概要
周期表18族に属するヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、オガネソンの7つの元素の総称。
いずれも単原子分子(原子1個からなる分子)で、無色・無臭の気体。また、原子核の最外殻がすべて電子で満たされているため、他の物質よりも反応性に乏しい。その性質を生かして、不活性ガスとして利用されている。
名前の由来
希は「微小で少ない」、ガス(gas)は英語で「空気」の意。「空気中にほとんど存在しない気体」という意味から希ガスと名付けられた。
実際は希ガスの1つ、アルゴンは空気中で3番目に多く存在し、二酸化炭素よりも多く含まれている。
なお、今後は英名「noble gas」に基づいて「貴ガス」と表記すべきだという案が2015年に出ている。ちなみに、「noble gas」と呼ばれる前は、「rare gas」と呼ばれていた。
希ガスの種類と特徴
元素名 | 原子番号 | 分子式※1 | 利用用途 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ヘリウム | 2 | He | リニアモーターカー、気球、風船など | 吸い込むと変な声になる |
ネオン | 10 | Ne | 放電管(いわゆるネオンサイン) | |
アルゴン | 18 | Ar | アルゴン溶接、電球 | 空気中で3番目に多い |
クリプトン | 36 | Kr | 電球 | |
キセノン | 54 | Xe | ストロボ放電管 | |
ラドン | 86 | Rn | 放射性元素で、温泉水に含まれる | |
オガネソン | 118 | Og | 超ウラン元素で、性質はラドンと似ると思われる |
※1 前述のとおり、単原子分子なので、元素記号と一致する。
物理的性質
沸点や融点が非常に低く、ヘリウムに至っては大気圧下では固体にならない。ヘリウムを液化させると容器のうち壁を伝って外へ流れ出る超流動を見ることができる。
ネットスラング
ネットスラングとしては、主に「~だった気がする」と同じ用法で使われる。初出は2004年の化学板だと思われる。
別名・表記揺れ
関連タグ
外部リンク
- 第18族元素(Wikipedia)