概要
1999年の凱旋門賞。春からフランスに遠征しイスパーン賞→サンクルー大賞→フォワ賞と転戦していたエルコンドルパサーが参戦。名実ともに覇者がひしめく凱旋門賞、時代の強豪がそろう中サンクルー大賞勝ち馬フォワ賞組のエルコンドルパサーや、愛仏ダービー馬でニエル賞組のモンジューらが人気に押されていた。
しかし、凱旋門賞にはありがちな展開なのだが前日の雨にぬかるんで馬場は最悪に等しい不良馬場、ワカメとも例えられる芝と無為自然を目指したボコボコのコースは途方もないパワーとスタミナを要求される。欧州勢では二強とも注目視された片割れデイラミが良馬場適性と見なされたため必然的に前哨戦での連勝をとげた異色、極東からの挑戦者エルコンドルパサーに注目が集まった。当時モンジュー(とジンギスカン)が単勝オッズ2.5倍の1番人気、エルコンドルパサーが単勝オッズ4.6倍の2番人気、デイラミが単勝オッズ5倍の3番人気。
スタートと同時にジンギスカンを押しのけてエルコンドルパサーが先行…否、逃げに出た。同一オーナーのモンジューを勝たせるためにペースメーカーとして走る予定だったこの河汗(カーン)は飛んで行くコンドルに追走する羽目となり、モンジュー及び各陣営の作戦は予想外の番狂わせに出くわした。
中段の熾烈なポジション争いには目もくれず、一貫して先陣を切るエルコンドルパサーだが、最終直線手前のロンシャン名物偽りの直線(フォルスストレート)が迫ってくると徐々に存在感を増していくモンジュー。良馬場の鬼デイラミは馬郡に沈みハンブルグの女帝ボルジアも上がってこれぬ中、じりじりと欧州覇者モンジューが先陣に迫り、遂には残り50m付近で差し返した。
結果として、引退を掛けたエルコンドルパサーの世界挑戦はあと一歩のところで届かず苦い思い出となった。しかし当時、現地の競馬ファンの間では「3.5キロのハンデを背負っても終盤まで先頭を維持し、モンジュー相手にあれだけの走りを見せたエルコンドルパサーは凄い馬だ」と話題の種になったという。
出馬表
馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 |
---|---|---|---|
1 | デイラミ | 牡5 | ランフランコ・デットーリ |
2 | クロコルージュ | 牡4 | ティエリ・ジャルネ |
3 | アルバラン | 牡6 | ヤノス・タンダリ |
4 | タイガーヒル | 牡4 | テレンス・ヘリヤー |
5 | エルコンドルパサー | 牡4 | 蛯名正義 |
6 | グリークダンス | 牡4 | キーレン・ファロン |
7 | レゲーラ | 牝5 | リチャード・クイン |
8 | ボルジア | 牝5 | オリビエ・ペリエ |
9 | ファンタスティックライト | 牡3 | ジョン・リード |
10 | ジンギスカン | 牡3 | ジョニー・ムルタ |
11 | モンジュー | 牡3 | マイケル・キネーン |
12 | ダルヤバ | 牝3 | ジェラルド・モッセ |
13 | フラミンゴロード | 牝3 | アンドレアシュ・シュタルケ |
14 | セルリアンスカイ | 牝3 | シルヴァン・ギヨ |
展開・結果
関連動画
NHK版
現地放送版
ウマ娘
アニメ版比較動画
実況:藤田直樹(ラジオたんぱ)
メインストーリー最終章
実況書き起こし
実況:藤田直樹(ラジオたんぱ)
エルコンドルパサーいいスタートを切りました
果敢に飛ばして行きました リードを一馬身へ取りました内ラチ沿い
ジンギスカンが上がって来ました
ジンギスカン並びかけてきましてペースを上げてきました
リードは一馬身ぐらい 三番手固まってタイガーヒル
僅かに三番手の位置を追走ですが 四番手の圏内大混戦
内に入ってきたのがモンジュー モンジュー中段の位置
向こう正面の中間地点へと参ります
これからゆっくりとした上り坂に向かいます
ゆっくりとした上り坂
単独、エルコンドルパサー
蛯名正義は先行策に出た
リードを三馬身、四馬身と広げていきました
エルコンドルパサーが飛ばしていきます
リードを三馬身、異例の戦法に出ました
”今日は好位の競馬をしよう”という話もありましたけれども先行策
小さい森を 向こう側をかけていきまして
しばらく馬郡が途絶えますが 映像ではエルコンドルパサー軽快に溜めていきます
各馬を引き連れてリードを三馬身取りました
二番手の位置にはジンギスカン 三番手争いは、中をついてタイガーヒル、差を詰めて
その内を回ってはグリークダンスが追走居ています
そして五番手の位置を固まって 外をついてはレゲーラが上がってまいりました
その内はダリアバ、中段のインコースを追走
その後に、その後にモンジューが控えています
モンジューは中団内内をついて
三コーナー頂上から、これから 三四コーナー中間地点へ向かう所
頂上は三コーナーのカーブを通過していきました
一番奥深い所 先頭はエルコンドルパサーです
リードを三馬身取りました
二番手集団が固まって来た 二番手集団固まった
ボルジア ボルジアは最後方からの競馬になりました
先頭はエルコンドルパサー 溜めている
リードは二馬身ぐらい 堂々と十三頭引き連れて
三コーナー中間地点を通過して 第四コーナー手前に入ってまいりました
これからしばらくは直線があります
直線がありますが
リードが二馬身と詰まってきましたけれども まだ溜めています
さあ二番手早めに動いて来た タイガーヒルが動いて行った
タイガーヒルが単独二番手 先頭までは一馬身詰めて来た
これから第四コーナーカーブへ向かいますが
まだ200メートルぐらいの直線があります
さあ、殆ど各馬一団の状態 エルコンドルパサーは控えている
控えている 溜めている 溜めている まだ手ごたえ十分だ
さあ二番手の位置 今度は外をついて 並んでくる
今度は二番手争い固まって来た
外をついてタイガーヒル 単独二番手
モンジューはどうか モンジューはどうか
現在四五番手のインコースを狙っている
第四コーナーのカーブから直線コースを向いた
あと500、あと500
先頭は、エルコンドルパサー 頑張れ!
リードが二馬身保っている エルコンドルパサー先頭だ
リードが二馬身保っている さあ二番手、二番手横に広がってきた
懸命にグリークダンスが突っ込んできた グリークダンスが突っ込んできた
エルコンドルパサー先頭突き放す
リードを二馬身から三馬身取った
エルコンドルパサー強い!
リードを三馬身取って200メートルぐらい
通過していく
凱旋門賞目の前だ!
凱旋門賞目の前!!
しかしモンジューが来た!
モンジューが来た!!
モンジューが来た!!!
モンジューが来た!!!!
三馬身!
エルコンドルパサー頑張るが、
外からモンジュー!
モンジューが先頭! モンジューが先頭!
二番手には エルコンドルパサー
モンジュー!!
モンジュー一着で今ゴールイン!!
エルコンドルパサー 頑張った!