概要
衣類の繊維や食品に含まれる色素や色の付いた成分を化学的に分解し、真っ白に脱色する薬剤のこと。
普通の洗剤では歯が立たない頑固な黄ばみや着色汚れに使われる。
脱色以外にも、製品ごとに消臭・除菌等の効果が宣伝されていることが多い。
酸化作用を利用する酸化漂白剤と、還元作用を利用する還元漂白剤、がある。
但し、還元漂白剤は、錆びや金属汚れには強いが、衣類だと強力な色素分解により、色物の染料を抜いてしまうため、白地の絹やウール素材で仕立てたシャツなど、限られた繊維にしか使われない。
一方酸化漂白剤は、染料を抜くことはないので色物の衣類にも使用できる。種類としては、より強力な漂白力と殺菌作用を備えた塩素系漂白剤がある(こちらは染料を抜くので色物には不適当)。薬品の形態として液体タイプと粉末タイプがあり、液体タイプのほうが洗浄力が穏やかで、デリケートな繊維の物を含め、色落ち・色移りを回避し、様々な衣類に使いやすい。粉末タイプのほうが洗浄力が高く、つけ置き洗浄に適している。また、洗濯槽や浴槽の洗浄、カビにも効果がある。但し、絹などデリケートな素材の衣類には使えない。
最近では過酸化ナトリウムを用いた漂白剤が、一般家庭でよく使われている。