすかったという背景がある。


精製の容易な重水素(D)と、木星船団公社が運搬してきたヘリウム3(3He)によりD-3He核融合反応を生じさせ、加えて直接電気エネルギーとして取り出せるという、まさしく『夢のエネルギー源』である。

ただし発熱を伴わないという訳ではなく、稼働状態のMSは人が触れると火傷を負うほど表面温度が上昇しており、またこの熱をロケットエンジンジェットエンジンの燃料を燃焼させるための熱源としても用いている。


通常は反応の励起に超高温のプラズマ場の維持が必要であり、少量とはいえ鉛などの隔壁すら透過する中性子線放射線の一種)が生じてしまうが、ミノフスキー粒子に静電入力を行うことで発生する、立方格子状の力場――即ちIフィールドが超高熱と放射線に対して隔壁の役割を果たすため物理的な隔壁が最小限で済むうえ、ミノフスキー粒子が核融合エネルギーから直接電力を生み出すため、出力に対して極めて小型・高効率のエネルギー炉となっている(現実世界の原子力発電(核分裂発電)は実質蒸気タービンによる発電のため、原子炉(核分裂炉)以外に「蒸気タービン発電機」のみならず「水蒸気を水に戻すための膨大な冷却水(放射線漏れを防ぐため冷却水の冷却水(いわゆる二次冷却水)なんてのもある)」が必要であり、原子力発電所が海沿いにしか建設されないのもそのためである)。


安全面についても、核分裂反応と異なり、プラズマ場が維持できなくなった瞬間に核融合反応も停止するため、暴走の危険性がなく、もしモビルスーツが撃破されて(Iフィールドが崩れて)も、重水素が発火することによる「通常爆発」のみが生じるだけで済む。(無論、それでもスペースコロニーに穴を空けるに充分な規模の爆発となるため、市街戦等においてはジェネレーターを爆発させる事は原則ご法度である。)


しかしながら、宇宙世紀0110年頃から開発された第二期モビルスーツ用の反応炉は、更なる小型高出力化と引き換えに、ビーム兵器の直撃時には臨界状態を保ったまま破損し核爆発を引き起こす危険性を孕むようになった


稼働時間編集

上記の通り、『エネルギーを直接電気として取り出す』ので、現実世界の発電施設のように、熱→スチーム(水蒸気)→タービン→電磁コイルという過程で生じるエネルギーロスが無く、しかも莫大な核融合エネルギーを1,000kW~5,000kW程度の出力となるよう微小量の反応で制御するため、一度Dと3Heを充填しておけば、(モビルスーツのジェネレーター程度なら)10年単位で稼働を継続できる。

ただし、当然ながら推進剤と空気(バイタル)が先に枯渇するため、やはりモビルスーツの運用には艦艇が欠かせない。


燃料の有害性編集

無い。

Dも3Heも、反応的に非常に安定な物質なため、それそのものは無害であり、特に希ガスである3Heは酸素共存下であっても着火すらしない。

Dは燃焼性を持っているが、基本的に水素と同じ性質なので、普通に扱う範囲では特に危険性は無い。

あくまでもこの二つを揃え、超高温・超圧力をかけた場合にのみ、核融合反応が生じるため、非常に安全な“燃料”と言える。


余談編集

機動戦士ガンダムSEED』の世界では、この「核融合反応炉」の開発に至らなかったため、モビルスーツの動力として通常はバッテリーを採用している。

なお、レーザーによってヘリウムを爆縮させる事で推進方向の反対面に作用反作用を生むレーザー核融合パルス推進は実用化されており、戦艦の推進器となっている。


ぶっちゃけ編集

ガンダムシリーズが始まった時代は核分裂方式の原子力発電が日本で始まって十数年、チェルノブイリ事故よりも前(スリーマイル島の事故はガンダム放映と同じく1979年)であり、まだまだ原子力は「ちょっと怖くて仕組みもよくわからないけど最先端の物凄い動力」という扱いであった。

核分裂方式の更に先、核融合発電は2020年代の現在になってようやく目途が立ち始めたような、当時としてはまさに未来の夢の発電機関であった。


そのため「核融合炉」と称されてはいるものの、2000年代頃までは核エネルギーつながりで核分裂方式の原子炉、酷い時には核爆弾とすら混同されている事が多く、劇中でも炉の暴走や、戦闘で誘爆すれば核爆発の危険がある怖い動力源として扱われている描写が非常に多い。

一方でチェルノブイリや福島の事故の前のせいか、核分裂炉と混同されていても放射線被曝の危険はさほど触れられることはなかった。

また、具体的な発電の仕組みも考えられていなかったため、後年に「炉で発電しているということは、湯を沸かしてタービンを回しているのか?MSからは常に湯気が出ているのか?」というツッコミが入るようになったため、「ミノフスキー粒子によって直接電力が取り出せている」「さらに放射線もミノフスキー粒子で遮断できている」という設定が加えられた。




現実の核融合炉編集

  • 【世界唯一:磁気閉じ込め方式トカマク型核融合・核分裂ハイブリッド炉『TOKAMAK T-15MD』完成式典動画】(2021年5月18日:クルチャトフ研究所 YouTubeチャンネルより転載)

※詳細はクルチャトフ研究所 公式PDF資料『TOKAMAK T-15MD』(外部リンク)の公式英語PDF資料を参照の事


関連項目編集

宇宙世紀 ミノフスキー粒子 Iフィールド

木星船団公社

モビルスーツ スペースコロニー


核融合 核融合炉

太陽

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