ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

シルヴァーソニック

しるゔぁーそにっく

2016年生まれの日本の競走馬(メイン画像右の芦毛馬)。オルフェーヴル産駒。天皇賞(春)2022でカラ馬騒動を引き起こした。主な勝ち鞍は2022年のステイヤーズステークス(GII)、2023年のレッドシーターフハンデキャップ(GⅢ)。 2024年8歳にて引退。乗馬になる予定。
目次 [非表示]

データ編集

生年月日2016年3月22日
英字表記Silver Sonic
性別
毛色芦毛
オルフェーヴル
エアトゥーレ
母父トニービン
生産社台ファーム(北海道千歳市
馬主有限会社 社台レースホース
調教師池江泰寿栗東
調教助手池本啓汰

2016年3月22日生まれの芦毛牡馬19世代)。父オルフェーヴル、母エアトゥーレ、母父トニービンという血統の持ち主。

馬名は英語「音速の銀」の意味。恐らく芦毛の馬体と父の名(フランス語で「細工師」)から連想したものと思われるが、公式にはその由来は明かされていない。

担当する池本啓汰調教助手からは「シルヴィー」の愛称で呼ばれている。


後述する通りGIレースでの騒動で一躍ネタ的に有名となった彼だが、父・オルフェーヴルは気性難持ちではある一方、クラシック三冠を含むGI6勝・凱旋門賞2年連続2着などの優れた実績を残し、日本競馬史上最強馬の一頭に挙げられる優駿。種牡馬としては結構当たり外れが大きい実績を残しているが、ラッキーライラックエポカドーロマルシュロレーヌウシュバテソーロなど芝・ダート双方でGIホースを輩出している。

母・エアトゥーレは自身も阪神牝馬Sを勝った重賞馬で、シルヴァーソニックの兄・姉としてアルティマトゥーレ(2004年生、父フジキセキセントウルSなど重賞2勝)、キャプテントゥーレ(2005年生、父アグネスタキオン皐月賞など重賞4勝)、クランモンタナ(2009年生、父ディープインパクト小倉記念)と3頭の重賞馬を産んでいる。

また、母父・トニービンは1988年凱旋門賞優勝馬で、日本で種牡馬入り後はウイニングチケットエアグルーヴなど数々のGI馬を輩出した大種牡馬。祖母・スキーパラダイスはフランスのマイルGIムーラン・ド・ロンシャン賞を制し、日本でも京王杯SCに勝利した。

このように正真正銘、良血良績の血統を持つ馬なのである。


全弟にナムアミダブツ20世代)という名の珍名馬がいる。


競走馬時代編集

デビュー-6歳編集

父と同じ栗東の名門・池江泰寿厩舎に入厩。3歳となった2019年1月20日の新馬戦(京都・芝1600m)でデビュー。しかし、「音速の」にこだわってしまったのか、新馬戦から3戦連続で2着。4戦目で初勝利を挙げるとその後連勝し、一気に準オープンまで上り詰める。陣営は2勝クラスの頃からステイヤー気質と見て、ほぼ2200m以上の長い距離を使っている。

しかしここから1年半に渡り勝ちきれないレースが続き、8戦かけてようやくジューンステークス(3勝クラス)を勝利しOP入りを果たす。重賞初挑戦となったステイヤーズステークス(GII、中山・芝3600m)では内田博幸騎手を背に5番人気で出走、勝ち馬ディバインフォースに1.1/2馬身差の3着と健闘し5歳シーズンを終える。


迎えた6歳シーズンは、鞍上に川田将雅騎手を迎え万葉ステークス(OP)、阪神大賞典(GII)をともに3着。この結果を受けた陣営はGI挑戦を決め、天皇賞(春)へ向かうことに。


…そして彼は大舞台でとんでもない事をしでかす事になる。


6歳(2022年)編集

天皇賞(春)2022編集

2022年5月1日、天皇賞(春)。シルヴァーソニックは8枠17番、単勝35.8倍の8番人気だった。


このレース、彼はなんとスタート直後に大きく躓き、いきなり鞍上の川田騎手を落馬させてしまう。

ということで、シルヴァーソニックはレース早々にカラ馬となり競走中止扱いになってしまった。


…だが、彼は猛然と走り続けた。彼は騎手がいないにもかかわらず、まるで騎手が乗っているかのように、コーナーでインに潜り込み、逃げる菊花賞タイトルホルダーの真後ろという位置取りで彼を追い続けたのである。


競馬場内が騒然とする中、それでもタイトルホルダーはシルヴァーソニックを突き放しゴールを決めた。シルヴァーソニックが2番目に入線していたが、カラ馬であるため当然失格。タイトルホルダーと2位のディープボンドとの着差は7馬身差だった。


  • 天皇賞(春)2022のタイトルホルダーの圧勝劇は「カラ馬」シルヴァーソニックの影響が少なくないと指摘する記事もある。Twitter等SNSでは騎手がいないにもかかわらずタイトルホルダーを追走し2着入線はすごい、と評する者も少なからずいたが、実際のところ「斤量1キロにつき1馬身」とも言われる負担重量(天皇賞春は定量戦で58キロ)が1頭だけ0キロとなれば至極当たり前の結果ではある。(人間が100m走で周りの選手は皆7〜8キロの重りを背負って走っているのに、1人だけ何も背負わず走っているようなもの、と考えればどれだけ有利かは想像に難く無い)とはいえカラ馬は騎手の制御がない以上、突然斜行したり、コーナーで外に逸走したり、興奮してラチに衝突したりといったことがいつ発生するかわからない。結果、後続の騎手はシルヴァーソニックが不規則な動きをしないか警戒しつつタイトルホルダーを追わざるを得なかった。どんなアクシデントが起こるかわからないのも競馬というギャンブルの怖いところである。


そしてゴール後、タイトルホルダーの横を取り過ぎて外ラチに向かって走っていったシルヴァーソニックは、そのまま外ラチを跳び越えようとして失敗、向こう側に転倒した。

ちなみにタイトルホルダーの鞍上だった横山和生騎手はこの直前にガッツポーズを決めたり歓喜の叫びを挙げたりしていたが、横を通り過ぎるシルヴァーソニックを見て初めてカラ馬となっていることに気付いたという。


同父同期のメロディーレーン(ちなみにタイトルホルダーの半姉でもある)が心配そうに見守る中、暫くジタバタした後、横になって動かなくなったシルヴァーソニックに競馬場スタッフが駆け寄っていったが、ほどなく彼は自力で立ち上がった。跳び越しに失敗しふて寝していた、とも言われているが定かではない。

阪神競馬場で外ラチに向かって逸走…どこかで聞いたような話である。血は争えないのか…。


幸い負傷は擦り傷だけで済み、トレセンでの獣医の触診でも異常なしと診断されシルヴァーソニックは翌日には元気に運動していた。落馬した川田騎手も怪我はなく(それどころか翌週のNHKマイルカップダノンスコーピオンで制するという鉄人ぶりを見せた)、人馬とも無事であった。


…こうして、シルヴァーソニックが大波乱を引き起こした2022年天皇賞(春)は無事(?)終わったのである。


休養へ編集

シルヴァーソニックは5月25日に栗東・CWコースでホープインザダーク(3歳未勝利)との併せ馬を行い、6ハロン83秒0-11秒3の好時計で首差先着する追い切りを消化したが、その後、午後になって歩様のスムーズさを欠いていたことから検査を実施。

春天の時の物かは不明だが、脚に異常が見つかり、次走に出走を表明していた5月29日の目黒記念の出走を回避、後の検査で左前脚副管骨に骨膜が見つかり、全治3か月以上という長期の休養を余儀なくされた。


ステイヤーズステークス2022編集

休養後、当初は復帰戦にアルゼンチン共和国杯(11月6日、東京・芝2500m)を予定していたがあえなく抽選除外となってしまい、変わってステイヤーズステークス(12月3日、中山・芝3600m)に向かうと発表された。

そのステイヤーズステークスにはメロディーレーンも出走を表明し、奇しくもあの時の2頭が再び出走することとなった。新星のディアスティマを除く上位人気は昨年の実績馬であり、昨年3着のシルヴァーソニックは3番人気に推された。


短期免許で来日したオーストラリアの名手ダミアン・レーン騎手を新たな鞍上へ迎えて挑んだレースでは、好位から直線で脚を伸ばし先頭に立つと、プリュムドールの猛追も退けて1着でゴールイン。春天の汚名を返上するとともに、1年半ぶりの祝杯を重賞初制覇で飾った


7歳(2023年)編集

レッドシーターフハンデキャップ2023編集

明けて2023年、7歳となったシルヴァーソニックは初の海外遠征を敢行サウジアラビアの首都・リアドのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われるサウジカップデーの重賞競走の一つ・「レッドシーターフハンデキャップ(GⅢ・芝3000m)」に出走することとなった。


そして迎えた2月25日の本番。シルヴァーソニックは56.5kgという軽ハンデもあり、海外のブックメーカー各社からは1番人気に推されていた。

ステイヤーズSと同じく鞍上にレーン騎手を迎えてレースに臨むと、道中は内側で好位を確保して逃げ馬を追走。最終直線でレーン騎手の仕掛けに反応して抜け出すと後続を突き放し、イギリスのエネミーに2馬身半差を付けてゴールイン。海外遠征初戦で重賞2勝目を挙げると共に、昨年のステイフーリッシュに続く日本馬による同レース2連覇、祖父ステイゴールド・父オルフェーヴルに続く親子3代海外重賞制覇を成し遂げた。

父も担当した池江調教師は「異国の地に来て、オルフェーヴルの血で勝てたのは非常にうれしい」と胸を張っていた。


次走は池江調教師によると「天皇賞(春)かドバイゴールドカップ(GⅡ、ドバイ・メイダン競馬場芝3200m)の2択」とのことだったが、ドバイへ転戦せずに天皇賞(春)を目指すこととなり、去年のリベンジを狙うこととなった。

また、「ヨーロッパで走らせるという選択はあるか?」という問いに対しては「ダミアン、オーストラリア人なのでね。オーストラリアにすごく良いレースがあるって言ってますから」と、レーン騎手からオーストラリア遠征を提案されたことを示唆するコメントを残している。ステイヤーとしてのシルヴァーソニックを見るに、恐らくこのレースへの遠征を提案されたのだろう。


天皇賞(春)2023(第167回天皇賞編集

天皇賞(春)2023では昨年のリベンジを狙い末脚を見せるも前2頭には届かず惜しくも3着と言う結果だった。

優勝馬ジャスティンパレス、2着ディープボンド

1番人気タイトルホルダーは右前肢に跛行を起こして2周目の下りで失速、アフリカンゴールドは心房細動を起こして2頭が競走中止になる波乱の結末となった。



2023年5月12日、netkeiba.comにてシルヴァーソニックは休養のため放牧に出されたと公表されている。

またこの間にレーン騎手がシルヴァーソニックの元を訪れ、メルボルンカップへの出走を熱望しているとの情報があり、それに答えてか次走予定が2023年11月7日メルボルンカップと発表されていた時期もあった。

しかし、遠征に伴う様々なリスクを考慮されてメルボルンカップ参戦を断念。年明けの復帰を目処に調整される。

参照記事・東スポ競馬(2023/11/13)


8歳(2024年)編集

2024年3月17日、武豊を背に阪神大賞典に出走するも、馬群に飲まれてしまい見せ場なく11着となる。

2024年4月28日、ミルコ・デムーロを背に天皇賞(春)に出走するも4コーナー付近でぎこちなくなったのか、16着となった。

その後5月25日に精密検査をしたところ、重度の繋靱帯炎を発症していることが判明。今後は社台ファームにて乗馬となる模様。


ぬいぐるみ化編集

「SK JAPAN サラブレッドコレクション マスコットボールチェーン17」にてぬいぐるみ化している。

SK JAPAN サラブレッドコレクション マスコットボールチェーン17


関連記事編集

競走馬 19世代


タイトルホルダー(競走馬):2022年天皇賞(春)で対戦した相手。


ポルトフィーノ2008年の第33回エリザベス女王杯で、スタート直後に武豊騎手を落として競走中止になったが、そのまま走り続けて1着で入線するも当然失格。実際の勝馬はリトルアマポーラ


外部リンク編集

シルヴァーソニック(ニコニコ大百科)

関連記事

親記事

19世代 じゅうきゅうせだい

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 54397

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました