概要
ラグビーワールドカップの開催に沸く中での実施となった2023年・凱旋門賞。
前年除外馬が出たことからフルゲートが24枠に増やされたものの、前2年は悪天候による道悪で馬の力がそがれたこともあり、各陣営が慎重にならざるを得ず、前年より登録は減少することとなった。
それでも、昨年話題をさらったバーイードの全兄でキングジョージを快勝して臨むフクムや、いまだ無敗フランスの怪物候補エースインパクト、独ダービー馬でニエル賞を勝って臨むファンタスティックムーン、英セントレジャーを勝利した日本生まれのコンティニュアスなどがエントリーすることとなった。
日本からは宝塚記念2着の牝馬スルーセブンシーズがエントリーし、英愛仏独日の5か国から15頭建てとなった。
出馬表
馬番 | ゲート | 馬・生産国 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | シスファハン(FR) | 牡5 | L.ディロジール(GER) | H.グレーヴェ(GER) |
2 | 4 | アヤザーク(FR) | 牡4 | G.モッセ(FR) | A.フアシェ(FR) |
3 | 9 | オネスト(IRE) | 牡4 | M.ギュイヨン(FR) | F.シャペ(FR) |
4 | 15 | シムカミル(IRE) | 牡4 | A.プーシャン(FR) | S.ワッテル(FR) |
5 | 6 | ベイブリッジ(GB) | 牡5 | R.キングスコート(GB) | M.スタウト(GB) |
6 | 1 | ウエストオーバー(GB) | 牡4 | R.ホーンビー(GB) | R.ベケット(GB) |
7 | 14 | フクム(GB) | 牡6 | J.クローリー(GB) | O.バローズ(GB) |
8 | 11 | プラスドゥキャルゼル(IRE) | 牝4 | M.バルザローナ(FR) | A.ファーブル(FR) |
9 | 5 | スルーセブンシーズ(JPN) | 牝5 | C.ルメール(JPN・栗東) | 尾関知人(JPN・美浦) |
10 | 3 | フリーウインド(IRE) | 牝5 | L.デットーリ(GB) | JT.ゴスデン(GB) |
11 | 10 | ミスターハリウッド(IRE) | 牡3 | B.ムルザバエフ(FR) | H.グレーヴェ(GER) |
12 | 2 | フィードザフレーム(GB) | 牡3 | C.スミヨン(FR) | P.バリー(FR) |
13 | 8 | エースインパクト(IRE) | 牡3 | C.デムーロ(FR) | JC.ルジェ(FR) |
14 | 12 | ファンタスティックムーン(GER) | 牡3 | R.ピーヒュレク(GER) | S.シュタインベルク(GER) |
15 | 7 | コンティニュアス(JPN) | 牡3 | R.ムーア(IRE) | A.オブライエン(IRE) |
前評価
人気 | 現地 | JRA発売 | オッズ(JRA) |
---|---|---|---|
1 | エースインパクト | エースインパクト | 2.8 |
2 | シムカミル | ウエストオーバー | 6.4 |
3 | ファンタスティックムーン | フィードザフレーム | 7.7 |
4 | フィードザフレーム | フクム | 8.3 |
5 | ウエストオーバー | スルーセブンシーズ | 8.3 |
現地・JRAともに無敗のエースインパクトが人気を集めたが、日本はウエストオーバーの評価が高め、現地はシムカミルの評価が高めだった。
前3年と違い、馬場が回復傾向だったことから道悪苦手のファンタスティックムーンは当日になって人気を上げており、逆に枠順確定前に人気だった道悪巧者のフクムは6番人気まで評価を落としている。
また1人気エースインパクトもこの距離が未経験という不安要素があったため、オッズは突出せず日本・現地とも2倍台だった。
レース展開
前年とは一転、天気に恵まれてスタート付近は稍重~ホームストレッチは良まで回復した。
1人気エースインパクトは後方からで、レースはベイブリッジが逃げ、ややスロー目の一団で進む。
フォルスストレート過ぎで外から進出したエースインパクトが差し切り、無敗でG1・2勝目を挙げた。
2着争いはウエストオーバーがわずかに制し、直前で現地人気が上がったオネストが3着。同じく直前で現地人気が上がったスルーセブンシーズが牝馬最先着の4着で、5着が中1週ローテのコンティニュアスだった。他の人気馬はフクム9着、ファンタスティックムーン11着、フィードザフレーム8着と大敗した。
結果
着順 | 馬 | 着差 |
---|---|---|
1 | エースインパクト | 2:25:50 |
2 | ウエストオーバー | 1¾ |
3 | オネスト | 短アタマ |
4 | スルーセブンシーズ | 1¼ |
5 | コンティニュアス | クビ |
- 3歳馬の優勝は15年ゴールデンホーン以来8年ぶり、無敗馬の優勝は13年トレヴ以来10年ぶりとなった。
- C.デムーロ騎手、JC.ルジェ調教師は共に20年ソットサス以来3年ぶり2勝目。