原子番号17、原子量35.5の17族原子。ハロゲンである。
アルカリ金属やアルカリ土類金属と結合して、安定な塩を形成する。代表格である塩化ナトリウムは塩の主成分としても知られ、「塩素」の名もここから付けられた。
英語名の「クロライン(chlorine)」はギリシャ語の「緑色」に由来する。塩素の気体や塩素のスペクトルが薄い緑色に見えるからである。
性質
常温・常圧では気体である。
水に非常に溶けやすい。また独特の刺激臭(プールに似たような異臭がする)を持つ。
ハロゲンという物質類の性質上、周期表で一つ上のフッ素ほどではないにせよ、反応性が高い。その反応性を利用していろいろな用途に使われている。
- 漂白剤:染料の分子と反応して分解することで色を落とす。
- 殺菌・消毒:水道の水に含まれているのは周知のとおり。プールの水にも溶かされている。
- フッ素ほどではないが人体にとっては有毒ガスであるため、消防法により危険物の対象になっている。
- 次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤などがあるが、これを含む薬品に酸性の洗剤類と混ぜると化学反応と化学分解で塩素が生じるため大変危険である。(そのため混ぜるな危険と書いているのはこのためである。)
塩素を含む化合物
塩酸(HCl)
次亜塩素酸ナトリウム(NaCIO)
さらし粉(次亜塩素酸カルシウム、Ca(ClO)2)
クロロホルム(CHCl3)
食塩(NaCl)
塩化カルシウム(CaCl2)
その他各種の医薬品に含まれる。