概要
2020年に生まれ、2023年にクラシックを迎える世代。現3歳。
全馬が令和生まれとなり、2020年代生まれ最初の世代になる。
大種牡馬となったディープインパクトの産駒は、この世代がラストクロップ(最終世代)である。
そして、この世代はそのディープインパクトを父にもつサトノダイヤモンドとリアルスティールの初年度産駒世代であり、ディープインパクト亡き後のリーディングサイアー争いの目安となる世代でもあるといえる。他には持ち込み馬として国内外で走りこんだサトノクラウンや、現役時代にドレフォンとしのぎを削っていたマインドユアビスケッツ、短距離路線で活躍したレッドファルクス、欧州のディープ後継であるサクソンウォリアーなどがこの世代から産駒デビューする。
また、地方ではジャングルポケット(お笑いトリオ)の斉藤慎二の持ち馬、オマタセシマシタもこの世代でデビューしている。
また、ジャパンダートダービーが夏施行で行われる最後の世代。
国内
7月30日の新潟1600mで行われた新馬戦にてリバティアイランドが上がり3F31.4秒という我が目を疑うような末脚を繰り出して勝利。この上がり3Fタイムは中央競馬における全距離・全条件・全着順含めての史上最速タイ(もう1頭は2022年韋駄天Sのルッジェーロ)で、勝ち馬としては単独1位。当馬はこの後アルテミスS2着を経て阪神JFを制し、2歳女王に輝いている。
先述のディープインパクト産駒では牝馬ライトクオンタムがシンザン記念を勝利し産駒全世代重賞勝ち馬輩出となった。
話題馬では、
・新種牡馬ジャスティファイ産駒の米国産馬エプルシャージュは新馬戦時点で618kgという説明不要のでかさが話題に。
・南半球から輸入された白毛馬を母に持つ白毛のゴールドシップ産駒アオラキもアイドル的人気を博している。
欧州
国内外合わせて僅か12頭(国内6頭・海外6頭)しかいない2020年産ディープインパクト産駒の中から、オーギュストロダンがGI・フューチュリティTを圧勝。これによりディープインパクトは全世代GI制覇の偉業を達成した。オーギュストロダンの近親にあたるサクソンウォリアー産駒ヴィクトリアロードも米国BCジュベナイルターフを勝利している。
他には上述2頭を手掛けるA.オブライエン厩舎のリトルビッグベアなどが2歳時に存在感を示す。一方、期待されていたブラックベアードは故障により現役引退を余儀なくされ種牡馬入りとなった。
牝馬では、短距離路線のザプラチナムクイーンが2歳時に凱旋門賞ウィークのアベイドロンシャン賞で古牡馬相手に勝利したことが話題に。
北米
18年に無敗で米国三冠を達成したジャスティファイの初年度産駒がこの世代。さっそく重賞馬が出ている。
牝系の近親にコントレイルやエッセンシャルクオリティを持つフォルテがホープフルS、ブリーダーズフューチュリティと連勝を決めたのち、BCジュベナイルも制覇し2歳GI3連勝。米国2歳の頂点に立っている。
当時の流行などとの関連
ちなみに、珍名馬的な観点から見てみると・・・
等アニメ由来の馬名も見られる。
勝利したGⅠ
2-3歳・芝
朝日杯FS | ドルチェモア |
---|---|
阪神JF | リバティアイランド |
ホープフルS | ドゥラエレーデ |
皐月賞 | |
日本ダービー | |
菊花賞 | |
桜花賞 | |
オークス | |
秋華賞 | |
NHKマイルC |
2-3歳・ダート
全日本2歳優駿 | デルマソトガケ |
---|---|
ジャパンダートダービー |
古馬・国内
レース名 | 2023年(3歳) |
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高松宮記念 | |
スプリンターズS | |
安田記念 | |
マイルCS | |
大阪杯 | |
ジャパンカップ | |
天皇賞(春) | |
天皇賞(秋) | |
ヴィクトリアマイル | |
エリザベス女王杯 | |
宝塚記念 | |
有馬記念 | |
フェブラリーS | |
チャンピオンズC | |
川崎記念 | |
かしわ記念 | |
さきたま杯(24~) | |
帝王賞 | |
マイルCS南部杯 | |
JBCクラシック | |
東京大賞典 | |
JBCスプリント | |
JBCレディスクラシック |
海外
主な競走馬
外国産馬は生産国を、地方馬は所属を()内に表記している。
国内馬
GⅠ・Jpn1馬
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍 | 備考 |
---|---|---|---|
ドルチェモア | 牡 | '22朝日杯フューチュリティステークス、'22サウジアラビアロイヤルカップ | '22最優秀2歳牡馬 |
リバティアイランド | 牝 | '22阪神ジュベナイルフィリーズ | '22最優秀2歳牝馬 |
ドゥラエレーデ | 牡 | '22ホープフルステークス | 母の半兄がサトノダイヤモンド |
デルマソトガケ | 牡 | '22全日本2歳優駿/'23UAEダービー | マインドユアビスケッツ産駒初のGⅠ級競走勝ち馬 |
GⅡ・Jpn2馬
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍 | 備考 |
---|---|---|---|
オオバンブルマイ | 牡 | '22京王杯2歳ステークス | |
オールパルフェ | 牡 | '22デイリー杯2歳ステークス | リアルスティール産駒初の重賞馬 |
ガストリック | 牡 | '22東京スポーツ杯2歳ステークス | |
オマツリオトコ | 牡 | '22兵庫ジュニアグランプリ | |
モズメイメイ | 牝 | '23チューリップ賞 | |
タスティエーラ | 牡 | '23弥生賞ディープインパクト記念 | サトノクラウン産駒初の重賞馬 |
シングザットソング | 牝 | '23報知杯フィリーズレビュー | |
ベラジオオペラ | 牡 | '23スプリングステークス | 上村洋行元騎手が調教師として重賞初制覇 |
GⅢ・Jpn3馬
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍 | 備考 |
---|---|---|---|
ブトンドール | 牡 | '22函館2歳ステークス | ビッグアーサー産駒初の重賞馬 |
ロンドンプラン | 牡 | '22小倉2歳ステークス | グレーターロンドン産駒初の重賞馬 |
キタウイング | 牝 | '22新潟2歳ステークス、'23フェアリーステークス | |
ドゥーラ | 牝 | '22札幌2歳ステークス | |
ラヴェル | 牝 | '22アルテミスステークス | キタサンブラック産駒の初重賞牝馬 |
マルカラピッド | 牝 | '22エーデルワイス賞 | 鞍上の小沢大仁騎手は重賞初制覇 |
リバーラ | 牝 | '22ファンタジーステークス | |
ゴライコウ | 牡 | '22JBC2歳優駿 | |
グリューネグリーン | 牡 | '22京都2歳ステークス | 半兄にヴェルデグリーン、ラブリーデイ産駒初の重賞馬 |
ライトクオンタム | 牝 | '23シンザン記念 | ディープインパクトのラストクロップ |
ソールオリエンス | 牡 | '23京成杯 | |
フリームファクシ | 牡 | '23きさらぎ賞 | |
ハーパー | 牝 | '23クイーンカップ | |
ファントムシーフ | 牡 | '23共同通信杯 | |
タマモブラックタイ | 牡 | '23ファルコンステークス | |
エミュー | 牝 | '23フラワーカップ | |
シーズンリッチ | 牡 | '23毎日杯 |
その他
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍 | 備考 |
---|---|---|---|
ウメムスビ | 牡 | 22'カンナS | |
ショウナンバシット | 牡 | 23'若葉S | |
オープンファイア | 牡 | 2歳新馬 | ディープインパクトのラストクロップ |
ダイヤモンドハンズ | 牡 | 2歳新馬 | サトノダイヤモンド産駒初の勝ち馬 |
ダノンタッチダウン | 牡 | 2歳新馬 | 半兄にダノンザキッド |
ブラストウェーブ(抹消) | 牡 | 2歳新馬 | 全兄にブラストワンピース、調教中に急死 |
ビターグラッセ | 牝 | 2歳未勝利 | ウマ娘プリティーダービーの同名キャラクターに由来する馬名 |
アオラキ | 牡 | (未勝利) | 非シラユキヒメ牝系の白毛馬 |
ガールズレジェンド | 牝 | (未勝利) | ウマ娘プリティーダービーの楽曲に由来する馬名 |
リトルココン | 牡 | (未勝利) | ウマ娘プリティーダービーの同名キャラクターに由来する馬名 |
パクパクデスワ | 牝 | (未勝利) | ウマ娘プリティーダービー関連馬名 |
オールアイズオン | 牡 | (未勝利) | キズナ配合で話題となった |
モーメントキャッチ | 牡 | (未勝利) | リアルダビスタ関連馬 |
インタクト | 牡 | (未勝利) | 半兄にコントレイル |
ビービータンバム | 牡 | (未勝利) | |
カノンチャン | 牝 | (未勝利) | |
メイショウゴルシ | 牡 | (未勝利) | 父名の愛称に由来する馬名 |
メイショウヒュウガ | 牡 | (未勝利) | |
ハルオーブ | 牡 | (未勝利) | |
ウマピョイ | 牡 | (未勝利) | ウマ娘プリティーダービーの楽曲に由来する馬名ではなく、馬が飛び跳ねて喜ぶ様子から名付けられたとのこと |
ハッピーミーク | 牝 | (未出走) | ウマ娘プリティーダービーの同名キャラクターに由来する馬名 |
マカゼ(川崎) | 牝 | '22ローレル賞 | |
ヒーローコール(川崎) | 牡 | '22鎌倉記念 雲取賞 | |
メイドイットマム(船橋) | 牝 | '22東京2歳優駿牝馬、'23桜花賞 | 4代前母に1991年エリザベス女王杯馬のリンデンリリーがいる |
ヘルシェイク(川崎) | 牡 | 3歳7イ | ポプテピピックに登場するキャラクターに由来する馬名 |
ショウガタップリ(金沢) | 牝 | '22金沢プリンセスカップ、'22金沢シンデレラカップ、'22金沢ヤングチャンピオン | 生姜が由来ではなく、『賞がたっぷり』という意味 |
海外馬
馬名(生産国) | 性別 | 調教国 | 主な勝鞍 | 備考 |
---|---|---|---|---|
リトルビッグベア(IRE) | 牡 | IRE | フェニックスS | |
オーギュストロダン(IRE) | 牡 | IRE | フューチュリティT | ディープインパクトのラストクロップ |
フォルテ(USA) | 牡 | USA | ホープフルS/ブリーダーズフューチュリティ/BCジュヴェナイル | '22エクリプス賞最優秀2歳牡馬 |
ブラックベアード(IRE)(引退) | 牡 | IRE | モルニー賞/ミドルパークS | '22カルティエ賞最優秀2歳牡馬/種牡馬入り |
ヴィクトリアロード(IRE) | 牡 | IRE | BCジュベナイルターフ | サクソンウォリアー産駒初のG1馬 |
ザプラチナムクイーン(IRE) | 牝 | GB | アベイドロンシャン賞 | 現在は吉田勝己氏所有 |
ペニーウェカ(NZ) | 牝 | NZ | ニュージーランドオークス | サトノアラジン産駒 |