ディープボンド
でぃーぷぼんど
キズナ産駒第1世代。2400m以上の長距離を得意としている。
現時点で重賞勝利はすべてGⅡだが、4歳時に春の天皇賞で2着に入った後、凱旋門賞参戦のためフランスに遠征、そこで参戦したフォワ賞で勝利した。
愛称はディープボンドの真ん中2文字から「プボ」や「プボ君」。
また他にも主戦を務める和田竜二騎手を含めボンドと呼ばれる事も多い。
そして艷やかな青鹿毛の馬体、その質感から「こしあん」やら「魅惑のこしあんボディ」と称されることも。
普段
生産した村田牧場によれば後述するように「幼い頃は牝系譲りのピリッとした面があったが、競りに出される前後から大人な性格になった」と言われており、
どちらかというとおっとりした性格で、いわゆる気性難ではない。
競馬ファンなどからは、よくズブいとも形容され、輓馬などに比べて神経質な馬が多いとされるサラブレッドながら、レース以外では温厚でゆったりしている姿がよく見られる。
普段のおっとりさも相まって、一部のネットでは鳴き声も「プボ~」ということにされたりしている。ただし、2022年天皇賞(春)へ向けて調整中の動画では、馬とは思えないような低い声で「モーイ!」と鳴いている。
生産した村田牧場や陣営が「どっしりしている」、どんなところであろうと元気なのも特徴の一つ。
競走馬の海外遠征は馬にストレスがかかることも多く、輸送のストレスでガリガリに痩せてしまう馬もいる。
しかし、ディープボンドはフランスに遠征した際も輸送のストレスなどみじんも見せず、現地の環境にも瞬く間に順応した。
日本とは水質の違うフランスの水も躊躇なく飲み、まるで栗東トレセンの馬房かのようにフランスの馬房でもくつろぎ、挙句の果てには調教帰りに文字通り道草を食う姿を披露。
日本のファンの一部からは「自分がフランスにいるのに気づいてないんじゃないか?」、「まだ日本にいると思ってそう」などの疑惑を向けられた。
ただし、凱旋門賞へ2度目の遠征に向かった際、管理する大久保龍志師が「厩舎もコースも把握していて、自分で勝手に歩いていくような感じ。ストレスをあまり感じていないと思います」と話しており、むしろ分かっているが故に対応しているものと思われる。
調教・レース時
普段は大人しくディープボンドも調教やレースになると全力で走るのが特徴であり、調教でも主戦の和田騎手が「いつも唸るような手応えで走っている」と評するほど。
レース前パドックではイメージ以上にチャカ付く姿が多く見られ、和田騎手が追わずともスッと好位が取れるほどのスタートと二の足の速さが武器のひとつ。好位を確保しつつ勝負所でロングスパートを掛け抜け出し、押し切るのが基本的な戦法である。
一方で超ロングストライドに起因して「キレがない」という弱点も抱えており、スパートをかける際も武豊曰く「(鞍上の和田騎手が)親の仇ぐらい追って」ようやくスピードが上がり始めるほど。
その為決め手のある差し馬にはキレ負けすることが多く、惜敗が多い理由のひとつでもある。
ただし勝負所で相手と並んだ際には勝負根性を見せて差し返そうとする所も多々見受けられる。ズブいと評されるところはあるが、レースでは普段のおっとりさとは真逆の前向きさが見え隠れする性格の持ち主であったりする。
出生前
北海道新冠町、村田牧場という競走馬の生産牧場に、ゼフィランサスという繫殖牝馬がいた。
ゼフィランサスの母は残した産駒のほとんどが勝利を挙げている名繁殖牝馬モガミヒメ。父は高松宮記念馬キングヘイロー。
モガミヒメの産駒の多くはスプリンターであり、キングヘイローも短距離GIを勝利している。
そこで牧場側は
- 優秀なスピードを持つモガミヒメの牝系にスタミナを補充できる種牡馬
- 小柄なゼフィランサスに対してそれを補う馬格に恵まれた種牡馬
という方針で交配相手を決定。かくして2013年の日本ダービー馬、キズナが選ばれ種付けされた。
キズナはオーナーブリーダー法人「ノースヒルズ」の生産馬で、引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬となっていた。
デビュー前
かくして、後にディープボンドとなる牡馬「ゼフィランサスの2017」は、北海道新冠町、村田牧場にて生を受けた。
幼少期は「ピリッとした面」があり、放牧地では負けん気が強かったものの、馴致育成を通して次第に大人になり、父のキズナに似た馬格と母のゼフィランサスに似た肉付きを得た。
メイクデビュー~2歳
デビュー戦となったのは、2019年10月13日。京都競馬場第5レース、2歳新馬戦。以後鞍上を務めることになる和田竜二を背に、単勝オッズ9.6倍の4番人気も3着。
その後、11月3日の未勝利戦で初勝利を挙げた。
初勝利後は
- 2020年1月5日福寿草特別、4番人気に推されるも6着
- 4月4日アザレア賞、同じく4番人気で2着
など、勝ちきれないレースが続いた。
3歳時
皐月賞から京都新聞杯へ
クラシックシーズンを迎えたディープボンド。未勝利戦の1勝しかできていないものの、格上挑戦となる皐月賞(GI 中山芝2000m)に登録された。
迎えたレース。主戦の和田竜二が高松宮記念でクリノガウディーに騎乗した際、斜行で騎乗停止処分を受けており、代わりに横山典弘を鞍上に挑むこととなった。
単勝オッズ360.9倍、18頭中最下位人気であったが、しんがりだけは免れて10着。
次走に選ばれたのは、日本ダービー最後の前哨戦である5月9日京都新聞杯(GII 中京芝2200m)。
単勝オッズ10.7の4番人気。鞍上は騎乗停止処分が明けた和田竜二。
レースでは、1番人気アドマイヤビルゴをマーク。中団につけ、最後の直線200mでかわす。ともにアドマイヤビルゴをかわしたマンオブスピリットとのたたき合いを制し、クビ差で勝利。
重賞初勝利と京都新聞杯父子制覇を成し遂げた。
ダービーから菊花賞へ
2020年5月31日、東京優駿(G1 東京芝2400m)。ディープボンドはノースヒルズ清畠の同期でもあるコントレイル、コルテジアとともに出走した。
いざスタートすると、4番手につけ様子をうかがいながらレースを進める。しかし、先行する他馬を交わし切れず、5着。このレースの勝者はコントレイルであった。
その後、菊花賞トライアル・神戸新聞杯(中京 芝2200m)に再びコントレイルとともに出走。コントレイルが単勝オッズ1.1倍と圧倒的人気で、本馬は23.5倍の4番人気。
レースでもコントレイルから0.5秒離された4着と敗れた。
レース後、鞍上の和田竜二は「3コーナーで手ごたえが怪しくなった」、「距離が延びた方がいい」とコメント。
そのまま距離延長となる菊花賞へ向かうことになった。
菊花賞でも直線一度先頭に立ったがコントレイルとアリストテレスに突き放され、ゴール直前でサトノフラッグに交わされ4着という結果に終わる。
こうして、ディープボンドのクラシックシーズンは今一つ勝利に手が届かないレースが多い結果となった。
4歳時
2021年を迎えたディープボンドは、手始めに日刊スポ賞中山金杯(G3 中山芝2000m)に挑む。いつものように和田竜二を鞍上に迎え、単勝オッズ4.3倍の2番人気に推されるが、結果はまさかの14着という結果に終わった。
阪神大賞典から天皇賞
年明け初戦がまさかの結果に終わったディープボンド。陣営は次走を阪神大賞典に定めた。
3月21日、ディープボンドは5枠6番、単勝オッズ10.3倍の3番人気。
好スタートを切ると、そのまま好位を追走し、最終直線で抜け出す。そしてそのまま押し切ってゴール。
2着のユーキャンスマイルとは、5馬身もの差がついていた。
そして、次はいよいよ天皇賞(春)。単勝オッズ3.6倍の1番人気に推され、いよいよG1制覇に向けて期待が高まっていた。
いざ始まったレース。阪神大賞典のように好位につけ、最終直線で抜け出しを図る。カレンブーケドールは交わすも、ワールドプレミアに一歩及ばず2着。
G1初制覇は叶わなかった。
フランス遠征
2021年秋、ディープボンド陣営はフランスに遠征し、凱旋門賞(仏G1 パリロンシャン芝2400m)とフォワ賞(仏G2 パリロンシャン芝2400m)に挑戦することを決定。
8月19日に日本を出国し、韓国、仁川国際空港経由で20日にドイツ、フランクフルト空港に到着。
そこからは、陸路で滞在先となるフランス、シャンティイ競馬場の清水裕夫厩舎に向かった。
フォワ賞
2021年9月21日、パリロンシャン競馬場。ディープボンドの鞍上は前年の凱旋門賞をソットサスで制したクリスチャン・デムーロ(日本でもおなじみ、ミルコ・デムーロの弟)に乗り替わり、6頭中5番人気と低人気だった。
いざゲートは開かれた。ディープボンドは好スタートと同時に逃げを打つ。そして、リードをキープしたまま最終直線に入った。
ブルーム、スカレティのG1馬2頭など、他馬が猛追をかけるも、残り2ハロンで鞍上のムチが入るや否やさらに伸び、2着のブルームに1馬身半差をつけて快勝。
凱旋門賞2021
前走のフォワ賞で思わぬ結果を出したディープボンド。次走はいよいよ凱旋門賞となった。
しかし、直前でフォワ賞を勝利したクリスチャン・デムーロが契約の都合により急遽ラービアーに騎乗することになったため、代わりにフランス競馬界の若きホープ、ミカエル・バルザローナへ乗り替わりとなる。
レースではフォワ賞時より悪化した超重馬場とスタート直後から他馬が前をふさぐように出てきてしまい、前走と同じ積極策に出ることができなくなってしまう。
バルザローナも「馬が疲れてしまった」と言うように故障しないようにセーブした騎乗を行い、結果として、トルカータータッソから43馬身半、前のベイビーライダーとは30馬身差の14着に終わった。
帰国
フランス遠征を終えて帰国後、クロノジェネシス同様有馬記念を目標とした。
有馬記念2021
主戦の和田騎手曰く「馬が神々しいくらい良くなっていた」と評され、5番人気で挑んだ有馬記念。
レース序盤から中段の5~6番手に着け、最終直線残り200mでエフフォーリアに続くように前に出る。そして後ろから来るクロノジェネシスの追撃を退け、エフフォーリアから3/4馬身差の2着でゴールイン。
G1初制覇とはならなかったが、人気以上の好走を見せた。
5歳時
年始から2月後半まで放牧を挟み、春は阪神大賞典から天皇賞(春)、宝塚記念に向かう予定。かつての春の古馬王道ローテーションを走り、悲願のG1奪取へ向かう。
阪神大賞典2022
そして迎えた阪神大賞典。ディープボンドは7枠11番で単勝オッズ1.2倍。ダントツの1番人気に推された。
鞍上は前走と同じ和田竜二。
ゲートが開くと、キングオブドラゴンが逃げてペースを作り、レースを引っ張る形になった。
ディープボンドは先頭集団を前に見ながら中段付近に構え、3,4コーナーで和田竜二のゴーサインが出ると同時に大外に持ち出してスパートをかける。
2着のアイアンバローズに3/4馬身差をつけて勝利し、連覇達成。天皇賞(春)への切符を掴んだ。
天皇賞(春)2022
迎えた天皇賞(春)では大外8枠18番という枠順となったが、唯一のGⅠ馬であるタイトルホルダーを抑え単勝2.1倍の1番人気。2強とされていたタイトルホルダーも同じ8枠の16番であった。
レースではスタート直後にいきなりシルヴァーソニックが川田将雅騎手を落馬させ、道中先行勢の前に着ける2、3番手でカラ馬が走った事によりタイトルホルダーの単逃げが発生。ディープボンドは4、5番手でレースを進める事に。最後の3コーナー辺りでムチを入れスパートをかけ始める和田だが、今日のボンドはあまりにも反応が悪く…直線に入って3番手、先頭タイトルホルダーとの差は埋める事が出来ず、残り100mでテーオーロイヤルを抜くのがやっとの2着。1着タイトルホルダーとは7馬身も差を付けられ、完敗だった。
これで平地GⅠの1番人気は6連敗となり、グレード制導入以降では単独ワースト記録に。
昨年の天皇賞(春)から国内GⅠは3戦連続2着という苦しい成績が続く結果となった。
宝塚記念2022
ファン投票ではGⅠ未勝利ながら8位となり、優先出走権が与えられた。
主戦の和田は「もう2着はいらない」と勝ちに行く事を宣言。7枠15番に入り、打倒タイトルホルダーを誓った。
ゲートが開き、宝塚記念のスタート。タイトルホルダーをマークするためいきなり追って先頭のパンサラッサ、2番手のタイトルホルダー、3番手のアフリカンゴールドに並ぶ4番手で追走する。
そのまま3コーナーまでその状態が続き、いつも通りここでスパートをかける。しかしタイトルホルダーとの差は詰まらず、直線で少し外に出た所で内からヒシイグアスにかわされる。それでも3番手で粘っていたが、ゴール板直前でデアリングタクトに差されハナ差の4着。
人馬共に全力で勝ちを目指した競馬だったが、ここでも結果は振るわずといった形になった。
凱旋門賞2022
今年はフォワ賞を使わず凱旋門賞へ直行。また鞍上を主戦の和田から‘22年度のリーディングジョッキーである川田将雅騎手に変更し、欧州特有の騎手の契約の都合に振り回されてしまった昨年の反省を活かす形で挑むことに。
前年同様大雨が降りしきり馬場発表はTres Souple(日本式では重)。
内枠を活かした五分のスタートからタイトルホルダー、ブルーム、シリウェイを見る4番手追走。しかし道中から手応えが悪く、直線後退して20頭立て18着に終わった。
鞍上の川田将雅騎手は馬場への適性を敗因に挙げた。
有馬記念2022
昨年と同じく有馬記念に出走。鞍上は凱旋門賞に引き続き川田将雅騎手が務めた。
有馬記念の公開枠順抽選において、川田将雅騎手がディープボンドにちなんで「D」のカプセルを指定したが、開封役の藤沢和雄元調教師が誤って「G」のカプセルを開封しようとしてしまった。改めて「D」のカプセルを開封すると、ピンクの四角形に囲まれた「16」という数字が現れた。有馬記念では圧倒的に不利とされる大外枠に対し川田騎手は「そのまま違うのを引いてもらった方がよかったかもしれないですね」と苦笑した。
更には寒波の影響で栗東から中山への輸送で足止めを食らうなど、レースが始まる前から不安要素が重なった。
そして本番、好スタートから押して好位に付けようとするが、ひとつ内15番のブレークアップがブロックしてきたことにより序盤で外々を回らされることになる。その後も内に入れることができないまま向こう正面から3コーナー入り口付近で仕掛けてタイトルホルダーを捕えにかかる。直線入り口タイトルホルダーに並んだその瞬間、圧倒的な手応えでイクイノックスに交わされると後続各馬が次々と末脚を伸ばす中伸び脚を欠いて8着と敗れた。
敗因について川田騎手は「輸送のトラブルの影響もあり、パドックから普段の歩きではありませんでした。返し馬、競馬でもそういう走りになってしまいました」とした。
来年も現役を継続し、天皇賞(春)への参戦を予定している。
6歳時
翌年はゴールドシップ以来の3連覇を狙う阪神大賞典から始動。前年の菊花賞と有馬記念で好走した新星の4歳勢との2度目の対決でもあり、鞍上も昨年6月末の宝塚記念以来に和田竜二騎手とコンビ再結成で挑む事となった。
阪神大賞典2023
レース前日に厩務員の賃金引き上げを目的としたストライキが決行される等の暗雲が立ち込めかけたものの、当日は普段通りの形態で競馬が開催されることに。
大外13番ゲートから果敢に先行し、アフリカンゴールドに続く2番手の絶好ポジションで最終直線を迎えたものの、その後は決め手を欠いて5着という結果に終わる。
鞍上は敗因を「この馬には余りにも展開が向かなかった」とし、スローペースからの切れ味勝負になった事を嘆いた。
天皇賞(春)2023
そして悲願のGⅠ制覇へ、3年連続の参戦となる天皇賞(春)に向かう。近走の不振からか人気を大きく落とし、単勝22.5倍の5番人気に甘んじる。
好スタートを決め、あまり押さずに馬のリズムで進める。大外から無理やりハナを奪ったアフリカンゴールドが飛ばし、1000m通過が59.7というオーバーペースになった展開を中団で追走。1,2コーナー中間でじわっと位置を上げ、向こう正面で先団に付けると、3コーナーでは馬なりで先頭へと並びかけ、直線入口には馬なりのまま先頭に立つ。満を持して追い出されたが、すぐ後ろをぴったり追走してきたジャスティンパレスに交わされ、3年連続の2着という悔しい結果に終わった。
平地の同一GⅠ3年連続2着は2011-2013年JCダートのワンダーアキュート、2017-2019年エリザベス女王杯のクロコスミアに続く史上3頭目。2着本賞金8800万円+付加賞金108万円の加算で獲得賞金は6億4591万3800円にのぼり、キョウトシチーを抜いてGⅠ未勝利馬として史上最多獲得賞金となった。
宝塚記念2023
ファン投票では6位となり昨年同様GⅠ未勝利馬の最高順位に。枠番も2003、2013と勝ち馬を輩出した10番となり、大本命イクイノックスの対抗として5番人気となった。
レースでは先行馬が多かった事もあり中団につける競馬を選択。前が中々開かない中迎えた直線では外から来る差し馬達を捉えきれず5着。
しかし逃げ先行勢が軒並み下位へ沈んだ中崩れる事なく掲示板を確保し、意地を見せた競馬となった。
京都大賞典2023
秋の始動戦は京都大賞典。前年の覇者にしてジャパンカップ勝ち馬でもあるヴェラアズール、前走札幌日経OPで6馬身差の圧勝を披露したブローザホーン、目黒記念で重賞初勝利を飾り好調のヒートオンビートなど好メンバーが揃い、それら強豪を抑え単勝4.0倍の1番人気となる。前日から朝にかけての強い雨と当日の断続的な小雨により馬場発表は重。
スタートは五分に切ったものの、挟まれる格好になり位置取りは後ろの方になる。向こう正面から軽く手が動き、3角から本格的に追い出し、直線後方4,5番手の大外から脚を伸ばす。じわじわと差を詰めるが、前を行くプラダリアとボッケリーニに届かずの3着に敗れた。なお、鞍上和田竜二は直線で内に斜行しビッグリボンとヒートオンビートの進路に影響を与えたことについて戒告を受けている。
香港ヴァーズにも登録しており選出・招待を受けたが、辞退し秋2戦目はジャパンカップに出走したが10着と惨敗。
2023年の締めとして自身三度目の有馬記念に登録…するも、まさかの鞍上がトム・マーカンドに乗り替わり。
レース本番ではなんと中団後方につけるという立ち回りをしたが、元々のズブさが足を引っ張りブービー15着の大敗。
7歳時
さすがに衰えが懸念されかねない7歳初戦は岩田望来騎手を鞍上に阪神大賞典。ここでは先行策に戻して挑むも後輩達に交わされ7着。
次走は4度目の天皇賞(春)。幸英明騎手を鞍上に迎え、さらにナリタブライアンやナリタタイシンもこなしたという調教を課し、本番ではドゥレッツァをマークするように進め、最後は前走同様テーオーロイヤルに差され、ブローザホーンにも交わされ3着。勝利どころか4年連続2着すら逃すも、4年連続で同一G1馬券圏内という「まだ戦える」と言わんばかりの健闘を見せた。
次の舞台は京都での宝塚記念。
本番は案の定押しに押して中団に位置取り、上り坂で一時下がるも下り坂で加速。しかしかなりの重馬場であったことに加えレース中ピンポイントで振ってきた雨で馬場状態は悪化。さすがに大きくストライドをとるディープボンドには厳しかったか7着。
宝塚記念後休養に入り、秋初戦は昨年と同じく京都大賞典。スタートから4,5番手に付け、向こう正面で少しずつ位置を押し上げて600m付近で先頭に立ったバビットのすぐ後ろに付けて追い出す。じわじわと差を詰め、100mを切ったあたりで先頭に立つが、外からやってきたシュヴァリエローズに僅かに交わされ、アタマ差の2着に敗れた。実に惜しい。
次走は昨年同様ジャパンカップ…の予定だったが、騎乗スケジュールの都合で幸騎手が乗れないという事態に。結果、ジャパンカップは回避し有馬記念に向かうことになった。
同一重賞3年連続惜敗の仲間達
・ワンダーアキュート……GⅠ「ジャパンカップダート」で同一GⅠ3年連続2着(2011-2013年)
※2011-12は和田竜二騎乗
・クロコスミア……GⅠ「エリザベス女王杯」で同一GⅠ3年連続2着(2017-2019年)
※2017年は和田竜二騎乗
・ナイスネイチャ……GⅠ「有馬記念」で同一GⅠ3年連続3着(1991~1993年)
・ナリタトップロード……GⅠ「天皇賞(春)」で同一GⅠ3年連続3着(2000-2002年)
・ヤマニンフォックス……GⅢ「愛知杯」で同一重賞3年連続2着(1993-1995年)
・ロサード……GⅢ「北九州記念」で同一重賞3年連続2着(2000-2002年)
・ゴーカイ……J・GⅠ「中山大障害」で同一重賞3年連続2着(1999-2001年)
・オメガパフューム……JpnⅠ「JBCクラシック」で同一重賞3年連続2着(2018-2020年)
※なお2021年も2着で4年連続
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