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概説

ガリレオ産駒の繁殖牝馬ベストインザワールドを日本に送りディープインパクトを種付けして現地で生まれた後、アイルランドで調教されている牝馬。

2歳時まで成績は振るわなかったものの、3歳時にそれまでの成績不振を一気に振り払い、史上8頭目となる英愛双方のオークスおよびヨークシャーオークス優勝馬となった。


プロフィール

名前スノーフォール
欧字表記Snowfall
品種サラブレッド
性別
毛色鹿毛
誕生日2018年2月9日
ディープインパクト
ベストインザワールド
母父ガリレオ
産地北海道安平町
生産地ノーザンファーム
馬主Derrick Smith&Mrs John Magnier&Michael Tabor
主な勝利レースヨークシャーオークス2021/アイルランドオークス2021など

生涯/戦績

デビュー前

2018年2月9日。北海道安平町にある日本有数のサラブレッド生産牧場「ノーザンファーム」にて生を受けた。

父は言わずと知れた三冠馬ディープインパクト。母はアイルランドで重賞を1勝したベストインザワールド。母父は競馬発祥の地イギリスで、ダービーステークス2001を制したガリレオ。


スノーフォールの母、ベストインザワールドも同じ馬主であり、引退後は繫殖牝馬として日本のノーザンファームに預託されていた。

そのため、当時日本のリーディングサイアーだったディープインパクトとの交配が実現し、その結果産まれたのが、後にスノーフォールとなる牝馬であった。


その後、本馬はアイルランドに輸入され、バリードイル調教場を本拠地とし、現代の世界競馬を代表する調教師の一人にも数えられるエイダン・オブライエンの厩舎に入り、デビューに向けて調教に入った。

メイドン~2歳時

スノーフォールのデビューは2020年6月10日。アイルランドにあるナヴァン競馬場にて行われた未勝利戦。

シーミー・へファーナンを鞍上にデビューするも、同じ厩舎のレネティック、マザーアースの後塵を拝する3着。

続けてチャレンジした未勝利戦は8着という結果に終わった。


この結果を受け、この2戦で鞍上を務めたシーミー・へファーナンは降ろされ、ウェイン・ローダンに乗り替わった。

そして、乗り替わり初戦となった7月19日。カラ競馬場での未勝利戦で、2着のシスターロゼッタに半馬身差。初勝利を挙げた。

その後は

  • 8月6日のシルバーフラッシュステークス(G3)で重賞に初挑戦するも、出遅れからの4着。
  • 8月22日のデビュタントステークス(G2)。残り2ハロンで先頭に立つが失速し5着。
  • 9月のモイグレアスタッドステークス(G1)。2番手でレースを進めるも、最終直線で脱落し9着。

など、勝ちきれないレースが続いた。

そして、スノーフォールはあのフィリーズマイルに挑戦する。

フィリーズマイル取り違え事件

そして10月9日に行われたG1フィリーズマイル

スノーフォールは同じエイダン・オブライエン厩舎所属の僚馬、マザーアースと共に出走し3位入線した・・・・はずだった

しかし、ここで思わぬ事態が発覚する。

このレースでスノーフォールとマザーアースのゼッケンと騎乗予定騎手が入れ替わっており実際に3位入線したのはマザーアースで、スノーフォールは8位入線だったのだ


審議の結果、この件について英国競馬統括機構(BHA)は、*実際の入線順(3着マザーアース、8着スノーフォール)としてレースを確定させると発表、また両馬共に正式な手続きを済ませており、この馬場での入れ替わり行為が現行の規定では詐欺行為ではない事も判明している為(そもそも該当している競走馬が同じ厩舎の為、《悪い意味での》メリットが皆無である)、失格等を含めてこれ以上の御咎めは無かった


先のフィリーズマイルを最後に、スノーフォールの2歳時のレース生活は終わりを迎え、勝ちきれないまま3歳のクラシックシーズンに突入することとなった。

3歳時

しかし翌2021年になってからそれまでの不振が一気に払われる事になる。

覚醒

年明け初戦のミュージドラステークス(英G3)に日本でも御馴染の騎手であるライアン・ムーアの騎乗で出走し、勝利。重賞初制覇となった。

因みにムーアは母ベストインザワールドの主戦騎手でもあり、親子両方の鞍上を務めている。

2021年 英オークス

そして迎えた、2021年オークスステークス。日本の優駿牝馬など、世界各地の「オークス」の中で、本家本元のオークスとも言える存在である。

ムーア同様に日本でも活躍しているランフランコ・デットーリ騎手を鞍上に向かえ、3番人気。

最終直線で馬群から抜け出し、残り400m程で先頭に立つとそのまま後続を突き放し、2着のミステリーエンジェル16馬身もの差をつけ優勝

これまでの最大着差はサンプリンセスが1983年のエプソムオークスで記録した12馬身差であり、その記録も更新し、素晴らしい記録を残した。

レース後、鞍上のデットーリは取材に対し、こう話した。

「私は多くのクラシックを勝ちましたが、これほど簡単だった事はありませんでした」

「熱いナイフでバターを切る様な感覚になった」

2021年 アイリッシュオークス

スノーフォールは英オークスを勝った勢いのまま、7月17日のアイリッシュオークスに出走。

再び鞍上にムーアを迎え、単勝オッズ1.29倍の圧倒的一番人気に推される。

そして始まったレース。前走と同様に最終直線で進出を開始。後続を完全に突き放し、2着のディヴァインリーにこれまた8馬身1/2差を付けて圧勝

英愛オークス両方を制覇した。

2021年 ヨークシャーオークス

その次は、8月19日にイギリス・ヨーク競馬場で行われるヨークシャーオークスに出走。

初の古馬混合戦となり、相手には重賞4連勝中の4歳馬ワンダフルトゥナイトがいたが、それでも単勝1.5倍の一番人気に推された。

レースでは後方二番手からのスタートとなったが、直線に入ると一気に追い抜き、ムチをほとんど使わないまま4馬身差を付けてまたもや圧勝

英愛オークスとヨークシャーオークスを征したのはエネイブル以来の8頭目である。


今後については、フランスで行われる凱旋門賞に出走することが期待され、事前のオッズでも1番人気に推された。


2021年 ヴェルメイユ賞

2021年9月9日、凱旋門賞と同じくパリロンシャン競馬場で行われる「ヴェルメイユ賞」(G1芝2400メートル)の出走登録が締め切られ、最終的に9頭が出走登録を行った。

スノーフォールも同厩のジョアンオブアークデヴァインリーラジョコンダとともに出走登録。凱旋門賞の前哨戦として、ヴェルメイユ賞を選ぶこととなった。


鞍上を6月に16馬身差の圧勝劇を演じたデットーリ騎手で迎えたヴェルメイユ賞は、現地でも1.2倍の圧倒的1番人気で迎える。レースの方は後方三番手で進み、最後の直線で仕掛けたものの、前のティオナを差し切れず2着に敗れた。凱旋門賞と同じパリロンシャン2400mのレースの敗戦によって、凱旋門賞の制覇に暗雲が立ち込む結果となり、事前オッズでも、凱旋門賞1番人気を譲る結果になってしまった。


この結果から凱旋門賞を回避するのか、それとも予定通りに向かうのか注目を集めたが、陣営は馬体に異常が無ければこのまま凱旋門へ挑むと報じた。

果たしてスノーフォールはこの暗雲を振り切り、凱旋門賞の栄光を掴むことが出来るのか?決戦の日は近い。

凱旋門賞

2021年10月3日、凱旋門賞の行われるパリロンシャン競馬場の馬場は、降り続いた雨によって糊のようにグチャグチャの重馬場となっていた。

スノーフォールは前走の敗退で一番人気は譲ったものの、牝馬で斤量が軽いことから依然として注目株であり、優勝候補に名を連ねていた。

なお、スノーフォール以外に目を向けていくと

  • 第242回英ダービーの勝馬、アダイヤー
  • 凱旋門賞と同じパリロンシャン芝2400mのパリ賞で、後続を6馬身ちぎり捨てたハリケーンレーン
  • 欧州最強との呼び声も高いタルナワ
  • 日本馬の悲願を背負っての出走、クロノジェネシスディープボンド
  • そのスノーフォールと同じ厩舎で、鞍上に日本のレジェンドであり、父ディープインパクトの主戦でもあった武豊を迎えたブルーム

などの優駿たちが出走登録を行っていた。


スタートすると、スノーフォールは馬群の中団から後方に陣取る。これは、かの圧勝劇を演じた英オークスと同じ戦法で、いわばスノーフォールの勝ちパターンとでもいえるものだった。

しかし、先述した糊のような重馬場に足を取られて体力を消費することとなり、最終直線でも末脚が上手く使えなくなってしまう。


優勝は、ブービーである13番人気のドイツの4歳牡馬トルカータータッソであり、2着が2番人気のアイルランドのタルナワ、3着が1番人気のイギリスのハリケーンレーン

本馬はその6着という結果になった。


突然の死

日本時間2021年1月11日。日刊スポーツやnetkeiba.comがスノーフォールの訃報を報じた

1月11日、何らかの原因で馬房内で骨盤を故障。エイダン・オブライエン厩舎スタッフも手を尽くしたが、症状が悪化して足が不自由になり、予後不良として安楽死処分が下されたという。

原因は現在不明だが、アメリカの競走馬生産牧場・ウィンチェスターファーム社主で獣医師の吉田直哉氏(テンポイントなどを生産した吉田牧場の経営者一族)は自身のツイートで、「恐らく馬房内でキャスト(※)を起こしたのではないか」と推察している。

  • ※:馬が壁(屋外の場合は牧柵)の真横に寝た際、誤って壁側に寝転んで立てなくなり、半ばパニックに陥ったように暴れること。「寝違い」とも呼ばれる。吉田氏の牧場でも夜勤スタッフは疝痛とキャストの発見のために見回りを行うが、それでもゼロにはできないという。

今後のレース、さらには繁殖牝馬としての活躍が期待されていた中、あまりにも早すぎる死であった。

訃報は故郷の日本にも届き、多くのファンにその死を悼まれた。


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