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凱旋門賞

がいせんもんしょう

ヨーロッパの最強馬決定戦。毎年10月第1日曜日にパリのロンシャン競馬場で開催される。
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概要編集

毎年10月の第1日曜日にフランスのパリロンシャン競馬場で開催されるレース。フランス語では「Prix de l'Arc de Triomphe」。

競馬の格付け最上位である国際GⅠ競走の中でも最も格が高いとされており、ヨーロッパはもちろん世界の芝レースにおいても最高峰のレースである


開催される週の土日には凱旋門賞以外にも重賞レース、GⅠレースも多数開催され、競馬の祭典として競馬関係者のみならず多くの人たちで賑わう。そんなお祭りのような週末で凱旋門賞はメインのレースとして特別扱いされており、その週末自体が「凱旋門賞ウィークエンド」と呼ばれている。


そうした格の高さからヨーロッパにおいてはもちろんのこと、世界的に見てもホースマンの大きな憧れのレースであり、ヨーロッパ中心ではあるが世界トップクラスの競走馬たちが集結する。


フランスでは、19世紀半ばに3歳馬のための国際的なクラシック競走としてパリ大賞が創設され、国外からも一流馬を集めて成功していた。これにならって古馬のための大競走が企画され、第一次世界大戦終戦直後の1920年に創設された。これが凱旋門賞である。当初はなかなか国外の一流馬は参加しなかったが、1949年に賞金を大幅に増額するとヨーロッパを中心に各国の一流馬がこぞって出走するようになり、フランスを代表するレースとして定着した。


凱旋門賞の成功にあやかって、世界各地に国際的な大競走が創設された。これらの多くは極めて高い賞金を出して凱旋門賞の上位馬を呼び寄せることで権威を高めようとした。1990年代には、いくつかの競走は凱旋門賞を超える賞金を出すようになった。一方、凱旋門賞は世界最高賞金の座を奪還するためにスポンサーと契約し更なる賞金の積み増しを行なっている。


コースは芝の2400m、中長距離に分類される長めの距離。この距離は競馬における王道の距離とされる、"強い競走馬"を決める代表的な距離である。


競走条件編集

出走資格:サラブレッド3歳以上牡馬・牝馬(出走可能頭数:最大24頭)

負担重量:定量(3歳56.5kg、古馬59.5kg、牝馬1.5kg減)


繁殖馬の選定競走と位置付けられているため、セン馬には出走資格がない。

また3歳馬と古馬で3kgの斤量差があるため3歳馬が有利であり、過去の優勝馬も半分以上は3歳馬である。


ロンシャン2400mコースについて編集

JRA競馬場・コース紹介、パリロンシャン競馬場

(※資料によってコースの情報が微妙に異なる)

・スタートから直線およそ950m~1000mほど

・コーナーを550m~600mほど曲がり

・直線およそ250m~300mほどあり

・(少し曲がり)

・最終直線533mを走ってゴール

日本に比べ2400mのコースとしては非常に直線の長いコースとなっている。(日本の競馬場は楕円形のコースで2400mは基本1周と少し走り、カーブを2つ通るコース設定のため比較して直線の区間が短い)

・さらに400m地点からおよそ500~600mもの上り坂で高低差10mを駆け上り

・上った後はコーナーを曲がりながら下り坂で500~600mほどかけて10m下る

という非常に大きなアップダウンがある。上り坂の辛さは当然のこと、下り坂もペースを乱すと余計な消耗をしてしまう。


特にコーナー直後~最終直線までの間にある直線はパリロンシャン競馬場名物・「フォルスストレート(偽りの直線:fausse ligne droite)」と呼ばれる難所で、さらにそこから最終直線へ入ってもまだ533mもあり、仕掛けるのが早すぎると脚が持たないためうまく抑えながら、仕掛け時を図る必要がある。


2400mという長い距離と長い上り坂も難なく登れる力強さと持久力、下り坂やフォルスストレートでペースを乱さない冷静さや我慢強さ、さらに長い直線での熾烈なポジション争いに、そして後半直線での仕掛けと抜け出すスピード、馬にも人にも非常に高い総合力を要求されるコースだと言える。


なおポジション争いのためにも基本的な平均スピード能力も重要ではあるが、どちらかと言えば最後の直線でのスパートの強さが特に重要なのか、"(平均的なスピードの高さで戦う)逃げ馬"が勝った例は極めて少ない。

また改修されて"最終直線の途中でコース内側を広げる"「オープンストレッチ」と呼ばれる形状になっており、内側の馬が更に内側へ入れるようになった。それにより後ろの馬は内も外も中央からもやや抜け出しやすくなっている。


日本のコースとの主な大きな違い編集

同じ芝2400mのGIでも日本開催のジャパンカップではタイムが2分20秒台前半で決着することも多いが、凱旋門賞のタイムは2分30秒台で早くても2分20秒代後半である。この遅さはコースの性質が大きく異なることに起因する。

その違いの大きさは別の競技と表現されることすらある。


まず日本の競馬場は「馬がよりよく走れるよう地下深くから地上の芝まで整備をしている」

一方で欧州の競馬場、主な平地の(障害物の無い)レースは「より自然に近い環境で走らせる」

かいつまんで説明すると

日本の競馬場は地面(馬場)を「馬が楽に走れる」ように非常に大きく非常に細かく整備を行う尽力の結果"速く走りやすい"環境となっていて「高速馬場」とも評されるほど。

欧州の競馬場は自然環境に人の手を入れるくらいで保全と安全のため整備はしているものの"速く走りにくい"環境で、ただ速く走るだけでないタフさを要求される。

特に芝の性質から大きく異なり、日本の芝の地面はやや硬く掘りにくく、欧州の芝の地面はやや軟らかく掘りやすいといった性質も、その走りやすさ・走りにくさの傾向を強めている。そうした関係から馬の効率的な走り方、"フォームが異なる"とも言われる。

しかも凱旋門賞の時期のフランスは雨が降りやすく、軟らかい足元はさらに緩くなりやすい。


また日本の競馬場の高低差は最大でも中山競馬場の5.3mまで、上り坂も勾配2.24%が100m続く上り坂が急勾配として扱われているが、

ロンシャン2400mに至っては上り最大勾配2.4%・急勾配300~400m・合計500~600mほど登り続けるという日本の環境とは比較にならないほど過酷なコースとなっている。

先ほど例に出したジャパンカップの東京競馬場では高低差最大2.7m。東京芝2400では2~3度アップダウンするため楽ではないが、ロンシャン2400ほどの過酷さはない。

ロンシャン2400ではそうした上り坂で無理に消耗しないようペースに注意する場合もあり、早いタイムが出にくくなっているわけである。特に下り坂を含めて中盤ペースを上げることが難しく、欧州競馬が得意とするスパート勝負の展開になりやすい。


そして欧州で強い馬はただタフなだけではなく当然のように速さを兼ね備えている。特に"走りにくい環境でなお速く走ることができる"という強さを持っており、凱旋門賞にはそうした馬が毎年のように勢ぞろいする。ようは純粋に強く、レベルが高い。

たとえ日本でトップクラスの力を持っている馬であっても好走すら難しいほど、熾烈な環境なのである。


ちなみに重馬場、雨で足元が緩くなる状況で大変なのは日本馬に限った話ではなく、現地の欧州馬も全部が全部重馬場得意なわけでもない。なんならむしろ2023年までの日本馬の最高戦績である2着になった4レースいずれも足元の悪い重馬場・不良馬場(※ただし晴)であり、多くの欧州の馬よりも日本馬の方が欧州の不良馬場で早く走れている例があるほど。もちろん重馬場なら日本馬というわけでもなく、だいたいの馬にとって難しい馬場であり純粋に重馬場を苦手としない馬が好走する。


なお日本馬にとっての難しさはただコースが過酷であるとか、馬場の性質が違うといっただけではない。

日本から遠い欧州へ遠征することになるため輸送だけでも馬にとって非常に大きな負担となり、また経済的にも競走馬を遠征滞在させるために膨大な資金が必要になり、施設的にも勝手が大きく異なり、騎手の用意といった問題まである。日本馬にとっては万全の状態で出走させることから大変な苦労を強いられている。

その上で"欧州最強格の競走馬たち相手に勝つ"ことが求められるのである。


日本勢の挑戦編集

「日本の競馬で世界に追いつくこと」

日本の馬で世界に勝つこと、それが日本競馬の夢や目標の一つであり、その中で最も大きな目標の一つが世界最高峰のレースの「凱旋門賞」である。


1969年のスピードシンボリから始まった日本馬の挑戦は50年が経過し、挑戦した馬も30頭を超えたが、2022年時点でも未だ優勝は達成されていない。

日本からの挑戦はエルコンドルパサーナカヤマフェスタオルフェーヴルの2着が最高順位である。


日本とは大きく環境が異なって好走すら難しいのに執着し大変な挑戦を試みることについて「呪い」と揶揄されることや、長距離遠征にかかるコストや様々なリスクが非常に大きく、時期の近い日本のGⅠレースへの出走もしにくくなるなどの関係から、凱旋門賞に挑戦する意義を疑問視されることもある。

ただ多くの馬主は経済的な利益ばかりを考えて競馬をしているわけではない。経済的な効率で考えるのならば競馬自体があまりにも不安定で不確実なものであり、そうした利益ありきの考え方では競馬そのものが非常に不合理と言わざるを得ない。

それこそ多くが半ば"夢のため"あるいは"栄誉のため"に馬を走らせていると言ってもいいくらいであり、大きな夢の一つである凱旋門賞を目指すこともごく自然なことである


なお、2023年時点でヨーロッパ調教馬以外の勝ち馬自体がいない。

(例えば欧州以外ではアメリカなどでも競馬は盛んであるが、アメリカでは主流の傾向や馬場の性質が欧州とはさらに大きく異なるなどの事情もありアメリカ調教馬の凱旋門賞への挑戦自体が稀であるなど、そもそもヨーロッパ以外からの挑戦自体が少ない。言い換えれば、はるばる遠方の地から挑戦し最高2着にも届いている日本が異例、あるいは驚異的だとも言えてしまう。)


日本調教馬の戦績編集

施行日参戦馬名 性齢騎手名管理調教師着順
第48回1969年10月5日スピードシンボリ牡6野平祐二野平省三着外(11着以下)
第51回1972年10月8日メジロムサシ牡5野平祐二大久保末吉18着
第65回1986年10月5日シリウスシンボリ牡4M.フィリッペロン二本柳俊夫14着
第78回1999年10月3日エルコンドルパサー牡4蛯名正義二ノ宮敬宇2着
第81回2002年10月6日マンハッタンカフェ牡4蛯名正義小島太13着
第83回2004年10月3日タップダンスシチー牡7佐藤哲三佐々木晶三17着
第85回2006年10月1日ディープインパクト牡4武豊池江泰郎失格(3位入線)
第87回2008年10月5日メイショウサムソン牡5武豊高橋成忠10着
第89回2010年10月3日ナカヤマフェスタ牡4蛯名正義二ノ宮敬宇2着
ヴィクトワールピサ牡3武豊角居勝彦7着(8位入線)
第90回2011年10月2日ヒルノダムール牡4藤田伸二昆貢10着
ナカヤマフェスタ牡5蛯名正義二ノ宮敬宇11着
第91回2012年10月7日オルフェーヴル牡4C.スミヨン池江泰寿2着
アヴェンティーノ牡8A.クラストゥス池江泰寿17着
第92回2013年10月6日オルフェーヴル牡5C.スミヨン池江泰寿2着
キズナ牡3武豊佐々木晶三4着
第93回2014年10月5日ハープスター牝3川田将雅松田博資6着
ジャスタウェイ牡5福永祐一須貝尚介8着
ゴールドシップ牡5横山典弘須貝尚介14着
第95回2016年10月2日マカヒキ牡3C.ルメール友道康夫14着
第96回2017年10月1日サトノダイヤモンド牡4C.ルメール池江泰寿15着
サトノノブレス牡7川田将雅池江泰寿16着
第97回2018年10月7日クリンチャー牡4武豊宮本博17着
第98回2019年10月6日キセキ牡5C.スミヨン角居勝彦7着
ブラストワンピース牡4川田将雅大竹正博11着
フィエールマン牡4C.ルメール手塚貴久12着
第99回2020年10月4日ディアドラ牝6J.スペンサー橋田満8着
第100回2021年10月3日クロノジェネシス牝5O.マーフィー斉藤崇史7着
ディープボンド牡4M.バルザローナ大久保龍志14着
第101回2022年10月2日タイトルホルダー牡4横山和生栗田徹11着
ステイフーリッシュ牡7C.ルメール矢作芳人14着
ディープボンド牡5川田将雅大久保龍志18着
ドウデュース牡3武豊友道康夫19着
第102回2023年10月1日スルーセブンシーズ牝54着

関連画像編集

競馬を知らないアナタでもわかる?凱旋門賞講座2013 凱旋門賞講座2014

競馬を知らないアナタでもわかる?凱旋門賞講座競馬を知らないアナタでもわかる?凱旋門賞講座2014


2014年出走馬

第93回凱旋門賞

2013年 優勝:トレヴ 2着:オルフェーヴル 4着:キズナ

いよいよ凱旋門賞

2012年 オルフェーヴル 2着

凱旋門賞2012


関連項目編集

凱旋門 フランス 国際競走 GⅠ

凱旋門賞ウィークエンド


ダービーステークス(イギリスダービー)-キングジョージ-凱旋門賞 俗にヨーロッパ三冠レースと呼ばれる

ドバイワールドカップ 世界最高賞金額のレース

ブリーダーズカップ アメリカの最高峰のレース。

天皇賞 ジャパンカップ

宝塚記念:一部の競馬ゲームでは宝塚記念優勝が凱旋門賞の出走条件になっている。実際の競馬でも宝塚記念を勝った馬が凱旋門賞へ向かう事は多い。なお、宝塚記念自体には1着馬にブリーダーズカップ・ターフ及びコックスプレートの優先出走権が付与されるが、双方のレースに出走した馬は非常に稀である(BCターフはゼロ、コックスプレートはリスグラシューのみ)。

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